平々凡々な週末~すべからく平和

2025/2/17 Mon

Life is what you make it.

まずは金曜日の話.

この日,JK娘は前日に最後の戦い(受験)に向けて関西へ.
つまり家には不在.
夜はお楽しみの『バック・トゥ・ザ・フューチャー PARTⅡ』を残った家族3人で鑑賞.

バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 2

こういう二週連続放送は良いね.
「Ⅰ」に比べると鑑賞回数が少ない「Ⅱ」.
大枠の話は覚えているけど,記憶があいまいだった.
後から考えた脚本なのに,実によくできている.面白い.

印象に残るのが,日本の描写.Fujitsu-san~
あの頃の我が国の勢いはスゴかった...(アメリカ人には恐怖か)

凝りに凝った脚本のせいか,一緒に鑑賞していた息子(小6)には少々難解だったようで,何度も「なんで?」「どうなるの?」としつこく聞いてくる.
もう少し大人になって観返せばわかることもあろうぞ.

で,息子どころか,CMの度にホテル滞在中の娘からも「なんで?」「どうなるの?」と電話.姉弟とも同じ反応で笑える.つーか,知能も同じか!? 映画観てないで受験勉強しろ!

「Ⅰ」と違って「Ⅱ」は「Ⅲ」と同時撮影らしい.
ゆえに予告編がしっかりある.
昔観た時は,ラストシーンの”アレ”しか覚えてないけど,ストーリー上「Ⅱ」ほど時空を行ったり来たりしなかった気が...でも,アメリカ人にとって西部開拓時代って特別なんやろね.
三部作の最後が〇〇〇とは,まるで『サスライガー』やな(知らん知らん).

家族で映画体験~『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

土曜日,ヨメさんは関西へ飛んだ.
悪いことをしたわけではない.
娘のサポートである.

チャリの外乗りは自粛中なので,部屋にこもってガンプラ作り.
本日は組みあがったMG『アルトロン・ガンダム』の水転写デカール貼り.

MG 1/100 XXXG-01S2 アルトロンガンダム EW (プレミアムバンダイ限定)

やっぱシールよりデカールやなぁ...にしても,なんだこの狂気の作業は.

台紙から極小のデカールを切り取って,水につける.
ボディの埃をはらって,マークソフターを塗布.

GSI クレオス(GSI Creos) GSIクレオス Mr.マークソフター 40ml 模型用デカール軟化剤 MS231

柔らかくなったデカールをピンセットで引き上げ,狙ったポイントに貼る.
綿棒でよけいな水分を吸収しつつ,位置を微調整.
乾いて動かなくなってしまったら,マークソフターを再度つけて調整...

という作業を何十回も繰り返す.
我ながら,この衰えた「眼」でようやるわ.

キリのいい所でやめられない,止まらない.
うん.実に楽しい.

そうこうしているうちにあっと言う間に時が過ぎ,息子を習い事に連れていく時間となった.
しばらく雪が無かった幹線道路だが,再び圧雪アイスバーンに.
ついに帳尻合わせにきたか.

息子を届けた後は一人でイオンに移動.

新コロ禍以降,株主優待のラウンジサービスが予約制となってしまった.
今日も予約争奪戦に負け,入室できず.

仕方ないので広大なイオン内をうろうろ.まるで隠居老人.
冗談ではなく,仕事を辞めて収入がなくなったら,冷暖房費節約と運動をかねてイオンを徘徊するかもしれん.
実際,イオンも距離マップや消費カロリーを提示して,ウォーキングを推奨している面もあるしな.

日曜日

本日も息子の習い事の送迎.
最近の小学生は忙しい.

送り届けた後は一旦帰宅.

録画をすっかり忘れていた新番組『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』をTVerで観る.

さすが記念作品.
めちゃめちゃ豪華でカオスな第1話だった.
どことなく迷作『ドンブラザーズ』っぽいなぁ,と思いきやそれもそのはずで,メイン脚本の井上亜樹子さんは,かの井上俊樹さんの娘さんなのだ(顔もそっくり).

まさかの前主人公登場からの,まさかの前々作レッドへの変身.
変身披露前のロボ戦.
剣技からのシャイニングフィンガー!
謎が謎を呼ぶ伏線だらけの展開.

ただ,最近はトンデモ展開を次々に繰り出すことで,あえて王道を崩し,視聴者を驚かす手法が流行っているが,中身が伴わないと芯を失って凡作になってしまう.
さて,この1年間,どこまで楽しめるか.

で,息子を迎えに行ってそのまま「山岡家」で昼食.
息子は食に関してはあまり冒険しないタイプなので,ラーメンと言えば山岡家オンリー.
色々試さないと,人生の愉悦を味わえんぞ,息子よ.

で,帰宅.

時間ができたのでサ活だ.
まず,いつものスーパー銭湯『SPA神楽』に出向くが,さすが日曜日の昼過ぎだ.駐車場に停めるスペース皆無.

仕方なく,やや料金高めの『高砂温泉』に向かう.
高めと言ってもプラス¥150の¥850(休日価格)なのだが.

モンキー125,高砂温泉サウナレビュー

こちらも割と混雑.
スキー帰り客が多い印象.
それでも,サウナ室の入室で並ぶようなことはなく3セットをこなす.

最近の入浴施設らしく,ここも休憩室のコミック本が充実してきた.
時間をつぶすのにもってこい.

ここもイオン同様,老後の憩いの場に...って,なんか寂しい.
やっぱ,いつまでも外で汗かきベソかき歩きたい,いや漕ぎたいのぉ.

で,3時間ほどの滞在後帰宅.
夕食の後,『べらぼう』を鑑賞しつつ,Zwiftタイム.

先日,Amazonで購入した,新しいレーパンの具合が実に良い.

サンティック サイクル インナーパンツ

安いし室内だし,こんなのでいいんだよ.
これ履いた上にダボダボズボン,ゆったりTシャツ.POCのメットをかぶればTokyoおしゃれチャリダーの出来上がり!(他意はない)

さぁ,明日からまたがんばろう!(何に?)

やはり面白い『魔改造の夜』~未完の美学

2025/2/14 Fri

大人げないのが至高

2/11,NHKにて『魔改造の夜』が放送された.
今回のお題は「脚立25m走」

地上波で現在もっとも熱い番組.
今回も実に面白かった.

魔改造の夜-NHK

番組史上,最も巨大な”生贄”である.
その動く様を見て爆笑しない者がいるだろうか.

改造ルールの縛りがキツイ.

車輪の取り付けはOKだが,車輪そのものの駆動は禁止.
脚立を寝かせてはならず,ラダーの開脚運動で前進させなくてはならない.

となると方法は二つに絞られる.

足を前後に開閉しての尺取虫方式か,左右に開閉してのスケート方式

前者を採用したのは1社.
懐かしのタミヤ工作セットのような動き.
重いだけに,ラダーを開いた時の衝撃が激しく,テスト中にアルミ製のボディが折れる事案が続出していた.
さらに,前後タイヤの跳ね返りも大きく,推進力をロス.

2社がスケート方式.
開脚装置の取り付け位置が異なる.
直進安定性の勝負になった.

優勝の行方は見てのお楽しみということで.

マイナーだったこの番組も,かなり話題になってきた.
放送翌日には各ニュースサイトでも取り上げられている.
企業が自社のサイトに「参戦記」を掲載する場合もある.
今回は番組制作,つまりNHK側へのインタビューが興味深かった.

企画会議にてプランが提出されると,工学系の専門家に意見を聞き,実現可能かどうかを確認.その後に種目決定・発表するそうな.

