『JUNK HEAD』を観た~情熱があれば

2022/2/25 Fri

究極のブンドド.

男の子のソフビ怪獣によるごっこ遊び.

女の子のシルバニアファミリーによるごっこ遊び.

そして...大きなお友だちによるブンドド遊び.

ロボやライダーのフィギュアだらけのKazchari部屋.
普段はディスプレイケースに飾ったままのことが多い.
たまーに取り出して“ブンドド”...ではなく,ポーズや武装を変えて再陳列する.

iPhone11 Pro / 2022年1月20日撮影

間違っても,こいつらを使って「映画」を撮ろうとは思わない.

世の中にはいわゆる「ストップモーション・アニメ」という映画ジャンルが存在する.
少しずつポーズを変えて,1秒あたり約24コマ撮るという.

その最も有名かつ成功した映画は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だろう.

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス コレクターズ・エディション(デジタルリマスター版) [Blu-ray]

この作品はストーリーも面白く音楽も素晴らしい.
セルアニメやCGにない独特の動きもクセになる.
ただし,セット,人形作り,撮影に恐ろしく時間がかかるのは想像通り.

そんなストップモーション・アニメで,最近話題になったのが『PUI PUI モルカー』...ではなくて,これ.

JUNK HEAD(字幕版)

Amazon Prime Videoで配信中の『JUNK HEAD』である.
以下,あらすじを引用.

環境破壊が止まらず、もはや地上は住めないほど汚染された。人類は地下開発を目指し、その労働力として人工生命体マリガンを創造する。ところが、自我に目覚めたマリガンが人類に反乱、地下を乗っ取ってしまう。それから1600年──遺伝子操作により永遠と言える命を得た人類は、その代償として生殖能力を失った。そんな人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に、生徒が激減したダンス講師の“主人公”が名乗りを上げる。地下へと潜入し、〈死〉と隣り合わせになることで命を実感した主人公は、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。今、広大な地下世界の迷宮で、クセ者ぞろいのマリガンとの奇想天外な冒険が始まる!(C) 2021 MAGNET/YAMIKEN

製作期間はなんと7年.
クレジットを見ると,監督,撮影,脚本,パペット製作などのスタッフ名のほとんどが「堀貴秀」で埋め尽くされている.そう,ほぼ一人で製作しているのだ.なんという情熱.
まるで『鷹の爪団』

さて,本編の感想(ネタバレ)

これがもしマンガやアニメだったら...その“ルック”からして,よくあるディストピア物.
弐瓶勉の世界観に似ている.
下層に降りていく展開には『メイド・イン・アビス』感もある.

しかし,ストップモーション・アニメにしたことで,独特の世界観がかもしだされている.そして,何よりも宣伝で言うところの,作者の「熱意と狂気」(ホメ言葉)がヒシヒシと伝わってくる.
ようするに好きです.

全体にかなりグロい.
“キモカワ”という言葉もあるが,そういうのではなく単にキモイ.

特に敵のクリーチャー群.
『バイオハザード』...いや『サイレント・ヒル』
その昔,ギーガーの『エイリアン』のデザイン,特に幼体が“モロ”と評されたのがかわいいほどの”モロ”.
モザイクかけての排泄シーンもあり,生理的嫌悪感を覚える...人によるかな.
たぶん,うちの娘とか,見た瞬間に停止ボタン押しそう.息子は爆笑するかも.

人間(態)側のキャラは,地下生活が長い人の特徴を出すためか,ATパイロットのようなゴーグルを装着している者が多数.

主人公は将来の我々たる(一応)人類.
なんとか生き残って地上で暮らしているが,生命そのものは永遠でも,身体は腐ちてしまうのか,機械化が進んでいる.
仕事はヴァーチャル空間でのダンス教師だが,もはや身体的接触は危険とされているのか,非効率とされているのか,可能な限り”ふれあい”を廃した世界に生きている.

なぜか冒険がしたくなった主人公は,地下調査員に立候補する.
永遠の命に飽きたのだろうか?

彼を中心に話は進んでいくが,どうにも感情移入がしにくい.
もちろん,今の現代人とは思考・行動パターンが違ってて当然なのだが,作劇中,記憶をなくしたり,言葉をなくしたり,外見が変わったりで統一性がなく,あまり魅力を感じないのだ.
キービジュアルの「白いロボ」で通せば良かったと思う.

一方,サブ主人公たる3バカトリオはキャラが立っている.
最後は“シーザーァァ!”してしまうけど.わかりやすい死亡フラグやったな.

異世界感を出すために架空の言語も作っている.
字幕付きだが,これはなくてもよかったかな.
その方がこの世界に浸れそう.
そう考えると,一切字幕なしにした『クウガ』グロンギ語はすごかったなぁ.

さてさて,肝心のストーリーだが...これが残念ながらイマイチ.

「化け物に襲われる ⇒ 逃げる ⇒ 落ちる ⇒ 壊れる ⇒ 修理される ⇒ 化け物に襲われる」のワンパターン.

そして,尻切れトンボで突然終了.
あれ? 生命の木は?

ただ,少し調べてみると,何やら3部作構想らしく,続編で真相が明らかになるそう.
少し前まで,製作資金稼ぎのクラウドファンディングも行われていた.

「Junk Head 1」の続編「 Junk Head 2」制作支援のお願い。

今では終了しているが,220万円ぽっちで大丈夫なのだろうか?
Amazom Prime Video配信後だったら,もっと集まりそうな...(Kazchariも支援したい)

作者がTwitterでやらかしたらしいけど,これも資金が集まらなかった原因?

女性の観客を「奇女・珍女」扱い SF映画『JUNK HEAD』監督がツイートも謝罪「差別はしてないけど区別してた」

エンディングでは製作・撮影風景が流される.
ジャンクパーツで作られたセットや小物に,見知ったパーツはないか探してしまう.
S.F.3.D,ホルニッセ裏面のゴッドマーズ頭部のように(わからん).

こうした巨大ジオラマだと,YouTubeのガンプラ動画にもスゴイのあるなぁ.

自分のフィギュアでコマ撮りアニメなんて作る情熱は持ち合わせていないが,別の方法でトライする気は満々.

うちの職場の専門学校はもうじき卒業式.

卒業生に対し,在校生や教員からメッセージビデオを送る伝統がある.
ありきたりな言葉で寒~い空気が流れるのも面白くないので,Kazchariは自分の子供らと一緒に,毎回ピタゴラスイッチの「こんなことできません」風動画を作ることにしている.

【ピタゴラスイッチ】こんなことできませんの簡単なやり方・撮影のコツを紹介!

いや,違うな.
Kazchari家は出演するだけ.
撮影・編集は在校生の役割.

できた動画は,家族の思い出.
ヒドいセンコー(死語)だ.

話がそれましたが,『JUNK HEAD』ワールドの狂気にはまりたい人,オススメです.

息子がわからん~ウパシの森にて

2022/2/23 Wed

高いところが好きなのか.

OLYMPUS TG-5

うちの息子は小学校入学直後,たった一週間で担任から呼び出しをくらった.

「授業中に全然落ち着きがない.家庭での様子を聞かせてくれないか」とのこと.

ははぁ,これがいわゆる“発達障害早期介入”ってヤツやな.
学級崩壊を防ぐために,ヤバそうな児童には先手を打って,家庭との連携を...云々的な行動だろう.

で,ヨメさんと出向いた.
向こうは担任とスクールカウンセラーのタッグ.
最初は黙って聞いていたが,もううちの息子を(ほぼ)否定するので,段々と腹が立ってきた.

Kazchariも職業柄,発達心理学系の知識があるので,理論的に反論.

「まず,入学一週間でうちの子供の特性を理解しているつもりなのがおかしい.それにさっきの話に友達関係の話が全く出てこない.個人だけを観て,集団力動からの考察が全くないのはなぜ?もう少し様子を見てから,”問題児童”と判断すべきでは?」

と,あくまで穏やかに“提案” ⇒ いわゆるモンペやな.

