2つの『ザ・ハント』~極限状態

2022/3/31 Thu

共通点あり?

邦題が同じ『ザ・ハント』という映画を2本立て続けに観た.

1本目は『ザ・ハント ナチスに狙われた男』(2017年ノルウェー).
ちなみに原題は『DEN 12. MANN/THE 12TH MAN』

ザ・ハント ナチスに狙われた男(字幕版)

ナチスに支配されていた1943年のノルウェー。ナチスの抵抗勢力として活動していた12人の男たちは、1人を残して処刑された。生き残ったヤンはナチスの追跡から逃れるためスウェーデン国境を目指すが、極寒の雪山での逃走は死以上の苦しみが待っていた。ナチスの将校のカートはヤンを捕らえるため広大な山を包囲し、執念深く追跡する。もはやヤンに逃げ場は残されていなかった―

以下,ネタバレ.

戦争映画とSF映画は金がかかる.
ハリウッド超大作ならまだしも,その他の国で製作しようとすると,どうしても...見劣りする.
この映画も派手な戦闘シーンはない.
その分,痛い,寒い,空腹,不眠,不安,幻覚のオンパレード.
これでもかと主人公を苦しめる.

しかし,超人的な体力の主人公が,数々の奇跡的な偶然で生還するという都合の良いストーリーだが,なんと実話ベースらしい.
もちろんノルウェー人はノルウェー語,ドイツ人はドイツ語を話す.そのこだわりだけで加点.

人類はその歴史の中で環境を支配し,いかに自分たちが快適に過ごせるかを追求し続けてきた.
速く泳ぐため,速く走るため.暑さ寒さから逃れるために様々な機械を発明した.

食料も同様.

季節に関係なく,好きなものを好きなだけ食べられる世の中になった.
もはや「パンがなければお菓子を食べればいいのよ」という特権階級を皮肉るセリフは意味をなさない.

ところが,こうした“我慢しなくても良い”という事態は戦争になると一変する.
この映画を観ながら「困難な状況を耐え抜く力が主人公を救ったな」と考え続けていた.
その原動力は何だろう?
この主人公,なぜか仲間は元より,逃走中に出会った人々に好かれる.
それも才能の一種か?

もう1本は『ザ・ハント』(2020年アメリカ).
こちらの原題は『THE HUNT』そのまま.

ザ・ハント (字幕版)

広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。あるのは巨大な木箱に納められた一匹の豚と武器の数々。すると突然銃声が鳴り響き、何者かに狙われる。武器を取り、逃げまどいながら、やがて彼らは気がつく。ネット上にはびこる噂、「人間狩り計画」―セレブが娯楽目的で一般市民を狩る“マナーゲート“が実在することを。

以下,ネタバレ.

この映画の特徴は3点.

1つはデスゲーム系のお約束を破っていること.

この種の映画の愛好者であればあるほど,予測を外される.
「あれ?」「なんで?」と思わせる展開は上手い(特に前半).
どこかで観たなぁこの構成...そうそう『キャビン』だ.

キャビン スペシャル・プライス [Blu-ray]

もう1つは昨今のアメリカ(だけとは言えないけど)の状況,いわゆる分断社会が露骨にテーマになっていること.

社会に不満を抱える「プア・ホワイト」「動物虐待者」「陰謀論者」「差別主義者」がブチ殺されていく.

シナリオ的に面白かったのが,元々ジョークだった「金持ちが人狩りをしている場所がある」という都市伝説(ウソ)がマコトになってしまったこと.

そして,殺す側(金持ち側)が環境問題や人権問題,健康にやたら関心があるのが笑える.
思想が異なれば,相手に人権はなく,駆除対象らしい.
人体破壊などの過激描写というよりも,こうしたプロットのために上映禁止になったんやろな.

後は...実は”みんな大好き”ナーメテータームービーだったこと!

おすすめナーメテーター映画10選 無敵のコマンドー?俺はただのコックだ。

もう,めちゃめちゃ強い主人公のクリスタル(ベティ・ギルピン)の表情が,やけにシュワルツェネッガーに似ていると思ったのはKazchariだけだろうか?
「ワタシはアフガン.あなたは?」「...州兵だ」のシーンが最高.

最後は女同士のキャットファイト(これもまぁ,フェミ...).
バトル中に「ちょっと休憩」というセリフはシリアス映画では初めて聞いた.

言うまでもなく,クリスタルだけが最後に生き残ったのは,何事に対しても冷静でいたためだろう.
誰の挑発に乗らず,状況を的確に判断し,自分で自分の道を切り開いていく.
ひたすらカッコよい.

