『FASTEST』を観て~VRは普及するのか?

2022/2/13 Sun

脳だけで生きていける?

Zwiftの友,Amazon Prime Video.
先日,GPライダー,バレンティーノ・ロッシの自伝的映画『FASTEST』を観た.

FASTEST [Blu-ray]

長年第一線で活躍していたロッシも2021年,ついに引退.
若いと思ってたけど,もう42歳か.
ロードレースで言うところのペテル・サガンとイメージかぶるのはKazchariだけだろうか?
ともにスーパースターであるのは間違いない.

とは言え,毎年全ステージを食い入るように観戦している自転車の「グラン・ツール」に比べると,それほど熱心にMotoGPを追いかけているわけではない.

Kazchariが最もオートバイにハマっていたのは80年後半から90年初め.
その頃の最高峰と言えば「2st/500cc」やね.

エディ・ローソン,ウェイン・レイニー,ワイン・ガードナー,ケビン・シュワンツ,ランディ・マモラ,ロン・ハスラム,サロン兄弟とか.

弱ペダ並にキャラが濃い.何もかもみな懐かしい.
そういやTECH21カラーのYZFに乗った平忠彦の8耐を観るために鈴鹿まで行ったなぁ.ひたすら暑かった.

2018年,パプアニューギニアのワリンディにダイビングしに行った時,バディだったオーストラリア人がバイク・エンスー(死語)で,Kazchariが先ほどのレーサーの名前を出す度に大喜びしてた.

「Kaz! シドニーに来たら是非寄ってくれ.うちの家は広いぞ.一緒にツーリングに行こう!」と誘われている.

現在もSNSでのつながりはあるが,いつ行けるやら...

さて,『FASTEST』に話を戻す.
この映画の公開は2011年.
ちょうど,小型オンボードカメラの黎明期(GoPro HERO3の発売は2012年).
この映像でも車載動画シーンがある.
まだまだ解像度や構図はイマイチなれど,時速300kmを越える世界を少しだけ感じることはできる.

バイクレースと言えば肘スリバンク(この時代はまだ角度が甘い)と転倒がつきもの.
Kazchariもスマートトレーナーという固定型に乗っての鑑賞だったから良かったものの,3本ローラーだと”つられ転倒”が起きてたかも.

実際,『アメイジング・スパイダーマン』を観ながらの3本ローラーはヤバかった.

アメイジング・スパイダーマン シリーズ ブルーレイ コンプリートBOX [Blu-ray]

とまぁ,明らかに身体の外部に映し出された虚像にさえ,脳が騙されて身体が反応してしまう.
これ,仮想空間,VRゴーグルがもっと普及したらどうなるんやろ?

最初に一般化(?)したのはPS4の拡張機器だったかな?(いや,任天堂のバーチャルボーイ?)

VRはいつから普及が始まった?仮想現実の歴史を紐解く

Kazchari家にこの手のハードはない.
いや「Wii」はあったか? あれもVRっちゃあVR.

こないだ呼んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』にも,VRゴーグルを付け,高層ビル間に渡した板を歩くというアトラクションが紹介されていた.
あまりにリアルなため,一人で歩かせると認知的に”危険”なので,かならず両サイドにアシスタントを配置するらしい.

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

しかし,「脳がない生物はたくさんいるが,脳だけの生物はいない」のも事実.
やはり肉体感覚は大事やな.

少々記憶があいまいだが,何かの記事で「VR内で積み木を学んだ子供は,リアルな積み木ができない」と読んだことがある.
つまり,視覚入力情報を受け,処理してからの出力は本来であれば,自分の手で形・重さ・質感のある積み木を触らなければならない.
しかし,それが「ボタンの操作」に置き換わってしまうと,認知の発達を促さないということなのだろう.

ただし,VR,そして周囲の状況を完全にカットするゴーグルの進化は否定できない.
何らかの事情によりとある場所ら移動できない人にとって,この技術は朗報.
もはや娯楽の域を越えて,スマホ並の必須機器として普及していくのだろう.

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今,ざっくりとAmazonで調べたけど,もうこんなに安くなってるねんな.
知らなかった.
これだけ安いと「一つ試してみるか」という気持ちにもなるなぁ.これこそヤバい.

まぁ,どれだけ普及しようとも,使うか使わないかは個人の自由.
でも,こいつはひょっとすると人生最後の「尊厳死マシン」として使えるようになるかも.
自分の望む風景を観ながら,安らかに逝けるならそれも悪くないかも.

そうそう,最後にバイクレースと言えば『マン島TT』が一番ぶっとんでて”面白い”と思う.
言わずと知れた世界最凶の公道レース.

VRうんぬんは抜きでも,そのレース映像を観るだけでもとんでもない.

石の壁が続く,とんでもなく狭い街中や,アップダウンの激しい丘陵コースを走る360kmのレースの優勝タイムが,最近では1時間40分ほどである.え?

『グランド・ジャーニー』を観た~こういうのがいいんだよ

2022/2/8 Tue

かわいい子には旅をさせよ.

近頃は映画やアニメをやたら分析的に鑑賞するクセがついてしまった.
原因はいくつかある.

一つは岡田斗司夫をはじめとするYouTuberやブロガーの解説を目にする機会が増えたこと.たちの悪いことに,これらの裏読み解説は知的好奇心を刺激し,やたらに面白いのだ.

もう一つは,2年半ほど続けているこのブログ.
雑記系ブログなので,自分の周囲に起きたこと全てがネタ.

映画を観たとしても,こうしてアップするなら,単に「面白かった」では済ませたくない.
頭の中にうずまく観念を具現化する作業が面倒くさい.けど...それが楽しかったりもする.
まっ,わざわざブログ書いている最大の目的はボケ防止やしな.

結果,鑑賞後,妙に裏読みし,関連作品との比較,メタファーやら社会的意義まで強迫的に考察するようになってしまった(そういう作品を選んでいるのでは?).

そんな中,たまたまAmazon Prime Videoで見つけたのがこの映画,
「そうそう,こんなのでいいんだよ」と某ゴローさんが唸るような作品だった.

グランド・ジャーニー [DVD]

クリスチャンは風変わりな気象学者で、フランス・カマルグで雁の研究をしている。超軽量飛行機を使い、渡り鳥に安全なルートを教えるという、誰もが無茶だと呆れるプロジェクトに夢中だ。そんな変わり者の父親と大自然の中で過ごすバカンスなど、オンラインゲームに夢中な息子トマにとっては悪夢でしかない。Wi-Fiも繋がらない田舎で暇を持て余したトマは、ある出来事をきっかけにその無謀なプロジェクトに協力することに…

以下,鑑賞後のネタバレ&感想.

冒険心たっぷりなお医者さんが莫大な金と時間を使って,人力で日本人のルーツを探るような邦題だが,原題は仏語で「Donne moi des ailes」
訳すと「翼をください」だ.ガフの扉が開きそう.
実話ベースのフィクション作品である.

髪型が少々アレな14歳のトマ(どこか東洋人っぽい).
両親は別居し,母親の新しい彼氏と3人で暮らしている.
よくわからんけど,このあたりがフランスっぽい(偏見).

あらすじ通り,トマの父親クリスチャンは,渡り鳥に飛行ルートを“教える”プランを実行するのだが,その方法がとんでもなかった(職場の許可は得られず).

「渡り鳥は一度通った空路は忘れない」という習性を利用し,孵化直後の“刷り込み”に成功した雁(ガン)を,クルマでノルウェーの端まで連れていき,そこから(親と思わせた)パイロットむき出しの「モーターグライダー」で,鳥たちを引き連れて,元のフランスの湿地まで戻るという計画.