「開発期間1ヶ月半は短すぎないか?」との質問に対し,

「あまり長くすると,研究・実験を繰り返されてしまい,最適解が見つかってしまう.そうなると3チームとも似たモノが仕上がってしまう.そうならないためのギリギリのラインが1ヶ月半」

とのこと.

地球上の物理法則は不変なので,時間をかけると誰もが同じアイデアにたどりついてしまう.番組として面白くない.

ニッチな世界でのコモディティ化とも言える.
そうなると,その製品は進化しない.
多くの白物家電やテレビの性能差がほぼなくなった.
今やスマホすら,そうなりつつある.

出演した技術者からは「無難だと面白くない」「挑戦が大事」との発言が散見される.
試行錯誤の結果,未完成のまま,不確実状況での争いの方がドラマが生まれる.

もちろん,実際に商品化して市場に出すとなると,それは困るけど.
ただ,日本のモノづくりの停滞理由が「あまりにも完璧を求めすぎる姿勢」にあるという意見もある.

「スピード&即決が重要.失敗は後から修正すればヨシ」という某国のマインドに席巻されてしまうのは仕方がない...かも(偏見)

さて,個人的にブームが再燃している『アメリカ横断ウルトラクイズ』

「アメリカ横断ウルトラクイズ」の思い出

当時の放送もYouTubeでちょくちょく見かけるようになった.

マジで懐かしい.
コンプライアンス的に公式からの配信やDVD化は難しいだろうしな.

関連書籍も発刊されている.

史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記1980-1989

とあるニュースのコメントで読んだため,真偽不明ではあるが,福留さんが以前,この様なことを言っていたらしい.

「大学のクイズ研究会が参加するようになって,司会者としては一気に冷めてしまった. 知識量はともかく,早押し練習もやって臨んでいるクイズ研究会とそれ以外の参加者ではレベルがあまりにも違いすぎる.初期は社会人参加者が 「これ以上欠勤したら仕事をクビになるかもしれない」 という不安を抱えながらニューヨークまで行っていた.作り手としてはそうした表情が面白かったのに,連中(大学生)にはそれがない」

これもある意味,クイズ番組のコモディティ化なのか.
攻略法,必勝法がわかれば勝負事は面白くない.

『魔改造の夜』もこのまま人気が継続すれば『SASUKE』のように,海外でライセンス番組が制作されるかもしれない.
そうなると,某国あたりが,とんでもない怪物を生み出しそうな気がする.

それはさておき,次回はトイレットペーパーを投げます!(意味不明)

家族で映画体験~『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

2025/2/8 Sat

Your future is whatever you make it, so make it a good one.

Kazchariは映画が好きである.

きっかけはもちろんテレビ放送.
昔はほぼ毎日,各局で放送があった.
荻昌弘,水野晴郎,淀川長治など,名調子の解説陣が懐かしい(年がバレる).
ただし,ネタバレ大王こと〇村淳,テメーはダメだ.

10代の頃,実家のテレビはブラウン管で,サイズもせいぜい20インチほどでモノラル音声.吹き替えかつCMがガシガシ入る.
周囲では家族の生活音が聞こえ,黒電話もテレビの横にあったりする.
そして...長い映画はカットされる.

かように,今と比べると酷い鑑賞空間なのだが,名画『ニュー・シネマ・パラダイス』は妹の部屋のタンスの上に置いてあった14インチテレビが初見.”それでも”大いに感動した.

こうしたテレビ放送の何が良いって,事前に全く知識や興味なく,たまたま観た映画がとんでもない名作だったりすること.
文字通り自分の世界が広がっていく感覚がする.あぁ,刻が見える...

エコーチャンバーのごとく,好きなモノだけを選んでいると己の好みが固まってしまう.思いがけない新発見.人生にはトキメキが欲しい.
特に深夜枠は,様々な意味でケシカラン映画が多くて...けほんけほん.

もちろん劇場での鑑賞も欠かせない.
「東映まんが祭り」から始まって,劇場版『ヤマト』を経由し,『ガンダム』では徹夜並びを経験.
大学時代の『ロボコップ』のオールナイトが懐かしい.4周くらい観た(寝た)

そして,レンタルビデオ時代へ.
過去に見逃した古今東西の名作をクリア.

今ではレンタルが配信に代わり,ここぞという作品では劇場に赴く.

映画は総合芸術であり,傑作,駄作とも人生を豊かにしてくれる最高の素材であることに,異論を唱える者はいないであろう(※個人の感想です)

ヨメさんも映画好きなせいか,双方のDNAを受け継ぐうちの子供らも結構観ている方なのでは?
ただし,どうも作品に偏りがあるようで,アニメや邦画コメディなど,ライトなモノがほとんど(それが普通)
ホラーまで観ろとは言わんが,もう少し深みのある作品にも接してほしいと考えている.

まぁ,古くからの友人であるカジポンの,息子に対する映画英才教育は...少々アレだが(他意はない).

文芸ジャンキー・パラダイス

そんな中,2/7の「金曜ロードショー」にて,久々に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が放送された.

バック・トゥ・ザ・フューチャー (字幕版)

もちろんネットでも配信されているが,今回,新声優(宮野&山寺)による吹き替えということでリアタイ視聴することに...というのは実は建前.
Kazchariの子供時代と同じ様な体験をさせてみたい,が理由.

リビングで家族4人が揃って,同じ番組を観る状況がレアとなっている昨今,Kazchari(父親)が珍しく猛プッシュするので,娘,息子とも9時前にテレビの前に(しぶしぶ?)座った.

で,その『BTTF』(こんな略し方最近知った)である.
おそらく,世界各国で好きな映画アンケートを取れば,間違いなくトップ10に食い込むであろう映画史上に残る大傑作である.

公開は1985年.確か映画館で見たな.
その後も何度も視聴している.
観る度に小ネタに気付き感心する,ホンマ楽しい映画だ.

多元宇宙論(マルチバース)がまだマイナーな時代.
タイムパラドクスについては,とりあえず無視.

ただし,冒頭の「全ての時計が25分遅れ」の意味がわからん.
駐車場でアインシュタインを1分の未来に送る実験の前に,ドクは一週間どこかに行っていた?

今回の新発見.
お母さん役の方の演技がエロ...ではなくマジで上手い.
Kazchariも昔は「なぜ偶然会ったばかりで,しかも父親が跳ねただけ(!)の男の子に,そこまで惹かれるのか」がさっぱりだったが,今なら理由がなんとなくわかる.

そう,うちのヨメさんと息子との関係を日々見ているからだ.
仲が良すぎて,毎日毎日懲りずに口喧嘩している.
なのに,この映画の間は二人してベッド上,布団にくるまりながら鑑賞している.
全ての親子関係に当てはまるわけではないと思うが,まことしやかに流れる「母親にとって息子は理想の恋人」論を具現化している.
アメリカでもそうなのだろうか?

そういやこんな図式の映画は他にも...そう,『さびしんぼう』や!

さびしんぼう

奇しくもこの映画の上映年も1985年で『BTTF』と同じ.
スゴい偶然である.シンクロニシティ?

Kazchariはこの『さびしんぼう』にも思い入れがある.
ノスタルジック映画の金字塔,尾道三部作としての完成度も高いが,特にテーマ曲であるショパンの練習曲第3番,いわゆる「別れの曲」は初めて好きになったクラシック音楽.

ショパン・アルバム

今では膨大な数となってしまったCDコレクションの最初の一枚が,この『ホロヴィッツ・ショパンアルバム』だった.

で,興奮必至のクライマックスの落雷シーンを経て,空飛ぶデロリアンを見送った後,息子に「どこのシーンが一番良かった?」と尋ねる.