とまぁ,親バカな面はさておき,そんなうちのアホ息子も,最近は落ち着き,学校から呼びだされることはなくなった(今でも時々...話は聞きますが...ゴホンゴホン).

ただうちの息子,「自閉症スペクトラム」や「注意欠陥多動性障害(ADHD)」とまではいかずとも,感覚の過敏さがあるのは否めない.
実際,運動会の50m走スタート時のピストル音が怖くて,先生に耳を抑えられていたし,打ち上げ花火もダメだし,自宅でもヨメさんや長女(姉)がスポーツ観戦で大騒ぎしていると「うるさい!」とキレる.

昨今,成長してもこういう傾向を示す人が「大人の発達障害」と呼ばれることが増えた.

また,別の少々異なる概念として「自分はHSP(Highly Sensitive Person)なんです」とカミングアウトする人もいる.

「HSP」とは,定義的に以下の特徴がある人をいう.

1) 深く情報を処理する ⇒ 疲れる

2) 過剰に刺激を受けやすい ⇒ 五感刺激に過度に反応

3) 共感しやすい ⇒ 他者(物語も含む)に没入しすぎる

4) 心の境界線がもろい ⇒ 他者の気分や思考に引きずられる

5) 自己否定感が強い ⇒ ネガティブ思考

【http://www.madreclinic.jp/pm-top/pm-symptom/pm-symptom-22/】より

これらは疾患ではなく,”とある傾向”という捉え方が適切だろう.
うちの息子は,少なくとも,現状(2)はあてはまる(あてはまっていた)か.

で,話は変わって2/23(祝).

息子と二人で,東川町内のウィンターイベント会場である「ウパシの森」にでかけた.
昨年はチャリで家族と現地集合だった.

ウパシの森,現地集合ライド

ウパシの森ふたたび~ファットバイクに試乗!

今年も日・祝のみの開催で,息子は既にヨメさんと2回来ている.
その際に買ったアクティビティ用のチケットが余り,それを使い切るため,Kazchariが引率の役目を仰せつかった.

OLYMPUS TG-5

息子の一番のお目当ては「ツリーイング」
前回,前々回ともいたく気に入ったらしく,これがしたいがために3回めの訪問となった.

さてアホ息子.
着くやいなや「ツリーイング」会場を目指すが,既に40分の順番待ち.
ボードに名前と電話番号を書き,別のアクティビティへ向かう.

今年もファットバイク試乗会あり(無料).

OLYMPUS TG-5

去年の「SPX」(?)とは別のモデル.
作りは...ルック仕様?
乗ってみたかったが,息子が乗れるサイズではないので断念.
ただ,近くのベンチに座って観察していると,結構人気というか興味をひくのか様々な人が試乗していた.
買いましょう! 買いましょう! 変態の世界にようこそ!

時間になったので「ツリーイング」会場へ.
インスタラクターも3度目ともなれば,息子の顔と名前を覚えていた.
息子も前回,前々回で指導された「安全結び」他,注意事項も覚えており,ほめられて満更でもない様子.

OLYMPUS TG-5

登る高さを選ぶ.
もちろん,一番高い位置まで登れるロープを選択.

「お父さんですか? 奥さんと息子さんから色々聞いてます!」って,一体何を!?

「見て,見て,ボクってスゴイでしょ」オーラを出しながら,自分の力で登っていく息子.確かに躊躇どころか容赦もない.
高所は全く平気なようだ.

子供もたくさん並んでいたため遠慮したが,Kazchariも体験すりゃよかったかな(ヨメさんは前回やったそう).

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

しばらくすると,次の予約待ちしていた男の子3兄弟が登場.

ご両親とイントラさんの話を小耳にはさむと小6,小4,小2の兄弟のようだ.
一番上の六年生のにいちゃん,ヒョロッとしていているが身長は結構ある.
ハーネスを付け,イントラさんに指導されつつ登攀開始.

するとうちのアホ息子が頭上から,

「あー新人が入門してきたぁ~」と煽る,煽る!

一瞬,場がシーンとなったのを,息子,声が小さくて聞こえなかったと判断したのか,もう一度,

「新人が入ってきたぞ~」と再度叫ぶ.アホなのか?

息子よ,その発言は不味い.
そのにーちゃん,見るからに年上やで.
おとなしそうな子やったから良かったけど,気の強い子やったらケンカになるで.
今日でなくても,いつかボコボコにされてまうで.
後で言い聞かせんと.

もちろん,Kazchariはその場では無視.
むしろ,

「そや! ここはその小6のにーちゃんにがんばってもらわな! 行けぇ!ササっと登ってうちのアホ息子をガツんと言わしたったれ!」...と心の中でにーちゃんを応援する.

しかし...残念ながらこのにーちゃん,力も技もイマイチだったようで,息子の高さにたどり着く前に諦めてしまった.トホホ.

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

最高点に達したので降りる.
降りるのはサポート付きで一瞬.
よくできている.

OLYMPUS TG-5

それにしてもたくましくなったなぁ.
男の子らしくて良い(ポリコレ違反).

Kazchariはどちらかと言えば高所は苦手.
飛行機や高層ビルは大丈夫だが,観覧車となると好きではない.
バンジーほど度胸のいらなさそうな,このツリーイングは楽しそうだ.

イントラの方も言っていた.「僕も観覧車だめですね.やはり自分でコントロールできないと怖いです」.⇒ 正論

ちなみに「ツリーイング」は,夏になると隣のキャンプ場でもやっているそうな.

「今度はおとーさんも一緒に.ぜひ,自転車でいらしてください」って.なんでKazchariがチャリヲタなのを知っているのだ?(情報源はわかるけど)
まっ,行くけどな.チャリで.

その後,「スノーバナナボート」に並びを入れる.
30分ほど待って乗る.
『Insta360』発動!

Insta360 ONE X2
Insta360 ONE X2
Insta360 ONE X2
Insta360 ONE X2

そして,最後にバギー.
去年はKazchariが運転しての二人乗りだったのだが,今年は一人で運転したいとのこと.

iPhone11 Pro

足,浮いとるがな.

1回の乗車で2周できるのだが,曲がりの強いカーブで壁にぶつかって2回ともスタックしてしまう.
追い越し禁止なので,後続のバギーも止めてしまい大渋滞.
スタッフに助けられて,出発地点まで戻る.

降車後,「ちゃんと運転せなあかんで」と伝えると,バツの悪そうな顔で「ごめん...」と謝る.
その素直さはいいぞ,息子よ.

帰宅後の食卓にて.
ヨメさんに息子の様子を聞かれたので,「ツリーイング」での”煽り”エピソードを話すと,これまたプライドを傷つけられたのか不満顔.

えーか,息子よ.
散々ビッグマウスをたたいた後で負けるほどカッコ悪いことないで.
勝ちたかったら(相手の実力を見定めた後)黙って,さりげなくや.

iPhone11 Pro

沢木耕太郎『一号線を北上せよ』を読んだ~そして1993年へ

2022/2/20 Sun

旅に復讐されるかも.

iPhone11 Pro

このブログを初めた頃,旅の回顧録~1993年のカンボジアというテーマの連載(?)をしていた.

これは,1993年の1月から10月にかけて行った東南アジア旅の記録で,当時の日記を元にして書いた.
そのオリジナルは,今はなき「Nifty Serve」のミステリー小説スレッドにアップしていた文章.

当時のカンボジアは長らく続いた内戦が終了し,通常選挙がようやく行われるなどなかなかの混乱具合.
選管ボランティアの日本人青年が殺害されるなどの事件もあった.

国中あちこちに地雷が埋まっており,観光するのも命がけ.
夜間には銃声.
今思うに,よくふらふらと出歩いてたもんだ.

人類史上最大の愚行の一つ「カンボジア大虐殺」に関しては,この映画のアプローチがすごい.

