2023/10/22 Sun
秋と冬のあいだに
晴れ.温度:7 ℃,湿度:66%,体感温度:3 ℃,風速:21.4 km/時,風向:WSW
朝5時に起床.
カーテンを開ける.
とりあえず雨は降っていない.
だが曇天.
北海道は「でっかいどう」なので,地域(支庁)によってまるで天気が異なる.
特に中心部の大雪山系を境に,旭川(上川)と帯広(十勝)の天候は変化することが多い.
旭川の降水確率70%に対し,十勝エリアは10%と,ほぼ晴れ予報.
これは遠征ライドに行くしかない.
この決断をした際,チャリにとって重要な,とある情報の確認を怠ったのが後で響いてくる...
朝食後,6時半頃にクルマで家を出る.
ハスラーに搭載するのは昨日に引き続きTopstoneである.
雨後のグラベル走行を楽しんだ後なので,泥だらけだった.
昨日のうちにざっと水洗いし玄関内で乾燥.
そいつをクルマに積み込む.
旭川から十勝方面に抜けるルートは2つある.
三国峠か狩勝峠越えかのいずれかである.
距離はほとんど変わらない.
所要時間も,ともに3時間弱である.
ただし,前者の方が難易度がやや上.
山間部凍結の情報が届く昨今,より標高の高い三国峠は凍結している可能性がある.
つーことで行きは三国,帰りは狩勝で戻ることにした.
まずは国道39号および愛別から無料高速を使って上川まで.
さすが早朝.
渋滞もなくスムーズに進む.
層雲峡が近づくにつれ,徐々に景色が変化.
紅葉した木々に雪がかぶさる.
秋と冬の間の,この時期ならではの風景.
路肩に一時停止して撮影.
クルマを降りてじっくり撮る方が良かったかな.
除雪センターでトイレ休憩.
出発.
そして三国峠への登りが始まると路面もガチガチに凍結していく.
この状態だとノーマルタイヤでは走行不可.危なすぎる.
毎年のこととは言え,懐かしい風景が戻ってきたなぁ...
頂に近い長いトンネルを抜けると風景激変...とはいかなかった.
三国峠のパーキングは御覧の積雪.
なんと「三国峠café」は,今季まだ営業中だった.
クルマから降りるもサンダルだと滑って危険.
SPDシューズに履き替える.
三国峠屈指の撮影ポイントまで歩く.
よくある構図だが,道路が真っ白.
まるでスタッドレスタイヤのCM.
なかなか見ることのない美しい景色だ.寒いけど.
さて,慎重に十勝側に下る.
晴れ間が広がってくる.
道路や木々から雪がなくなり,普通の“秋の”風景に.
このギャップが面白い.
三国峠がからむブルべの際,たびたびお世話になる防災センターで休憩.
天気のギャップがスゴイ.
紅葉真っ盛りの糠平温泉街を抜けて,いよいよ士幌エリアへ.
クルマをデポするのは道の駅「しほろ温泉」の予定.
ゴミ箱未設置のため,ブルべ民の間で評判の悪い某コンビニでコーヒーと肉まんのおやつ.
このあたりはコンビニ不毛地帯なので,ちょこちょこ補給するのが吉.
道の駅「しほろ温泉」着.
温泉旅館「プラザ緑風」と併設.
これまた十勝発着もしくは通過するブルべの際,深夜に訪れることが多い場所である.
時刻は10時前.
所要3時間弱で雨や雲から逃げてきたイメージ.
早速,Topstoneを降ろしてセッティング.
本日はあまりグラベルライドをしない予定なので,リュックは背負わず,オルトリープのサドルバッグ(中)に予備チューブや防寒着を詰め込む.
さて,ここから向かうのは「ナイタイ高原」である.
かつてオートバイで訪れたような,そうでないような...
いずれにせよ,チャリでは初.
「ナイタイ高原」では,毎年夏にヒルクライム大会が行われている.
Kazchariは参加したことはないが,2023年大会は雨天中止だったそうな.
来年は...日程があえば.
ステムにiPhoneを取り付け,Google先生を起動する.
行き先を「ナイタイ高原牧場」にセットすると,3パターンのルートが表示される.
ここから約30km.
国道などの大きな道を通らないルートを選択.
さぁ,出発しますか.
道の駅を出て,いきなり登りで笑う.
ヤギの放し飼い?
それにしても徐々に雲が多くなってきたのが気になる.
気温が下がってきた.
そして,いかにも十勝っぽい開けた道路に出ると...強風が襲ってきた.
そう,出発前に確認を怠ったのは,この風速に関してである.
ルート的にジグザグしながらナイタイ高原に近づいてはいくのだが,結果的に向かい風,追い風,横風がすべて混じることになった.
追い風時はともかく,向かい風時は正に地獄.
