2026/7/4 Sat
油断大敵

その0はこちら ⇒ BRM704北海道400km長万部(その0)~前泊はスーパーリッチに
ここは今金町にあるホテル『クアプラザピリカ』209号室.
深夜0時過ぎ,寒さに目覚めた男がいた.
「寒ぅうう...やはりエアコンの24.5℃は冷えすぎか...」
暗闇の中,枕元に転がしていたリモコンに手を伸ばす.
寝ぼけた頭で「確か停止の位置は...この辺だっけ?」と手探りでボタンを押す.
エアコンの作動音が消えた気がした.
再度入眠する...が,30分ほどすると今度は”暑さ”で目が覚める.
寝間着代わりのTシャツも汗だく.
なぜだ?と灯りをつけてリモコンを確認.
なんと「暖房」のスイッチがオンになっていた.しかも,その設定温度は29℃! そら暑いわ!
再び「冷房」に切替て部屋を冷やす.サウナか?

と,夜中に一人茶番を繰り返しているうちに起床予定時間の4時になった.
寝たのか眠れたのか...400なので深夜走行必須.大丈夫か,Kazchari?
目覚まし代わりに温泉へ.
早朝なのに先客がいた.
ノーメガネだったので定かではないが(視力0.1以下),たぶんラナさんだったと思う.
10分ほど露天風呂につかり部屋に戻る.
昨日買っておいたセイコマの総菜パンと部屋に備え付きのドリップコーヒーで朝食.
よく考えれば,長万部までいけば24時間営業のセブンもあるし,そこで食えばよかったかも.

で,ジャージに着替えて5時過ぎに宿をチェックアウト.
フロントのおじさんから「今日,400kmも走るんでしょ? 信じられないねぇ~がんばってね」と励ましの声をいただく.
どうやら先に出発したランドヌールがたくさんいた模様.
なぜか宿の周囲の路面が濡れている.
夜降った? 日中は晴れのはずだが.
で,6時前に長万部公園着.
既に変...いや,猛者どもが集まっておる.

知人に挨拶.
小径車の人も5,6人ほどいた.
やっぱりBROで来れば...は,絶対ないな.
ブリーフィング後,車検の列に並ぶ.
「BROMPTON T-Line Ceratech」の人がいたので,「同じの持ってまーす」とお声掛け.
マイスターO西さんのお知り合い,つまりKazchariのことも少し知っておられた.
重要情報を2件ほど聞く.
1)セラコートは剥がれる ⇒ 保護シールで養生
2)T-LINEの軽量ホイールは割れる ⇒ サードパーティ製に交換
ぐぬぬ...特に後者はO西さんも3000ブルベの際に起きた事象.
Kazchariの「T」は大丈夫か? ブルベに使うつもりはないけど.
7時スタート.
一応目標は19時間.
夜中の2時に戻って来れれば御の字.
序盤は10人程度の集団に乗っかる.
ナビとして使っているのは,いつもの『Bryton Rider S500』.
優秀だが,電源を入れてスタートボタンを押してからデータ読み込みが100%になるまでやたら時間がかかる.
完了するまでルート上に進行方向を示す矢印が表示されないのだ.
まっ,この読み込みが終わるまでをアップ時間とし,集団の後ろでのんびり走る.
本日のマシンはブルベ用にカスタムした『Cannondale Topstone Carbon2 Lefty』.
当然だがBROと比べると圧倒的に快適.ペダル一漕ぎでこんなに進むとは...
するとすぐ後ろを走っていたT夫さんがスルスルと上がって来た.
こ,これはYouTubeでよく見る『T夫トレイン』の発車時間なのか?
乗っかる方がいいのか?
とりあえずナビの読み込みが終ってないので見送る.
そして路面状況がやや改善し,交通量が減ったところでペダルを踏む.
徐々に斜度も上がってきた.
なぜか今日はたった2両編成のT夫トレインをパスして黒松内を目指す.
以降,ゴールまで単独行となる.
そして最初の峠,月越峠が始まる.

例によってコースプロフィールのチェックが適当なKazchari.
距離,獲得標高,斜度など,全く知らないまま淡々と登る.
長ぇなここ.

時間に追われがちのブルベでは写真の枚数が減る.
ブロガーであることを思い出し,「写真を撮る」意識を明確にしなければダラダラと走り続けてしまう.
それでもまぁ,なんだかんだで...