消えた画 クメール・ルージュの真実

こうした世界の負の側面を目の当たりにするなど,20代にああした行きあたりばったりの旅をしたことは,今の人生に大いに役立っていると思う.
この後,結局長年の夢だった協力隊への参加も実現できたしな.

この『1993年のカンボジア』は国境を越えて,ヴェトナムに入国したところで終わっている.

もちろんその後も旅は続いた.

サイゴン(ホーチミン・シティ)から,バスや列車を乗り継いでハノイまで6週間かけて北上.
カンボジアほどのインパクトはなかったけど,これまたエキサイティングな経験だった.

Kazchariが初めて海外に渡ったのはいわゆる卒業旅行.
1989年のケニア-インドーネパール旅だった.
この時の期間は1ヶ月ほど.
全てが新鮮そして強烈だったが,所詮短すぎた.

そして就職.
その会社を辞め,帰国日を決めない無期限旅行を決意させたのは2冊の本がきっかけである.

一冊は蔵前仁一の『ゴーゴー・アジア』.

新ゴーゴー・アジア(上巻)

もちろん,前作の『ゴーゴー・インド』も読了済み.
蔵前の一連の著作のおかげで,世の中にはこんなに楽しい旅の仕方があるのだと知った.

もう一冊は,より人口に膾炙する名著,沢木耕太郎の『深夜特急』である.

深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】

いまさら解説しようがない.
この本のおかげで,何万,何十万の若者が旅立ってしまったことやら...
有名な話だが,第1便,第2便(文庫版では1~4巻)と第3便の間には,6年間の刊行ブランクがある.
東南アジアやらインドが含まれる1,2便の方が旅のネタには事欠かないはずなのだが,Kazchariは第3便のヨーロッパ編が一番おもしろかった.
作者自身の文章力の向上ゆえかな(なぜ上から?).

大沢たかおのTVドラマも話題になった(VHSで保存している).
松嶋菜々子の登場にはズっこけたが.

さて,沢木耕太郎である.
その最大の魅力は,もう沢木節としか言えない独特の格調高い文体にある.
特に,ボクシングというスポーツを,ここまで詩的に昇華させた作家はなかなかいないのでは?

その影響力は凄まじく,一時スポーツライターをやってた”五体不満足”な人も,その文体をマネしていた記憶がある.

沢木の著作はかなりの数を読んでいるが,今回図書館でたまたま手にとったのがこちら.

一号線を北上せよ~ヴェトナム街道編 (講談社文庫)

珍しく未読だった.
文庫版の表紙には「ヴェトナム街道編」と書かれているが,単行本にはそのような表記はない.
「一号線」「北上」と聞いて,すぐに「あっヴェトナムのことだ」とわかるのはパッカーのみであろう.

内容は沢木のプライベートと取材旅行記であるが,ヴェトナムだけでなく,「キャパのパリ」「フォアマンのアメリカ」「檀一雄のポルトガル」「アルペンスキーのアルプス」「酒場のマラガ」(Kazchari命名)も含まれた短編集である.
Kazchariはポルトガルとスペインも訪れたことがあるので,懐かしく,楽しく読ませてもらったが,やはり白眉はヴェトナム編の2本である.

奥付をみると,2000年あたりの旅のようだ.
Kazchariは1993年の訪問だったので,若干のズレがある.

一見して,旅のシステムがかなり整ったようだ.
当時のタイと同程度か.
沢木の旅からさらに20年近く経った今では,どうなっているのやら...
Wifiも当たり前やろうしな.
そういや,ここしばらく,ヴェトナムってかわいい小物だとかグルメやらで,女性にも人気の旅先だった.
新コロが全てを破壊したけど..

ここで思いついた.

『旅の回顧録~1993年のカンボジア』の続き,つまり『1993年のヴェトナム』をリライトしようと.
まぁ,30年近く前の旅行記に何の情報的価値もないが,しょせんブログなんて単なる個人の歴史.
SNSではないので,即時性とか気にするものでもない.

ただし,本書『一号線~』にこんな記述がある.

「旅は繰り返すものではないし,繰り返せるものでもない.それを知りながら旅をなぞろうとすると必ず手痛いしっぺ返しを受ける.旅に復讐される,といってもいい.」

実際に再訪するのでもなく,文章で追憶するのも同様なのだろうか?
当時の日記を読むと,どうしようもなく,あの頃(の自分)に帰りたくなることがある.
でも,同じ瞬間は,もう二度と起こり得ない.
全ては過去.もう取り戻せない.

そう,『ブレードランナー』のレプリカント,ロイの最後のセリフのような心境になる.

一方で,沢木はこうも書く.

「旅先で覚えたその痛切な思いは,決して消え去ることはない.私たちの体のどこかに眠っていて,必要な時に呼び覚まされることになるはずなのだ.」

いいなぁ.その通りだろう.
この文章だけでごはん3杯はいけそう.
『深夜特急』本編と比較すると,『一号線~』は”帰ってきた人向けの本”なのだろう.

とかなんとか色々それっぽいことを言ってますが,これもまた”終活”の一貫として,『旅の回顧録~1993年のヴェトナム』,近日スタート!
全く需要はないだろうけど,それでいいのだ.

以下,余談.

Kazchari家では『水曜どうでしょう』の何度目かの再放送を夕食時に視聴している.
ちょうど今放送中なのが「原付日本列島制覇」という回で,東京から高知までカブで向かうという企画.
2010年の放送なのだが,鎌倉付近を通過する際,大泉がカメラに向かって「いざ!鎌倉!」と吠えるシーンに震えた.
まるで,未来を予言したかのようなセリフ.

ご存知の通り『水どう』は2002年にレギュラー放送を終えるのだが,その最後の旅がカブによるベトナム縦断1800キロなのだ.
正に一号線を北上...ではなくハノイ発で南下する旅やけどな.

またしてもシンクロニシティ発動?

Kazchari的に,今ヴェトナムが熱い!

映画『マネー・ショート』を観た~知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ

2022/2/18 Fri

What gets us into trouble is not what we don’t know.
It’s what we know for sure that just ain’t so.

何も知らないことが厄介なのではない.
知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ.
マーク・トゥエイン

Kazchariは一応投資活動をしているが,いわゆる「ほったらかし投資」であり,金融についての知識は非常に乏しい.
「めちゃめちゃ利息の良い定額預金」程度の認識である.
トレーダーのように一日中モニターに張り付いて日々の平穏を乱すような生活はしたくないので,これで十分.
正にローリスク・ローリターンで絶賛運用中.

そんなKazchariが手を出してしまったのが,Amazon Prime Videoで配信中の映画『マネー・ショート』である.

例によって,3本ローラー練しながらの鑑賞なので,通しではなく,ブツ切れで.
元々この映画は長い.

マネー・ショート 華麗なる大逆転 [Blu-ray]

以下,あらすじ.

実話に基づき、4人のアウトサイダーを描いた物語。大手銀行、メディア、政府が否定した世界経済の破綻を予見した男たちによる大胆な投資は、銀行のいかがわしい闇を浮かび上がらせた。そこには人間も物も、何もかも信じられない世界があった。

鑑賞後,一言...

「話の筋がさっぱりわからん」

似たようなアルファベット3文字の金融用語の乱舞に頭が混乱.
そもそも邦題が悪い.
「華麗なる大逆転」ってなんだ? そのようなスカッとさわやかな話ではないぞ.

とは言え,「意識高い系」「選ばれし者」だけに向けられているというわけではなく,エンタメ性にもちゃんと配慮している.

例えば,話の途中でいきなり登場人物が“第四の壁”を越えて,観客(我々)に話しかけてくる場面があり,難しい専門用語をたとえ話で解説してくれる.
特にカジノにおける「合成CDO(合成債権担保証券)」の説明は非常にわかりやすかった.