速度も20km/hを切ってしまう.
さらに十勝平野のド直線+緩急が続く丘がカラダとココロをじわじわと削ってくる.
チャリの敵,寒さと風.
雨こそ降っていないが,これが続くならわざわざ遠征してきた意味が...
「いや,これはこれで良いトレーニング.わが同居人ミトコンドリアも喜んでおるわッ!」
と,マインドセットをチェンジ!
そうこうしているうちに,道の駅「かみしほろ」着.
新しい? 初めて来た気がする.
昨今,車中泊時のマナーが問題として取りざたされることが多いが,この道の駅は逆にウェルカムのようだ.
敷地内にキャンピングカースペースまで用意している.
グルメ系ショップも充実しているようだが,トイレだけ借りて即出発.
ひたすら漕いでいると,ようやく「ナイタイ高原」の看板が見えてきた.
同時に,目的地が同じと思われるクルマやオートバイも増えてきた.
彼らの後を追えばよいのねん.
ここから7kmの登攀か.
もしかしてヒルクライム大会はここがスタート?
別にタイムアタックするわけではないので(Topstoneです),のんびりと登る.
やがて,Google先生が左側の小道に曲がれと指示してきた.
「うん? 他のクルマは広い道を直進していくけど,こちらの方がチャリ向きなのか?」と勝手に解釈.
指示に従って左折した.
ここが地獄の入口とは知らずに...
曲がるとすぐにGarmin先生のクライム・プロがピコッとスタート.
一旦大きな山を越えてから,登り返し,そのままゴールまで登りが続くレイアウトになっていた.
車幅は1.5車線.
ところどころ陥没があるものの道路コンディションはそれほど悪くない.
ただし...長い.
7%以上,ところどころ10%越えの坂が延々と続く.
それに加えて強風である.
展望が開けたところでは風にあおられっぱなし.
絶望的なのは...到達点がさっぱり見えないこと.
確かに初見の地ではあるが,Garmin様がここが「ナイタイ高原牧場」と示す箇所は,ホンマに坂の途中っぽい.
標識や建物の類は一切なかった.
まぁ,周りの景色全体が「牧場」ということなのだろう.
あれ?
SNSやら雑誌でよく見かける「NAITAI TERRAS」のオブジェはどこに?
ひょっとして,さらに上方に見えるあの銀色の建物がそうか?(←そうでした)
ようするにKazchariの完璧なミスっつーか勘違い.
「ナイタイ高原牧場」と「ナイタイテラス」はてっきり同じ場所と認識していたのだ.
で,Garmin様の導きのままに,ここまで登ってきたという次第.
では,その「ナイタイテラス」に行くには?
まさか,来た道を戻って,登り直し?
さらにGarmin様に尋ねる.
どうやら,このまま登攀を続ければ,テラスには行けるようだ.残りは2.4kmである.安堵.
もちろん戻るのではなく,こちらを選択.
激坂を登りきり,ようやく平坦へ.
絶景である.
直進して「ナイタイテラス」の駐車場へ.
ゲートが施錠してあったので,テラス側からの車両進入はできないようだ.
それにしても,ようやくの到着.
ここまで気合い入れて登ってきた甲斐のある景色が広がっていた.
ただし...当然のごとく寒い.
風も強い.
日曜だけに人も多い.
このテラス,ソフトクリームが名物らしいが,この気温ではとても食べる気にならない.
ロンリーなスピードチャリダーはクールに去るぜ.
もちろん,ウインドブレーカー,長指グローブで武装してからな.
久々の長指グローブ.
親指と人差し指がオープンになるこいつがオススメだ.
防寒グローブ アウトドアグローブ【秋冬・2本指出し設計・裏起毛で高い保温性能】
それに,何より気に入っているのは...値段だ.
いわゆるチャリ専用品だと,絶対にこの値段では買えない.
ハンドルカバーと併用すればマイナス20℃での走行も無問題.
さて,上着を着たとは言え,下り時,寒いのは寒い.
ガタガタ震えるカラダ,飛び散る鼻水,涙でぼやける視界...
どう考えても,夏向きやな,ここ.
つーことで,ダウンヒル終了.
ここからは平坦で道の駅に戻るだけ.
道の駅に戻れば,暖かい温泉とサウナが待っているんだ...
ところが...平坦なのに全然パワーがでない.
なんだこれ?
よもやよもやのハンガーノック!?
そう,このあたりはコンビニ不毛地帯.
それにテラスでも何も食べなかった.
補給のタイミングを完全に逸している.
パワー枯渇のピンチ.
コンビニがありそうな市街地はまだまだ先.
もう限界と,農家の倉庫脇にチャリを止める.
このまま力尽きてしまうのか,Kazchari?