36.0km地点【通過C1:島牧風力】
ここはフォトチェック.
「島牧ウインドファーム」というそうな.
確かに巨大な風力発電.ぐわんぐわんと回っている.
丘の上にあるとは言え回りすぎ,つまり,この後海岸沿いに降りると「風」に悩まされる予感...(大当たり)
そそくさと出発.
雪対策の覆道をダウンヒル.

貧弱リムブレーキのBROと違って,Topstoneのディスクブレーキは安定感がある.
すぐに国道229に接続.
ナビは右折を示す.
そう,ここからはいわゆる”盲腸”,PCまで往復するルートである.

北海道の日本海側らしく,アップダウンが続く.
風はやはり味方してくれず,向かい風気味.
天気が良いので坂の途中で撮影タイム.

左手に「弁慶岬灯台」が見えた.
ランドヌ札幌さんの600ブルベ名にも使われている.
走ったことはないが,なかなかの難コースとのこと.
今回はPCでも何でもありません.
確かこの辺りでPCから戻って来る参加者(2人組)とスイッチ.
めちゃくちゃ速い.後でリザルトを見ると16時間台でゴールされていた.300ブルベか?
寿都の町中に入るとすぐに...

57.1km地点【PC1:セイコーマート寿都矢追】
上の写真だとどこかわからん.
朝飯が少なかったのでかなり空腹(カロリー不足).
早くも「おにぎり」「赤コーラ」「エナジージェル」の私的ブルベセットを購入.
レシートをゲット.
同着の参加者と「風,強いっすねぇ~」と共感タイム.
のんびりしてはいられない.
追い風を期待して南下を始める.
後続の参加者と次々にスイッチ.
盲腸ルートは楽しい.
時間に追われている場合はプレッシャーか.
先ほどの道道との分岐を通過.
何か風向きが怪しい.
短時間の間に,追い風が向かい風に変わってしまった.
今日はこの変化が頻繁に起こる(地形のせい?).

これまたPCでも何でもない道の駅「よってけ!島牧」でトイレタイム.
昨年から道の駅のスタンプラリーを紙からデジタル(ネット)に移行した.
旭川周辺のスタンプ収集はガシガシはかどるが,道南方面にはめったに来ない.
で,これ幸いと押しまくるつもりだったのだが...この「島牧」の押印,すっかり忘れていた.
気付いたのは走りだした後.さすがに戻る根性はない.
チャリを降りたら押す!絶対!
しかしまぁ,この辺りの海岸線は交通量が極端に少ない.
それに風景も超単調.
カーブを曲がっても曲がっても同じような風景が続く.まさに迷宮.
それでもこの好天.
(まだ)退屈はしなかった.

最近舗装工事をしたばかりの,やたらキレイな路肩が現れた.
しばらくそちらを走行する.
「そういやしばらく写真撮ってねーや」ということで,美しい海岸線をバックに,チャリを正面から撮るべく反対車線へ向けてターン.
後方確認後,路肩から車道へ車線を変更...その時だった.イデが発動した.
歪む世界.
チャリとカラダがゆっくりと倒れていくのがわかる.
音が消える.
足をペダルから外し車体を支えようとするも,悲しいかなSPD.
少々滑りながら右膝が地面に接触.
さらに右手指の甲側,PIP関節辺りで倒れ行く車体を支える形になった.
ブルベ初落車である.
正に「身構えていなかったので死神が来た」瞬間である.
チャリを起こして海側,防波堤まで移動.
ダメージをチェックする.

こういう時,自分よりもチャリの損傷を先に確認(あるある).
右のバーテープが少し破れたぐらいでディレーラーなどの駆動系に問題なし.
大丈夫だ.お前はまだ走れる.
お次は自分のボディ.

見事に右膝に擦過傷.
レッグウォーマーが破れ血が滲んでいる.
布をめくってキズ口の確認は...見たくない.
アドレナリンの分泌が収りつつあるのか,ズキズキしだした.
まさか骨折はないよなぁ...折れてたらこんな痛みでは済まない(経験者).
水はある.確か絆創膏も持っていたはず.
だが可動部の傷である,ここで下手に処置しても絆創膏は剥がれてしまう.
このままウォーマーの残布でカバーしたままペダリングする方が快適・安全だろう(そうか?)
ここはスタートから約100km地点.残りの距離は300km.
ココロはまだ折れぬ.
※ その2へ続く.