さらに,実在の登場人物を超一流俳優が演じているので,彼らの緊張感のあるやり取りから,この後,何かとんでもないことが起こるであろう,サスペンス風味の表現も素晴らしい.
それに,揃いも揃って変人だらけで,全員キャラが立ちまくり.
彼らを観ているだけでも面白い.

そこで,冒頭に上げたマーク・トゥエインの言葉である.
有名なソクラテスの「無知の知」と大意は同じだろう.

この言葉は誰に向けて発せられたのか?

一つはもちろん劇中の金融バブルに踊らされた人たち.

もう一つは我々,観客であろう.

この映画を「さっぱりわからん」「つまらん」「駄作」と切って捨てるのはまだマシ.
「ほほぉ,何かややこしい金融用語が飛び交ってるけど,オレは”だいたい”わかるぜぃ.きっとこんな意味に違いない.深いなぁ...(何が?)」で済ませてしまうのが一番厄介.

とは言え,わからんもんはやっぱりわからんので,ここはやはり解説サイトの力を借りよう.
鑑賞後すぐに,こんな作業をするのは『TENET』以来やな.

『TENET』をネットの力で解釈

とりあえず,Google先生による検索上位サイトを片っ端から熟読.

億万長者も夢じゃない!? 《4000億稼いだ男たち》の実話には 「お金稼ぎのヒント」がいっぱい!

観る前にこれを知れば『マネー・ショート』がもっと面白くなる!5つの経済用語

マネー・ショート~”リーマンショック”を予期した4人のアウトローたちの葛藤

映画『マネーショート』からリーマンショックを解説~第16回インターン勉強会~

金融用語に振り回されない!どこよりも分かりやすい『マネー・ショート 華麗なる大逆転』解説

このように,解説サイトが山のようにある.
全く便利な世の中だ.
『2001年宇宙の旅』が今,公開されたとしたら,どれほどサイトが乱立するのやら.

つーことで一通り閲覧しました.
なるほど.
ようするに,住宅ローン債権が破綻した場合の保険に対して空売りを仕掛けていたわけだな.
金融用語や構成の全てを理解したとは言わないが,誰が何のために動いていたのかが見えてきた.

ただ,最終的に大金を稼いだ主人公たち.
リーマン後のアメリカ社会を見て,誰も彼もが複雑な顔で苦痛に満ちており,決して大喜びしていない.
Win-Looseのゼロサム・ゲームにおける勝利は(まともな感性を持っていれば)むなしいだけのかもしれない.

それに結局は誰も逮捕されず,不公正な仕組みはなおも残っている.
あれ? これって某国の某事件と一緒のような...

いずれにせよ,以前の記事にも書いたけど,今後の教育に金融リテラシーを取り入れるべきなのは間違いない.
公的機関が行わないのなら,各家庭の責務となろう.
そうでないとダマされる.

小学生にIT教育は必要?~それよりは...

いや,逆に知らない方が幸せという考えもある.
実際,リーマンショックの際,先進国の中で最も被害を受けなかったのは,投資よりも預金率が圧倒的に高い日本(の庶民)だけだったという話もある.
皮肉にも,冒頭文の「知らないことが厄介ではない」を具現化したのかもしれない.

余談だが,この映画,時折変な日本推しの場面がある.
ラスベガスの日本食レストランでの鉄板焼や歌謡曲(徳永英明らしい)など.
2006年頃はまだ日本が,アメリカの金融市場に影響力を持っていた証なのだろうか.

つーことで,映画『マネー・ショート』,各サイトにて金融用語について一通り予習してからの鑑賞をオススメです!

エステざんまい~顔と頭と血と体

2022/2/16 Wed

それはある一言から始まった.

以前から気になってたことがある.
意外ッ! それは眉毛.
やたらに長いし,まぶたを侵食している.

歳を重ねると誰もが村山元総理並みに伸びるとか(チコちゃんで言ってた).

Kazchariが普段行っている美容室では顔剃り,眉剃りなどカミソリを使う処理はしてもらえない.
実際,美容師がカミソリを使うのは,法的にグレーらしい.

で,ヨメさんに「どっか,眉そりしてもらえる良い店ない?」って聞いたところ...

「ワタシがいつも行ってるとこで良い? そや,ついでにヘッドスパ,顔マッサージとかもしてもらったら? ヴァレンタインやし,奢るでぇ」

と言われたので,素直にご厚意を受けることにした(感謝).

で,先日の日曜日に,その美容室に行ってきた.
顔・頭だけで1時間半のコースらしい.どんだけ.

店に着くと,扉付きの個室にご招待.
リクライニングチェアに座るっつーか,寝る.

一口に顔マッサージと言っても,「シミ防止」「たるみ防止」「美肌コース」「ほうれい線ケア」などなど,やたらに細かいメニューがあり,それぞれ使うアロマやら手技に違いがあるそうな.
あかん,完全に未知の世界や.まるで旭川から撤退した「SUBWAY」の注文並.
当然ここは「おすすめで」で済ませる.

目を閉じているせいでよくわからないが,各種ハイテク美顔器を駆使するようだ.
ヘッドスパにしても,濡らしたら,温めたり,冷やしたり,もんだり,叩いたりと忙しい.

とは言え,Kazchari自身は最近寝不足が続いてたせいで,施術中は爆睡.
夢見心地の中で,

「いやーこんな気持ちのええことを,50越えたおっさんが若いねーちゃんにされててええんやろか...」

と,文字だけだと,何やら別のお店っぽい思考がぼやーんと浮かぶ.

そうこうしているうちにコース終了.
リクライニングチェアから立ち上がる時にふらついたわ.

で,自分のほっぺたを触ってみると,確かにピタピタ&ツルツル
鏡の中のおっさんの顔,脂でなく,健康的にテカテカである.
おお確かに(一瞬だけ)若返ったぞ! まるで石仮面をかぶったようだッ! ズッギューン!

こうなりゃついでと,ボディの方もエステしてもらおうと画策.
前回のブログ内の【おしゃれ】を実行してやろうではないか! WRYYYYYY!

人生の残り時間~食事・運動・睡眠の他?

もちろん,ボディの方にはここ2年間続く悩みである頸・肩コリ問題がある.
最終結論として,現状「矯正バンドに勝るものナシ」に落ち着いてはいる.
デスクワークのみならず,自宅でこうしてブログを書いている時にも手放せない.

柔道整復師が考えた 姿勢サポーター 姿勢ベルト 男女兼用 (Lサイズ)

もちろん寝る前のこいつも.

NIPLUX NECK RELAX

コリへの効果はともかく,今回は,純粋にエステ系マッサージを受けたくなった.
思えば,2019年末のダイビング旅行の帰りにジャカルタでアロマ系のヌルヌルエステを受けたなぁ.オイル系はもう勘弁やけどな.

2019年のラジャ・アンパットダイビングクルーズ(9)

早速,ヨメさんに相談.
さすが女性,この手の情報をたくさん持っている(偏見?).
店名を聞き,早速ネットで予約.
たまたま良い時間に空きがあった.

こうしたエステやマッサージ店にありがちだが,初回割引がエグイ.
溜まっていたPontaポイントを使うと,なんと「頸・肩マッサージ 60分コース」¥2,000になった.行くしかない.

で,昨日の話.
有給取って万全の準備.

まず,午前中は駅前イオンに出向き,1年ぶりぐらいの400ml献血.
歯医者行ったり,新コロ予防接種と重なったりでなかなか行けなかった.

中南米旅経験者ならご存知と思うが,数ある病気の中でも,献血ではシャーガス病感染の有無がなぜか警戒されている.
Kazchariも対象国のうち9ヶ国ほど訪問経験があるので,毎回書類の記入が大変である(国名と期間をいちいち書く).
最後に旅行してから20年近く経つのになぁ...

あまりに面倒なので日赤本社にメールで問い合わせたことがある.
書かせるだけ書かせて,結局,毎回パスしているのを把握しているはずなのに,なぜ何度も申告させるのかと.

回答⇒「規則だから」だそうな.ガクッ.