そやけど,よくもこれだけの内容を90分に詰め込んだなぁ.

さきほどの”ナーメテーター”のリンク先で紹介されていない映画では『サプライズ』も面白い.

サプライズ [Blu-ray]

つーことで,邦題は同じだが中身はまるで異なる『ザ・ハント』.両方ともオススメです.

『鎌倉殿の13人』がおもしろい

2022/2/28 Mon

予測通りに現代劇.

Kazchariがいちいち言わなくても世間の評価も上々のようだ.

役者の熱演は元より,三谷幸喜の脚本が素晴らしい.
『新選組!』『真田丸』などと同様の現代風アレンジ.
ガチな大河ファン(≒高齢者)には受け入れられないかもしれないが,ええんじゃないの.

先日の放送は「いざ,鎌倉」
房総半島や武蔵の豪族の力を借りることに成功した頼朝は,いよいよ幕府の本拠地づくりに手をつける,という回.

印象に残ったシーンは2つ.

まずは満を持して登場の義経である.
少数の家来(弁慶含む)と奥州から,兄のいる鎌倉を目指すフィリップ...じゃなかった義経.

道中,弓矢でうさぎを狩るが,それは別の野武士に射られた後だった.
矢の印によって,その野武士の獲物であることが証明されたが,納得しない義経.
キレた野武士が義経に矢を向けるが,動じず「では,どちらが矢を遠くまで飛ばせるか」で勝負しようと持ちかける.
どうみても理不尽な勝負で,野武士が受けるいわれはない.
野武士の気性を読んで「いける」と見抜き,提案したのだろう.
さて,その勝負は...興味のある人は本編で.

びっくりした.
才気あふれる青年...と同時に,徹底的に気分の赴くまま本能的に動く自己中な若者として描く.
天真爛漫...とは違う.特に理由なく人を殺す.

かつてない義経像.
タッキー(ジャニタレ)だったら絶対にありえなかった演出.
このままで話が進むなら,これまでの大河で描かれてきたような「嫉妬深い兄に追い詰められて自刃した悲劇の天才武将」というステレオタイプではなく,「ああ,こら殺られても仕方がない.頼朝が怒って当然」という最後に持っていくのではないだろうか.

もう一つは佐藤浩市演じる,いぶし銀の実力者,上総広常のエピソード.

なんだかんだで頼朝軍に従軍しているが,前回の遅刻してからの,頼朝の碇ゲンドウ風叱責でたじたじ.
で,今回も...

要するに坂東武者の大半は田舎者で「教養」がない.
どこそこ地位のある武将であれば知っていて当然とされる「武衛」の意味すら知らず(騙されたまま),恥をかいてしまう.
今後も狡猾な頼朝(とその側近)による,”田舎者”のコントロールが続いていくのだろう.

ホンマ,「教養」がないことの恐ろしさよ.
「教養」の定義は色々あるようだが,今だと「リテラシー」が一番にしっくりくるかも.侮蔑するなら「情弱」?

似たような話を最近”聴いた”ことを思い出した.

それは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の考察動画だ.

Kazchariも本放送を視聴していた.
大方の意見通り,一期はともかく二期はなぁ...という感想程度しか持てなかった.

この動画では,別の“見方”も提示する.
“教育がなければ人は利用されてしまう”ということ.

ネタバレになるが,鉄華団が滅んだのは,彼らが社会を行きていく基礎知識を持たなかったからとする.
義務教育を受ける機会がなく,読み書きすら覚束ない若者の組織.
MSの操縦や修理技術だけでは,利用され捨てられる.

トランプ政権時に,何かと話題になった反知性主義に通じるところがあるなぁ.

つーことで『鎌倉殿の13人』を毎週楽しみにしている.
その一方,Amazon Prime Videoではアニメ『平家物語』が配信中されている.

平家物語

声優陣が超豪華で放送前に話題になったが,その中身も素晴らしい.
言うまでもなく,平家の栄枯盛衰を描いた鎌倉時代の軍記物語.
Kazchariはエンディングが特にお気に入り.

何の偶然なのかわからんけど,『鎌倉殿』で源氏から,アニメ『平家物語』で平家側から同時代と描くという珍しい瞬間に立ち会っている.

この平安末期から鎌倉初期は,ややこしくてドラマでもあまり人気がない.
それゆえ,こうした媒体で知識を得ることができるのが良い.
今から尼将軍,政子の有名な演説シーンが楽しみだ.

Kazchariが初めて通して観た大河は『草燃ゆる』だし,低視聴率にあえいだ『平清盛』はここ数年で最高傑作だと思っている.

