2025/11/10 Mon
これぞ旅の夜

風.温度:15 ℃,湿度:68%,体感温度:10 ℃,風速:24.8 km/時,風向:WNW
Day2はこちら ⇒ BROMPTONな四国一周ライド Day2:四国中央~東かがわ
ここは「AZ HOTEL 東かがわ店」.
もちろん朝食はバイキング形式だ.
昨今,生卵を提供する宿は少ないのでは?

今日の天気は晴れ予報.
現時点での最強ビジホ「AZ」は100円ショップも併設.
小分け洗剤が切れたので購入しておく.
町の薬局ではあまり売ってなかったりする.

ホテルを出てしばらくはJR高徳線に沿って走る.
小さいが個性的な駅舎が続く.
そして列車を一人待つ女子学生のシルエットなど,画になる風景が次々に現れる(アニメ好きのガイジンに受けそう).
この旅ではJRやローカル線の脇を走ることが多かったが,とんでもない場所を走る列車や個性的な駅舎が印象的.
ちょうど今朝のニュースで放送していたが,JR四国の8割くらいは赤字路線だそうな.JR北海道といい勝負かそれ以上.
ある時は山肌を縫うように,ある時は海岸沿いの絶壁を走る列車.
そんな風景はじきに見られなくなるかもしれん.

台湾一周の経験から幹線道路を外れた路地には,風情あふれる場所を見つけることが多い.今回も試してみた.
廃業した古い旅館を発見.味わい深い.

香川を抜けて徳島に突入.
早くも3県目.

徳島に入り,多少路肩が広くなったような気がする.
どことなくトロピカル感が増す.



北海道に比べると,四国のコンビニ数は圧倒的に少ない(たぶん).
社会インフラたるセイコマの有無の違いかもしれんけど.
そんなわけで,補給のために幹線道路沿いのデイリーヤマザキ...ではなくヤマザキショップにピットイン.

コンビニと勘違い.実際は果物や野菜などの生鮮食品販売店だった.
トイレを借りたので,何か買うのが礼儀と「のど飴」を購入.
道はますます広くなり,高速道路への分岐まで現れた.
その標識に「神戸」の文字が.
そう,鳴門大橋への道だった.
大阪出身のKazchariは実家が近い.めったに帰らへんけど.
徳島,鳴門海峡と言えば「うず潮」.
余裕があれば見学するのだが,昨日から交通量の多い道を走り続けているため,早く空いている道に抜けたい思いが強い.
要はココロの余裕なし.ひたすら南下を続ける.
渋滞をかいくぐり,国道11号沿いにある「とくとく市場」で小休止.

風が強くなってきた.
ありがたいことに追い風.
やはり四国一周は時計回りが正解なのか.
吉野川を渡る.
暑くもなく寒くもなく良い天気だ.
11月がベストシーズンというのはあながち間違いではない.

徳島県庁を通過.
この後,しばらく徳島の中心街を走ることになるのだが,北海道(旭川?)では見かけないホームレスの姿を数人目にした.
温暖な気候ゆえか,たまたまなのか.

ローソン・ストップ後,国道55号をひたすら進む.
交通量が多く,かつ路肩が狭い.
安全に懸念が生じたため,歩道走行が主となる.
イヤホンの学生や,買い物ママチャリの高齢者を次々とパスしていくBRO.
何度目かの信号で,ナイスミドルなじーさんのクロスバイクと並ぶ.
青信号ダッシュで当然Kazchari先行.
例によってハイケイデンスで,じーさんを引きちぎる!
どうだ! このBROの性能にはかなうまい!
...バ,バカなっ,この加速についてくるだと!?
このじーさん,只者ではない.
もしや,その正体はガチ勢ローディか.
その後,数Kmの間「Kazchari vs じーさん」の意味不明バトルが繰り広げられた.
やがて,右折して姿を消すおっさん.
ふぅ...今日はこれくらいにしといたるわ(ヒマなのか).

徳島の道駅第1号「公方の郷なかがわ」着.
阿波踊り全面推し.

もちろん一周認定スタンプをゲット.
公式ルートにおける徳島の道の駅は3ヵ所しかない.
認定には2カ所のスタンプで良いとなっている.
これはこれで恐ろしい.
1ヵ所分しか余裕がないため,旅程の都合で営業時間外や休館日に訪れた場合,認定要件を満たすことができなくなる.
それを見越してか,この道の駅ではスタンプを押した別紙を入口ドアに設置している.なんたる親切さ.


ここまで走行してきて気になったのが「Ride On Bag」のガタツキ.
マウント側のボルトで十分な固定ができず,段差の度に飛び跳ねてしまう.
結果,(GoPro式)マウントの基部が削れてどんどん締め付けが緩くなってしまった.不安定この上ない.
このままだと何かの拍子で,固定が外れて落下してもおかしくない.
これには何らかの応急処置が必要.
そこで目に入ったのが100円ショップ「セリア」の看板.
さすが日本,何でもあるぜ!
で,買ったのが自転車の荷台用フック付きゴムバンドX2.