つーことで,献血後,フリー水分(ジュース)&糖分(お菓子とアイス)を補給.

これで血液のエステ完了! WRYYYYYY!

準備万端でいざマッサージへ.

どの店とは書かないが,これまた非常にややこしい場所にあった.
駐車はしやすい.しかし,なぜか店の入り口が見つからない.
事前にヨメさんから注意されていた通りだった.

ようやく発見.
この店,なぜかドアに「入口」表記がないのだ.

無事入店.
女性店長に出迎えられ,個室にご案内.
施術用ベッドがあり,リラクゼーション音楽が流れる暗い部屋.
オイルマッサージ後用のシャワールームも備え付けられてある.

施術用に短パン+Tシャツに着替えるよう指示される.
事前に「男性です」としか申請していなかったので,短パンのウエストぶかぶか.無問題.

ウエルカムドリンクを頂きながら,書類を記入.
身分証も確認.
書類にも記載があったが,セクハラ・カスハラ対策が徹底している.
個室やしなぁ.実際に事例が多いのだろうか?

初回なので,施術前に色々聞かれる.
Kazchariも警戒されないよう,必死に”いい人”アピール.

店長「普段,何か運動してますか?」(「してない」返事を待っている?)

Kazchari「アホみたいにしてます」

店長「はい? な,何を?」

Kazchari「自転車ですね.夏でも冬でも,外でも家の中でも1年中」

店長「えー,冬ってタイヤの太いファットバイクですか?」(おおっ,もしかして玄人さん?)

Kazchari「はい.こないだも旭岳登ってきました」

店長「...すごいですね.いつもどれくらいの距離乗られるんですか?」

Kazchari「夏だとロードで,だいたいここから三国峠往復ぐらい(220Km)が標準ですかね」

店長「...」

はい.チャリ馬鹿の常識をベラベラ話すのはヤメましょう.
さすがにブルベ系の話はしませんでした.

ブルベやると崩壊するいろいろなアレ

つーことで,施術開始.
エステと言っても,ノーオイル&”強め”をお願いしたので完全にマッサージ寄り.
痛いぐらいがちょうどよい.

あっと言う間に60分経過.
ストレッチもしてもらって,かなり頸と肩が「楽」「軽く」なった気がする.
昨年行った,別の店のマッサージや鍼はイマイチやったもんなぁ.

ただし,問題はこの”軽さ”がどれくらい継続するかである.

施術後,店長さんから「どうでしたか?」と聞かれたけど,炭治郎並みにウソが付けないKazchariは,顔を引きつらせながら「はぁ...少し様子をみますね」とだけ答える.
「ここでお世辞が言えないのが世渡り下手の証やな」と自分でも思う(偽サイコパス)

最後に,

「次回どうされますか? 今,この先1ヶ月内に予約されますと通常料金で10分間延長サービスが付きますけど」

との提案.
うぬ,なかなか営業上手ではないか.
ただ,そのシステムにはまると1ヶ月ごとに¥5,000,年間¥60,000のマッサージ・ルーチンになりそうなので,さすがに今回は辞退.
デスクワーク中心の業務になって,どうしようもなく凝ってきたら頼むつもり.

それに,マッサージの腕前はなかなか良いと思ったけど,少しひっかかる点があって...
それはコミュニケーション.

前半こそ,チャリネタや関西ネタで(勝手に)盛り上がってたけど,後が続かない.
「マッサージに集中している」と言われればそれまでなのだが,せっかくなら「ここの筋肉が固い」とか,Kazchari自慢の大腿四頭筋を褒めてほしい(変態だ)
ようするに,もう少し色々評価してほしかったなぁ.

もちろん,別の見方もできる.
客商売と言えば「聞き上手」が必須とされている.
Kazchariが話すのを待っていたかもしれない.

そやけど,Kazchari的には会話のキャッチボールがしたい.
関西人的な暴投合戦でも受けて立つ用意はある.
ようするに「モットキイテ」「モットカマッテ」状態を望んでいるのかも(面倒くせぇ)

と,ここまで書いた後,ひどいサイト発見.

関西人が嫌いな6つの理由とは?

まっ,まぁそういう意見もあるわな...しばいたろか!(ジョークです)

つーことで,2日間に渡るボディメンテ終了.
顔エステに関しては早くも効果消失.
このブログも矯正バンド付けながら書いている.

まっ,夢はいつか覚めるもの.
エステの魔法もすぐに消える.

人生の残り時間~食事・運動・睡眠の他?

2022/2/14 Mon

アンチエイジング?

ずーっと,売るの売らないとグダグダ言ってたゲオ・ホールディングスの株,ついに100株全部売却した.
昨年末に廃止となった「レンタル半額」の株主優待,もう復活はないと判断したためである.
とりあえず2万円ほどの利益確保.
レンタル業からリユース業(セカスト)への業態転換をはかっているようだが,成功するのかなぁ...
我々から所有欲は減る一方.
シェア・ビジネスなら期待できるけど.

様々な著名人が未来予測的な書籍をたくさん出している.
日本の未来に関しては絶望的な論調のモノが多いが,個人の才覚(+運)でなんとかなりそうな余地もまだまだある.同意.

ひろゆきのシン・未来予測

と言っても,人生の晩年に差し掛かっているKazchariには,あまり関係ない話.
最後の瞬間まではなんとか保ちそう(たぶん).

むしろ,うちの子ども世代が大変やろな.
まっ,地球上どこでもええからたくましく生きろ.

つーことで,少なくとも”身体的に”迷惑だけはかけないように,今日もアンチエイジングに勤しむKazchariであった.

自ずと,興味の対象もこんな動画ばかりになってしまう.

ある書籍の要約というよりは,これまでの集大成的内容.
最近は「ファスト映画」に代表される,いわゆる”まとめサイト”への風当たりも強くなってきてるしな.
それはさておき,新しい知見としては「食事」「運動」「睡眠」といった健康三大要素以外の紹介が面白かった.

それは「おしゃれ」「やめない」「テレビをみない」
ちょっと強引かなという印象もあるが,今のKazchariの行動パターンに照らして考察.

【おしゃれ】

あまり興味はない.
似合う似合わないに関わらず,年齢の割にはハデめデザインを好む.

若い頃に読んだファッション系(ナンパ系の間違い?)の雑誌(『Hot Dog Press』とか)に「ミクロな人はカラフルなウェアが似合いますよ~」と書いてあったのを信じたせいかもしれない.

ゆえに,白,黒,マルチカラーというバリエーションなら,マルチカラーを選択.
チチカカのようなエスニックブランドは大好物だ.わははは.

そやけど,スティーブ・ジョブスの有名な話もある.
彼はそのトレードマークとなった黒のハイネックしか買わない.なぜなら,毎日服を選ぶ時間がもったいないから.
確かにそうだ.
毎日同じ服を着ていると不潔だが,同じデザインならOK.

Kazchariも,先日,ちょうど靴下の替えがなくなったので近所のユニクロに行って,黒を3足買ってきた.
これで片方なくしたり穴が空いても,当分無問題.わははは.

うん? これって一周回って,結局,ファッションについて考えているということなのだろうか?

【やめない】

仕事や趣味を続けましょう(特に前者)ということらしい.
このご時世,主に老後資金的な意味で,60代での定年は許されない雰囲気.

Kazchariも嘱託でもなんでもいいので働くつもりだが,その必要がなくなったとしたら...それでも働くだろうか?
海外放浪,バックパッカー旅アゲイン!とはならへんかな.
毎日が日曜日? 上等.毎日を非日常に変えてやる.

趣味.多すぎる.
整理する必要がある.

その筆頭は「スキューバダイビング」
そもそも,新コロのせいで潜りに行けない.
冷静に考えるとコスパがなぁ...楽しいけどなぁ...(いつか記事にします)

ロボや怪獣の「フィギュア・コレクション」に関しては,”終活”も兼ねてストックしていた未開封品,飾っていた開封品ともオークションにジャカジャカ出品中.
意外なモノに意外な高値がついて驚いている.