なんと! 2000年,実際に成功したらしい.

さて,劇中登場のモーターグライダーだが,日本では超軽量動力機=マイクロライトエアクラフトに分類される.

体重移動操縦型で,下面にフロートがついており,水面があればどこでも離着陸が可能.
日本(北海道?)では「モーターパラグライダー」はたまに見かけるけど,このタイプは見たことがない.
劇中,フランスでは15歳で免許が取れるとあった.
日本では,なんと国家ライセンス不要だそうな.

一般財団法人 日本航空協会

国交省の許可があれば飛べるとは!?
現状,大型ドローンと同じような扱い?
買おうかな? いや,ウソ,無理です.
スキューバダイビングと比べても,さすがに危険すぎる(フライングスーツよりはマシ).

それに劇中での高度,あれ相当やな.怖すぎる.

クリスチャンの本棚に「ニルスの不思議な旅」がおいてあった.
幼少期に読んでいたであろうトマが手に取る.
この伏線は,後で見事に回収される.

ニルスのふしぎな旅

さて,親父の不用心な行動により,偶然にもトマが一人でグライダーを操縦してノルウェーからフランスまで戻ることになった.

“ほぼ”CGなしの空撮が話題.
最近の「本当はバックがグリーンな場面」だとわかりつつも,超絶なアクションに慣れてしまった観客には地味に映るかもしれない.
でも,こういうのでいいんだよ.
しかしながら「ラピュタ」っぽい乱気流シーンは,さすがに実写では無理だったようだ.

さて,今風にSNSへの拡散やら,親切な人々の助けにより,なんだかんだでフランスに帰還するのだが,トマの旅の進行とともにクリスチャンとパオラの夫婦関係も修復されていく.

川で体を洗う奥さんをチラ見する元旦那が微笑ましくて良い.
そういや何のために出てきたのかわからない女性カメラマンやけど,パオラに嫉妬させる=復縁させる役割だったのだろうか?

前半では,トマの冒険心をちょこちょこ抑制しようとするパオラ.
その後,ノルウェーからトマが一人で飛んだことを知り,クリスチャンに大激怒.
トマの発見後も,クリスチャンは自分の不手際でこうなってしまったことに狼狽し,計画を断念しようとする(=鳥の羽根を折る).
ところが,息子の確かな成長を見た後の母親の変化が面白い.
クリスチャンの決定を無視し,トマをもう一度飛ばさせる.
ある一線を超えると,女性の方が度胸を見せるという描写が良い.
子どもの成長を素直に喜ぶ,いいお母さんやな.
会社でけっこうな役職についていそうなのも納得.

さて,この映画のもう一方の主役がカオジロガンのアッカ.
カリガネガンの群れの中に手違いで一匹紛れてしまった.
劇中,クリスチャンが「同じ群れにしておくことはできない」だのなんだの言うし,途中で2回ほど行方不明になるしで,いつ死ぬのかとヒヤヒヤした.

ちなみにガンとカモ,Kazchariは区別がつかない.

ガンとカモは何が違う?雁行の由来になった鳥

ちなみに,日本で一番有名なカモであるカルガモは渡らないそうな.

というわけで,博物館の館長だとか,ノルウェーの自然保護官だとか,知事だとか頭の固い杓子定規的な大人も登場はするものの,すっきりとした展開.みんな職務に忠実なだけ.
昨今のメタだの,パラレルだの,悪には悪の論理が云々といった小難しい映画ばかり観ている中で,一服の清涼剤になりもした.

まぁ,強いて言うなら,クルマでノルウェーまで行く間に,もう少し父と息子の交流シーンが欲しかったなぁ.フランスからは,あっという間に目的地に着いてしまった.
蛇足かな.

調べてみると,『グース』というアメリカ映画が1996年に公開されている.
未見だが,これもかなり評判が良い.

グース [Blu-ray]

テーマ的に本作と似ている?
動物,家族,そして飛ぶ! ヒットしないわけがない.

そういや,よりドキュメント寄りのこういう映画もあったな.

WATARIDORI ディレクターズ・カット -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray

この映画の製作に関わった人鳥類研究者がクリスチャンのモデルらしい.

さて,『グランド・ジャーニー』を純粋に少年の成長映画として捉えると...やはり旅ですよ旅.
男を鍛えるのは旅ッ! それも一人旅ッ!

「若い時に旅をせねば老いての物語がない」は,とある狂言から.

Kazchariとしては,アホ息子に「中学生で北海道一周,高校生で日本一周,大学生で世界一周しろ」と絶賛洗脳中.
最終的には宇宙飛行士か.

JAXA 宇宙飛行士候補者募集

13年ぶりの募集だそうな.

つーことで,映画『グランド・ジャーニー』,普通に鳥もかわいいし,オススメです.

生真面目さは美徳ではあるだろうけど~ガンプラ不足問題

2022/1/28 Fri

ほどほどが一番.

新コロ流行に端を発したモノ不足問題.
Kazchariの趣味の分野でも,色々と不都合が起きている.

まずは,昨年のモンキー125納車遅延問題.
Kazchariの場合,5ヶ月待った.

その結果,価格も異常に高騰している.
Kawasakiの「Z900RS」なんて,新車より中古車の方が高い(すぐに乗れるから).

密を避けることができる最適な乗り物として,オートバイが脚光を浴びたこともあるが,同時にリターンライダーを目覚めさせてしまったことが大きい(Kazchariはこっち).

他にも様々なモノが品薄だが,世間的に有名になってきたのが『PS5』『ガンプラ』である.
品不足の原因は様々だが,何より転売ヤーの暗躍が大きいと思われる.

最近では,SNSに自分の「積みプラ」「完成品」の写真をアップすると,見知らぬ人から「売って欲しい」というDMが来るそうな.怖っ.

ちなみに,うちのような一日200pvに満たない弱小ブログでも,怪しい「金融商品買いませんか」的なメールが来たりする.なぜか英語とドイツ語が多い.

さて,そんなガンプラだが,増産アピールしている財団Bが,そのほとんどを輸出に回していると問題(?)になっている.

ガンプラはどこに消えた? 暗躍する転売ヤー 怒るモデラー

海賊版の話では,アニメのような映像コンテンツも同様らしい.
悪貨が良貨を駆逐するのを防ぐということ.

まぁ,その転売ヤーも日本人より,大陸系(組織)がはるかに多いと思われる.
あちらさんの金儲けに対する意欲はすごいからなぁ.
転売,押し買い,海賊版,模倣なんでもあり.
日本的な良心を求めても負けてしまうのは当然か.
(おっと,日本のガチャメーカー『コスモス』の話はなしだ).

Kazchariは以前,オートバイツアーに参加し,ボルネオ島を縦断したことがある.

ボルネオ島縦断ツーリング

島の西側,マレーシアとインドネシアの陸路国境越えは外国人だとなかなか許可されないらしいのだが,ツアーつまり旅行代理店を通すと可能だった(それがこのツアーの売り).
その国境にたどり着いた際,そこに香港人のソロライダーがいた.

そのライダーに「どうして,君たちはここを通れるんだ? 特別な許可がいるはずだが?」と質問された.
Kazchari⇒「旅行代理店を通すと大丈夫みたいですよ」と東から通ってきたコースを簡単に説明.
すると,そのライダー,いきなり携帯を取り出し,自分の会社なのかどうかわからんが,どこかに電話をかけ「もしこんなツアーを組んだら費用はどれくらいかかる」とかなんとか,リサーチを始めた.