下の写真のように「Ride On Bag」をハンドルに固定.
地面が荒れていても飛び跳ねないようにした.
これで一安心.
だが,このゴムバンドが真価を発揮するのは,別の用途だったりする.
ここで買っててよかった...

しばらく進むと,まるでラピュタの建造物のような廃墟...のような喫茶店?
これでも営業中っぽい.

JR牟岐線「阿波福井駅」着.
ここも味わい深い.

別に”鉄っちゃん”ではないのだが,まるで軽便鉄道の様な四国の列車および駅のたたずまいには魅力を感じる.

少し寄り道.
これぞ四国!な酷道.
雰囲気抜群なので,バシバシ写真を撮っていたら,突如前から現れる軽トラ.
どの道もどこかにつながっている.ゆえに保全されている.

柿が旬.
ほとんどが渋柿なのだろうか?
民家の軒先では干し柿をよく見る.

柿の木同様,よく見かけるようになったのが,お遍路さん用の休憩所.
バス停を兼ねたモノもあるが,ここは専用のようだ.
奥には毛布まである.
しかしまぁ,ここまで3日チャリで走ってきて思うのだが,歩き遍路での八十八カ所走破ってマジですげぇな.40日以上かかるらしいけど.
幹線道路を外れて寺まで(登りで)7kmとかいう表示も普通にあるし.
先程書いたようにコンビニの数もさほど多くない.
暗くなったら,先ほどの様な場所で野営か...うん? 何か興味が湧いてきたぞ(やめなさい).

トンネルが連続する.
歩道がなければ車道.結構恐怖.
リアライトは常に点滅状態.
徳島の一周道路は緑のマーキングがされている.愛媛は青だった.

山が深い.

突如現れる不動明王を祀る神社.
手水舎がある.
確か作法があったはず...忘れた.
教えてGemini先生!
1)左手を洗う:右手で柄杓を持ち、水を汲んで左手を洗います。
2)右手を洗う:柄杓を左手に持ち替え、今度は右手で水を汲んで右手を洗います。
3)口をすすぐ:柄杓を右手に持ち替え、左手に受けた水を口に含んで、左手で口元を隠しながら吐き出します。
4)左手を洗う:再び左手を清めます。
5)柄杓を清める:最後に、柄杓の柄に水を流して柄を清めます。
すいません.守りませんでした.だから一時的に幸運が逃げたのか...
四国を旅すると人は信心深くなる.

なかなか大きい町にたどり着かない.
いいかげん腹が減って来た.
カーブを曲がった先に見えたのが,この巨大は船(を模した食堂).

一応,のぼりも「営業中」の看板もある.
ただし,ドアを開けて入り「すいませーん」と声かけするも返事なし.
もしかして休業?と判断する頃,女将さんらしき方が登場.
「やってますか?」
「やってます」
のやり取り.
ところが客席がどこにも見当たらない.
なぜか閉まっている引き戸を開けると先客の姿があった.
なんだ? このシークレット感.
メニューを見る.
船の形状通り,海鮮系が主体.
刺身定食で¥2,000~と結構なお値段.
そんな中に目立つのが「ネギトロ丼」¥1,000.
てっきり小ぶりの丼だろうと思いきや,出て来たのが...

これはこれはで大満足の逸品.
やっぱ腹が空いたからと,手軽にコンビニに入るのはいかんね,と反省する.

ごちそうさまでした.
旅を続けませう.
玄関に駐輪したBROには一応ワイヤーロック.
盗む人,いるのだろうか?
つーことで第23番霊場「薬王寺」着.
どこまで登るのだ?
何気に温泉施設併設なのが渋い.

道の駅「日和佐」着.
もちろん一周認定スタンプゲット.
これで徳島分をクリア!

この周辺も平成の大合併で「美波町」に変わった.
やはり「日和佐」の方が馴染深い.
ちょっと冒険して,自販機で高級ペットボトルコーヒーを購入.

何が違うのかさっぱりわからん(自分で挽け).

さぁ,後は今日の宿に向かうだけ.
コース上,メジャーなビジホが存在しないエリアである.
実質,リゾートホテルか民宿の2択.
検討に検討を重ね,昨夜のうちに旧:海部町にある民宿を予約した.
国道を走っていると,公式ルートを入れたナビが左折を指示.
うん? そっち?
珍しい,木製のガードレール.

「南阿波サンライン」とやらに案内された.
まぁ,時間もあるし行ってみますか(が,運の尽き).