つーことで,「新解釈:平家物語」じゃなかった『鎌倉殿の13人』オススメです.

KazchariはNHK+でタブレット視聴.
いつでも見れるのがありがたい.

こんなサービスできるんやったら,他のアーカイブもフリーに見せてほしいわ.
受信料払ってるんやし.

映画『マネー・ショート』を観た~知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ

2022/2/18 Fri

What gets us into trouble is not what we don’t know.
It’s what we know for sure that just ain’t so.

何も知らないことが厄介なのではない.
知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ.
マーク・トゥエイン

Kazchariは一応投資活動をしているが,いわゆる「ほったらかし投資」であり,金融についての知識は非常に乏しい.
「めちゃめちゃ利息の良い定額預金」程度の認識である.
トレーダーのように一日中モニターに張り付いて日々の平穏を乱すような生活はしたくないので,これで十分.
正にローリスク・ローリターンで絶賛運用中.

そんなKazchariが手を出してしまったのが,Amazon Prime Videoで配信中の映画『マネー・ショート』である.

例によって,3本ローラー練しながらの鑑賞なので,通しではなく,ブツ切れで.
元々この映画は長い.

マネー・ショート 華麗なる大逆転 [Blu-ray]

以下,あらすじ.

実話に基づき、4人のアウトサイダーを描いた物語。大手銀行、メディア、政府が否定した世界経済の破綻を予見した男たちによる大胆な投資は、銀行のいかがわしい闇を浮かび上がらせた。そこには人間も物も、何もかも信じられない世界があった。

鑑賞後,一言...

「話の筋がさっぱりわからん」

似たようなアルファベット3文字の金融用語の乱舞に頭が混乱.
そもそも邦題が悪い.
「華麗なる大逆転」ってなんだ? そのようなスカッとさわやかな話ではないぞ.

とは言え,「意識高い系」「選ばれし者」だけに向けられているというわけではなく,エンタメ性にもちゃんと配慮している.

例えば,話の途中でいきなり登場人物が“第四の壁”を越えて,観客(我々)に話しかけてくる場面があり,難しい専門用語をたとえ話で解説してくれる.
特にカジノにおける「合成CDO(合成債権担保証券)」の説明は非常にわかりやすかった.

さらに,実在の登場人物を超一流俳優が演じているので,彼らの緊張感のあるやり取りから,この後,何かとんでもないことが起こるであろう,サスペンス風味の表現も素晴らしい.
それに,揃いも揃って変人だらけで,全員キャラが立ちまくり.
彼らを観ているだけでも面白い.

そこで,冒頭に上げたマーク・トゥエインの言葉である.
有名なソクラテスの「無知の知」と大意は同じだろう.

この言葉は誰に向けて発せられたのか?

一つはもちろん劇中の金融バブルに踊らされた人たち.

もう一つは我々,観客であろう.

この映画を「さっぱりわからん」「つまらん」「駄作」と切って捨てるのはまだマシ.
「ほほぉ,何かややこしい金融用語が飛び交ってるけど,オレは”だいたい”わかるぜぃ.きっとこんな意味に違いない.深いなぁ...(何が?)」で済ませてしまうのが一番厄介.

とは言え,わからんもんはやっぱりわからんので,ここはやはり解説サイトの力を借りよう.
鑑賞後すぐに,こんな作業をするのは『TENET』以来やな.

『TENET』をネットの力で解釈

とりあえず,Google先生による検索上位サイトを片っ端から熟読.

億万長者も夢じゃない!? 《4000億稼いだ男たち》の実話には 「お金稼ぎのヒント」がいっぱい!

観る前にこれを知れば『マネー・ショート』がもっと面白くなる!5つの経済用語

マネー・ショート~”リーマンショック”を予期した4人のアウトローたちの葛藤

映画『マネーショート』からリーマンショックを解説~第16回インターン勉強会~

金融用語に振り回されない!どこよりも分かりやすい『マネー・ショート 華麗なる大逆転』解説

このように,解説サイトが山のようにある.
全く便利な世の中だ.
『2001年宇宙の旅』が今,公開されたとしたら,どれほどサイトが乱立するのやら.

つーことで一通り閲覧しました.
なるほど.
ようするに,住宅ローン債権が破綻した場合の保険に対して空売りを仕掛けていたわけだな.
金融用語や構成の全てを理解したとは言わないが,誰が何のために動いていたのかが見えてきた.

ただ,最終的に大金を稼いだ主人公たち.
リーマン後のアメリカ社会を見て,誰も彼もが複雑な顔で苦痛に満ちており,決して大喜びしていない.
Win-Looseのゼロサム・ゲームにおける勝利は(まともな感性を持っていれば)むなしいだけのかもしれない.

