サッカーには全く興味ないのに『ブルーロック』を読む

2021/12/9 Thu

球技全般ニガテ.

たまたまkindleの1巻無料配信で読んだサッカー漫画の『ブルーロック』
なかなか面白い.

ブルーロック(1) (講談社コミックス)

Amazon掲載のあらすじはこんな感じ.

2018年、W杯。日本代表は無残に散った。今大会もベスト16止まり…。アジアでは強豪? 組織力は世界レベル? そんなことは、もう聞き飽きた! 課題は、絶対的な「エースストライカー」の不在。悲願“W杯優勝”のために、ゴールに飢え、勝利に渇き、試合を一変させる革新的な“1人”を作るべく、日本フットボール連合は300人のユース年代の選手達を招集する。まだ無名の高校2年生・潔世一は、己のエゴを以って299人を蹴落とし、最強のエースストライカーの道を駆け上れるか!? 登場人物、全員“俺様”! 史上最もイカれたエゴイストFWサッカー漫画、ここに開幕!!

続きが気になったのでGEOでレンタル,現在10巻まで読んだ.
作劇上,ここで一旦区切りがあるような構成やな.

作品のコンセプトを端的に伝えるなら「デス・ゲーム系スポ根」となる.
もちろんフラグを立てまくりつつ,心理戦を繰り広げたあげく,理不尽に死ぬような話ではない.
高校生が主役だが,ずっと施設に閉じ込められているので学園描写,日常生活描写は一切なし.そういや政府から派遣されたおねーさんを除き,美少女も出てこない.
ひたすら試合して試合して,勝たないと先に進めない.負けたら退場.
実にストイックでシンプルな構成.

主人公は見た目地味.能力はッ!驚異的な空間認識能力ッ!
昔,NHKスペシャル-ミラクルボディで特集してたなぁ.

MIRACLE BODY 第2回スペイン代表

テーマ的に”最強のストライカー”を目指す展開なので,この能力だけでは心許ない.
巻が進むにつれて,どんどん覚醒していく.
主人公補正のおかげで「成長性A」のスペックのようだ.

他のキャラも個性や得意技が立ちまくっているため,登場人物が非常に多いにも関わらず読者は混乱しない.大したもんだ.
ここはあれだ,『弱虫ペダル』的? まぁ,こっちは少年漫画の王道的に,友情・努力・勝利を全面に押し出してるけど.
とある登場人物が御堂筋くんに似ている? 気のせいでしょう.

弱虫ペダル 75 (75) (少年チャンピオン・コミックス)(※この最新刊には胸糞キャラ登場します)

『ブルーロック』を読むとわかるのだが,チームが大事,友情が大事,何が何でも絆という風潮に対する見事なアンチテーゼ.
テクニックとチームプレイに重きを置き,個人のフィジカルをおざなりにした結果が日本サッカーの現状,というスタンス.
W杯優勝のためには,それを打破しなければならない.
チームプレイが功を成すのは,圧倒的な力を持つ個々の才能のぶつかり合いによる化学反応...という発想.

試合展開は基本ワンパターン.
元々才能のある者の集まりなので,それぞれ試合中に“覚醒”してピンチを脱出するけどな.
そこに至る描写が丁寧なので,それなりに説得力はある.

勝ったチームが,負けたチームから一人を選び,次のステージに進むという試合もある.
正に少年マンガの王道「今日の敵は明日の友」だけでなく,「今日の友は明日の敵」が裏切りではなくテンポよく展開されていく.上手い.

ここまで書いてきて何だが,実はKazchariはサッカーに全く興味がない.
自分でもやらないし,中継も一切観ない.
小学校や中学校の体育でプレイした経験はあるが,何が面白いのかさっぱりわからん.
これは野球やバスケやバレーボールなどのメジャースポーツ全般にあてはまる.
チームプレイはあかん.
相手がいるスポーツはあかん.
勝っても負けても自分のせい,これが良い.
Kazchariは球技全般”out of 眼中”なのだ.
『ブルーロック』も,kindleお試し無料配信でなければ,絶対に興味を示さなかったジャンルやろうな.読んだら当たりやったけど.
既刊も未読やけど,どうオチつけるのか楽しみ.

で,そのKazchariは高校時代には,もちろん個人スポーツたる陸上部に所属.
おっさんになってから諸般の事情でチャリのガチ勢...いや依存症になった.

白米と麦飯,陸軍と海軍

誰にも気を使わず,気も使わせず,自分のペースで楽しめる.
ここは譲れない.
何やら,ロードバイクを買ったものの,すぐに辞めてしまう理由に「一緒に走る人がいない」というのがあるらしいが,全く理解不能.

この動画の内容は別の機会にも検証したい.

Kazchariはロードレース観戦も好きだ.
グランツールはオンデマンドで全レース観るし,ツールのBlu-rayも毎年買っている.

ツール・ド・フランス2021 スペシャルBOX [Blu-ray]

ロードレース,特にグランツールにはチーム戦だけど優勝者は一人という特殊性がある.
集団のペースを作ったり,補給やトラブル時のサポートとしてアシストの存在は重要だが,総合優勝するためには,TTでタイムを稼ぎ,山岳ステージで遅れないという個人の絶対的な力が求められる.
スプリンターでもサガンみたいなんもいるしな.

あー,そういうことか.
Kazchariは,その競技に対して興味あるなしに関わらず,キレイごとなしに個人の力が重視されるドラマが好きなのだろう.

ちなみにKazchariは麻雀のルールも知らない.
でも『哭きの竜』は面白いと思う.
これも『ブルーロック』と同じ理由?

コメントを残す