「うーんとね,映画の最初でスピーカーの爆音で吹っ飛ぶところ!」

そこ!?

さて,有名な話だが,続編である『BTTF』の「Ⅱ」「Ⅲ」は,「Ⅰ」の予想だにしなかった大ヒットを受けて,後付けで設定をこねくり回して作られた.
決して面白くないわけではないが,「Ⅰ」の完璧過ぎる脚本の前では見劣りする.まぁ「Ⅱ」も観るけど.

それにしても,4K有機液晶だと,80年代映画も異常に画質がキレイ.まるで別物.
ブラウン管時代のレトロなざらざら画面も味があるがっつーかそっちが脳内で再生されてしまう.

さて,我が子らよ,今回の映画体験はどうだったかな?
昔の映画も捨てたもんとちゃうやろ.いや,むしろ最近の...(以下,略)
ともかく,この勢いで,人類の財産たる名作を見まくるのだ!

...翌日の夜,『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』のテレビ放送を大笑いしながら観ているヨメ,娘,息子がいた.

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~ 通常版 [Blu-ray]

いやぁ,映画って本当に素晴らしいですね.サイナラ,サイナラ

全ては夢の中~『GQX』の考察から

2024/1/27 Mon

みんなで騙されよう

テレビ番組の番宣映画としては異例の大ヒットとなっている『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX-Biginning-』(以下『GQX』).

Kazchariもネット(サムネ)による不意のネタバレを回避するため,初日に鑑賞した.

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』を観た~開始0.5秒で泣ける

「下手にネタバレすると,観ていない人に〇されそう」なレベルだったので,このブログのみならず,良識あるYouTuberさん達も核心には触れず,小出しに情報を発信していた.
これって珍しいパターンでは? それくらい力のある作品だった.

で,公開してから1週間以上経過し,公式もネタバレPVを打ち出し始めたため,界隈でも解説・考察動画やブログがバシバシアップされるようになった.

そのいくつかを鑑賞&拝読.

ポスターや画面の隅にちらりと映る小物,キャラのセリフ,ちょっとした表情から真意をくみ取り,パンフのスタッフ発言,または古今東西の名作のプロットを参考に『GQX』ワールドを解き明かし,今後の展開を予測する...

いやぁ,スゴイわ.
シャア!これが人の叡智だ!

Kazchariなんて単純に「ファーストのパラレルやろ.面白ければなんでもあり!」レベルで観てたけど,考察マニアの方々には超一級のミステリとなっている.

映像作品では一時期タイムリープ物が大ヒット.
有名どころでは『バタフライエフェクト』『まどかマギカ』など.

ついで『スパイダーマン:ノーウェイホーム』によって,マルチバースという概念(手法)が一般人に浸透.

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を観た~そう来たか!

では『GQX』も,単純に”マルチバース”で片付けていいのか?

前半と後半での絵柄の違いをどう説明する?(『スパイダーバース』では様々なルックのキャラが同居しているけど)

それに,1年戦争の描写と違いクランバトルにはまるでリアリティがない(民間人にMSの整備は無理?).

それらの疑問に対し,数名の方が『GQX』=「作中作」説をあげている.

要するに,前半の「ジオン勝利の物語」は,マチュ達の世界で広く読まれている「架空戦記小説」であり,実際には戦争は継続中,もしくは勝っていたとしてもシャアの活躍なんてなかったのが「現実」.
もしくは,後半のマチュパートこそが「物語」であり,正史の中で読まれているラノベ的書物である,という説.
「現実感がない」とつぶやく主人公.いわゆる「胡蝶の夢」的構成.

一番近い構成の創作物として,フィリップ・K・ディックの『高い城の男』をあげている人も数名.

さらには,当然ながら『GQX』そのものが物語=作り物であり,その世界を観ている我々も物語の一部...あぁキリがない.

カラーと言えば旧ガイナックス.
『エヴァ旧劇』で,映画を観ている観客(オタク)の実写画像を公開した前科もあるしな.

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

かなり信ぴょう性が高い考察ではあるが,こうした一般視聴者が思いつくようなネタは外してきそう,”あの”カラーなら,さらに越えてきそうな気がする.

そうそう,『エヴァ』と言えば『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開前に「最初の「序」「破」「Q」は「NOT」ルートと「NOTなし」ルートを交互に上映している」という考察を上げている人がいて感心した.

「序」⇒ YOU ARE (NOT) ALONE. シンジ君は一人じゃない
「破」⇒   YOU CAN ADVANCE.  シンジ君は進める
「Q」⇒ YOU CAN (NOT) REDO.  シンジ君はやり直せない

確かに映画の内容と合致.
となると,NOT有り無しが逆転したルートもあるので「別の機会に映画化されるのでは?」と期待したが,『シン』は意外にも普通の続きモノだった.

正確には「全てのエヴァにさよなら」なので,「NOT有り無し交互説」も含んでいると言えば含んでいるのだが.

閑話休題.「作中作」に話を戻す.

「作中作」もしくは「劇中劇」作品の歴史は古く,Gemini先生に訊いてみると,『アラビアンナイト』『ドン・キホーテ』『カラマーゾフの兄弟』などが例として返ってきた.
映画だとクリストファー・ノーランの『インセプション』も該当(?).
夢の中で夢を見る夢.完全に頭のいい人向け映画.

インセプション(字幕版)

「作中作の代表」では検索にひっかからないけど,『GQX』は鈴木光司の『ループ』に近い物語構造だったりして.

『ループ』は,言わずとしれた大ヒットホラー『リング』3部作の最終章(スピンオフもあるけど).
初めて読んだ時は「なんじゃそら」と思ったが,「呪い」に整合性を求めるなら”あり”な設定かも.

現実世界においても,古文書や戦記物の記載はあくまで勝者の歴史.
真実とは限らない.
誰かが書いた「物語」が遠い未来では正史として採用されるかもしれない.

ちょうど先日の『べらぼう』第4話では公文書偽造シーンが出てきた.
アナログの方が改ざん記録が残らないため偽造しやすいかも.

まぁ,『GQX』も本放送が始まると新たな考察が乱立.
その後,謎が明かされるまでのお楽しみ期間ですね,今は.

最近はこうした複雑な構造を持つコンテンツが多くなったように思う.
やっか...いや,目が肥えてきた視聴者を満足させるのは大変.

いずれにせよ,公開日の1/17以来,『GQX』の前半パートのせいで,大量のおっさん達が夢を見せられ続けているのは確かである.

Day48:骨折7週目の日曜日~素晴らしきオタクライフ

2025/1/26 Sun

なんですか,この陽気は?

いきなり大人げない論評.

【『わんだふるぷりきゅあ!』最終回】

休日なのにヒッキーなJK娘と一緒に鑑賞.
娘号泣.そこに容赦のない感想を叩き込む毒父Kazchari

もちろん監督・脚本家が考えに考え抜いた終わり方なんだろうけど,「(視聴層的に)やはり,ここまでか...」というのが率直な感想.

放送前の勝手なKazchari予想だと,

「日本狼(ガオウとスバル)の話はキレイに終わるとして,焦点は主人公側.
ニコガーデンとアニマルタウンの関係が終了.
こむぎ,ユキ,大福はプリキュアどころか,人間体になれなくなる.
ココロは通じているが,会話ができなくなる」

おお,ここまでは正解!

「さらに数年後,いろはと悟の結婚生活が描かれるが,そんな中,こむぎが寿命を迎える...」

これはさすがにハズレたか.
まぁ,メインの女児にはトラウマになってまうしな.
そやけど,数話前で「ペットのタヒ」を描いているのだ.
このスタッフなら,主人公サイドも...と思ったのだが.

