2022/11/9 Wed
「わかりやすい」は正義(なのか?)
Amazon Prime Videoにて,巷で話題の『ぐえキャン△』...ではなく映画『ゆるキャン△』の配信が開始された.
事前の情報で未来,つまり高校生だった彼女たちが社会人になってからのエピソードであることは知っていた.
原作でも書かれていない(妄想シーンは除く)ので,誰も知らない完全新作となる.
『ゆるキャン△』は,言わずとしれたソロキャンブームの立役者(の1つ).
「女子高生がおっさん趣味にハマる系マンガ」の中でも頭一つ飛び抜けて人気がある.
Kazchariも単行本を11巻まで購入済み.
アニメ,ドラマも視聴済み.
アニメ版はともかく,実写版はよくやりきった!と関心.
9割は失敗しがちなマンガのドラマ化だが,これは再現度がめちゃめちゃ高い(特にクルマとバイク).
JKに見えない点は脳内補完せよ.
そして,作品に登場する以下のキャンプグッズを買ってしまった.
まずはなでしこチェア.
そしてガスランタン.
使い勝手で言えばLEDランタンに軍配が上がるのだが,ガスの炎のゆらぎは趣が違う.
なでしこじゃあないけど,眺めているだけで和める.
おつ? Kazchariもむっちゃハマってるやん.
ただし肝心のコミックは12巻以降未購入.
何かねぇ...10巻ぐらいからストーリーが怪しくなってきたのと(ご当地観光マンガ?),画力の劣化がねぇ...正直,セール待ちです.
それはともかく,映画版の感想である.
何を今更のネタバレ注意.
まず開幕.
松竹の富士山マークが徐々に本編の富士山に変わっていく演出が面白い.
やはり『ゆるキャン△』に富士山は欠かせない.
高校卒業後10年くらいは経っているのかな? みんな27,8歳?
リンは名古屋でタウン情報誌の編集者に.
ショートヘアになった.
以前は営業職だったというセリフがあったが,あの性格で大丈夫だったのだろうか?(人嫌いではなく孤独が好き).
今や満員電車で通勤し,会社で徹夜勤務する社畜人生に...いや,仕事が心底好きなのでしょう.
TV版でも「真冬ツーリング+温泉」など,結構なストロングスタイルなので,見た目より頑丈なのでしょう.
あの渋い祖父のトライアンフを譲り受けている.
なでしこは東京でアウトドアショップの店員.
こっちもショートヘアになった.
4代目ジムニーとグラベルロード(?)に乗っている.
チャリはともかく,”あの”なでしこがジムニーに乗っているのがなんともスゴイ.
富士山の見えるアパートで一人暮らし.
チアキは東京のイベント会社を辞めて,山梨県の観光推進事業部に転職.
地域起こし活動に従事している.
富士山の見える高下(たかおり)地区の廃施設の活用を考えていたところ,リンの「キャンプ場にすれば?」の一言で即行動(名古屋から富士市までタクシー!).
旧野クル顧問のあとを継ぎ,いまや立派な飲んべぇ.メガネキャラはこうなのか?
イヌ子は地元,鰺沢の小学校の先生に.
どうやら生徒数の減少により,来季で廃校が決まっている.
相変わらず関西弁.
公開前のヴィジュアルでは「妊娠中?」という噂もあったが,元々体格の良いキャラゆえの誤解でした.
TV版で小学校低学年だった”ウソやでー”な妹が美大生! なので10年後設定はだいたい合っているはず.
サイトーは地元でトリマー.
見た目も中身も一番変わっていない.相変わらず達観している.
「ちくわ」は二代目...ではなかった.老犬.
縄文土器を発見した時の,匂いの元は何だったのか?
元々このグループって,2+2+1みたいな構成.
それは今も変わっていない.
さて,ストーリー展開ですが,起承転結がはっきりした王道中の王道.
「転」でトラブルが起きますが,無事解決!
ものすごく平和な気持ちで鑑賞できます.
これ以上ない「ゆるキャン△」.
鑑賞中はむっちゃ郷愁にかられた.
以前,Kazchariは30年ほど前,沼津に2年ほど住んでいたこともあり,ゆるキャンの舞台はだいたい訪れたことがあるのだ.
リンも,TV版で訪れたキャンプ地を再びオートバイでまわる,つまり聖地巡りをするというメタ構造.よくできている.
とあるキャンプ場管理人の「(あなたのこと)知ってます」というセリフが泣ける.
特に映画で登場した八ヶ岳の本沢温泉の登場はうれしいサプライズ.
もう30年前か.懐かしい.
若い女の子2名が山奥の脱衣場も何もない露天風呂に入っている...というシチュエーションは現実にあるのだろうか?
この時のリンとなでしこの会話がこの映画のクライマックス.
大人だからこそできること.
そこからの行動が素晴らしい.
仕事に疲れたオトナたちへの強烈なメッセージやね.
紆余曲折を経て完成したキャンプ場のオープン日.
朝,エンジントラブルを起こしたトライアンフ.
「ならば,これに乗れ」と,お父さんが車庫のシートをめくると,そこには古のYAMAHA VINOの姿が! どこぞの戦闘機映画のF-14かよ!
残念なのは,その次のカットではいきなりキャンプ場に着いていること.
おいおい,VINOの起動・発進場面をカットしてどうする(←この映画唯一の不満点).
さて,日本版『フィールド・オブ・ドリームス』な内容のこのアニメ,実は登場したキャンプ場には,しっかりモデルがあった.
いやモデルっつーか,鉄骨ドームをはじめ,そのまんまやな.
ホームページが凝りに凝り過ぎて,めっちゃ重たいのはご愛嬌か.
さて,肝心の利用料金は...
げっ,1張¥4,400!+施設使用料1人¥1,000とな!? あな恐ろしや聖地のキャンプ場...
つーことで,映画『ゆるキャン△』,オススメです.