Audax Japan BRM618北海道400kmトカプチ(その2)

2022/6/18 Sat

養分をくれェェェ~!

iPhone11 Pro

三国峠では十分な水分&カロリー補給…したはず.

結果的に前者はともかく,後者は不足していたかもしれない.
この時,漠然と「幌鹿峠越えたあたりで残った補給食をたいらげるか」と考えていた.

ダウンヒル開始.
この時間はまだウインドブレーカー不要の暖かさ.
走行風が気持ち良い.

折り返しルートなので,反対車線からはまだまだ登り(地獄)中の参加者とすれ違う.

Kazchariはダウンヒルが苦手.
ゆえに最高速度でもせいぜい50km/h程度.
とは言え,この速度でも落車や鹿・熊にぶつかればただでは済まない.

数年前の「アタック三峠国300」では,石北峠をダウンヒル中,先行者が路面の縦ギャップにタイヤをとられて落車した場面に遭遇したことがある.
続くKazchariもヤバかった.
当時はGoProを付けていたので,ハンドルがぶれまくった恐怖の映像(記憶も)がまだ残っている.

ツール・ド・フランスなどのレースでは,下り90km/hオーバーは珍しくない.

オートバイのプロライダーが「自転車のヤツらはクレイジーだ.あんな薄い布切れ1枚と発泡スチロールを頭にのせただけで峠を下るとは」と呆れていたという記事を読んだ.完全に同意.
ここ数年,オートバイの機材・ウェアの安全への意識は大進化している.夏用のメッシュジャケットですら,フルプロテクター装備である.

コミネ(KOMINE) バイク用 プロテクトメッシュパーカ-テン Navy Marble M JK-114 1096 春夏秋向け プロテクター CE規格レベル2 メッシュ素材

まっ,ここは国道なので,路面は非常に整備されている.
夜間は...動物が多そう.熊の横断記事も読んだことがある.

ある程度下ると,休憩ポイント(トイレ・自販機設置)となる防雪センターが近づいてきた.

ここで「額にピキーン!」&「種がパカーン!」とニュータイプ能力が炸裂!

なぜだか脳内で「寄れ,寄れ,寄ってコーラを飲め,でないと死ぬぞ」という囁きが反響.
いわゆる”虫の知らせ”なのだろうか?
快調にトバしていたものの,そのお告げを信じて立ち寄ることにする.

iPhone11 Pro

しっかり神の飲料,赤コーラ360mlをガブ飲み.
道路を数名のランドヌールが駆けていくのが見えた.

10分ほど滞在し出発.

すぐに後方からピナレロのSさんビアンキ(しかもオルトレ+TTバー!)のDさんのトレインが追い抜いていった.
一瞬,便乗させてもらおうかと思ったが,さすがにオーバーペース.
Kazchariはマイペース走法をキープ.

糠平温泉の分岐点到着.
ここからいよいよ,次のボス「幌鹿峠」クライムが始まる.

数年前に走った「新十勝200」以来,2度目の糠平温泉側からのアタック.
その時は大豪雨でまともに登った記憶がない.
いや,逆に雨のおかげで登攀の苦しさが紛れたかも.

この峠,取っ掛かりが斜度最大.10~12%はある.
それを超えるとかなり楽になる.

一応軽量級のKazchariは先程の先行者2人をパス.

そう,最初は良かったのですよ...
Ave13~15km/hほどのペースで登れていたが,峠まで残り2kmぐらいから,急に足に力が入らなくなった.

2%の斜度でさえ苦痛.

なんだこれ?
ここまでパワーダウンした経験はない.

まっ,まさかこれが噂のハンガーノック!?

恐ろしいのは「そうかも」と思いつつも,停まって補給をするという判断力すら失われてしまうこと.
「早く頂上へ!あの看板まで」という思いのみが強くなる ⇒ ますます悪化.

速度は1ケタに落ちた.
やがて知らぬうちに消耗し,完全に動けなくなってしまうんやろね.