本編では「一旦会話ができなくなったけど,奇跡が起きて,姿は動物のままだが,再び人語が話せるようになった」という展開.
しかし,人の姿やプリキュアにはもうなれない? オールスターズの時に困る(誰が?).

と,そんな大友の戯言はともかく,続いて10時からは...

【『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』制作発表イベント】

これまた特撮オタクのJK娘と鑑賞.
こっちは完全に意気投合.
毎年恒例の番宣だが,過去イチの盛り上りだったのでは?(「あなたのNo1は?」の質問コーナーを除く)

50周年記念作品ゆえ,オールレッド登場だが,前もなかったっけ?

指輪キーアイテムだけに,敵組織はブライダル関連がモチーフ.
敵幹部の方の”ギンガマン愛”が最高だった.
後,司会のおーねーさんもリアル『トクサツガガガ』でノリノリ.

昼食後はクルマでお出かけ.

【DOMANEのオーバーホール】

クランカーさんへOHお預かり.
EMONDAと,どちらを出すかと悩んだが(2台分の余裕なしッ),夏に「納沙布1200」を控えるDOMANEにした.

参加しない理由なし!~2025北海道1200km納沙布岬

懸念していたフロントスプロケットだが,走行67,000kmオーバーにも関わらず,まだ使えるとのこと.
登りの時,全然トルクかけてない?
そして「シートポストのISOスピードは分解するな」とのお達しがメーカーからあったとのこと.なぜ?

で,結局,OHおよびバーテープとワイヤー交換で約¥30,000の工賃.
やっぱりロードは贅沢な趣味だ.

そっか,節約のためには,自分で整備できたらいいのか.
一度でもバラ完にチャレンジしたらスキルが身につく?

iPhone15 Pro

【図書館にて】

店を出て,予約本の連絡があった図書館へ.
他にも数冊借りるつもりで館内をうろうろ.

昔からなのだが,図書館に来るといつも絶望する.
これら膨大な知の宝庫の収納物を,読み尽くすことは決してできないのだと(当然です).

まぁ,仮に超速読術を身につけて読破できたとしても,自分のタヒ後も新刊は発行されるわけで.
結局,今ある本,興味ある本をできるだけ多く読むしかないわけで.

と言いつつも,以前に比べずいぶん読書量が減ってしまった.
この本,身につまされるなぁ...

【3本ローラーセットアップ!】

DOMANEをOHに出してしまったので,スマートローラーが使えない=ZWIFTはしばらくお休み.
ゆえに久々に3本ローラーを用意.EMONDAと合体!

iPhone15 Pro

いかんせん骨折治療中.
何よりも室内落車が怖いので,前輪固定バーを使う.
要はヒルクライムレースのウォーミングアップ仕様やな.

で,今夜この状態で観たのが...

【『べらぼう』第4話】

いやぁ面白いわ.

今回は女郎周辺ではなく,本屋と幕府のそれぞれの策謀がメイン.
旧来のしきたりvs新しい価値観.この2つのステージ,どこかで交わるのか?

普段,良い人役を演じることが多い役者さんが,今回悪役になるパターン多め.わざと?
いずれにせよ,今回の大河は比喩・暗喩ではなく,マジお仕事ドラマやな.

で,最後にHG「ジークアクス」の完成.

iPhone15 Pro

この”ダム”(ふくらはぎ)の形状が斬新.
複雑すぎる.
CGじゃないと絶対動かせんな.

iPhone15 Pro

つーことで,まだ外乗りが許可されていないチャリダーの,ヤケクソでオタクな休日でした.

もう一歩.さすれば...勝つ!(何に?)

『全修。』が面白い

2024/1/23 Thu

往年のファン向け?

1月開始の冬アニメ.
いわゆる1話切り,3話切りの話題が出てくる時期でもある.

さて,そんな大量配信されている冬アニメのうち,Kazchari家全員で鑑賞しているのが『Dr.STONE』(第4期)である.

Dr.STONE

家族で観る『Dr.STONE』

安定の面白さ.何より科学の勉強になる.
ストーリーも,いつの間にか敵キャラと和解して,倍々ゲームで仲間が増えていくジャンプ黄金パターン(『ダンダダン』もしっかり踏襲)

今期は分割3クールにて最終話まで放送するらしいが,本編最終回後の第27巻もアニメ化するのだろうか?
“アレ”まで作ってしまうと,科学ではなくファンタジーになってしまうけどな.

次回いよいよ登場すると思われるDr.ゼノ.
元ネタはメガレンジャーの「Dr.ヒネラー」だと思っているのはKazchariだけ?(たぶん)

で,本題.

確かに『Dr.STONE』は面白いのだが,「完結済みで原作あり」である.
先のストーリーまで全てわかっている.
未知の驚きという点では,原作なしのオリジナルに期待したい.

こいつは...いろんな意味で規格外だったけど.

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』を観た~開始0.5秒で泣ける

今期冬アニメで気を吐いているのが,MAPPA制作のオリジナル作品の『全修。』

全修。

以下,あらすじ.

新進気鋭のアニメーター,広瀬ナツコは監督として世に送り出した第一作(セラムンとスケバン刑事をミックスさせた内容)が大ヒット.
次回作「初恋」の制作に取り掛かっている.
多大なプレッシャーの中,コンテ作業がなかなか進まない.

ある日,たまたま口にした賞味期限切れのハマグリ弁当を食べて倒れてしまう.
やがて目が覚めると,ナツコはかつてファンだった映画「滅びゆく物語」の作品世界の中にいた.
タヒんでいないし,見た目も中身も本人なので“転生モノ”ではない,とナツコも言っている.

砂漠にて物語に登場するバケモノ(ヴォイド)に襲われるが,それを救ったのが勇者一行.以降,ナツコは勇者一行と行動を共にすることになる.

だが,物語の先の展開を知っているナツコは気が気でない.
勇者闇落ちの鬱展開を知っているからだ.

ナツコの予言(?)通り,大量発生したヴォイドが街を襲う.
立ち向かう勇者だが多勢に無勢.
それを救うべく自爆魔法を唱えようとするユニコーン.

その瞬間,たまたま現実から持ち込んでいた作画用タップが輝きをはなち,「描け!ナツコ!」とつぶやく.
ここからプリキュアの変身シーンのごとき超絶作画.
突如あらわれた作業机と作画用紙.
このピンチを救うには,何を描けば良い?

地平線の彼方から迫りくる,怒りに満ちた赤い目の昆虫っぽい大量の生物...こいつらを“薙ぎ払う”のなら...アレしかない!

そう,ナツコが描き上げたのは,日本人なら誰もが知る“あのアニメ”の,最近立て続けに「シン・〇〇」シリーズを手掛け,おたく四天王と呼ばれる“あのカントク”が描いたアレに似たナニカだった!

続く,2話,3話も同様の展開.
そうか,これってそういうアニメなのねん.
『SHIROBAKO』のような,アニメお仕事アニメと思っていたら大間違いだった.

ピンチの際,ナツコが(アニヲタであれば)誰もが知っているシーンを作画して,万事解決!
作り手の過去の名作,名場面への愛が伝わるアニメだった.

問題は,ナツコのおかげでオリジナルのストーリーが改変され,退場キャラが生きてたり,行動パターンが変わってしまっている(どこぞのBiginning?).

はてさて,ナツコの知っていた「滅びゆく物語」は一体どこへ向かうのか.次回「〇〇」.サービス,サービスゥ!

