2022/10/9 Sun
静寂の刻.
キャンプ初日にしては熟睡.
朝5時に目覚める.
もちろん息子はまだ寝ている.
のそのそとテントの外へ.
フライ,タープとも夜露でびっしょり.
ただし晴天.
塘路湖は朝靄に覆われ非常に幻想的.
先に自分用の朝食を作る.
ホットサンドメーカーで昨日買った惣菜パンを温める.
早朝にもかかわらず,駐車場にはカヌーをルーフに積んだワンボックスが数台到着.へぇ,こんな早朝からツアーがあるんや.
それを横目にコーヒー豆をミルで挽いていると「おっ,本格的だねぇ.戻ってきたらコーヒー頂戴」とやたら気さくな声が.
振り向くと,ライフジャケットを着たヒゲ顔のおじさんが立っていた.おそらくあだ名は「クマさん」だろう(失礼な).
突然のフリに,関西人らしいリアクションができずアタフタしてしまう(小物だ).
てっきり「Kazchari家のガイドさんかな?」と思ったが,別のツアーのガイドさんだった.
このクマさん,めちゃめちゃ話し好きで,自分のツアー客が到着するまでしばらく歓談.
ご多分に漏れず道外(横浜)出身で北海道が好きになって移住.ガイド業を始めたとのこと.
なぜかKazchariの本業にまで話が及んだ頃,お客さん到着.
いってらっしゃい.
早朝6時の朝靄カヌーツアー,確かに良いかも.
息子が起きてきた.
昨夜残したおにぎりをホットサンドメーカーで焼く.
それを食べ終える頃,湖のほとりまで散歩.
実に美しい.
これまた恒例のYouTube風動画を撮って遊ぶ.
「高評価とチャンネル登録お願いします.あとTwitterもやってるのでよろしくです」という決め台詞をスラスラ話したあと(最近の小学生は...),テントに戻る.
すると,テーブルの上からカラスが何かを持ち去るのが遠目に見えた.
「まさか!?」
袋に入ったままの「焼きそばサンド」だった.
そのカラス,近くの大木の枝に止まり,見せつけるように中身だけを食べ,丁寧に袋だけ落としやがる.ぐぬぬ...
手に持っている食べ物をとんびが持っていく,というシーンはよく見るが,まさか袋入りのパンをまるごと持っていくとは...カラスは頭だけでなく目も良いらしい.
息子が木の下のカラスに「返せー!」と叫んでいると,奥にテントを張っていた5人グループのキャンパーが「どうしたの?」と声をかけてきた.
息子が事情を話すと「おぢちゃん達,これから焼きそば作るから食べる?」とのこと.
全く遠慮しない息子と,人の善意は抵抗なく受け入れるKazchari.
以降,息子はこのキャンパーさん達の食事に預かり(Kazchariはさすがに...),ずっとサッカーで遊んでもらうことになる.
「こうした見ず知らずの人との交流が旅の醍醐味だよなぁ...」と温かい目で見守る.大物になるわ(いいのか?).
つーことで,午前はこんな感じで過ぎていく.
その間もカヌーツアーのクルマや参加者でキャンプ場は大賑わい.
うん,新コロ騒ぎはなんだったのか...事態は元に戻りつつある(気がする).
さて11時になった.
名残惜しげな息子を連れ戻して昼食へ.
「焼きそば」やら「焼肉」を大量にもらった息子はハラが減っていないという.
仕方がない.
ちゃんとした店で食うのは諦めて,Google先生に掲載されているご当地バーガーをテイクアウトするか.
つーことで,塘路駅前の「Bob’s Burger」に向かう.
広大な公園.
天気も最高.
懐かしのFjiyaのレモンスカッシュ.
そして巨大な“本物”バーガー.
完璧だ.
食事後,一番近いコンビニである遠矢のセイコマへ.
ツアー中のドリンク,おやつ,それに息子の相手をしていただいたキャンパーさんへのお礼に,ビールを購入.
キャンプ場に戻った後,お渡しした.
13時前.
Nanookさんのガイドさん登場.
挨拶をかわす.
ガイドさんも関西出身とのこと.
面白いのは先程の横浜出身のガイドさんとは真逆.
非常に落ち着いた雰囲気の方だった.
関西人で物静かな人はかなり希少では?(偏見)
事前に簡単にパドル操作のレクチャー.
二人乗りのカナディアンカヌー.
前列は息子,後列はKazchari.
舵取りの仕事がある後列のほうが大変(そらそうだ).