さらに細かい質問してくるので,答えていると,こちらのツアーのガイドさんが目配せして「それ以上話しちゃだめです」と合図を送ってきた.
はっと我に返るKazchari.そう,このソロライダーの新規ビジネスの片棒をかついでしまうところだった.
それしても,驚きのこの行動力!

また,先日,とあるメーカー勤務の人から聞いた話だが,日本企業が海外マーケットを優先してしまう理由の一つに「日本人の几帳面さ」もあるらしい.

もちろんそれは美徳ではあるのだが,潔癖方向に振れるとややこしくなる.
納品されたモノが少しでも汚れていたり,キズがあったりすると即返品対応になってしまう.
もちろん,中身には何の問題もないのに,である.
もはやクレーマー,と呼んでも良いレベル.
その処理に延々と時間を費やされるのが辛いとのこと.

実際,Kazchariもヤフオクでコレクションを整理し始めているのだが,何よりも梱包が面倒である.
高値で落札されたモノはもちろん,全てのパッキングには気を使っている(つもり).
たぶん,落札者の評価やクレームにびびってるんやろなぁ...
礼儀としては当たり前だが,過敏に反応してしまうのも事実.

その点,海外からの発送品は適当である.
Amazonで買った格安中華品や,Wiggle商品の梱包にはびっくりする.
中身だけが大事らしい.
売り手としては商売がやりやすい.

誰かが言ってたけど,日本はサービス受益者には天国だけど,提供者には地獄とか.

どうなんやろね.
この生真面目さが,もう少し中和されれば,より生きやすい社会に変わるんかね.

なぜかよく行くニューギニア島

2022/1/19 Wed

野生が呼ぶのか.

海外にはプライベートであちこち行ったが,その中でも複数回訪問した国,というか島がある.
もちろん長期滞在という意味では,ジャマイカ(島)の2年が最長.
それを除くと,なぜだかニューギニア島にちょくちょく上陸している.

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:New_guinea_named.PNGより

TV番組の「観光で行きたい国トップ10」などにはまず上がってこない地域.
たいていの人は場所すらあやふやなのでは?
「オーストラリアの上のほう」と言えば,通じることもある.
後はあれかな,イメージとして首狩り族とかコテカとか...

この島は2つの国で構成されている.
ほぼ中央に地形を無視した真っ直ぐな国境線があり,西半分がインドネシアのパプア州+東イリアンジャヤ州,東半分が独立国のパプアニューギニアとなっている.

欧米列強に翻弄され,今日も紛争続く...インドネシアとパプアニューギニアの歴史

Kazchariはニューギニア島のそれぞれの地域に2回ずつ,計4度訪問している.

余談だが,島の形状も歴史もカリブ海のイスパニョーラ島となんとなく似ている(上下反転).

https://d-maps.com/carte.php?num_car=231353&lang=jaより

こっちは西1/3がハイチ,東2/3がドミニカ共和国である.

Kazchariはジャマイカ滞在中の2003年にドミ共を旅行したことがある.
飛行機で上空から観察すると両国の違いがよくわかる.
ハイチ側の山には木がほとんど生えていないのだ.
都市部の民家も作りかけが多く,屋根がない家も目立っていた.
その一方,ドミ共の首都サントドミンゴは高速道路が高層ビルの合間を縫うように走っていた.
この経済格差よ!

ハイチとドミニカ 同じ島に存在するが,なぜこんなにも豊かさが違うのか?

ニューギニア島に話を戻す.
先程述べた通り,Kazchariはこの島に都合4回訪れている.

1993年:西パプア/旧イリアンジャヤ(インドネシア)

2005年:マダン(パプアニューギニア)

2017年:ワリンディ(パプアニューギニア)

2019年:ラジャ・アンパット(インドネシア)

つーことで,以下,1993年の第一回ニューギニア訪問の雑感.
学術的には何の価値もない.
しかも約30年前の事情なので,今では何の役にも立ちません.

【1993年の西パプア/旧イリアンジャヤ(インドネシア)】

日本を出国して既に7ヶ月が過ぎていた.
インドネシアの島巡りもいよいよ佳境.
本多勝一の『ニューギニア高地人』を読んで以来,一度は行きたかった場所,イリアンジャヤを目指す.

ニューギニア高地人 (講談社文庫)

ジャカルタにて,国内3路線ならどこでも設定可能な周遊航空券を購入.
こいつを使ってイリアンジャヤの州都ジャヤプラに飛んだ(これだけで十分元が取れる).
ジャヤプラからは小さいプロペラ機に乗り換え,高地ワメナへ.

空港付近にたむろしている人々のうち,数人は裸...ではなく「コテカ」を”着ていた”.
「コテカ」とは,いわゆるペニスケースである.
ちなみにひょうたん製.
普段使い用,祭儀用といろいろあるらしい.

iPhone11 Pro 自室に飾ってます

横に長いインドネシアは,赤道にほど近い熱帯地域なのだが,さすがに高地は寒い.
先程の裸族の方々も寒いのか,両腕を胸の前で交差させ,自分を抱きかかえるようにして歩いていた.どうして服を着ないのか,進化論的に謎.

フィルム / 1993年8月撮影
フィルム / 1993年8月撮影

安宿を見つけてしばらく滞在.
こうした宿は旅行代理店も兼ねていることが多く,山岳民族の村を訪ね歩くトレッキングガイドの手配を申し込んだ.

彼の名前は「シリアス」だったかな.真面目か!
3日間ほど,二人でジャングルや山岳を歩き回った.

このシリアス,なぜかずっと不機嫌だった.
体調が悪いのかと聞くと「マラリアが再発してしんどい」とのこと.おいっ!

マラリアは蚊が媒介する病気.
つまり,マラリアにかかった人と一緒に,蚊がいそうなところに出かけるのは超危険.
今やったら絶対無理やな.

途中”塩の池”やら何やらを見学.みなさんちゃんと”服”着てますね.

フィルム / 1993年8月撮影

当然だが,まともな宿に泊まるわけはなく,シリアスの知人宅にお邪魔する.いわゆる民泊?
現地の人と同じモノはあまり食べなかったなぁ.
もちろんガイドのシリアスが毎回料理してくれるのだが,昼と夜に関しては基本的に「野菜たっぷりのインスタントラーメン」.ごっつあんです.

フィルム / 1993年8月撮影 タバコ吸いながら調理はやめい!

宿のご主人と言葉は全く通じないもの意気投合(?)
壁にかけてあった,ご主人愛用のコテカを確か50円程度で譲ってもらった.
土産物屋には観光客用の偽物が多いらしいが,これは正真正銘のホンモノ.ブルセラか!
さすがに本田勝一のように,その場で試着はしていません.

フィルム / 1993年8月撮影 トリミングじゃなく,なぜか顔が見切れている

この民泊,夜がスゴかった.
一応ベッドらしきものを占有してたのだが,一晩中,床を巨大な黒い物体が走り回って眠れたもんじゃない.
そう,大ネズミである.

当時も違和感があったのがこの風景.

フィルム / 1993年8月撮影 集合住宅?

30年前でも,伝統的な暮らしを捨て,インドネシア政府が用意した建売住宅のような場所に移住する(させられる?)住民が多くいたようだ.
通常のガイド付きトレッキングでは,昔ながらの伝統的な生活を営んでいる村に出向くことはできない.
Kazchariにジャングル単独行のスキルはないし,いわゆる山岳民族に出くわすのは危険...(特にパプアニューギニア側

寒くて,マラリアの危険もあり,食事もアレで,なかなか過酷な旅だったが,割と楽しめたかな.
今でも,町中でコテカを着用した人を見るのだろうか?