この作品,転生モノと言えばそうなのだが,クライマックスの作画バンクのノリ,何かに似ているなぁ...と思ったら「幾原邦彦」っぽい.

幾原監督と言えば『少女革命ウテナ』『輪るビングドラム』『さらざんまい』が有名.
そして,これら共通の特徴と言えば,決闘前やら説教前やら変身時に突如始まるミュージカル風演出.
印象的な画および音楽によって,(難解な)本編はともかく,そのシーンだけは忘れない,っつーか中毒性がある.生存戦略!

先ほどは作画バンクを「プリキュア」っぽいとしたが,やはり,こちらの雰囲気の方が濃厚...と,調べてみると『全修。』の監督さんて,幾原作品の関係者だった.

そのせいなのかどうかわからんが,「滅びゆく物語」パートの作画と,作画バンクシーンのクオリティの差がすごい.
バンクシーンと,その後の戦闘シーンへの熱量のかけ方に明らかに違いがある.
まぁ「滅びゆく」は昔の作品なので,ワザとなのかもしれん.

で,その『全修。』の最大のウリは,今回ナツコな何を,誰をオマージュして作画するのか,であろう.

第1話 ⇒ 巨神兵
第2話 ⇒ 板野サーカス(マクロスorアディゴ)
第3話 ⇒ なぜかタイガーマスク(孤児院つながり?)

なんでも「板野サーカス」は板野氏ご本人作画らしく,ネットで大盛り上がりだった.
この作品の本気度がうかがえるなぁ...とKazchariは感心してしまうが,好意的な感想だけではないらしい.

曰く「内輪ウケ」「古すぎてわからん」「話がつまらん」など.

実際「板野サーカスなんて知らん」というアニメ批評サイトがあってこっちがびっくりした(若い人?).
まぁ,『ジークアクス』の鑑賞者も,「ファースト見た事ない」勢が結構いるらしいけど(この動画の人,むっちゃ楽しそう).

元ネタが現状のままだと,おっさ...いや古参勢しか喜ばん作品になるかもしれん.
まぁ,それが視聴対象のマス層なら,狙いは大当たりということになるけど.

で,全12話だとして,残る9話分のオマージュ元を勝手に予想.

・金田風パース
・湖川風あおり顔
・安彦風筆ペン
・細田風影なし顔
・大友風街の倒壊
・押井風難解セリフ
・富野風電波セリフ
・サンライズ風パース(戦隊レッドで先行)
・エヴァ風心象風景
・松本零士風メーター
・タツノコ風びっくりどっきりメカ
・世界名作劇場風大自然
・もっとプリキュア風変身

あぁ,なんかわけわからんようになってきた.
要は何でもあり.予想を裏切ってくれる方が楽しい.

後は,本筋のストーリーに面白さ(ひねり)が出てくればいいなぁ.

何故,ナツコはあそこまで食いまくるのか?
エルフの裏切り(?)はどうなるのか?
現代に戻れるのか?
「初恋」の絵コンテは描きあがるのか?

こんな楽しい娯楽を(命を削って?)提供してくださるクリエーターに感謝.
その情熱が...うらやましいかも.

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』を観た~開始0.5秒で泣ける

2025/1/17 Fri

お急ぎですか?

iPhone15 Pro

昨年末,突如発表された新ガンダムプロジェクト.
それが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』である.

機動戦士Gundam GQuuuuuuX公式

本来,4月放送開始のテレビシリーズなのだが,最初の数話をまとめたモノが映画として劇場公開.いわゆる番宣だろう.

その公開日が本日1/17.
ネットがネタバレ祭りになる前に,このBig Waveに乗りましょう!

で,近くのシネコンに行ってきた.
2回目の上映.ポイント使って¥1,000で鑑賞.
さすが平日,客の姿もまばらだ(いつもの旭川だ)

以下,核心的なネタには触れませんが感想.
全く”素”で観たい人は回避して.

————————————————–

何を書いてもネタバレになるけど,ネタバレしたくないと思わせる作品はなかなかない(じゃぁ書くなよ).

情報統制がしっかりしていたはずだが,予告や海外サイトのミスによりバレてしまっている事項がいくつかあった.

まず,宇宙世紀モノであること.
正確にはパラレル,ifの世界.

どうやら主人公機とされているトリコロールのマシンはガンダムではない?
なぜなら本来の「RX-78ガンダム」は,ジオンに鹵獲されており,結果,1年戦争でジオンが勝利した世界軸らしい,とのこと.

予告に出てくる赤い(エルメスの)ビット,および海外リークの「赤いガンダム」がその鹵獲されたガンダムだろう.
そして,赤いMSということは...パイロットはあの人しかいねぇ!

他,「軍警」と書かれたザクが出てくる.戦後の統治?
「クランバトル」という違法なリアルバトルがコロニー周辺で行われている.

プラス,ネット界隈でまことしやかに流れているのが主人公=ハマーン説

ぐらいの知識+妄想で観たのだが...

本編は,その予測を遥かに越えていたァーッ!

ざっくり言うと,この映画は2部構成.

開始直後,我らアラ還世代のおたくが,親の顔より見たあの画が,親の声より聞いたあのナレーションとあのBGMが流れるのだ.
これは泣かない方がおかしい.
マジで感動した.

そこから始まる前半パート.

なんだこれは!
一体何を見せられているんだ?

こ,この人は!
これ,まさかのアレやん!

これ現実なんやあ?
夢とちゃうやんなぁ?

脳の処理が追いつかない.
ニヤニヤが止まらない,かつ嬉し涙で目もうるうるしている.

ホンマこの時代に,この年齢まで無事に生きて,この映像を見れたことに感謝する.
神の存在? うん,今なら信じるね.

「オレたちのガンダムを作る!」という,かつての熱心なファンダムが作り手に回った時の超絶パワーを見せつけられた.

正直,後半パートだけなら「うん,まぁいつものちょっと奇をてらった今風のロボアニメだねぇ...ガンダムじゃなくてもええやん」という感想しか持てなかったように思う.

まだ映画を観ていない友人に猛烈に推薦したところ,「これ,完結してなくてTVアニメに続くやつ?」と質問された.
それに対して「いや,ある意味TVシリーズはいらん」と答えたけど,その友人も映画を観れば納得するであろう.

テレビも絶対観るけど.

————————————————–

で,帰りに家電店で「ジークアクス」買っちった.

まるで推し活.
ホンマは「トリコロールの〇〇〇〇」「赤い〇〇」が欲しいなぁ.
財団Bが出さないわけがないか.

つーことでX月からの本放送が楽しみだ.
期待しかない.

iPhone15 Pro

冷めないイデオン熱~TVシリーズの再視聴開始

2025/1/10 Fri

復活の♪イィデオ~ン

iPhone15 Pro 超合金魂

年始にYouTubeにて限定公開された『伝説巨神イデオン 劇場版』

『伝説巨神イデオン 劇場版』の配信

その興奮冷めやまぬ中,TVシリーズを再視聴することにした.
DVDも所有しているが,そこはサブスク時代.
「Amazon Prime Video」のリストにはないものの,以前こっそり加入していた「dアニメストア」にはしっかりラインアップされていた.

dアニメストアに加入~タイパ的にどうなのか

とりあえずZwiftの友として第1~3話までを視聴.
何度も見返した劇場版の「接触扁」に対し,おそらく2,3回しか観ていないのがTV版.
さて,今の視点で感想&考察すると...

時に1980年.
当時Kazchariは中学生.