ここがまぁ,登る登る.
クライマー的には歓喜の坂だが,一日の終わりにこの大荷物で登るのはなかなかキツイ.
後で確認すると「健脚向きのコースです」との記載あり.
まぁ,それでもゾンビ走法を続けていると現れたのが...

おお,これってチョボチナイの凌雲橋にそっくりではないか!
そして振り向けば絶景.
大変だったが,登ってきてよかった.

全長17.1km.
まるで有料道路のように整備されている.
途中,展望台が4か所もあり,立ち寄ってみる.

これは素晴らしい.
中には誰が描いたのかは知らんが,地面アートあり.映えますな.

海岸沿いなのに海沿いを走らない.
ずっと尾根のアップダウン.
こりゃ健脚もとい豪脚向きだわ.

通行無料.
ただし,午後8時から翌朝5時まで125ccを超える自動二輪は通行禁止らしい.
確かに.さっきからハングオン・レプリカが爆音上げて往復している.
そういう場所なのだろう.
ここで事故ったら病院まで何時間?

ここで夏場の北海道でいつもお世話にるHIGUMAサイクルのPotaさんとようやく連絡が取れた.
富士グラベルのイベントを終え,自宅のあるしまなみ海道の生口島に戻ってきたとのこと.
おっ,このペースで走れば予定日数より早めに松山に戻れる.
生口島を訪れる余裕があるかもしれん...「行けたら行く」と伝える(関西人が言うと...)

何か所目かの展望台.
下の写真を撮る際,突風が吹いてBROが倒れてしまった.
前部の巨大バッグが先に地面に着くので,大したダメージはないと思っていたのだが...

サンラインを終え,牟岐の町まで降りる.
遠回りになったけど,思い出に残る良い道だった.
ひたすら宿を目指す.
目的地手前の「阿波海南駅」にて.
田舎の宿プラス夕食が付かないので,周辺施設の把握が大事なのだ.

家の壁や橋の欄干にチラっとお遍路情報が貼ってあったりする.
RPGの様で面白い.でも「51km」って...ガクブル

今日の終着点.「ホテルかいふ」着.
ホテルと名乗ってはいるが,昔ながらの民宿ですな.
お遍路さん向きとも言える.
お若いご主人に部屋に案内され,設備の説明を受ける.
お風呂もすぐに沸かしてくれるとのこと.ありがたい.

二段ベッドだが,ドミではなく1人部屋.
トイレと洗面台はある.!
もちろんBRO持ち込み可.折りたたみサイコー!


廊下にはコミック棚とフリードリンク...と言いたいところだがお茶しかなかった.
入浴&洗濯開始.
たまたま玄関でご主人に再会したので,周辺に食べるところはないかと尋ねる.
「少し歩けばお好み焼き屋がー」「隣にはスーパーがー」と色々教えてもらっていると,そこへ割って入ったのがアイシャドーキメキメのお母君(?).
「晩御飯,ポークチャップで良ければ出せるよ~」
これはありがたいお申し出.
今さら外を出歩きたくないので即決.
2000円と聞いて少し躊躇したけど.
「18時に併設のバーへ来て」
了解しました.
で,時間通りにバーへ行くと,出されたのが...

いやいやいや,これは素晴らしい.
「ポークチャップ」どころか,「水炊き」まで付いている.
ごはんのおかわりも自由.
そして,当然...美味い.
他にも3人ほどお客さんがいたが,その方々がはけた後,お母君とご主人,それに近所の別宿の女将と3人で談笑.
やはり話題の中心はBROMPTON.
「あんな小さい自転車で1日何km走んの?」
「120kmほどですね」
「...それって何日かかる...あれ?」
などなどの一般人の思考をバグらせるチャリ・ジャンキー話,これまでの旅の話,北海道あるある話,あげくは子育て論まで盛り上がる盛り上がる.
うん,久しぶりに楽しい時間を過ごせた.
孤独が基本だからこそ,たまの団らんの価値が爆上がりする.
食事も最高,おもてなしも最高.
これだから旅はやめられない.
気が付くと21時を回っていた.
こりゃマズイ.明日も140kmほど走るのだ.
名残惜しいがお暇する.
明日の朝は早い.
おそらく,この方々には会えない.
自室にて明日の目的地である高知市内の宿を検索.
大都会である.メジャーどころのビジホがどこか空いているだろう...と気楽に考えていた時期がKazchariにもありました.
ところが,最初に出てきた価格の表示を見て吹いた.
よ,¥40,000だと!?
他のホテルも軒並み高騰,もしくは郊外の旅館に案内される.
要は市内のホテルが満室状態なのだ.
かろうじて見つけたゲストハウスですらドミで¥6,000近くする.
何故だ?
大物アーチストのライブでもあるのか?
どうなる,明日の高知!?
Day4へ続く.