それに結局は誰も逮捕されず,不公正な仕組みはなおも残っている.
あれ? これって某国の某事件と一緒のような...

いずれにせよ,以前の記事にも書いたけど,今後の教育に金融リテラシーを取り入れるべきなのは間違いない.
公的機関が行わないのなら,各家庭の責務となろう.
そうでないとダマされる.

小学生にIT教育は必要?~それよりは...

いや,逆に知らない方が幸せという考えもある.
実際,リーマンショックの際,先進国の中で最も被害を受けなかったのは,投資よりも預金率が圧倒的に高い日本(の庶民)だけだったという話もある.
皮肉にも,冒頭文の「知らないことが厄介ではない」を具現化したのかもしれない.

余談だが,この映画,時折変な日本推しの場面がある.
ラスベガスの日本食レストランでの鉄板焼や歌謡曲(徳永英明らしい)など.
2006年頃はまだ日本が,アメリカの金融市場に影響力を持っていた証なのだろうか.

つーことで,映画『マネー・ショート』,各サイトにて金融用語について一通り予習してからの鑑賞をオススメです!

人生の残り時間~食事・運動・睡眠の他?

2022/2/14 Mon

アンチエイジング?

ずーっと,売るの売らないとグダグダ言ってたゲオ・ホールディングスの株,ついに100株全部売却した.
昨年末に廃止となった「レンタル半額」の株主優待,もう復活はないと判断したためである.
とりあえず2万円ほどの利益確保.
レンタル業からリユース業(セカスト)への業態転換をはかっているようだが,成功するのかなぁ...
我々から所有欲は減る一方.
シェア・ビジネスなら期待できるけど.

様々な著名人が未来予測的な書籍をたくさん出している.
日本の未来に関しては絶望的な論調のモノが多いが,個人の才覚(+運)でなんとかなりそうな余地もまだまだある.同意.

ひろゆきのシン・未来予測

と言っても,人生の晩年に差し掛かっているKazchariには,あまり関係ない話.
最後の瞬間まではなんとか保ちそう(たぶん).

むしろ,うちの子ども世代が大変やろな.
まっ,地球上どこでもええからたくましく生きろ.

つーことで,少なくとも”身体的に”迷惑だけはかけないように,今日もアンチエイジングに勤しむKazchariであった.

自ずと,興味の対象もこんな動画ばかりになってしまう.

ある書籍の要約というよりは,これまでの集大成的内容.
最近は「ファスト映画」に代表される,いわゆる”まとめサイト”への風当たりも強くなってきてるしな.
それはさておき,新しい知見としては「食事」「運動」「睡眠」といった健康三大要素以外の紹介が面白かった.

それは「おしゃれ」「やめない」「テレビをみない」
ちょっと強引かなという印象もあるが,今のKazchariの行動パターンに照らして考察.

【おしゃれ】

あまり興味はない.
似合う似合わないに関わらず,年齢の割にはハデめデザインを好む.

若い頃に読んだファッション系(ナンパ系の間違い?)の雑誌(『Hot Dog Press』とか)に「ミクロな人はカラフルなウェアが似合いますよ~」と書いてあったのを信じたせいかもしれない.

ゆえに,白,黒,マルチカラーというバリエーションなら,マルチカラーを選択.
チチカカのようなエスニックブランドは大好物だ.わははは.

そやけど,スティーブ・ジョブスの有名な話もある.
彼はそのトレードマークとなった黒のハイネックしか買わない.なぜなら,毎日服を選ぶ時間がもったいないから.
確かにそうだ.
毎日同じ服を着ていると不潔だが,同じデザインならOK.

Kazchariも,先日,ちょうど靴下の替えがなくなったので近所のユニクロに行って,黒を3足買ってきた.
これで片方なくしたり穴が空いても,当分無問題.わははは.

うん? これって一周回って,結局,ファッションについて考えているということなのだろうか?

【やめない】

仕事や趣味を続けましょう(特に前者)ということらしい.
このご時世,主に老後資金的な意味で,60代での定年は許されない雰囲気.

Kazchariも嘱託でもなんでもいいので働くつもりだが,その必要がなくなったとしたら...それでも働くだろうか?
海外放浪,バックパッカー旅アゲイン!とはならへんかな.
毎日が日曜日? 上等.毎日を非日常に変えてやる.

趣味.多すぎる.
整理する必要がある.

