『RRR』を観てきた~インド映画はカロリー過多

2023/3/31 Fri

スーパー合体.

はい.
予定通り,本日は有給取って超大作インド映画RRRを観てきました.

観る前から面白いとわかっていたけど,想像以上.

※ 以下,ネタバレ.

とりあえず基礎中の基礎.
インド映画は長い.
この映画も3時間.

しかも10:35からの上映と,ちょうどお昼をまたぐ.
ゆえに久々に売店のポップコーンを買った(コスパ悪いけど).

新コロ禍になってからトレーでの提供をやめたんかな?
持ちにくいし食べにくい.

それはともかく,予告を終えて上映開始.
もう冒頭のシーン,音楽からインド臭全開.
懐かしさも含め,大好きだ.

なんと,主役の2名の紹介と,協力して少年を助けるまでの話,いわゆるアバンだけで40分近くある.
そこからようやくオープニング.

その間,二人の友情が深まっていく様がダイジェストで流れる.
このあたりの構成はホンマ巧み.

命令,任務に極端なまでに忠実な警察官ラーマ.
ひたすら村の少女(妹?)奪還を目指すビーム.

敵同士が互いの正体を知らぬまま,どんどんヤバイ方向に進んでいく.
ビームはともかく,なぜラーマがそこまで侵略者イギリスに対し従順なのか,その理由は隠されたまま.
観客は焦らされ続ける.

そして噂のナートゥダンス!

このレベルのダンスシーンがもう一回ぐらいあるかなと思ったけど,それはエンディングまで待たなあかんかった.

ラーマ,必死の捜査でついにビーム一派の一人を逮捕.
かなり手荒な拷問をする.完全に悪役やん.
これで,この二人最後にホンマに共闘すんの? ハラハラドキドキ.

油断し毒蛇に噛まれて瀕死となるラーマ.
それを”森の人”の知恵で救うビーム.

助かるかどうかわからない友,そして自分も死ぬかもしれない状況での正体バラシ.
もう,説得力しかない.泣ける.

だがしかし,その時不思議なことが起こった.
謎の薬草のおかげでラーマがいきなり全回復!
友情か任務か,そのジレンマに葛藤し,壁に穴を開けまくるラーマ・パンチ!
もう,呆れるしかない.

その頃,猛獣満載のトラックで総督府に特攻をかけるビーム.
大混乱の中,対峙する二人.
力は互角.
しかし,少女を人質に取られ,ビームは逮捕されてしまう.

ここまでが前半.

しっかりと「インターミッション」表示が出るので,日本でも5分ほど休憩にした方がいいのに.
あー,トイレ行くならこのタイミングですね.
ラーマの過去編がしばらく続くので.

そう,ラーマは実は大義(独立闘争)のために忠実なふりをしていたのだ.
警察内で出世し,武器庫の管理を任されるようになった暁には,反乱軍に武器を横流してイギリスを倒す!

あれ? 同じ様なストーリーのマンガなかったっけ?
「出世して中から組織を変えてやるッ!」みたいなヤツ.思い出せん.

過去編の少年ラーマのスナイプシーン,かっこ良かった.
これはあれやな,『極大射程』(小説版)思い出したわ(※映画は◯◯).

極大射程(上)

ショック死者が出たという伝説のキリスト映画『パッション』を思い出させるムチウチ刑.

パッション [DVD]

確かに痛々しいシーンではあるが,インド映画らしくいきなり歌い出すビーム.
もうネタキャラとしか言いようがない悪役オバサンが,棘付きの鞭を何気に用意してるなど,ギャグとしか言いようのない演出でシリアスさが半減されている.

そんな中,何気に鎖を脚で引っ張って,ビームをなんとか跪かそうとするラーマのやさしさ.
ホンマ,大雑把に見せかけて細かい演出が光る映画やな.

ビームの怒りが民衆に伝わり暴動発生.

自分の大義のために友情を捨てようとしたラーマだが,ビームを死なせるわけにはいかないと決意.
わかりやすい展開だ.

ビームの処刑場への移送日.
銃殺帯の小銃に細工,ビームに縄を切るためのカミソリを渡す,提督を足止めする罠を準備.
ビームと少女を逃すことには成功したが,ラーマは負傷し捕まってしまう.
ビームがラーマを...と,勘違いさせるシーンもあるが,いやホンマうまいわ.まさに演出の妙.

潜伏中のビームと少女,仲間,その危機を救ったのがなんとラーマの許嫁のシータだった!
ラーマのこれまでの行動の真実を知るビーム.
友を救うため,再び立ち上がる! 泣けるわ.
もう,伏線回収がうますぎる.

一方,正体がばれて牢獄につながれるラーマ.
週に一度の食事しか与えられず瀕死のはず...なのだが,なんとひたすら懸垂して筋トレ.
さらに歩けないように足を殴打され独房へ.
なんと,そこでも懸垂!

まさに,監獄トレーニング!

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これらが,全て伝説の最強肩車への伏線だったとは!

ジャングルに逃げる二人.
またまた不思議なことが起こり,ラーマの傷は全快.
それどころか,神の弓矢を入手.
その名前の通り,古代インドの伝説の英雄神と化す.

もうそこからは良い意味でめちゃめちゃ.
『ランボー』『コマンドー』『プレデター』『フルメタル・ジャケット』と...えー,なんでもいいのでアクション映画のかっこいいシーン全部盛りの戦闘.
あの熱かった80年代ハリウッドを彷彿とさせ大興奮.

「上映時間3時間は長い」と言ったが...スマン,あれは嘘だ.
テンポ良いストーリー展開のおかげで,あっという間.

ラスボス(と言っても強くないが)との対決があっさりしていたが,最後に「銃弾1発と命の値段の比較」講話すらも回収.
ホンマにスキがない.

てっきり,主役2人がイギリス軍の大群に囲まれ,ピンチになった時に,蜂起した住民が押し寄せて大乱戦かとも思ったけど.
ひょっとして,この後のストーリーは続編?(予定があるそうな)

監督の前作『バーフバリ』は古代叙事詩モノ,つまりファンタジーだったが,今回は1920年のイギリス支配下のインド.

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その非道な圧政がこれでもかと描かれる.
そして敵側は一分の理もない悪役.

そうそう,ようするに健さんのヤクザ映画と同じ展開やな.
耐えて耐えて最後に爆発.

多様性だとかポリコレだとか,理屈でこねくり回すのは現実だけで十分.
アクション映画はこういう勧善懲悪でいいのだ(聞いているか,ネズミー?)

まぁ,インド人の顔がみんな同じに見えてしまうという欠点もあるが,これは仕方がない.
あっちもあっちで平たい顔族の判別はでけへんやろな.

後,インド映画にしてはダンス少なめかな?
どこからともなく現れるインド女性の群舞がなかったような...

贅沢を言うなら,劇場を出た後もインドのマチナカだったら良かったのに...(無茶やな)
やっぱり死ぬまでにインド再訪やな.

アメコミヒーローやSF映画の代わり映えのないアクションに食傷気味だったところに,それとは全く次元の怒涛のアクション.
最初から最後までニヤニヤが止まらない.

おすすめです.
可能な限り劇場で!

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