2025/2/8 Sat
Your future is whatever you make it, so make it a good one.
Kazchariは映画が好きである.
きっかけはもちろんテレビ放送.
昔はほぼ毎日,各局で放送があった.
荻昌弘,水野晴郎,淀川長治など,名調子の解説陣が懐かしい(年がバレる).
ただし,ネタバレ大王こと〇村淳,テメーはダメだ.
10代の頃,実家のテレビはブラウン管で,サイズもせいぜい20インチほどでモノラル音声.吹き替えかつCMがガシガシ入る.
周囲では家族の生活音が聞こえ,黒電話もテレビの横にあったりする.
そして...長い映画はカットされる.
かように,今と比べると酷い鑑賞空間なのだが,名画『ニュー・シネマ・パラダイス』は妹の部屋のタンスの上に置いてあった14インチテレビが初見.”それでも”大いに感動した.
こうしたテレビ放送の何が良いって,事前に全く知識や興味なく,たまたま観た映画がとんでもない名作だったりすること.
文字通り自分の世界が広がっていく感覚がする.あぁ,刻が見える...
エコーチャンバーのごとく,好きなモノだけを選んでいると己の好みが固まってしまう.思いがけない新発見.人生にはトキメキが欲しい.
特に深夜枠は,様々な意味でケシカラン映画が多くて...けほんけほん.
もちろん劇場での鑑賞も欠かせない.
「東映まんが祭り」から始まって,劇場版『ヤマト』を経由し,『ガンダム』では徹夜並びを経験.
大学時代の『ロボコップ』のオールナイトが懐かしい.4周くらい観た(寝た).
そして,レンタルビデオ時代へ.
過去に見逃した古今東西の名作をクリア.
今ではレンタルが配信に代わり,ここぞという作品では劇場に赴く.
映画は総合芸術であり,傑作,駄作とも人生を豊かにしてくれる最高の素材であることに,異論を唱える者はいないであろう(※個人の感想です).
ヨメさんも映画好きなせいか,双方のDNAを受け継ぐうちの子供らも結構観ている方なのでは?
ただし,どうも作品に偏りがあるようで,アニメや邦画コメディなど,ライトなモノがほとんど(それが普通).
ホラーまで観ろとは言わんが,もう少し深みのある作品にも接してほしいと考えている.
まぁ,古くからの友人であるカジポンの,息子に対する映画英才教育は...少々アレだが(他意はない).
そんな中,2/7の「金曜ロードショー」にて,久々に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が放送された.
もちろんネットでも配信されているが,今回,新声優(宮野&山寺)による吹き替えということでリアタイ視聴することに...というのは実は建前.
Kazchariの子供時代と同じ様な体験をさせてみたい,が理由.
リビングで家族4人が揃って,同じ番組を観る状況がレアとなっている昨今,Kazchari(父親)が珍しく猛プッシュするので,娘,息子とも9時前にテレビの前に(しぶしぶ?)座った.
で,その『BTTF』(こんな略し方最近知った)である.
おそらく,世界各国で好きな映画アンケートを取れば,間違いなくトップ10に食い込むであろう映画史上に残る大傑作である.
公開は1985年.確か映画館で見たな.
その後も何度も視聴している.
観る度に小ネタに気付き感心する,ホンマ楽しい映画だ.
多元宇宙論(マルチバース)がまだマイナーな時代.
タイムパラドクスについては,とりあえず無視.
ただし,冒頭の「全ての時計が25分遅れ」の意味がわからん.
駐車場でアインシュタインを1分の未来に送る実験の前に,ドクは一週間どこかに行っていた?
今回の新発見.
お母さん役の方の演技がエロ...ではなくマジで上手い.
Kazchariも昔は「なぜ偶然会ったばかりで,しかも父親が跳ねただけ(!)の男の子に,そこまで惹かれるのか」がさっぱりだったが,今なら理由がなんとなくわかる.
そう,うちのヨメさんと息子との関係を日々見ているからだ.
仲が良すぎて,毎日毎日懲りずに口喧嘩している.
なのに,この映画の間は二人してベッド上,布団にくるまりながら鑑賞している.
全ての親子関係に当てはまるわけではないと思うが,まことしやかに流れる「母親にとって息子は理想の恋人」論を具現化している.
アメリカでもそうなのだろうか?
そういやこんな図式の映画は他にも...そう,『さびしんぼう』や!
奇しくもこの映画の上映年も1985年で『BTTF』と同じ.
スゴい偶然である.シンクロニシティ?
Kazchariはこの『さびしんぼう』にも思い入れがある.
ノスタルジック映画の金字塔,尾道三部作としての完成度も高いが,特にテーマ曲であるショパンの練習曲第3番,いわゆる「別れの曲」は初めて好きになったクラシック音楽.
今では膨大な数となってしまったCDコレクションの最初の一枚が,この『ホロヴィッツ・ショパンアルバム』だった.
で,興奮必至のクライマックスの落雷シーンを経て,空飛ぶデロリアンを見送った後,息子に「どこのシーンが一番良かった?」と尋ねる.
「うーんとね,映画の最初でスピーカーの爆音で吹っ飛ぶところ!」
そこ!?
さて,有名な話だが,続編である『BTTF』の「Ⅱ」「Ⅲ」は,「Ⅰ」の予想だにしなかった大ヒットを受けて,後付けで設定をこねくり回して作られた.
決して面白くないわけではないが,「Ⅰ」の完璧過ぎる脚本の前では見劣りする.まぁ「Ⅱ」も観るけど.
それにしても,4K有機液晶だと,80年代映画も異常に画質がキレイ.まるで別物.
ブラウン管時代のレトロなざらざら画面も味があるがっつーかそっちが脳内で再生されてしまう.
さて,我が子らよ,今回の映画体験はどうだったかな?
昔の映画も捨てたもんとちゃうやろ.いや,むしろ最近の...(以下,略)
ともかく,この勢いで,人類の財産たる名作を見まくるのだ!
...翌日の夜,『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』のテレビ放送を大笑いしながら観ているヨメ,娘,息子がいた.
翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~ 通常版 [Blu-ray]
いやぁ,映画って本当に素晴らしいですね.サイナラ,サイナラ