スウェーデン式歯磨きは正しいのか

2020/6/26 Fri

えっ?あかんの?

2019年5月8日,NHKの人気健康番組『ガッテン』にてとある内容が放送された.

虫歯リスクが激減!?発見!新★歯みがき法

内容をまとめると,このスウェーデン式歯磨きは「イエテボリ・テクニック」と言われ,

- フッ素配合の歯磨き粉をたっぷりと使う(目安は2cm)
- 歯全体に歯磨き粉が行き渡るように2分程度歯みがきを行う
- 口の中の泡を吐き出しだすが,口を水でゆすがない
- 歯磨き後,2時間飲食をしない

という特徴がある.
何といっても,歯磨き粉を吐かないのが最大のポイント.
ようするにフッ素を口の中に残すことで,歯をコーティングし虫歯を予防するという考え方である.
ただし出演者は「この方法は日本人にはなじまないかも…」と解説していた.

この番組視聴後,Kazchariはすぐに実践開始.
確かに最初は抵抗があったが,すぐに慣れ,1年以上イエテボリ・テクニックを継続中である.

結果どうなったか.

とりあえず,虫歯にはならなかった
半年に一度の歯石除去&定期健診ではあまり変化が見られず,軽度歯周病のまま(悪化しなかったとも言える).

先日,息子が「歯にモノがはさまっている(=痛い)」というので,歯医者に連れて行った.
案の定,右奥の乳歯が2本ほど虫歯.レントゲンでぽっこりと穴が開いていた.
幸い永久歯は無事なようで,痛み除去と仮詰め物の応急処置をしてもらった.
ちなみに娘も虫歯経験ありだが,ヨメさんは1本もないらしい.

さて,この息子の受診があったため,あらためてこのイエテボリ・テクニックについて調べてみた.すると意外なことに放送直後より歯科医師からの番組内容への苦言が出されていたようだ.
主張をまとめると,こういうことのようだ.

「歯磨き粉を口内に残すことは,フッ素の一日総摂取量を増やすことになり,慢性フッ素中毒になる可能性がある」

つまりフッ素の過剰摂取は「骨硬化症」や「歯牙フッ素症(斑状歯)」を生じかねないとのこと.
日本で普通に生活している分には問題ないが,イエテボリ・テクニックのように積極的に摂取するのは勧められないらしい.
番組内でも12歳以下の子供は行わないようにとの注意喚起が”一応”されていた.ただし,スウェーデン人家族の映像では,幼児に近い子供も”イエテボリ”してたため,ここも批判の対象になっている.

うーむ.どうしたものか.
ガッテンと言えば,以前にも「睡眠薬が糖尿病に効きますよ事件」を起こしたりしてたなぁ.
NHKといえど(だから)100%信頼するのは危険ということか.
1年以上続けた習慣やけど一度中止するつもり.習慣化してしまっているので止めにくいけどな.

いずれにせよ「歯磨き方法」は,昔から様々な流言が飛び交う一大健康分野.
ブラシの使い方」から始まって「歯ではなく歯ぐきをマッサージせよ」だの「歯磨き粉はつけない方が良い」とか「研磨剤はない方が良い」とか「いっそ何もしないのがベスト」とか…

まっ,それだけ替えが効かない大事なパーツやしね.
高齢者も口から食えなくなったらヤバイ
ただし,それは生命体として死に向かっていく自然な姿なので,鼻からチューブ,胃に穴やらで延命するのは自然の摂理に反する,とも言える.

Kazchariにもそういう日は確実に来る.
その状況に陥る時間をできるだけ引き延ばすために歯を大事にしよう.

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