2023/10/15 Sun
最高にハイな後半戦
曇り.温度:17 ℃,湿度:72%,体感温度:17 ℃,風速:13.2 km/時,風向:SSW
(その2)はこちら ⇒ DOMANEなサクッと利尻島一周ライド(その2)
さて,ご夫婦に挨拶して出発.
同じルートなのでどこかで会うでしょう.
アップダウンが続く.
左手に「白い恋人の丘」という表示があった.
久々のヒルクライム.はい,喜んで.
全くノーチェックだったが,北海道銘菓の一つ「白い恋人」の缶に描かれた山は利尻富士らしい.それと同じ風景が見える場所とのこと(と後から知った).
...うん.雲で山頂が隠れていますね.
次は右手に「オタトマリ沼」.
晴れた日には逆さ富士になるという.
そう,晴れた日には...うん.今日は雲だ.
左側に「仙法志御崎公園」の表示.
ここも奇岩が並ぶ名所らしいが,「なんか行ってもなぁ...」とモチベーションが上がらない.
結局Uターンして島一周の幹線道路に戻る.
写真だと明るく写っているが,実際はかなり暗い...
雲が多すぎるのだ.
そうこうしているうちに利尻町に入る.
以前からの疑問.
どうしてこんな小さい島で自治体が2つ?
インドネシアとパプアニューギニア,ハイチとドミニカ共和国のように隣国,隣町,隣家の仲が悪いのはよくあること(その例でいいのか?).
ゆえに合併できないのだろうと勝手な妄想.
湧水ポイント発見.
それほど暑くないので,ボトルの水も十分残っているが,ここは賞味タイム.
美味し.
気が付くとKazchariの後ろに,ポリタンを3つほど抱えたおじさんが.
湧水ポイントあるあるやね.
しばらく進むと,「熊岩」「人面岩」の表示.
うん.どこがそうなのかわからんっつーか,わざわざ岩の上に看板を立てる時点で無粋というかなんというか...
とまぁ,文句ばかり言っているようだが,人力を最も効率よく推進力に変換するロードバイク,未知の道を漕いでいるだけで喜ばしい.
さて,今回の利尻島,その最大の目的は22年前に滞在した沓形キャンプ場を訪れること.
なんとなーく見覚えのある町に到着.
そうそう,この「ホテル利尻」の温泉に入った入った.
で,その建物の角を曲がると...おお,何もかもみな懐かしい.
さすがのシーズンオフ.誰もいない.
この炊事場もトイレも,そして小ぶりな灯台も驚くほど変わらない.
こんな気象条件の激しい土地で変化がないことに驚く.
しばしノスタルジーにひたる.
出口付近に料金看板が...
一泊¥500? 前も有料だっけ?
さて,腹が減った.
町内にセイコマがあるものの,さすがに連続コンビニ飯はパス.
そこに食堂が目に入った.
おお,ここが島では数少ない,今日開いている店の一つか.
DOMANEを街灯に施錠して入店.
満席近かったが,幸いカウンター席に座れた.
メニューを見る.
店の外観からは想像つかなかったが,一応ラーメン&中華料理店のようだ.
最後のあがきで海鮮モノを探すが...やはりない.
壁に「利尻ホタテラーメン」の写真が貼ってあったが...
ここはあきらめて「味噌野菜ラーメン」に.
昼時とあってかなり待たされたが,出てきたラーメンには満足.美味し.
さて,店の外に出た時点で既に13時過ぎ.
次の稚内行フェリーは14時45分発.
もしそれに乗るのなら,残り1時間半ほどのライド時間となる.
輪行作業を考えると出航20分前にはターミナルに着いておきたい.
いっそ,16時のフェリーにする?
いや,それだと時間を持て余しそう.
つーことで,14時半のフェリーに間に合わせるため,これからはやや駆け足となる.
ここからフェリーターミナルのある鴛泊まで直線距離で12kmほど.
DOMANEなら余裕で間に合うのだが,出発時に見た山にかかる橋が忘れられない.
だが,そこに至るサイクリングロードをたどると遠回りとなる.
間に合うか?
地図を見るとサイクリングロードは,沓形から少し戻った場所がスタートらしい.
ふむ.ここからは時間との闘い,TTモードに脚を切り替える.
森林公園からスタート.
ここからすでに非常に整備された道.
完全に自転車用.
適度にカーブもあって飽きない.
既に落葉がはじまっていて美しさもあるが,カーブに吹き溜まっている箇所もあるので要注意である.