友人に「面白いロボアニメがある」と教えてもらい,視聴を開始したのは確か第14話あたりだったと思う.
以前にも書いたが,関西での放送は水曜日の19時半から.
塾が終わる時間は非情にも19時半.
そこから数キロの道をチャリで飛ばしに飛ばして帰宅.
毎回,オープニングを見ることはできなかった.

ゆえに,最初の1クール分を鑑賞したのはレンタルビデオが普及してからだったと思う(もしかすると劇場版が先だったかも).
未視聴の話に関しては雑誌記事(アニメック!)で補完していた.

で,そんな本編だが,うむ.かなり面白い.
ただし,全話および劇場版までクリアした後だと,この冒頭パートには,まだまだ手探り感がある.

特にBGMに違和感.
故・すぎやまこういち氏による傑作ぞろいなのに使いどころが変.
場面に微妙に合っていない.

それに,なぜかサントラ集に未収録のものも散見される.
イデオン用ではなかった?

タイトル表示や予告で流れるBGMも後半とは異なる.
もちろん,後半の方がぴったり.

そして,言うまでもなく気になるのが作画.

特撮でもアニメでも最初の3話分くらいは,予算と時間をかけて丁寧なモノを作る.継続視聴者を確保するためだ.

その基準で言うと,気合いを入れるべきにも関わらず,デッサンの酷さや色パカの多さからも,時間的にかなり押してた感が伝わってくる.
今の基準だと作画崩壊と言われても仕方がない.
前作のファースト・ガンダムより退化しているくらい.

そんな中,湖川さんの描くキャラだけは飛びぬけている.
特にカララ!
キャラが美形でイデオンがかっこいい時,それは湖川作画と思って間違いない.

とまぁ,画はともかく,イデオンと言えば”濃密な”人間関係描写が売り.
濃密すぎて嫌味か罵り合ってばかり.
戦闘中,ずーっと赤ん坊に怒鳴り続ける主人公って,古今東西コスモだけでは?

そして,ベスは笑いすぎ.
イデオン=遺跡に,そこまでツボる要素はあるんか?
で,それをひっぱたくシェリルさん.
あれ? これってセイラさんの再来?

ただし「接触篇」と異なりベスの肉弾大活躍が見れます.
それにカララとのファーストコンタクトも,まさかの逆ナン?

そのカララさんだが...マジで諸悪の根源.
お嬢とは言え,あまりに軽率な言動.好奇心は身を滅ぼすを地で行くキャラ.
後にハルルねーさんが激怒するのも無理はない.

誰かが言ってたけど,やっちゃいけない行動を誰かがするから物語は成立する.
その通りやな.

そうそう,こうして見ると,ファーストとイデオンの冒頭ってプロットがよく似ている.
ジーンが暴走して,少年がよくわからないまま巨大メカに乗り込んで勝ってしまうとか,敵兵がゲリラ的に何度も潜入してくるとか.

皆殺しのトミノにふさわしく,地球側もバッフクラン側も,開始初っ端から人が死にまくる.
なぜか地球側のカービアンクロッサス(戦闘機)のパイロットの死に顔がやたら丁寧.なぜ?

キャラと言えば,地球人側は,日本人風に「名字→名前」順.
一方バッフ・クランは「名前→名字」と西欧風.

こうした用語が逆転は他にも見られ,例えば「ワープ」が,

地球人 ⇒ デス・ドライブ
バッフ・クラン ⇒ 亜空間飛行

となったりとか.芸が細かい.

さて,お次はいよいよメカの話.

まずはイデオンだ.

肩のでっぱりが特徴的だが,箱型で,まるで戦隊ロボだし,分離後の形態も戦車やバス.
そもそもなぜ分離するのかわからない.
ソル・◯◯からイデオ・◯◯に変形すると武装や機動力が上がるが,3話までだとデルタ以外はバス形態のまま.

有名な話であるが,イデオンが「異星人の遺跡」とされたのは,デザイン完成後の後付け設定.バッフ・クランが伝説の巨神と信じなかったのは無理もない.

そのせいか,「サブシステムで操縦」「動力源はよくわからない」「なんでこんなにスキマだらけなんだ」とかのメタ発言が飛び交う.

多人数での操縦は斬新...と言いたいところだが,『ゲッター』などの先例もないことはない.
イデオンが特徴的なのは,各メカの乗員の役割が分かれているところ.
序盤はまだ適当だが,話が進むにつれて.

Aメカ ⇒ 動き
Bメカ ⇒ エンジン
Cメカ ⇒ 武器管制

となっていく.
こう考えると,イデオンは大きさといい,多数乗員といい,ロボというより戦艦ですな.

グレンキャノン(主砲)と対空機銃で全身を固めているというか...後で波動砲はつくし.
変形後はミサイルポッドの場所が変わってしまい,撃てなくなるなどの細かい演出がベネ.

「接触篇」だとイデオン復活後,すぐにソロシップも浮上してランナウェイしてしまうが,そこはさすがにTV版.
破壊された街やら宇宙船から物資を運び,ソロシップに積み込むという描写がある.
このあたりのリアリティは流石である.

恐ろしいことに,第3話の時点で,敵の重機動メカが全く登場しない.
そもそもOPにも出てこない.ロボアニメなのに.

どことなく『さらヤマ』の白色彗星軍のメカに似ている形の戦闘機とヘリコプターもどき,それに二足歩行メカによる白兵戦.
この後しばらくして,ようやく登場するのがメカ火星人にしか見えないギラン・ドゥ...Kazchariがスポンサー(トミー)の社長なら卒倒するな.

つーことで,今後の展開も楽しみなイデオンなのだが,実はもう一本,昨年末から,唯一完走していなかった宇宙世紀ガンダムを視聴し始めた.

それは...『機動戦士ガンダムZZ』

機動戦士ガンダムΖΖ

本放送時は10話ほどで挫折.その後レンタルでも挫折.
今回アマプラで再挑戦し始めたのだが...一行がシャングリラを出る前から挫折気味.
話も絵も演出も主題歌も,あまりにもひどすぎて正直観るのが苦痛.

いや,わかってるんですよ.
前半のコメディ路線が,徐々にいつものハード作劇に変わっていくのは.
そこまでの道のりが苦痛(とばせばいいやん).

実はイデオンも,放送当時は似たようなこと(前半は全然ダメ)を言われていたが,10話あたりから怒涛の展開.
一瞬たりとも見逃せなくなることはよく知っている.

しかし,その評判の悪い冒頭パートも,“アレな”作画を覗けば,ドラマとして十分見ごたえがある,と今回確信.

新年から江戸ざんまい~暴れん坊なべらぼう

2025/1/5 Sun

意図せず連続

かつてないほどダラダラ過ごしたお正月.
仕方なしに映像コンテンツ漬け.
それがようやく明日から仕事始め.例年より少しうれしいのが不思議.

最終日は時代劇2本を鑑賞.
まずは,4日にテレ朝系で放送されて話題になった『シン』もとい『新・暴れん坊将軍』

新・暴れん坊将軍

放送後の評判を聞いて,TVerで配信版を観てみた.
いまや絶滅危惧コンテンツの民放時代劇.
その昔は『水戸黄門』『遠山の金さん』『必殺仕事人』とかはよく観てたなぁ.

これらに共通するのは「勧善懲悪」「お約束」からの安心・安定のワンパターン
だからお年寄りに受ける.最近の“衝撃展開”は少々やり過ぎ感あり.

で,17年振りの新作という『新』だが,予想以上に面白かった.

テーマはお世継ぎ問題.

史実を参考に吉宗の長男の家重(ジャニ?)には障害(脳性麻痺)がある設定.
言語不明瞭で片手麻痺.
一方,次男(本当は三男)の宗武は文武両道な”ゼンカイザー”だ.