そんなイリアンジャヤも,Kazchariが旅した数年後から独立運動が盛んとなり,州名が変わったりした.
インドネシアの弾圧や差別に我慢できなくなったようだ.
いわゆる「パプア人」としてのアイデンティが強くなったということだが,将来的に隣国のパプアニューギニアとの統一は...ないやろな.
Kazchariの印象では,顔は似ているけど違う国.

イスパニョーラ島ほどではないが,経済格差もある模様.

Kazchariはこの旅の10数年後,今度はパプアニューギニア側のマダンワリンディを訪問することになる.
両方ともダイバー(だけ)には有名なポイントである.
そのうち,これらの旅の記録も書き残したい.

ちなみに4度目の訪問に関しては,その記録をアップ済み.
これが,現状最後の海外渡航である.

2019年のラジャ・アンパットダイビングクルーズ(1)

なぜ,いきなりニューギニアなのか.
それはトンガ王国のそばだから.
もちろんトンガ本国も心配だが,今回の噴火で周辺諸国にも津波などの被害があったかもしれない.

それに,この本を最近読んだのも一因.

赤道直下の宝箱 旅するパプアニューギニア

パプアニューギニア関連の本は非常に少ない.
ガイドブックの類もほとんど出版されていない(以前は地球の歩き方フロンティアでラインナップされてたけど).
今はネットで情報収集の時代やけどな.

治安やインフラの問題が山積みなので,個人旅行が難しい地域なのだが,この本を読んでいると,ダイビング目的ではなく,以前していたような自由な旅がしてみたくなった.
特にこのルート,面白そう.

ココダ・トレイル

アジアを旅すると,太平洋戦争の遺構に出会うことが多い.
また,一度訪れた国の政情は嫌でも気になるのがバックパッカーの運命(さだめ)
世界地図を見ながら,懐かしい日々を思い出すと同時に,あの場所や出会った人々がどうなったのか,非常に気になるのだ.

フィルム / 1993年8月撮影

節約生活のススメ~今がチャンス?

2021/12/2 Thu

モノがありません.

引っ越し当初は借家だったKazchari家だが,その数年後,大家さんからの申し出により購入,現在に至る.
人生初の持ち家となった.
これで気軽に引っ越すわけにはいかなくなった.

Kazchari家が建てられたのは平成元年.
つまり築後30年以上経過している.
借家時代,給湯管の故障や雨漏りは不動産屋に頼めば交換・修繕してもらえたのだが,当然のことながら今では自費で解決しなければならない.

給湯管の修理~全ての真相が明らかに

北海道の住宅は過酷な環境にさらされているので,本州(大阪)よりもこまめな手入れが必要だという.
これまで,壁に穴が開いていることに気づいても,灯油タンクがサビサビになっていても,テラスのタイルがはがれまくっていても,見て見ぬフリをしていたが(おいおい),「いいや!限界だ.塗るね!」と初めて外壁点検および塗り替えを依頼することにした.

まず困ったのが,工事料金の相場がわからないこと.
下手に自分から見積もり依頼するとボラれるとか,営業飛び込みで周ってくる業者は信用できないとか,悪徳リフォーム問題もよく聞くし...と,もう不信感のカタマリ.
仕方がない.高い買い物である.慎重にならざるを得ない.

と,もやもやしていたあるのこと,隣家が外壁修理工事を始めた.
話を聞くと,親戚の勤める会社が施工しているらしい.
おお,これなら(費用も含め)信頼できると,早速紹介していただき見積もりを依頼.
9月末から工事がはじまり,2週間ほどで,全ての工事が完了した.

外壁色は悩みに悩み,工事前とはまるで異なる配色になった.
ネットにもシミュレーションサイトがたくさんあるが,やはり数を見ておられる現場の方の意見は的確だった.
どことなく北欧風...つーかムーミンハウス

さて,お次は支払い問題である.
反省しかないのだが,不具合箇所を長期間放置していたせいもあり,想像以上にあちこちが傷んでいたようで,ドアの修理,テラスのタイル張替え,外壁塗装代も含めると,計¥2,400,000ほどになった.
うーむ,MadoneEmondaが買えてしまうではないか(おいおい).

老後および子供らの教育資金として積み立てている投信を取り崩すか,それともローンを組んで月賦払いにするか...後者を選ぶことにした.
4年ローンで,おおまかに月7万ずつの返済.
Kazchari家は夫婦別会計なので,支払い負担分としては半分強の月々4万円の上積みとなる.
生活費,娯楽費,そして投資額を,これまで通りにしておくと赤字となるため,支出を見直すことにした.

資産を増やす方法は3つしかない.
収入を「増やす」か,支出を「抑える」か「投資する」.

収入はもう増えない.
これはどうしようもない.
定年まで後6年くらいか.

支出は節約で抑える.
ここ2年ほど海外旅行してないしなぁ...と言い訳しつつ,様々なモノを買ってしまっている.
もちろん今年最大の買い物はモンキー125
Bajaを下取りに出したので,本体はおおよそ30万でGet.

ついに『モンキー125』を契約~マジか?

当然これだけで済むはずはなく,新しいウェアだの,マフラーを始めとするカスタムパーツだの,ドラレコ,キャリア,バッグ...ああ追加の出費がウン円...
とは言え,“楽しさ”という名の元は十分取ったつもり.

他の出費としては,近頃はキャンプグッズ関連が多かったかな.
意外にも息子との二人キャンプが面白くて,色々買ってしまっていた.

小学生男子と道東キャンプ旅(その1)~阿寒湖へ

近年はまってしまったOLIGHTも,キャンプグッズと言えばキャンプグッズ.

進撃のアウトドアメーカー~OLIGHTとWAQ

キャンプ便利グッズを買いすぎると”不自由の楽しみ”からどんどん遠のいていく気がする.
しかし,冬キャンに備えてこれらだけは...

Anker PowerHouse II 400 (ポータブル電源 大容量 389Wh)

コイズミ 電気毛布 敷き毛布 丸洗い可 頭寒足熱配線 ダニ退治 抗菌防臭 130×80cm

FUTUREFOX ヒーターアタッチメント キャンプ ストーブ ストーブアタッチメント

セール中で安い.
あかん,全然物欲が収まらん.

もちろん,ロードバイクもそろそろ新車が欲しい.
ところが,こんなニュースが...

カスタムオーダープログラムProject One 2022年モデルのMadoneおよびDomane完売のお知らせ

これで新しいロードバイクのオーダーはだいぶ先になったなぁ.
ホッとしたような残念なような...

では,海外ダイビング旅行はどうだ!
オ,オミクロンか...こりゃゼータ株まで行くな.海外脱出まで何年待つことになるやら...

最後に「投資」の話.
Kazchariはインデックス積み立て投資をしている.
検討の末,ポートフォリオの日本株および債券への積立額を少し減らすことにした.

余談だが,昨今,投資アドバイザーによる「日本企業へは見切りをつけて,米国株にぶっこめ!」という論調をよく耳にするようになった.
だが,大抵の場合,元資は日本で働いていることによる給料なのだから,日本企業を応援しない=自分の首を絞めることになりかねん,と思う.
この先も日本への投資は続けたい(海外比率は多くするけど).

