2023/12/8 Fri
栄枯盛衰
ここ数年は(何度目かの)ロードバイクブームだったらしい.
爆発のきっかけは,なんと言っても『弱虫ペダル』だろう.
Kazchariは連載前からチャリに乗っていたので,ブームにのっかったわけではないが,なんだかんだで新刊を購入し続けている.
最新刊はなんと87巻.
2年目のインターハイがあまりに“アレ”だったが,それでも面白い.
今ではすっかり減ってしまった手書きならではの粗削りな躍動感が良い.
これぞ少年漫画である.
その存在を知らなかった頃,グルメフォンド系のイベントにて,どうみても高校生ではない女性が「総北高校」だの「箱根学園」だのと描かれたジャージを着ているのを見て,不思議に思っていた.あれは何のコスプレなのかと.
Kazchariも2017年に大枚はたいて「TREK DOMANE SLR7」を購入し,ヒルクライムレースやらブルべに本格参入.
速く快適に走るために小物や工具,ウェアにこだわるようになった.
そんな時知ったのが,「自転車商品は海外通販の方が圧倒的に安い」という事実.
流行り初めたスマートトレーラー(TACX NEO)も国内で買うより¥30,000は安く買えた(初代モデルで約11万円).
バッグや工具類も半値近かった.
ウェアに関しても,安いだけでなく,海外メーカーはデザインも豊富っつーか独特.
試着できないだけにサイズが心配だったが,胸囲さえ合わせればXSかSサイズで問題なかった.
注文してから商品が届くまで3週間ほど待つこともあり,また未達や誤配もゼロではなかったが,たいていはちゃんと届いた.
ツール100周年記念大会の2013年からは,ロードレースをオンデマンドで視聴するようになった.
老舗のJSPORTS,ジロの放送権をぶんどったくせにすぐに放棄したDAZN,そしてそのジロを救ったGCNとスポット契約.
GCNは元プロ選手の土井ちゃんをメインに「GCN JAPAN」としてYouTubeチャンネルを開設.
もちろんチャンネル登録し毎回視聴していた.
そして2019年.新コロ禍スタート.
「蜜になるイベントを避けよ」「電車に乗るな」などの号令の下,自転車の需要が一気に高まった.
結果,チャリ本体やパーツが世界中で品薄となり,注文しても納車は1年後とかが当たり前になった(Kazchariの「TREK EMONDA SLR7」も7ヶ月待ち).
アガリの一台~TREK EMONDA SLR7 First Light
通勤通学だけではなく,趣味としてロードバイクを始めようかという人もどっと増え,業界大儲け...のはずだったのだが,生産能力が追い付かず「設備投資して,さぁ増産!」の頃には新コロ禍が終わってしまったこと,それに価格高騰も重なって,いわゆる“にわか勢”が去り,一気にブームが終焉に近づきつつあるようだ.
結果,在庫過剰となり,大手ブランドでもセールをやたらに行っている.
当然,メーカーのみならず海外通販業界も痛手.
Kazchariも頻繁に利用していたWiggle(CRC)も破産してしまった.
現在も会社の引き取り手を探しているようだが,今後は地元英国での事業に注力し,海外販売への配送は取りやめる方向性らしい.
これはなかなかのショック.
Kazchariはコスパに優れたWiggleのPB「dhb」の愛用者なのだ.
うーん,今あるウェアがへたったらどうしようかなぁ.
※12/13追加.
ついにWiggle/CRCが英国以外への発送業務を停止.
そして優良コンテンツだった「GCN JAPAN」も,まずアプリが停止.
続いてYouTubeチャンネルも終了してしまった.
この最終動画では裏方さんまで登場するなど,なかなか泣ける作り.
第一回の配信からずっと見てたしなぁ(ジロの配信時以外,金は落としてないけど).
こうして,世界的な自転車ブームは(一旦)終焉し,元のマイナー趣味に回帰していくのだった...
まっ,「NISEKO GRAVEL」などの盛況具合を知っていると,愛好者が減っているように思えないけどな.
TopstoneなNISEKO GRAVEL参戦記(その3)~PANARACER NISEKO GRAVEL AUTUMN RIDE 2023編
そうか.
他の人気スポーツ,野球やサッカー,ラグビーの場合は競技者だけでなく,観客として応援する勢も多い.
自分で競技しなくても,観戦やらグッズ購入でたくさんお金使ってくれるので,その業界が盛り上がるわけか.
自転車競技は何しろそこが弱い.
で,Kazchariの他の趣味についても考えてみると「オートバイ」も「ソロキャンプ」もヤバい.
最近,皆やらなくなりつつある.
「オートバイ」は暑いし寒いし汚いし危ない.
「ソロキャンプ」は面倒だし何より退屈.
ボッチで完結してしまう趣味は,新コロとともに去りつつあるのだ.
よく考えたらこれらの趣味って「不自由」を楽しむモノ.
現代基準の快適とは対極にある.
そら,特殊状況下でなければ盛り上がらんわな.
先日,自転車YouTuber「まさ」の動画を見ている時,娘が近くにいたので「この人なぁ,自転車系YouTuberで一番人気あるねん.登録50万人やで」と自慢(なぜ?).
娘「えっ? 自転車ってたった50万人でトップなん? 少なっ」
うむ.言われてみればその通り.
元々マイナーな趣味のブームの変動なんてホンマに狭い世界の話やな.