吉宗は「長男継承の決まり」通り,家重を時期将軍にするつもりだが,宗武を推挙する家臣も多い.
さらには尾張徳川藩主の傾奇者”GACKT”までもが将軍の座を狙っている.
そこに漬け込み,戦乱の世の再来を目論む商人と老中&旗本の悪役連合...という構図.

城内では話せないうつけ者のフリをしていた家重だが,実は密かに言語訓練を続けており,その甲斐あって流暢に話せるようになっていた.

それだけにとどまらず,西洋式短剣レイピアの使い手にもなっていた! なんつー便利設定.

そして父の吉宗同様,江戸城を抜け出して街を徘徊.
会話を市中で学んだためか,なぜかべらんめぇ口調に.
まさかと思うが,家重で続編,作らへんよなぁ...

もちろん『暴れん坊』なので,クライマックスの”成敗な”殺陣シーンを経て最後はキレイに大団円.

CM前のGACKTの無駄な筋トレシーンがツボ.
まるで某埼玉系映画のノリ.

ネットでも話題になった日本酒タワー~江戸のホスト描写.
関西弁のチャラ男を演じるのは“仮面ライダーセイバー”だ.

GACKTもディケイドの主題歌歌ってたし,特撮ヒーロー祭り.
そういや上さまもオーズと共闘してたしな.

劇場版 仮面ライダーOOO(オーズ) WONDERFUL 将軍と21のコアメダル コレクターズパック【Blu-ray】

お次はNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』

べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~

吉宗の将軍在職期間は1716年から1745年.
次の家重が1745年から60年.

そして『べらぼう』の舞台となる10代将軍家治の治世は1760年から.
期せずして続きの時代を描いたドラマを連続で鑑賞することになった.

主役は”トッキュウ4号”と,またしても特撮ヒーロー.
今でも栄一役だった”メテオ”と区別がついていないのは内緒だ.

それはともかく,こちらも面白かった.

綾瀬はるかのスマホ案内から始まったので,てっきりコメディ&メタ路線なのかと思いきや,吉原舞台の中身はなかなか壮絶.

ネットで話題のAV女優を起用した全裸タヒ体.
理不尽に殴られまくる主人公.
田沼意次と言えばの賄賂.

そう,第1回からエロ・暴力・金という,どこぞのVシネ展開.
日曜8時の放送にしてはNHK攻めてます,つーか,今やNHKしかできない.
当然だが『暴れん坊』よりもセットや衣装が豪華だ.

それにしてもこれから1年間,このテンションで行くのか?
それともBPOや世間に負けてマイルド化してしまうのか.

保守派(戦国幕末)と女性と子どもにはウケなさそう...(誰が観るのだ?)
とりあえず視聴継続.

それにしても,『暴れん坊』も『べらぼう』も,200年の時を越えて世相を反映しているねぇ.
前者はホストの売掛問題,後者は規制のがれの◯春...
いつの世も人の欲は変わらぬ.

楽しいコンテンツが多すぎて,何を観るかの選択に迷う現代社会.
限られた時間をどう配分していくかが,考えどころ.
昔の作品も,変化した今の感性で見直したいしな.

1977年のホラー映画『サスペリア』を観た~大晦日の夜に

2025/1/1 Wed

思い出補正?

さて大晦日の夜のこと.
階下ではヨメさんと子どもたちが「紅白」観ながら熱唱中.

Kazchariは部屋にこもってAmazon Prime Videoで映画を物色.
年末年始にふさわしいハートフルな映画とは真逆のこいつをチョイス.

それは,ホラー映画の金字塔『サスペリア』(1977)だっ!

サスペリア (字幕版)

48年前の映画ゆえ,いまさらネタバレ警報は不要と思われるが一応注意.

この映画には有名な要素が2点.

1つ目は「決してひとりでは見ないでください」という,一世を風靡した名コピー.
そやけど...実は一人で観たほうが良い?
そこまで怖くないっつーか,ツッコミどころ満載なので.
いや,逆に誰かと笑いながら観るのが正しいか(ホラー耐性がある人に限る)

2つ目はBGM.
一度聴いたら忘れられない不気味な音楽.
劇中でも「何かヤバイことが起きそうな時」に流れる.

以下,あらすじというかストーリー.

主人公はスージーという名のアメリカ人.
ドイツのバレエ名門校に入学するために,ニューヨークから飛行機に乗ってやってきた.空港から物語は始まる.

暴風雨の中,タクシーがバレエ学校に到着.
玄関ドアから若い女性が突如現れて「秘密...アイリス」と叫び,そのまま立ち去ってしまう.
その後,スージーがインターフォンで来校を告げるも,なぜか「そんなん知らんし」と拒絶される.
途方に暮れたスージーは街の(?)ホテルへ.

視点が変わって,先ほど学校を出ていった女学生パット
友人のアパートに駆け込み,悪態をつきながらも泊めてもらうことに.
窓の外に何かの気配を感じて覗き込むと...闇に光る目!
突然毛だらけの腕に顔をガラスに押し付けられて,パット変顔大会.
そして,無理やりベランダに引きずり出されたパットは,その謎の訪問者に胸をナイフで刺され,ステンドグラスから吊り下げられて縊タヒ.
彼女の友人もガラスや鉄骨が顔やカラダに突き刺さってタヒぬ.何がどうなった?

ここまでが導入.
例のBGMおよび,学校の壁の色,それに友人のアパートの部屋.変な壁紙と主に赤を基調とした極彩色.耳と目に不穏感MAX!

...とは言ってもそこは50年近く前の映像.演出上の狙いなのか限界なのか,肝心の血の色が鮮やか過ぎて不自然.絵の具感が...

翌日,学校を再訪するスージー.
学内は怪しい人物だらけ.
副校長,主任教師,盲目のピアニスト,下男パブロ,アルバート少年などなど.
パッドの死を受けて警察の聞き込みも始まっていた.
スージーも昨夜の玄関での出来事を警官たちに話す.

あぁ,ここで悪玉(副校長やら主任教師)に目をつけられたわけやね.

同級生らも曲者だらけ.
そしてやたら金に細かい.アメリカ人への皮肉?
最初は学外に住む先輩のアパートに同居する予定が,レッスン中に体調不良後,なぜか寮に強制入居.
怪しい医師の診察後「鼻血出たからワイン飲め」という謎理論で,しばらく流動食とワインの生活となる.

あぁ,ここで悪玉に監視下に置いておこうとされたわけやね.

この学校の寮部屋は変な作りで,隣室ともドア一枚でつながっている(たぶん).
で,スージーは隣のサラ(解説役)と仲良くなる.

ある夜,寮の各部屋に天井から大量のウジ虫が降ってくるというとんでも事件発生.
この映画,最大のキモチワルポイント.
何かの呪いかと思われたが,屋根裏の食料(?)が腐敗してウジが大発生したらしい.
仕方なく,寮生は全員ホールでベッドを置いて一晩過ごすことになる.
ここでスージーはサラから,旅行中と言われている校長の特徴的なイビキがカーテンの向こうから聞こえると言われる.
よくわからん.どういう状況?

あぁ,ここでボスキャラが幽体離脱して,スージーとサラに自分の存在を意識させたわけやね(たぶん違う).

翌朝.アルバート少年が,玄関先に結わえてあったピアニスト(ダニエル)の盲導犬に噛みつかれる事案発生.
主任教師が大激怒し,ダニエルが解雇される.
ダニエルは「こんな呪われたところ出て行ってやる」と捨て台詞を吐きながら退出.
このセリフによって「彼は何かに気づいていたこと」が悪玉にバレ,その夜,呪いによって操られた盲導犬がダニエルの喉を噛み切る事件が起きる.