おお,そうだ! 「収入」「支出」「投資」の他,もう一つの節約手段があった.
それは「売却」だ.「収入」の一形態ではあるけど.
久々にコレクションのオークションへの出品,再開するか!(転売ではありません)

はい,つーことで,今日は「Amazon Black Friday」の最終日です.
「Cyber Monday」がないので,今年最後の大セール!

CONSUME! BUY! NO THOUGHT!(『ゼイリブ』より)

『セデック・バレ』を観た~台湾人って誰のこと?

2021/11/29 Mon

これも全てヨシムラってヤツのせいなんだ...

家事をしながらのYouTube視聴がすっかり習慣づいてしまった.
観れば観るほどGoogle先生がこちらの好みを分析し,次々とオススメ関連動画を表示してくる.
これははまるわ.アカン.
ホンマ,こんな超便利機器&インフラが学生時代になくて助かった.
全く勉強にならん.
実際,うちの職場の学生もネットの主な使いみちは文献検索...ではなくて,YouTube視聴が圧倒的.

それはさておき,先日,歴史解説つながりで「霧社事件」に関する動画を視聴した.

おなじみの霊夢と魔理沙ですな.
「へぇ,こんな凄惨な事件があったんや.知らんかった」と,さらにWikipediaで詳細を検索.

霧社事件

衝撃的な事件なのだが,その知名度があまりにも低い(オマエモナー).
なんらかの政治的意図が働いているのだろうか.

しかし,2011年に台湾人監督で映画化されているとのこと.
日本公開は2013年.全く知らんかった.
これは観たいと思い,ダメ元で「Amazon Prime Video」で確認.
なんと! サブスク配信されていた.

その名は『セデック・バレ』(”真の人”という意味)

よくよく確認すると,この映画は第一部「太陽旗」第二部「虹の橋」の二部構成になっており,それぞれ144分と132分,つまり計4時間36分の超大作であった.
ちなみに長時間で有名な,あの『アラビアのロレンス』ですら3時間42分だッ!(超名作だがな)

セデック・バレ 第一部:太陽旗(字幕版)

以下,あらすじ.

台湾中部の山岳地帯に住む誇り高き狩猟民族・セデック族.その一集落を統べる頭目の子モーナ・ルダオは村の内外に勇名を轟かせていた.1895年、日清戦争で清が敗れると,彼の暮らす山奥にも日本の統治が広がり,平穏な生活は奪われていく.それから35年,頭目となったモーナは依然として…

全然あらすじになっていないが,まぁ良い.
例によって,Zwiftしながら,4回ぐらいに分けて視聴.
さすがに分割視聴すると,それほど長さは感じなかった.
劇場で観た人は大変やったかもしれん.
いやいや,こんな凄まじい映画があったとは...

例によって評論・考察サイトの類は読まずに以下,感想.

面白いです.
後半の長過ぎる(クド過ぎる)点を除けば.

かなり史実に忠実に作られている(と思う).
お笑いシーンは一切ナシ.

なぜか動物(シカなど)がCGで表現されており動きがぎこちない.愛護団体対策だろうか.
その代わりと言ってはなんだが,人の首はポンポン飛ぶ,リアルな流血シーン満載.
そらそうだ,彼ら先住民族は,日本統治前はいわゆる首狩り族だった.

一部,アイヌ文化との類似性が気になる.
既婚女性の口の周りの入れ墨とか.
狩猟民族の生活は似てくるのだろうか.
それとも海洋交流があったとか.
こういうの調べたら深みにはまるんやろな.

太平洋戦争モノの映画における日本軍の描き方は変なモノが多い.

『パールハーバー』は言うまでもなく,リアル路線と言われた『シン・レッド・ライン』でも首をかしげるセリフやシーンがある.
何やら得体のしれないモンスターとしての描写は,ベトナム戦争映画のベトコンと通ずるものがあるな.
一番よくできていたのは『硫黄島からの手紙』か.
主人公のジャニタレが妙に現代人思考なのは,おそらく観客の感情移入を促すためと好意的に解釈.

一方,観たことはないが,隣国のいわゆる”反日”映画って,内容がめちゃくちゃ.史実捻じ曲げまくりというか,つっこみどころ満載と聞く.

この『セデック・バレ』はどちらでもない.
確かに日本兵や警官は悪役である.
高圧的,差別的,嗜虐的という描写もちゃんとある.
しかし,「ああ,たぶんそうやったんやろな」という説得力,リアリティがある.
ちゃんと,軍人の中にも理解のある善人もいるし.
日本人の俳優(安藤政信,他)も使っているので,日本人の言動や日本語表現も含め,整合性のある映画になっている.

この映画の最大の特徴は「抗日映画ではあるけど,反日映画ではない」ということ.

植民統治のメリット(文明の享受),デメリット(文化の剥奪)はともかく,暴動のきっかけは互いの無理解にあった.
ヨシムラがもう少し,社(村)の人と馴染んでたらなぁ...

確かに第二部の日本兵は,作劇的にしかたないとは言え,いくらなんでも弱すぎ.ハリウッド的な絵面や演出は悪くないけど.
毒ガス使用など,真偽が定かでないシーンに対して,Right Wingの人が激怒するかもしれないが,極めて公平な視点で描かれていると思う.

日本人には「霧社事件」は全然知られていないが,台湾では誰もが知る有名な事件らしい.
そして,台湾と言えば世界有数の親日国である.
過去にこのような凄惨な歴史があったにも関わらず,今ではそれを乗り越え,(某隣国と異なり)官民ともに良好な関係を築けている...と考えると素晴らしい話に思えるが,待てよ...台湾人って一体誰のこと?

映画に出てくるセデック族他の先住民は,顔つきからして海洋アジア,マレー系の顔立ちをしている.ようするに”濃い”.
しかし,一般に台湾人として想像するのは大陸系の漢民族フェイス.

そこで,現代の台湾の人口比率について検索してみた.

【実は多民族国家】台湾人の内訳とインバウンド集客時における注意点。

先住民族の割合は,今ではわずか2%に過ぎないらしい.
ということは,ほとんどの台湾人にとって『セデック・バレ』に描かれた先住民族への差別や抑圧は他人事なのだろうか?

まとめると,第一部は傑作.
むしろ,運動会襲撃後,ぼんやりと空を見上げるモーナ・ルダオの顔のアップで終わっても良かったほど.
第二部は少々蛇足感(2時間越えやけど)あり.ただし様々な方面に決着をつけたのは確か.終わり方がひっぱるひっぱる.

いずれにせよ『セデック・バレ』,おススメです.

ちなみにKazchari家は,2014年に家族4人で台湾旅行したことがある.
当時は旭川-台北の定期便が飛んでいたのだ.
台湾の人たちは子供に,やたらやさしかったなぁ.ビックリした.

OLYMPUS OM-D E-M5 / 2014年1月12日撮影 日本語だらけ...
OLYMPUS OM-D E-M5 / 2014年1月13日撮影

『南の島の大統領』を観た~モルディブの思い出

2021/11/10 Wed

個人の力で世界は変わるのか.

南の島の大統領 -沈みゆくモルディブ-(字幕版)

新コロのせいでここ最近海外に渡航できていない.
となれば,過去の訪問先に関する映画でも観て思い出に浸りますかぁ...と思って観たこの映画,見事にテンション・ダウン系でした.

モルディブは,この世の楽園と称されるインド洋の島国.
Kazchariは1994年と2011年の2度,訪れたことがある.

噂にたがわぬ,それはそれは美しい国である.
日本でもハネムーン先の候補によく挙げられる.