”終活”に関しては,最近読んだこの本も背中を押してくれる.

身軽に暮らす ~もの・家・仕事、40代からの整理術 (COMODOライフブック)

あれ? 結局,いろいろなことをやめてる?
いやいや,「シンプル化」と言い換えよう.

【テレビをみない】

ひねった言い方だが,要するに「座りっぱなしの生活がアカン」ということ.
決して「テレビ視聴が受け身」だとか「内容がオワコン」とかいう話ではない(これも正解やけど).
もちろんネットもアカンし,寝過ぎもアカン.

運動すれば,これまた無問題.
ただし,歳を重ねると「やりすぎ=活性酸素」問題も生じる.
他には関節などの運動器の故障も心配.

Kazchariは正にこれにあてはまる.
そやけど,今年も「月間走行距離1000km以上」は維持したいなぁ.

『FASTEST』を観て~VRは普及するのか?

2022/2/13 Sun

脳だけで生きていける?

Zwiftの友,Amazon Prime Video.
先日,GPライダー,バレンティーノ・ロッシの自伝的映画『FASTEST』を観た.

FASTEST [Blu-ray]

長年第一線で活躍していたロッシも2021年,ついに引退.
若いと思ってたけど,もう42歳か.
ロードレースで言うところのペテル・サガンとイメージかぶるのはKazchariだけだろうか?
ともにスーパースターであるのは間違いない.

とは言え,毎年全ステージを食い入るように観戦している自転車の「グラン・ツール」に比べると,それほど熱心にMotoGPを追いかけているわけではない.

Kazchariが最もオートバイにハマっていたのは80年後半から90年初め.
その頃の最高峰と言えば「2st/500cc」やね.

エディ・ローソン,ウェイン・レイニー,ワイン・ガードナー,ケビン・シュワンツ,ランディ・マモラ,ロン・ハスラム,サロン兄弟とか.

弱ペダ並にキャラが濃い.何もかもみな懐かしい.
そういやTECH21カラーのYZFに乗った平忠彦の8耐を観るために鈴鹿まで行ったなぁ.ひたすら暑かった.

2018年,パプアニューギニアのワリンディにダイビングしに行った時,バディだったオーストラリア人がバイク・エンスー(死語)で,Kazchariが先ほどのレーサーの名前を出す度に大喜びしてた.

「Kaz! シドニーに来たら是非寄ってくれ.うちの家は広いぞ.一緒にツーリングに行こう!」と誘われている.

現在もSNSでのつながりはあるが,いつ行けるやら...

さて,『FASTEST』に話を戻す.
この映画の公開は2011年.
ちょうど,小型オンボードカメラの黎明期(GoPro HERO3の発売は2012年).
この映像でも車載動画シーンがある.
まだまだ解像度や構図はイマイチなれど,時速300kmを越える世界を少しだけ感じることはできる.

バイクレースと言えば肘スリバンク(この時代はまだ角度が甘い)と転倒がつきもの.
Kazchariもスマートトレーナーという固定型に乗っての鑑賞だったから良かったものの,3本ローラーだと”つられ転倒”が起きてたかも.

実際,『アメイジング・スパイダーマン』を観ながらの3本ローラーはヤバかった.

アメイジング・スパイダーマン シリーズ ブルーレイ コンプリートBOX [Blu-ray]

とまぁ,明らかに身体の外部に映し出された虚像にさえ,脳が騙されて身体が反応してしまう.
これ,仮想空間,VRゴーグルがもっと普及したらどうなるんやろ?

最初に一般化(?)したのはPS4の拡張機器だったかな?(いや,任天堂のバーチャルボーイ?)

VRはいつから普及が始まった?仮想現実の歴史を紐解く

Kazchari家にこの手のハードはない.
いや「Wii」はあったか? あれもVRっちゃあVR.

こないだ呼んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』にも,VRゴーグルを付け,高層ビル間に渡した板を歩くというアトラクションが紹介されていた.
あまりにリアルなため,一人で歩かせると認知的に”危険”なので,かならず両サイドにアシスタントを配置するらしい.

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

しかし,「脳がない生物はたくさんいるが,脳だけの生物はいない」のも事実.
やはり肉体感覚は大事やな.

少々記憶があいまいだが,何かの記事で「VR内で積み木を学んだ子供は,リアルな積み木ができない」と読んだことがある.
つまり,視覚入力情報を受け,処理してからの出力は本来であれば,自分の手で形・重さ・質感のある積み木を触らなければならない.
しかし,それが「ボタンの操作」に置き換わってしまうと,認知の発達を促さないということなのだろう.

ただし,VR,そして周囲の状況を完全にカットするゴーグルの進化は否定できない.
何らかの事情によりとある場所ら移動できない人にとって,この技術は朗報.
もはや娯楽の域を越えて,スマホ並の必須機器として普及していくのだろう.

エレコム VRゴーグル スタンダードタイプ リモコンセット ブラック VRG-M02RBK

今,ざっくりとAmazonで調べたけど,もうこんなに安くなってるねんな.
知らなかった.
これだけ安いと「一つ試してみるか」という気持ちにもなるなぁ.これこそヤバい.

まぁ,どれだけ普及しようとも,使うか使わないかは個人の自由.
でも,こいつはひょっとすると人生最後の「尊厳死マシン」として使えるようになるかも.
自分の望む風景を観ながら,安らかに逝けるならそれも悪くないかも.

そうそう,最後にバイクレースと言えば『マン島TT』が一番ぶっとんでて”面白い”と思う.
言わずと知れた世界最凶の公道レース.

VRうんぬんは抜きでも,そのレース映像を観るだけでもとんでもない.

石の壁が続く,とんでもなく狭い街中や,アップダウンの激しい丘陵コースを走る360kmのレースの優勝タイムが,最近では1時間40分ほどである.え?

『グランド・ジャーニー』を観た~こういうのがいいんだよ

2022/2/8 Tue

かわいい子には旅をさせよ.

近頃は映画やアニメをやたら分析的に鑑賞するクセがついてしまった.
原因はいくつかある.

一つは岡田斗司夫をはじめとするYouTuberやブロガーの解説を目にする機会が増えたこと.たちの悪いことに,これらの裏読み解説は知的好奇心を刺激し,やたらに面白いのだ.

もう一つは,2年半ほど続けているこのブログ.
雑記系ブログなので,自分の周囲に起きたこと全てがネタ.

映画を観たとしても,こうしてアップするなら,単に「面白かった」では済ませたくない.
頭の中にうずまく観念を具現化する作業が面倒くさい.けど...それが楽しかったりもする.
まっ,わざわざブログ書いている最大の目的はボケ防止やしな.

結果,鑑賞後,妙に裏読みし,関連作品との比較,メタファーやら社会的意義まで強迫的に考察するようになってしまった(そういう作品を選んでいるのでは?).

そんな中,たまたまAmazon Prime Videoで見つけたのがこの映画,
「そうそう,こんなのでいいんだよ」と某ゴローさんが唸るような作品だった.

グランド・ジャーニー [DVD]

クリスチャンは風変わりな気象学者で、フランス・カマルグで雁の研究をしている。超軽量飛行機を使い、渡り鳥に安全なルートを教えるという、誰もが無茶だと呆れるプロジェクトに夢中だ。そんな変わり者の父親と大自然の中で過ごすバカンスなど、オンラインゲームに夢中な息子トマにとっては悪夢でしかない。Wi-Fiも繋がらない田舎で暇を持て余したトマは、ある出来事をきっかけにその無謀なプロジェクトに協力することに…

以下,鑑賞後のネタバレ&感想.

冒険心たっぷりなお医者さんが莫大な金と時間を使って,人力で日本人のルーツを探るような邦題だが,原題は仏語で「Donne moi des ailes」
訳すと「翼をください」だ.ガフの扉が開きそう.
実話ベースのフィクション作品である.