湖のほとりまでカヌーを運ぶ.
さぁ,出発.
操作はすぐに慣れた.
息子も...文句を言わずに漕いでいる.
今回のキャンプ旅では,メインイベントをラフティングにすることも考えたが,同じ水のアクティビティとは言え,このカヌーとはまるで別物(当たり前).
あちらは常に漕ぎつつける「動」,こちらは「静」.
まぁ,風がない穏やかな日に限るかもしれんけど.
塘路湖での操舵練習を終えた後,アレキナイ川に進入していく.
ガイドさんと言えば,わりと近くにいて「あの木は◯◯」「あの鳥は◯◯」とかなんとか,説明しまくられることが多かったのだが,本ツアーのガイドさん,ホンマ,必要最小限な言葉しか発しない.
御本人も,おそらく数十回,数百回と通っているコースだと思うけど,周囲を観察し静寂を楽しんでおられるように見受けられた.
それが心地よい.
そうやね.
ダイビングのガイドさんでも,こちらに気を遣うばかりで余裕がなさそうな人や今,潜っているこの時間を楽しんでいる人と様々やったなぁ.
もちろん,カヌーもダイビングも,こちら(客)のスキルに合わせて方法を調整するのだろうけど.
向かい側から,別のカヌーが来た.
前にちょこんと座る若い女性(しっかりマスク).
後方の漕ぎ手は一人.まさにヴェニスのゴンドラっぽい.
「今から痛メツケテヤル!」とか言いそう(誰が?).
まぁ,それはともかく逆走できるほど川の流れは緩やか.
いやぁ,カナディアンカヌーはいいねぇ.
ラフティングや”沈”上等のカヤックと違って,こうした湖や細い支流でのんびり漕ぐ(浮遊)するなら,こいつがベスト.
今日みたいなコースやったら,プライベートで十分やし.
息子も気に入ったようで,いっそ「買ってしまうか?」と一瞬思ったが,冷静に考えるとカヌー最大の問題点が...
それは保管と移送である.
特に後者には「川を下った後,誰が上流まで自分とカヌーを運ぶのか」問題がある.
結局「やっぱいいわ」となってしまう.
つーことで,約2時間半3kmのツアー終了.
クルマでキャンプ場まで送ってもらう.
ガイドさんが「これでツアー終わりです」と,さっと手を出す.
「お別れの握手かな」と思い,こちらも手を出すが...「いや,ライフジャケット返して」と言われて赤面.ですよねぇ.
さて,キャンプ場は人が減り,Kazchari家の他にソロキャンパー1名.
しばらく息子とサッカーして遊ぶが,そろそろ買い出しにいかねば.
昨日と全く同じ行程.
つまり,Aコープ買い出し後に温泉である.
繰り返すが,さすが“俺たちの”Aコープ.
今日も見切り品が充実.
¥1,600のサガリがなんと40%オフ.
さらにカルビのパックも半額だ!
となれば,息子待望の焼肉パーリィ.
他に「もやし」やら朝食用の「惣菜パン」を買ってAコープを出る.
お次は温泉.
先に上がった息子,受付のマダムに...
息子「温泉,気持ち良かったですぅ」
マダム「そりゃ良かったね」
息子「どうして,温泉は気持ちいいんですか?」
マダム「...ワタシもよくわからんけどね.お湯の栓ひねってるだけだから」
と,妙にほっこり(?)した会話を交わしていた.
また来たい温泉である.
ただ気になるのは,北海道中のこうした味のある温泉が次々に閉鎖に追い込まれていること.
Kazchariが数ヶ月前に”必死で”訪問したオソウシ温泉も休業だとか.
経営難,老朽化,後継者不足etc...理由は様々なれど,寂しい話である.
温泉の他にも,道端に朽ち果てたドライブインやアミューズメント施設をよく見る...というか,こうした栄枯盛衰,廃墟が気になる年頃になったということか.
キャンプ地に戻って夕食.
昨夜よりも気温は高め.
そこへ,湖の方から物音が.
なんと夜間カヌー(プライベート)の方が戻ってきた.
満月に近い月は出ているが,雲がかかって決して明るくない.
すごいな.この暗闇の中でカヌーか.
でも楽しいそうではある.
20時になった.
就寝前にネットで釧路方面の天気予報をチェック.
もちろん表示されるのはこれ.
さらに記事を読むと...“災害レベル”の大雨だとか...
うげっ,どうするKazchari?
どうでも良いが,世紀の大傑作『鎌倉殿』の後を受ける『どうする家康』もどうする?