1994年,最初の訪問時はモルディブが目的地ではなかった.
元々は南インド旅がメイン.
まずはカルカッタ(コルカタ)からスタート.
数日後,列車にてマドラス(チェンナイ)へ移動.

インド経験者ならわかると思うが,いわゆる“インドらしさ”は有名な観光地が集中する北部に凝縮されている.
とりわけ「ボラれた」「騙された」などのトラブル系に関しては北インドの圧勝.
バナラシ,アグラ,ニューデリーとかは地名を思い出すだけで腹立たしい...ってそれが“らしさ”でもある.何もかもみな懐かしい.

その点,南インドは違っていた.
一言で表現するなら平和で紳士的.
北で散々お見舞いされながらも身に着けた料金交渉術が,南では全く役に立たない(いい意味で).
タクシー料金も固定,宿代も食事代も固定.
ボラれているのではない.普通にfixed priceだった.
駅でもバス停でも客引きが寄ってこない.
米中心の食事も美味いし,人もおだやかで親切.
これは後年,スリランカに行った時も同様に感じたので,大陸の南地域はそういう基質の住民が多いのだろう.

それはさておき,インド大陸南端に近いトリヴァンドラムという町を散策中,旅行代理店に貼ってあったモルディブの観光ポスターに目が留まった.
美しい写真であった.
そしてこの町から往復US$100で飛べるとのこと.
これは安い.
それまではモルディブなんて,バックパッカーに無関係な国と思っていたが,
これは面白そうと行ってみることにした.

有名な話だが,モルディブは島ごとに機能が分散している.
ざっと分けると空港島,首都マーレとなる行政島,リゾート島,ローカル住民島そして無人島である.

で,インドからあっと言う間に着いた空港.
宿も何も決めていない客はめずらしく,かつインドからの入国ということもあり,めちゃくちゃ怪しまれた.久々の荷物総チェックだった.

スタンプをもらってロビーに出ると旅行代理店のカウンターがあった.
よくわからないまま食事付きのリゾート,一泊US$60に決める.
ちなみに前日は1泊60インドルピー(約¥600)の宿に泊まっていたのだが.

空港島からはボートで島まで移動.
それほど離れていなかった.
宿はコテージタイプ.
目の前は白い砂浜と青い海.
いや,ただもうびっくりするぐらい美しい風景で,正に天国(あれですよ,炭治郎の深層みたいな).

計算外だったのは、このリゾート島の客はドイツ人オンリー.
レセプションの表記もドイツ語オンリー.
知らなかったが,モルディブには1島1リゾートおよび(場所によっては)1島1国という法則もあるようなのだ.
もちろんスタッフに英語は通じたので問題ない.

ここで人生初めてのスキューバダイビングにチャンレンジした.
いきなりモルディブ・ダイビング.
初心者ドライバーが「いきなりベンツ」に乗るようなものである.
体験なのでそれほど深いところまで潜れないが,逆にそれが良かったかも.
陽が差すサンゴ礁にカラフルな小魚の群れ.
カメラも何も持っていなかったが,あの海は今でも鮮烈に覚えている.

となれば,帰国後直ぐにライセンス(Cカード)を取得して,ダイビングにはまりそうなものだがそうはならなかった.
本格的なダイバーデビューは,約10年後にジャマイカで,ということになる.
最初が良すぎたのだ.

時は流れて2002年.
青年海外協力隊の派遣前訓練のためKazchariは長野県駒ケ根にいた.
訓練時間のほとんどは現地語の取得に費やされる.
入所早々の選抜テストによって,まずクラス分けされた.
Kazchariの派遣先ジャマイカは英語圏なので英語クラス.
全部で8クラスだったかな? 上から4番目のクラスだった.
その時,一緒になったのが「職種:音楽」としてモルディブに派遣予定のIくんだった.
確かまだ現役の音大生ではなかったかな?
20年前ではあるが,ほぼ毎日顔を合わせていただけあって,今でも顔を覚えている.
モルディブの隊員OBから「あそこで2年も過ごしたら人間ダメになるよ~」と散々脅されていた.他にもモルディブの食事は「カリー」「カツオ・カリー」しかないとか...
今どうしているのだろう.無事,音楽教師になれたのだろうか?

さらに時は過ぎて2011年.
既にガチ・ダイバー(フォト派)に進化していたKazchariは,満を持してモルディブ・ダイビングクルーズに参加.
以下,写真をいくつか.

OLYMPUS E-5 / 2011年10月撮影
OLYMPUS E-5 / 2011年10月撮影
OLYMPUS E-5 / 2011年10月撮影
OLYMPUS E-5 / 2011年10月撮影
OLYMPUS E-5 / 2011年10月撮影
OLYMPUS XZ-1 / 2011年10月撮影
OLYMPUS XZ-1 / 2011年10月撮影

ジンベイ・スイムを経験できたり,ローカル住民島,無人島に上陸できたりとこれはこれで楽しかったのだが,気づいたこともある.
モルディブ行くなら,クルーズではなく島リゾート滞在が良い.
クルーズの場合,深場にてマンタやジンベイなどの大物狙いポイントに行くことが多い.
Kazchariはサンゴ礁に群れるハナゴイ,岩場やイソギンチャクに隠れるエビ・カニの方が好きなのだと気づいた.

そして...やはり白いビーチと青い海,ヤシの木の下でくつろぐ時間がないと!
プラス,ローカルな人たちとの交流も欲しい.

ダイビングクルーズはとにかく忙しい.
寝るか食べるか潜るの3点.
それがいい,それを求めているという人には良いけど,忙しすぎるクルーズはもういいかな,という感じ.

そんな一個人,一旅人の身勝手な印象はさておき,冒頭の映画の話にようやく戻る.

観客にモルディブの美しい風景を見せて,ウエルカム!という映画ではなく,硬派なドキュメントである.
以下,Amazon Prime Videoにおけるあらすじ.

ジョン・シェンク監督作品『南の島の大統領-沈みゆくモルディブ』は,モルディブのモハメド・ナシード元大統領のある一年間を描いた物語である.当時彼は,世界の他のどんなリーダー経験したよりも大きな問題に直面していた

知らなかった.
Kazchari滞在中もこのような強権的な独裁政権が30年も続いていたとは...
この映画は主に2009年のコペンハーゲンで開催された「国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)」での声明に向け,独裁政権を倒した若き大統領モハメド・ナシード(Kazchariと同い年!)の奮闘を描いたものである.
結局は規制などが当初よりかなりマイルドになった条約が採択されたが,その削減目標を守れなかったからといってペナルティがあるわけではない(某星マーク国旗の2大国のせい).

エンドロールが衝撃的.
結局,翌年はCO2排出量がさらに増え,水没の危機性はさらにアップ.
さらには2012年,旧政権支持派のクーデターでナシード失脚...
未来の心配よりも,今を豊かに生きていきたいという人の欲望を抑えることは難しいのか.

さらにWikipediaでナシードを調べると,衝撃の事実が.

モハメド・ナシード

現在,テロに巻き込まれ重体?
なんという悲劇的な人生だろう.

折しも,現在イギリスにてCOP26が開催中.
これがまた茶番だ茶番だと騒がれている(このご時世,どうして航空燃料を使いまくって一か所に集まる必要があるのか?).

中でも,エキセントリックな言動で注目を浴びるグレタさん.
あまりも激しすぎて,主張内容はともかく,彼女を見ていると不愉快になるというのが正直な感想.