髪型が少々アレな14歳のトマ(どこか東洋人っぽい).
両親は別居し,母親の新しい彼氏と3人で暮らしている.
よくわからんけど,このあたりがフランスっぽい(偏見).

あらすじ通り,トマの父親クリスチャンは,渡り鳥に飛行ルートを“教える”プランを実行するのだが,その方法がとんでもなかった(職場の許可は得られず).

「渡り鳥は一度通った空路は忘れない」という習性を利用し,孵化直後の“刷り込み”に成功した雁(ガン)を,クルマでノルウェーの端まで連れていき,そこから(親と思わせた)パイロットむき出しの「モーターグライダー」で,鳥たちを引き連れて,元のフランスの湿地まで戻るという計画.

なんと! 2000年,実際に成功したらしい.

さて,劇中登場のモーターグライダーだが,日本では超軽量動力機=マイクロライトエアクラフトに分類される.

体重移動操縦型で,下面にフロートがついており,水面があればどこでも離着陸が可能.
日本(北海道?)では「モーターパラグライダー」はたまに見かけるけど,このタイプは見たことがない.
劇中,フランスでは15歳で免許が取れるとあった.
日本では,なんと国家ライセンス不要だそうな.

一般財団法人 日本航空協会

国交省の許可があれば飛べるとは!?
現状,大型ドローンと同じような扱い?
買おうかな? いや,ウソ,無理です.
スキューバダイビングと比べても,さすがに危険すぎる(フライングスーツよりはマシ).

それに劇中での高度,あれ相当やな.怖すぎる.

クリスチャンの本棚に「ニルスの不思議な旅」がおいてあった.
幼少期に読んでいたであろうトマが手に取る.
この伏線は,後で見事に回収される.

ニルスのふしぎな旅

さて,親父の不用心な行動により,偶然にもトマが一人でグライダーを操縦してノルウェーからフランスまで戻ることになった.

“ほぼ”CGなしの空撮が話題.
最近の「本当はバックがグリーンな場面」だとわかりつつも,超絶なアクションに慣れてしまった観客には地味に映るかもしれない.
でも,こういうのでいいんだよ.
しかしながら「ラピュタ」っぽい乱気流シーンは,さすがに実写では無理だったようだ.

さて,今風にSNSへの拡散やら,親切な人々の助けにより,なんだかんだでフランスに帰還するのだが,トマの旅の進行とともにクリスチャンとパオラの夫婦関係も修復されていく.

川で体を洗う奥さんをチラ見する元旦那が微笑ましくて良い.
そういや何のために出てきたのかわからない女性カメラマンやけど,パオラに嫉妬させる=復縁させる役割だったのだろうか?

前半では,トマの冒険心をちょこちょこ抑制しようとするパオラ.
その後,ノルウェーからトマが一人で飛んだことを知り,クリスチャンに大激怒.
トマの発見後も,クリスチャンは自分の不手際でこうなってしまったことに狼狽し,計画を断念しようとする(=鳥の羽根を折る).
ところが,息子の確かな成長を見た後の母親の変化が面白い.
クリスチャンの決定を無視し,トマをもう一度飛ばさせる.
ある一線を超えると,女性の方が度胸を見せるという描写が良い.
子どもの成長を素直に喜ぶ,いいお母さんやな.
会社でけっこうな役職についていそうなのも納得.

さて,この映画のもう一方の主役がカオジロガンのアッカ.
カリガネガンの群れの中に手違いで一匹紛れてしまった.
劇中,クリスチャンが「同じ群れにしておくことはできない」だのなんだの言うし,途中で2回ほど行方不明になるしで,いつ死ぬのかとヒヤヒヤした.

ちなみにガンとカモ,Kazchariは区別がつかない.

ガンとカモは何が違う?雁行の由来になった鳥

ちなみに,日本で一番有名なカモであるカルガモは渡らないそうな.

というわけで,博物館の館長だとか,ノルウェーの自然保護官だとか,知事だとか頭の固い杓子定規的な大人も登場はするものの,すっきりとした展開.みんな職務に忠実なだけ.
昨今のメタだの,パラレルだの,悪には悪の論理が云々といった小難しい映画ばかり観ている中で,一服の清涼剤になりもした.

まぁ,強いて言うなら,クルマでノルウェーまで行く間に,もう少し父と息子の交流シーンが欲しかったなぁ.フランスからは,あっという間に目的地に着いてしまった.
蛇足かな.

調べてみると,『グース』というアメリカ映画が1996年に公開されている.
未見だが,これもかなり評判が良い.

グース [Blu-ray]

テーマ的に本作と似ている?
動物,家族,そして飛ぶ! ヒットしないわけがない.

そういや,よりドキュメント寄りのこういう映画もあったな.

WATARIDORI ディレクターズ・カット -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray

この映画の製作に関わった人鳥類研究者がクリスチャンのモデルらしい.

さて,『グランド・ジャーニー』を純粋に少年の成長映画として捉えると...やはり旅ですよ旅.
男を鍛えるのは旅ッ! それも一人旅ッ!

「若い時に旅をせねば老いての物語がない」は,とある狂言から.

Kazchariとしては,アホ息子に「中学生で北海道一周,高校生で日本一周,大学生で世界一周しろ」と絶賛洗脳中.
最終的には宇宙飛行士か.

JAXA 宇宙飛行士候補者募集

13年ぶりの募集だそうな.

つーことで,映画『グランド・ジャーニー』,普通に鳥もかわいいし,オススメです.

『アルキメデスの大戦』からのぉ~教え子に会った日

2022/2/5 Sat

最も教師に向いていない男.

iPhone11 Pro

今日も旭川は良い天気.
降るには降るのだが,ほとんど積もらない.
このままだと,2月下旬にはロード練開始できるのでは? つまりモンキーも乗れる?(願望)

さて,諸般の事情により午前中は在宅義務.
朝食を食べた後,久々にZwiftの「Quatch Quest」(47km)を選択.
そう,「Alpe du Zwift」登攀である.
このコース,山が始まるまでが長い.
特にタイムアタックは考えていなかったのでのんびりと.

当然,Amazon Prime Videoがライドの友.
今日の映画は...アニメ以外で久々の邦画『アルキメデスの大戦』だぁー!

アルキメデスの大戦 Blu-ray

以下,Amazon掲載のあらすじ.

1933年。欧米列強との対立を深め、軍拡路線を歩み始めた日本。海軍は、世界最大の戦艦を建造する計画を秘密裏に進めていたが、省内にはこの計画に反対する者も。そのうちの一人である海軍少将・山本五十六は、巨大戦艦の建造がいかに国家予算の無駄遣いか、独自に見積もりを算出しようと考えていた。必要なのは、軍部の息がかかっていない協力者…。山本が目を付けたのは、元帝国大学の天才数学者・櫂直。ところがこの櫂という男は、数学を偏愛し、大の軍隊嫌いという変わり者だった。初めは頑なに協力を拒んでいた櫂だったが、山本の「巨大戦艦を建造すれば、その力を過信した日本は、必ず戦争を始める」という言葉に意を決し、帝国海軍という巨大な権力の中枢に、たったひとりで飛び込んでいく。同調圧力と妨害工作のなか、巨大戦艦の秘密に迫る櫂。その艦の名は、「大和」...

2019年公開.
何かと評価の高い映画である.
それにしても,山崎監督は作品の当たり外れが激しい.
「ドラ泣き」とか「宇宙戦艦キムタク」はアレやったし...

つーことで,全く期待せず観たが予想外に面白かった.
原作も完結しておらず,落としどころが難しかったと思われるが,非常によくまとまっている.
冒頭の戦闘シーンを除けば,戦争映画ではなく謎解きミステリー.クライマックスは法廷ドラマ.
山本五十六(舘ひろし)はじめ,おっさん達がいい味出している.