ふと,バッグミラーを見ると,先程パスしたSさんの姿が見える.
ここで意識が少し回復.
(レースではないが)抜かれたくないと,最後のパワーで踏む.

そして...ゴール!
そして,冒頭の「幌鹿峠」看板の前で撮影.

もう,看板の所までチャリを動かすのすら,膝ガクブルで生まれたての子鹿状態.
めまいを伴うふらつきもある.
続いて到着したSさんと言葉を交わす(「キツイっすねー」)も,他の内容はほとんど覚えていない.

とりあえず峠に着いて一安心.
さすがに冷静さが戻ってきたため,ポーチに入れておいたジャムパンとエナジージェルを注入.

ウィンゾーン 栄養補給ゼリー エナジージェル おためし3味 6個セット (各2個)

超甘い.超甘いが美味い.
三国峠同様,残ったボトルの水をガブ飲み(これがダメ.途中でちびちび飲まないと).

それにしても,登る前にコーラ飲んどいて良かった.
もし防災センターをスルーしてたら...くわばらくわばら.

先に下ったSさんを追いかけてダウンヒル開始.

うぉー,この道はやはり走りやすい.
約30年前に泊まったことがある然別湖野営場山田温泉(廃墟?)をパスし,久しぶりに文明漂う然別湖コタン着.

iPhone11 Pro

公衆トイレもあるので,さすがに休憩.
トイレで小用.

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イテテ!
全然尿が出ない,いや痛くて出せない.
ようやく絞り出すと,めっちゃ少量かつ真黄色.
こっ,これこそ正に脱水

完全完璧に水分補給が足りていない.

それに排尿時の痛みには思い当たる点がもう一つ.
長距離ブルベ用に導入した「Selle Anatomica」のせいだ.

Selle Anatomica セラアナトミカ WaterShed X1 Black ブラックリベット 防水 革サドル

使えば使うほど各人の臀部形状にフィットし,そのあまりの快適さゆえ,“高級ソファ”とも称される革サドルである.
Kazchariもブルベ参戦を始めてすぐに購入.

そんなスーパーサドルにも欠点がある.

1つは重量.
言うまでもなく普段使いの「ショートノーズ小型サドル」に比べると圧倒的に重い.

もう一つは,使用を重ねる毎の革のヘタレである.
ようするに革がのびて中心がへこんでくるのだ.
良く言えば自分のケツの形状に合ってきたということになるが,悪く言えばポジションが固定されてしまって動かしにくい.

さて,Kazchariの「Selle Anatomica」はどうか?
坐骨,いわゆるケツ部分は問題ないものの,肛門から会陰部にかけてが痛い.

サドルが盛り上がっているため,ペダリングの度に皮膚がこすれる.
また,穴あき形状になっていないため,尿道を圧迫し続けている.これが排尿時痛の原因だろう.

いずれにせよ,持参した保護クリームを患部に塗り塗り.
ブルベの必需品.
毛嚢炎になるとやっかいだ.

Protect J1 長時間持続型保護クリーム 35ml

もう一点述べるなら,雨に弱い(伸びる)らしいが,それは純正のカバーでカバー.

SELLE ANATOMICA セレアナトミカ Rain Saddle Cover サドル レインカバー

トイレのそばにある蛇口から水をガブ飲み&ボトルに補給.
然別湖の写真を撮って休憩完了.

iPhone11 Pro

少しだけ坂を登って白樺峠へ.
この峠は明らかに鹿追側から登る方がツライ(次週ヒルクライム大会があるとか).

カバチャレ2022

ここからは豪快にダウンヒル.
ようやく低地に戻ってきた気がする.
そして,このブルベもクライマックスを越えた!(と,のんきに思っていた時期がKazchariにもありました)

何度か右折,左折を繰り返す.
175.4km地点 PC1 セイコーマート鹿追店着.

腹が減った.さぁ食べよう!

残り225km.まだ半分も終わっていない.

(その3へ)

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