とは言え,グレタさんを批判する側の「彼女は中国を批判しない(黒幕だから)」もしくは「彼女のバックにはウォール街がついている」といった陰謀論すらも左右多数入り乱れて,わけのわからない状況になっている.
日本でもグレタさんに賛同した学生がデモをしたりしているようだ.

ここで頭に思い浮かぶのは『逆襲のシャア』におけるアムロの名言.

「革命はいつもインテリが始めるが,夢みたいな目標を持ってやるから,いつも過激なことしかやらない」

「地球温暖化懐疑説」も含め,Kazchariには何が正しいのかよくわかりません.
例えばここで何らかの意見に賛同したところで,それはネットや書籍からの情報でしかない.
また,批判側のソースも結局はネット情報.

結局”言うだけ番長”になるぐらいなら,黙って日々の省エネに努めようとは思う.
無駄なエネルギー,特に化石燃料の使用は控えるしかできない.
クルマにはあまり乗らず,リッター70kmのモンキーに乗り,休日は人力オンリーのチャリで汗を流す.
これで許してください(誰に向かって?).

チョボチナイ越えとペーパンとタイ料理ライド

2021/9/25 Sat

何もかもみな懐かしい.

iPhone11 Pro

Few clouds, 13°C, Feels like 12°C, Humidity 67%, Wind 2m/s from NNW

もう少し早く出るつもりが,10時前になってしまった.
これも全てAmazonのせい.

Amazon タイムセール祭り

しばしカート内保存費やセール品とにらめっこ.
結果,キャンプグッズをいくつか購入(スマホアプリの使用を忘れずに).

先日のOLIGHT事案が後を引いている.
ランタンが頭から離れない(なんでや!)

そこで! かなり怪しい匂いがぷんぷんするが,ここは人身御供覚悟で公式サイト外の「OLantern(大)」を買った.
どうしてこんなに安いのか?(正規品やんなぁ...

OLIGHT Olantern

ランタンスタンドも買ったものの,次のキャンプはいつになるのやら.

さて,今日の目的地は本年3度目となる道道富良野上川線
ロードバイクでの出撃である.
まずは忠別ダムまでまったりと.いい天気だ.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

ウェアは最近Wiggleで買ったAléのセール品.

Alé – R-EV1 Race 2.0 サイクルジャージ

海外通販はサイズが悩みどころ.
同じ表記でもブランドごとにバラバラ.
Aléのジャージは今回初購入だったが,サイズ表の「XSー胸囲88cm」だけを頼りにチョイス.
着てみると,完全にレースフィット.ピッタピタである.特に問題ない.
同じくAléのビブと合わせると,ワンピースっぽくてかっこよい...と思ってるのはじこまん(ええねん!)

じこまん 1

気のせいか土曜日にしては交通量が多い.
まさか...チョボチナイ狙いか!

iPhone11 Pro

はい.ゲート入口に着きました.
クルマやバイカーが記念撮影の順番待ちをしている.
やはり大人気,絶賛ブーム中.
とりあえず11%を登りますか.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro
iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

画角から外しているが,この日は観光客バカ混み.
そやけどクルマでお越しのみなさん,不思議なくらい真面目.
橋の上ではなく,前後の駐車スペースに停め,歩いて橋を渡っている.
良いことだと思うが,謎だ.

風が出てきた.
ペーパンダム,つまり「21世紀の森」側にダウンヒル.
寒い.

iPhone11 Pro

さすがに耐えきれなくなってウインドブレーカーを着る.
ありゃ? こないだパッチで修繕した穴がまた開いている...(T.T)
しかしながら,とりあえず機能は果たしている.暖かい.
もう夏が終わりやねんなぁ.

ちょっとした坂を登って「21世紀の森」着.
緊急事態宣言を受け,全ての施設が閉鎖中とのこと.
まぁ,チャリなので風呂に入れるわけもなし.まぁええか.
ちなみに無料だった「森の湯」.今年から¥100かかります.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

上の写真は「愛山米飯林道」の入り口.
10月の紅葉時期に行けるか?

激走!愛山米飯林道ライド

iPhone11 Pro

腹が減った.
コンビニ飯は寂しいし,たまには贅沢するか.
Google先生におすすめのカフェを訊いてみよう.

小さなタイ食堂 トコ

ほぉ~近くにこんな店が.
ここから18km.
まだ昼営業時間に間に合う.行ってみよう! 追い風で激走.助かった.

着いた.
クルマが一台も停まっていない.もしかしてclose?

入口に周ると...スタッフ発見!

「すいません.やってますか?」⇒やってた.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro
iPhone11 Pro 食べて旅するタイプレート ¥1,500
iPhone11 Pro トコのクラフトコーラ ¥650

1993年,会社を辞めたKazchariは,ほぼ1年,東南アジアを放浪していた.
その際,タイは旅のハブ地点となる.
ここで他国への格安航空券やバスチケットを買う.
そして戻ってくる.

バンコク,いやカオサンロードに”帰る”と安心する.
全てがそろっていた.

もうだいぶ変わったんやろな.

厨房からは懐かしい”あの”匂いが漂ってくる.
嗅覚への刺激が記憶をよみがえらせるのはホンマやね.

毎日が自由だった,あの7つの国への旅の思い出が脳裏に展開する.
当時の話をしていると,スタッフの方が申し訳なさげに「すいません.本場の味を知っている人にはちょっと違うかもしれませんけど...」
いやいや,本場モノが美味しいとは限りませんって.
日本人向けにアレンジされた方が好みです.Kazchariは.

iPhone11 Pro

つーことでオススメです.また来よう.

帰り道,毎年紅葉の進捗観察ポイントにしている場所に寄る.
少しずつ秋の気配.

iPhone11 Pro

GW,息子とキャンプ計画~焚火する?

2021/4/8 Thu

旅のはじまり.

独り身の頃,もし男の子が生まれたら一緒にネパールに行こうと考えていた.
別にヒマラヤ縦走とかではなく,カトマンズの雑踏を歩き,あのなんとも言えないカオスな熱狂を体験させたい.

ただそれだけ.

理由?
うーん,なんとなく.

強いてあげれば,かの地で子連れパッカーに会った経験があるからかな.
それが強く印象に残っている.

そして第二子は男の子だった.

少々気が早いがGWの予定を考えている.
今年は日の並びが悪いものの,うちの職場は超絶ホワイトゆえ4/30も休みとなり(公的には)7連休となった.
とは言え,Kazchariはともかく,ヨメさんは祝日も勤務で,子供らはカレンダー通りで学校がある.

数年前であれば,有給を追加して,ソロで沖縄か海外ダイビングに行っていたのだが,このご時世,さすがにそれは無茶&無理
ブルベも開催されているが,札幌発はなるべく避けたいところ.

家でじっとしているのはもったいないので,5/2~5/5の4日間,息子とキャンプ旅をすることにした.
やんちゃ盛りの息子を連れだすことは,世間的にヨメさんへの最大のプレゼントらしい.
ここでポイントを稼いで,別の日に遠征ブルベさせてもらう目論見があるとは口が裂けても言えまいて.

前回の息子との二人旅が意外に好評で(誰に?),Kazchari自身もこれならいけると判断(何が?)

息子と二人旅~恐竜探検隊?

この旅では宿利用だったが,コストと面白さから考えるとやはりキャンプがベスト.
そして北海道の大方のキャンプ場はGWに開く.

息子が生まれた直後,まだ長女が7歳だった頃に二人でキャンプに行った.
その娘もいまや中三.
さすがにもう誘ってもついて来ない.
彼女がオートバイなどの移動手段を手に入れてから再開やな.
もちろん現地集合で.