んなこたあない.ちゃんと補給食は持参している.
Topstoneのフロントバッグから,カロリーメイトとエナジージェルを取り出す.
いやぁ,補給食の元祖,パサパサのカロリーメイトが,これほど美味く感じられるのは初めてである.
さて,まるで顔を交換した〇ンパンマンのごとくよみがえったKazchari,残り14kmを快調に飛ばす.
ふとサイコンを見ると,ディスプレイに赤枠およびチェッカーフラッグマークが付いている.
それに,距離計が全然増えない.
こ,これって終了ボタン押した時の表示やん!
いつの間に押した? 覚えがない.
あわててストップ.
ここでもう一度スタートボタンを押せば,計測は再開されるようだが,この時は気がつかず,一旦ログを終了させてしまった.
で,ここからゴールまで再計測.
うーん,かねてよりこの「Garmin Edge1040」の不安定さには定評があるなぁ.
知り合いの中には,腹が立って下位モデルの「850」に乗り換えた人もいるほど.
ガーミン(GARMIN) Edge 1040 ソーラー充電対応モデル(Solar)
困ったもんだ.
バッテリーの保ちは超一級やけど.
で,Google先生もGoogle先生.
最短ルートを案内してくれるのは良いのだが,お約束のグラベル突入もあり,これはこれで,そのサービス精神が楽しい(Topstone乗車時に限る).
で,なんだかんだで道の駅に帰還.
時刻は13時45分頃だった.
とりあえず温泉併設のレストランの営業時間をチェック.
こういう所って,昼営業後,休憩することが多いのだ...って,まさにここがそうだった.ラストオーダーは14時とある.
あわててクルマに戻り,チャリを積み込み,入浴の準備をして...いや,もう慌てるのもめんどい.
食事は別の所で取り,風呂とサウナだけこちらに入ることにする.
早速,Google先生に近くのレストランを尋ねる.
すぐそばにあるではないかっつーかそこしかない.
早速,Topstoneで乗り付ける.
入口のドアにメニューがあった.
ピザとサンドイッチがメイン.
それにコーヒーにこだわりがあるお店のようだ.
正直,白メシと肉が食いたかったが,ここは「カツサンド」にしよう.
メニューに「ボリュームあり」と書かれているし.
店に入ると年配のマスターが一人で,接客と調理をしておられた.
決めた通り一番ボリュームがありそうな「カツサンド」と,ここの地名の入った「下居辺コーヒー」にする.
この漢字が読めなくて「しもいべ?,それとも,しもきょべコーヒー下さい」と注文.
ご主人から訂正が入る.
「しもおりべ」と読むらしい.
フィンランドの伝説のスナイパー「シモヘイヘ」っぽい響きである(知らんがな).
ログハウス風の店内は雰囲気良し.
もちろん薪ストーブが炊かれている.
NHK-FMからはクラシック音楽.
「どろぼうかささぎ序曲」とは渋すぎる.
出てきた「カツサンド」は確かになかなかのボリュームだが,寒風ヒルクライムを含む70km走破後のチャリダーにはやはり...正直,白メシが欲しい.
この店も昔は定食系を出していたようだが,今は軽食オンリーになってしまったようだ.
味そのものはベネ.
で,店を出てクルマに戻る.
Topstoneを積み込んで,いざ温泉&サウナである.
大人¥500.安い.
サウナは2段.
通常の湿式.それほど暑くなく標準.
サウナ室を出てすぐ隣に水風呂.18℃との表示.2人用かな.
露天に続くドアもすぐそばなので動線よし.
お客さん少な目.
サウナ室ではずっとゴルフ中継.
屋内の高温湯はともかく,露天風呂が少しぬるめ.
隣で入っていたおじさんも「もう少し熱くないとな」と愚痴っていた.
サウナ3セットを終え,あがる.
休憩室で「リアルゴールド」を飲み干す.
さぁ,ここから3時間のドライブが待っている.
クルマに戻り,車載しているYupiteruのナビを起動.
三国峠まわりしか表示しない.
これから暗くなるのに凍結道は嫌じゃ.
で,Google先生だと,ちゃんと狩勝峠ルートも推薦.
やはりこっちやな.
そう,鹿追-屈足といった「ここからなら,どう考えても狩勝越えでしょ?」という地点でYupiteruのナビを再度起動したところ,なんと自宅までの距離がGoogle先生より20kmも長い.どうなっとんねん?
思えばこのナビも購入して9年.
当然データ更新していない.
その間も新道がどんどん開通するわけだが,ここまで精度が落ちるものだろうか?
これからはGoogle先生頼み=スマホナビで十分かもな.
そんなにギガくわんし.
それにしても.この帰り道(夜道)は鹿,タヌキ,キツネ,猫の飛び出しオンパレード.
びびったぁ.