それにしても...改めて「大和」のデザインはかっこよすぎる.
倫理観よりも,何よりも”美しさ”に惹かれてしまう...技術者マインド全開になるのもやむなし.某映画の堀越二郎と通じる.

歴史改変はさすがにできないし,そういう映画じゃないしな.
Amazonのレビュー見たら,海軍の作法大和の兵装についてネチネチと文句つけている人がいたが,そこ大事?

細かい演出で気に入ったシーンがある.
冒頭の大和の戦いで,パルスレーザー...じゃなくて対空機関砲が敵機を撃墜.
パイロットがパラシュートで脱出すると,それをすかさず水上飛行機が救助に来る.
それを見た日本兵が唖然とするシーン.
個々の兵隊の生命,特に莫大なコストをかけて育てたパイロットを大事にする米軍と,無駄かつ無理な精神論だけで戦う日本軍との比較が面白かった.

また,これは勝手な想像だが,菅田くんは関西人なので鶴瓶のセリフ回しに相当引っ張られそうになったのでは?(そんなことないか)

さて,2時間以上漕ぎ続けてケツの痛みがむっちゃ気になる頃,ようやくゴール.
ターンして,下りは放置.
その間にシャワーを浴びて昼食.

午後からフリー.
2月に入ったので,毎年恒例,DOMANEをオーバーホールに持っていく.

クランカーのご主人としばし談笑.
相変わらず,完成車もパーツも全然入ってこないとのこと.
Project-ONEもオーダーストップ中.

ただし,運良くオーダーが通った場合,急に納期が早まったり,パーツがグレードアップされてたりするらしい.
”待てる”のなら,今が購入チャンスかも.
ディスプレイされていたProject-ONEのMADONE,実に美しい...

さて,チャリを預けて用品を眺めていると,「ひょっとしてKazchari先生ですか?」とお客さんから声をかけられる.
もちろん,ご時世柄のマスクマンなので思い出すのに時間がかかったが,6,7年前に卒業した教え子のSだった.

なんでも,クランカーさんで買ったTREKのクロスバイクを売りにきたとのこと.
子供が小さいので乗るヒマがないのと,将来的にロードバイクが欲しいので,というよくわからん理由.

Sとは,在学中「中札内」や「空知」のグルメフォンドに一緒に出たことがある.
いや,一緒ではないな.あくまで現地集合だった.

Kazchariの割とガチな自転車ライフについて熱弁し,ロード購入のあかつきには,ぜひとも”変態ワールド”に入国するよう誘っておいた.
レース,ブルベ,Zwift,スノーライドなど,一度足を踏み入れたらシャバには戻れんようなるけどな.ゲヘゲヘ.

とまぁ,色々話したが,どうやら彼が話したかったのはカメラ趣味の方だった.
なんや,そっちか.

S「先生はどこのカメラ使ってるんですか?」

Kazchari「オリンパスや」

S「えー,マイクロフォーサーズですかぁ?」

Kazchari「(ムカっ)おお,なんか文句あるんか!」⇒ ウソ.怒ってません

どうやら,子供ができたことをきっかけに写真にはまったようだ.
話の中にもちょくちょく専門用語が出てくる.

そのSが面白いことを言っていた.

「学生の時,先生が『写真を趣味にすると,世界の見え方が変わる』って言ってたじゃないですか? あれ本当ですね.今になってわかりました」

言った言った.
そして,それは絶対的真実.

常に構図を考えながら世界を観るようになる.
ここで,どう切り取れば自分だけの聖域に閉じ込めることができるか.
シャッターを切れば,その瞬間,自分だけの最強世界が爆誕する(by浅草氏).

そして,何より写真には撮り手の感情が写る.
これも間違いない.
それが最も具現化するのが,自分の子供を撮る時.

2006年5月撮影 OLYMPUS CAMEDIA C5050Z

卒業して数年経ってから「あの時の話の意味が,今わかります」と伝えてくれる.
こういうのが教師冥利に尽きるってヤツなのだろうか.
素直にうれしいね.

では,今度会った時には5時間コースで,カメラとチャリとオートバイとダイビングとプラモデルとキャンプとアニメと映画と投資の話をしてやろう! 覚悟しとけよ!

(迷惑なセンコーだ...)

なんと!北海道の「道の駅」が登録抹消!?

2022/2/4 Fri

縮むのか?

SNSのタイムラインにこのニュースが流れていた.

伊達と足寄の道の駅,登録抹消 道内初

ようするに道の駅『足寄湖』『フォーレスト276大滝』が1/31をもって閉鎖されたという話.
両方とも古くからある道の駅だったように思う.

『足寄湖』は1998年の北海道ツーリングで立ち寄った際,鹿肉丼を食べた記憶がある.

1998年9月21日撮影

そうそう,2019年の400ブルベでも休憩に使ったな.

BRM824旭川400km(その2)

トイレやドッグラン施設は残るようだが,何か寂しいモノがある.

『フォーレスト276大滝』はなんと言っても,ふるさと創生基金の一億円で作った豪華トイレと自動演奏ピアノが有名.
確かに一見の価値はあるトイレだった.

ここ数年は運営会社の破産で閉鎖されていた.
そやけど,お隣の「きのこ王国」は大盛況なので,完全に集客ミスだろう.
いっそこっちと合併しといたら「道の駅」として存続できたのでは?
田舎だけに色々あったのかもしれん(邪推).

昔の北海道の「道の駅」はハズレがなく,各地域の威信をかけた特産物,特に「食」へのこだわりが半端なかった.
しかしながら,一町一村体制で「駅」がバシバシ増えてきた頃から,なんだかなーな所が増えてきたのも事実.

昨年,サイクリング中に立ち寄った,某道の駅で頼んだラーメンはひどかった.
どう考えても「サッポロ一番みそラーメン」そのまんま.承太郎なら金を払わないはず.

それにしても「道の駅」って自然災害以外なんかの,やむを得ない事情以外でも,登録抹消されることあるのが驚き.

新コロによる観光客減少が一番の痛手だったのは間違いないけど,それ以前に日本の人口減少による地域衰退の象徴やな.

『フォーレスト276大滝』は今後も再利用の予定がなく,建物がこのまま朽ち果てて廃墟化するのは確実とされている.
北海道,いや,日本中どこでも田舎を中心に空き家や廃屋が目立ってきている.
それが郊外の住宅地へ,やがて都市部にまで及ぶのも時間の問題,
タワーマンションの将来の廃墟化もよく話題になる.

北海道から消えるのは「道の駅」だけではない.
JRの「深川~留萌」「富良野~新得」「長万部~余市」も廃線決定(一部協議中).

日本の人口が増え,かつての賑わいを取り戻す日は来るのだろうか?

今では「少子高齢化」は揺るがない事実として認識されているが,Kazchariが子供の頃は,逆に人口爆発が心配されていた.
小,中学校は12組まであったしな.
単純計算で40人☓12クラスで,1学年424人!? すげー.

それこそ,1979年放送のガンダムの世界では,増えすぎた人口をスペースコロニーに棄民...いや移住させることになってたし,井上陽水も「地球上に人があふれて,海の先にこぼれるのではないか」と1989年に心配してた.

それが今では,人口減少を憂いている.

未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること 未来の年表 (講談社現代新書)

もちろん,“宇宙船地球号”の観点でみると,世界人口は途上国を中心にいまだに増加中.
だが,その状況にしても,大ベストセラー『FACTFULNESS』によると「世界人口は(将来的に)110億人程度に収まる」と論証している.

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

こうして見ると,ほんの十数年で人の認識なんてコロコロ変わっている.
言い換えれば,未来予測なんて当てにならんということか.

「人口統計を元にした予言だけはハズれない」という話もあるが,不測の事態が起こればわからない.“新コロ世界”なんて誰が予測した?

また,いつの日か,人類が人口爆発を心配する日が来るのだろうか?
可能性があるとしたら...戦争? そしてその後?

最近,ロの国とウの国あたりが少々キナ臭くなってるけど...ヤメテー!