それはさておき,息子とのキャンプ.
気温や日程を考えると,やはり道南方面が頭に浮かぶ.
「めったに行けない道の駅のスタンプラリー」という目的もある.

何年か前のGWにも道南方面を一週間ほどクルマで回ったことがある.ソロで.

めちゃめちゃ寒かった.

テント泊と車中泊が半々だったかな.

さて,今回新しい試みとして考えているのが「焚き火」の導入である.

集団でガヤガヤするキャンプの時には,自分が何もしなくても,誰かが焚き火をして勝手にやってくれる.
一方でオートバイやクルマでのソロキャンプ,およびファミリーキャンプ時にはやったことがない.

理由は明確.

面倒くさいから.
火起こしもそうだし,片付けも同様.
アルミ食器についた煤はまず取れない.
ガス缶の方が圧倒的に手軽.

特にオートバイの人たち,残った薪や炭をどうしてんのやろ?
毎月のようにキャンプツーリングしていた30年程前は焚き火人口も少なく,かつ地面での直火が普通.
残り炭も放置していたような...
その後,エコの観点から焚き火台の使用が推奨されるようになった.
そうなると益々荷物が増えてしまう.

また,最近は何度目かのアウトドアブームのおかげで,キャンプ場はどこも大混雑.
そういう状況の中での焚き火は,煙や臭いが充満し,互いに大迷惑になっているとも聞く.

と,ここまでデメリット的なことを書いてきたが,焚き火のあの雰囲気は捨てがたいものであることは確か.
炎のゆらぎはヒトのDNAに受け継がれた太古の記憶を蘇らせる.

あっ,いえ,急に焚き火をしたくなったのは,決して『ゆるキャン△』にはまっているせいではありませんよ.
とは言え,来るべき『モンキー125』でのソロ・キャンツーでは焚き火はしないと思う(そうなのか).

それはともかく,Amazonのポイントセールも近い(4/10)し,サクラチェッカーも駆使して,焚き火キャンプをするにあたり,評判の良いモノ,趣味に合うモノなどをピックアップしてみることにした.

TokyoCamp 焚火台

何はなくとも,まずは焚火台のチョイス.
地面直火は許されない時代.
購入必須.
デザイン良しで値段が手ごろ.
買うとしたらこれかな.

たき火台シート

ローインパクトをさらに心がける.
他にも使えそう.エプロン替わりとか(え?)

グリーンライフ(GREEN LIFE) 火おこし兼用火消しつぼ HOT-150

最大の懸念であった後始末.
今はこんなんがあんねんなぁ.
炭の再利用が素晴らしい.

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) バーベキュー用 マルチ トング

こういうのって100均でも十分なような気もするけどな.
デザインが良い.

耐熱グローブ キャンプ手袋 ソフト グローブ 焚き火台 アウトドア用 Mサイズ

火傷防止
他にも火の粉が飛んで服やテントのフライシートに穴が開く...という事例も聞く.
あーそんなん気にしてたら焚火なんぞできん.

いかんいかん,こういうのを調べていると欲しくなる.
これまでのKazcahriの行動パターンからすると,結果的にポチってしまうねんなぁ...困ったもんだ.

シーズンイン間近ということで,Amazonでもアウトドア用品全般を押している.

アウトドア用品

今の時代,男女差別(区別)と言われるかもしれないが,男の子には一人で旅に出て欲しい.
TVの映像,ましてやヴァーチャルでは得られない経験がそこにある.
ゲームなんぞしなくても,見知らぬ土地を一人で旅すれば自分だけが主人公.
お前が世界の中心.

お前が動かなければ世界も動かない.

楽しい経験も嫌な経験も全て飲み込んで,大きくなって欲しい(丸大ハムか).

今度の旅も,そのきっかけのひとつになれば良い...とかなんとかエラソーなことを言っているが,結局は自分が楽しみたいだけである.

「豊かな海」へ~ダイビングに行きたし

2021/3/19 Fri

これは知らなかった.

新コロのおかげで,すっかりご無沙汰のダイビング趣味
制度的にも心理的にも解放された暁には,ぜひとも再開したいものだ.

国内のダイビングスポットと言えば,まず沖縄(本島&八重山)だろう.
Kazchariも沖縄以外で潜ったのは白浜,支笏湖,積丹半島,羅臼,鹿部(函館)ぐらいか.
関東のダイバーには伊豆半島,関西では紀伊半島も人気だろう.

そう,なぜか瀬戸内海はダイバーに人気がない.
サービスやツアーがあることはあるらしいが,日本海側や四国をはさんだ太平洋側に比べても非常にマイナー.
不人気の理由を調べてみると,どうやら透明度の悪さにあるらしい.

一般的に「透明度が悪い」⇒「栄養豊富」⇒「魚が多い」ので人気があってもよさそうなものだが,やはり「キラキラ光る浅瀬の珊瑚に,無数のハナダイが泳ぎ戯れている」シーンが観たいというダイバーが多いのではないだろうか(たぶん).

OLYMPUS OM-D E-M1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO INDONESIA KOMODOにて

さて,そんな栄養豊富なイメージのある瀬戸内海だが,今朝のNHKニュースが興味深かった.

最近コンビニにて,海苔が巻かれていないおにぎりが増えてきている.
その理由は,瀬戸内海産養殖海苔の記録的な不漁にある.
かつて工場排水の影響で赤潮が発生し,魚が大量に死んだ経験から水質管理を強化.
半世紀が絶ち,透明度の高い“キレイな”海にはなったが,逆に窒素やリンが不足し,海苔の「色落ち」が目立つようになってしまった.
茶色の海苔は商品にならない.
対策として,周囲の工場に排水時の水質管理,ようするに窒素濃度を増やすように依頼した.
「キレイな海」ではなく「豊かな海」を目指す施策への転換が提唱されている.

自然保護に邁進してきた歴史からすると,実に皮肉な話やな.
「清潔」も行き過ぎると,生物やその食物連鎖に悪影響を与えてしまう.
アトピー性皮膚炎も,乳児期の清潔すぎる環境によって抗体ができにくくなったため,発症者が増えたと言われているしな.

この海苔のニュースには続きがあって,それは観光業者からの懸念.
キレイな海を求めてくるお客さんには,今の透明度の高さが好ましいそうな.たとえ魚がいなくても.

『ファイブスター物語』では,ソープも以下のようにつぶやいてた.

「自然なんか破壊しまくった方がいいと思うなー 人間の言ってる自然なんて人間の好きな自然でしかないーって言った人がいたっけ」

モルディブにはダイビング目的で1994年と2011年の2回訪問している.
この間17年ほどの開きがあるが,この年月でも海の美しさは悪い方に変化したらしい.
これはKazchariだけの見解ではなく,現地のガイドさんも話していた.

Kazchariの好きなグラベルもそうだが,現代人が何らかの活動をする以上,自然に対してインパクトを与えてしまうのは避けられない.
たとえ海や山にでかけなくても,日常使う金属やプラスチック製品も自然の恵みの加工品である.
それで毎日楽しませていただいている.

ローインパクトを心がけつつ遊ばせてもらうしかないと思う.

少々誤解を招く発言だが,一ダイバーとしては,ここ1年ほとんど荒らされず,相当あるべき姿に回復した海中を観てみたい.
ホンマ,エゴやな.

OLYMPUS OM-D E-M1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO INDONESIA KOMODOにて