快調に飛ばしていると,前方に先ほど会った大阪からのご夫婦が.
「こんにちは~」と挨拶して一気にパス.
結局この日会ったサイクリストはこのお二人のみだった.
さて,このサイクリングロード.
これで完成なのか,まだ拡張するのかはわからんが,時々島一周の幹線道路と合流する.
ゆえに,少し接続がわかりにくいところもあるが,それを差っ引いてもチャリだけのために,よくぞこんな道を作ってくれたと感動.
その白眉はこちら.
ドーンっと利尻富士.
そう,昼飯を食べている間に青空が.
時折雲が切れ,利尻富士の山頂も拝めるようになった.
日差しも出てきてまぶしさすら感じる.
いや,もう贅沢は言うまい.
この美しさにもかかわらず,クルマはもとより,オートバイも走れない.
徒歩では長すぎるっつーか,普通に登山ルートに行くだろう.
ようするにこの道は実質サイクリストだけの道.
ホンマすごいわ.
山の風景だけではない.
途中で海岸沿いも走る.
変化に富む.
島の約三分の一を占めるサイクリングロードだが,ちょうど利尻町と利尻富士町に半分ずつまたがっているのが面白い.
うん? 先ほどの考察と違って,実は互いに協力的なのか?
それはともかく,道内でもなかなかない絶景ロードを堪能.
個人的にはエサヌカ以上.
どこもかしこもフォトジェニックなので,あちこちで止まってしまう.
あれ? 時間やばくね?
いっそ,16時のフェリーで...という考えが頭をよぎる.
ぐわーむっちゃ中途半端やぁ.
とかなんとか考えつつ,フェリーターミナルのある鴛泊わきを通過.
いよいよ,例の橋へのヒルクライムに突入.
思ったより斜度はない.
キツい場所でもせいぜい6%程度か.
そらそうだ.基本的にガチ勢ではない一般サイクリスト向けなのだ.
それでもGarmin先生のクライム・プロが「ピコッ」と作動.
自称クライマーを追い立てる.
「もしかして,セグメント? KOM狙えるかも...」と勝手な妄想.
どこそこ踏んで,憧れの橋&山頂到着ぅ!
絶景である.
それにしてもこの自転車専用道,この橋も含めて廃線利用ではなく,マジで新たに作った?
何度も書くがありがたい話である.
このような橋を4つほど渡り,いよいよダウンヒル.
時刻は14時前.
結局14時45分のフェリーに乗ると決め,やや焦る.
こういう時って事故るのよねぇ...って,コーナー枯葉だらけやし.
慎重かつ大胆に下る.
ようやく「野塚」側ゴール着.
とりあえず一周+αを走り切った満足感&達成感よ!
さて,ここからは下ハン握って海岸沿いを激踏み.
14時10分頃,無事ターミナルに着いた.
これで一安心である.
名残惜しいが輪行袋にDOMANEくんを収納.
既にチケットは持っているので,乗船口前で待機.
礼文からの寄港便なので,利尻で降りる人を待って乗船.
往路とは別の船だった.
いやぁ,それにしても楽しかったなぁの利尻ライド.
天気やコースに左右され,前半の静かなライドからの一気に駆け上がる後半.
まるでベートーベンやブラームスの交響曲のような一日だった.
苦悩を通じて歓喜に至ったぜ(大げさである).
函岳中止に伴い,急遽決めた旅だったが,島に来て,そして,この時計回りのコースにして良かった.
そして湧き上がってきたのが「他のシーズンも訪れてみたい」との思い.
春と夏と...冬もファットで走れるのか?
職場の同僚によると7月初旬の利尻・礼文の風景は花に覆われ“ラピュタ”の様相らしい.
それは是非見てみたい.
ついでに,ちゃんと「うに丼」も食いてぇ.
フェリーは16時15分,まだ明るいうちに稚内に帰還した.
道の駅に戻って,DOMANEくんをハスラーに積み込み,昨夜同様『ヤムワッカナイ温泉』へ.
良質の温泉とサウナを堪能し,食事も済ませる.
後は,マッサージチェアを使ったり寝転がったりしながらコミック三昧.
最後にひとっ風呂浴びて,閉館時間に合わせて退去.
道の駅に戻って今夜も快適に車中泊.
こんなに贅沢して良いのだろうか?
控えめに言って,最高に『ハイ!』ってヤツだァァァァ
(その4へ)