サラはスージーに,以前パットから変な話を聞かされて,メモを託されたとを告げる.
そしてこの学校には謎の部屋があり,先生方(スタッフ)は夜な夜なそこで集会を開いているのではと推理.

あぁ,学校内でそんな話したら全部筒抜けやん.

だが,肝心のスージーはワインに入っている薬によって意識朦朧中.
サラの話も理解できない.
何者かの気配を感じたサラは部屋を出て屋根裏へ逃げ込むが,例の”光る目”よる待ち伏せを受ける.
命からがら鍵付きの部屋に逃げ込むが,ドアの外からナイフでカチャカチャと鍵を開けようとする追跡者.
適当な物で台を作り,高窓から脱出するサラ.
転落した先には細い針金だらけの謎の部屋.有刺鉄線(鬼畜!)かと思いきや普通の針金.
サラはその針金にからんで動けなくなる(なぜ?).
で,何者かにナイフで刺さてタヒぬ.

翌日,スージーは教師からサラが出ていったと告げられる.
不思議に思ったスージーは,サラの友人だった精神科医を訪ねて,これまでの出来事を相談.
別の教授の話を統合すると,そのバレエ学校はギリシャから来た「マルコス」という謎の人物によって創設された.
神学校も兼ねていた学校は評判となり大成功.
だが,一方でマルコスは魔女ではないかという噂もあった.
ある日火事が発生(放火?)してマルコスが焼タヒ.
学校はマルコスの教え子らが(魔女の力ともども)引き継いだ...らしい.
教授はスージーに「信じますか?」と尋ねるが,彼女は「まさか」と懐疑的.

あぁ,アメリカンやから,こんな話は信じないねんな.だから最後勝てたかも.

学校に戻るスージー.
なぜか自分以外の生徒はバレエ団の公演を見に行き誰もいない.
これはスージーを今夜亡き者にするための悪玉の策略か.
覚悟を決めるスージー.
薬の入ったワインや食べ物を捨て,サラの残した歩数のヒントで校長室までたどり着く.
おっと,その前にコウモリに襲われるイベントもあったな.既に悪玉には気づかれていた?

校長室は絨毯敷のため歩数のヒントが使えるのはここまで.
部屋を見渡し,パットの言葉「アイリス」から仕掛け扉を発見する.
怪しい廊下を通り抜けると,副校長やら教師などスタッフ一同が集会を開いていた.
「あのアメリカ娘を消せ!」とタイムリーな会議中.

ビビるスージー,後ずさると廊下の隅に切り刻まれ,手首を杭で打たれたサラのタヒ体を発見.
よく,ここで悲鳴を挙げないもんだ.
だが,さすがに悪玉連中に気配を気づかれ,パウロがライターを持ってこちらにやって来る!

奥の部屋に逃げ込むスージー.
カーテン越しに聞き覚えのあるイビキが聞こえる.
そう,実ははるか昔にタヒんだはずの校長兼創設者,魔女ことマルコスがそこにいたのだぁ!

男前のスージーは壊れたガラス細工の破片を手にカーテンを開けるが,そこには誰もいない.
マルコスの声が響く.

「はっはっはっ,アメリカ娘よ,よくここまでたどり着いたっ! ワシを倒す前に貴様の力をみせてもらうぞ!」(意訳)

とかなんとか,RPGのボスキャラのようなセリフとともに,タヒんでいたはずのサラが起き上がりスージーに襲いかかる,いや短い距離なのになかなか襲ってこない.
ここはゾンビ風ではなく,バレエダンサーなのだから踊りながらとかの演出が欲しかった(別にいらん).

ど,どうするスージー!

だが,その時,不思議なことが起こった.

雷によって見えないはずのマルコスの”輪郭”が光で浮かび上がった(なぜ?).
スージーは狙いを定めて,ガラスの破片をマルコスの喉を突き刺す!

全身やけどの姿をさらしたマルコスは大絶叫!
同時に副校長や教師,パウロの悪玉チームも何故か血まみれに.
やがて館内の家具や備品が飛び散りまくり,壁にヒビが入り,火事が発生.
マルコス・パワーのぼ,暴走!?

崩れゆく建物を脱出するスージーだが,なぜかその顔は満足げ.怖いわ.

で,エンドロールで映画は終わり.

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この映画の公開は1977年.Kazchariは10歳である.

さすがに劇場では観ていないはず.
となると,テレビの洋画劇場かな.
たとえ昔でも21時台に流すのは無理な内容だが,どうだろう?
もしくはレンタルビデオか?

いずれにせよ,何らかの方法で観たことだけは覚えている.
いや,正確にはラストの燃え盛る建物をバックに,主人公がやたら清々しく去っていくシーンだけかな.

で,今観ると...
うーん.なんか中途半端なアドヴェンチャーゲームを見せられた気分.

脚本が支離滅裂で行き当たりばったり.
ミステリーとしても弱い.「犯人はヤス」(意外性)もない.

何しろ,なぜ被害者が殺されるのかがわからない.
誰も学校の秘密にはっきりと気づいていないし,誰かに訴えようとしたわけでもない.
そもそも呪いによって病気にしたり,動物を操ったりできるのに,直接手を下して警察沙汰にするのも謎.

バレエ要素はなんだったのか? 神学との関連は?
せめて,この世ならぬ不思議な振り付けダンスシーンがあって,生贄を捧げるとか,タヒ者を蘇らせる儀式のような場面が欲しい...って,それは『死霊の盆踊り』

肝心のホラー,スプラッタ要素は...
まぁ,当時はこれが最大級の表現だったのだ.

で,気になったのはドイツが舞台なのに,誰もドイツ語を話さないこと.
つーか,その前にイタリア人監督のイタリア映画やのに,なぜドイツ?
「言語にこだわる映画は名作」の原則から外れている.

『13人の命』を観た~知識と経験

資本・市場の関係かな?

何やら文句ばかりなので良かった点もいくつか.

スージー役のジェシカ・ハーパーさん.
飛び抜けて美人というわけではないが,大人でもなく少女でもない不思議な雰囲気.
当時で28歳!?
今もご存命です.

そして,やはり外せないのが美術関係.
建物内外装の模様と色.これってもちろんセット?
こんなとこ住んでたらおかしなるわの派手さ.

そしてライティング.
赤が印象的.
また,これから襲われるサラにずっとグリーンのライトが当たっている.
そうした細かい演出がベネ.

これがイタリア人ならではの美的センスってヤツか.

つーことで,40年以上前に観た記憶あいまいな映画を見直すのも悪くない.
思い出補正に気づくことが多そうやけど.

そういやこの映画には『2』もある.

どうやら,こいつは訳アリで,無印の大ヒットによって監督の過去の無関係な作品を『2』ということにして上映したそうな.
こっちは観たことがない.

そして,無印の方は2018年にはリメイクされている.

サスペリア(2018)

なんか...どういうリメイクだ,これ? 現代舞踊?
まぁ,いわゆる名作ホラーってリメイクされがちやな.
機会があればこっちも観てみよう.

ちなみにオリジナルの『サスペリア』はアマプラ配信は終了してしまったので,Blurayはこちら.

ちなみに正月の朝,口笛でサスペリアのメインテーマをエンドレスで吹いていたら,ヨメさんに「気分が悪くなるからやめろ!」と怒られた.

さすが,50年経ってもホラー屈指の名旋律は名旋律...いや違う,単に下手で不快になるからだそうな.シクシクシク36.