その筆頭は「スキューバダイビング」
そもそも,新コロのせいで潜りに行けない.
冷静に考えるとコスパがなぁ...楽しいけどなぁ...(いつか記事にします)

ロボや怪獣の「フィギュア・コレクション」に関しては,”終活”も兼ねてストックしていた未開封品,飾っていた開封品ともオークションにジャカジャカ出品中.
意外なモノに意外な高値がついて驚いている.

”終活”に関しては,最近読んだこの本も背中を押してくれる.

身軽に暮らす ~もの・家・仕事、40代からの整理術 (COMODOライフブック)

あれ? 結局,いろいろなことをやめてる?
いやいや,「シンプル化」と言い換えよう.

【テレビをみない】

ひねった言い方だが,要するに「座りっぱなしの生活がアカン」ということ.
決して「テレビ視聴が受け身」だとか「内容がオワコン」とかいう話ではない(これも正解やけど).
もちろんネットもアカンし,寝過ぎもアカン.

運動すれば,これまた無問題.
ただし,歳を重ねると「やりすぎ=活性酸素」問題も生じる.
他には関節などの運動器の故障も心配.

Kazchariは正にこれにあてはまる.
そやけど,今年も「月間走行距離1000km以上」は維持したいなぁ.

『グランド・ジャーニー』を観た~こういうのがいいんだよ

2022/2/8 Tue

かわいい子には旅をさせよ.

近頃は映画やアニメをやたら分析的に鑑賞するクセがついてしまった.
原因はいくつかある.

一つは岡田斗司夫をはじめとするYouTuberやブロガーの解説を目にする機会が増えたこと.たちの悪いことに,これらの裏読み解説は知的好奇心を刺激し,やたらに面白いのだ.

もう一つは,2年半ほど続けているこのブログ.
雑記系ブログなので,自分の周囲に起きたこと全てがネタ.

映画を観たとしても,こうしてアップするなら,単に「面白かった」では済ませたくない.
頭の中にうずまく観念を具現化する作業が面倒くさい.けど...それが楽しかったりもする.
まっ,わざわざブログ書いている最大の目的はボケ防止やしな.

結果,鑑賞後,妙に裏読みし,関連作品との比較,メタファーやら社会的意義まで強迫的に考察するようになってしまった(そういう作品を選んでいるのでは?).

そんな中,たまたまAmazon Prime Videoで見つけたのがこの映画,
「そうそう,こんなのでいいんだよ」と某ゴローさんが唸るような作品だった.

グランド・ジャーニー [DVD]

クリスチャンは風変わりな気象学者で、フランス・カマルグで雁の研究をしている。超軽量飛行機を使い、渡り鳥に安全なルートを教えるという、誰もが無茶だと呆れるプロジェクトに夢中だ。そんな変わり者の父親と大自然の中で過ごすバカンスなど、オンラインゲームに夢中な息子トマにとっては悪夢でしかない。Wi-Fiも繋がらない田舎で暇を持て余したトマは、ある出来事をきっかけにその無謀なプロジェクトに協力することに…

以下,鑑賞後のネタバレ&感想.

冒険心たっぷりなお医者さんが莫大な金と時間を使って,人力で日本人のルーツを探るような邦題だが,原題は仏語で「Donne moi des ailes」
訳すと「翼をください」だ.ガフの扉が開きそう.
実話ベースのフィクション作品である.

髪型が少々アレな14歳のトマ(どこか東洋人っぽい).
両親は別居し,母親の新しい彼氏と3人で暮らしている.
よくわからんけど,このあたりがフランスっぽい(偏見).

あらすじ通り,トマの父親クリスチャンは,渡り鳥に飛行ルートを“教える”プランを実行するのだが,その方法がとんでもなかった(職場の許可は得られず).

「渡り鳥は一度通った空路は忘れない」という習性を利用し,孵化直後の“刷り込み”に成功した雁(ガン)を,クルマでノルウェーの端まで連れていき,そこから(親と思わせた)パイロットむき出しの「モーターグライダー」で,鳥たちを引き連れて,元のフランスの湿地まで戻るという計画.

なんと! 2000年,実際に成功したらしい.

さて,劇中登場のモーターグライダーだが,日本では超軽量動力機=マイクロライトエアクラフトに分類される.

体重移動操縦型で,下面にフロートがついており,水面があればどこでも離着陸が可能.
日本(北海道?)では「モーターパラグライダー」はたまに見かけるけど,このタイプは見たことがない.
劇中,フランスでは15歳で免許が取れるとあった.
日本では,なんと国家ライセンス不要だそうな.

一般財団法人 日本航空協会

国交省の許可があれば飛べるとは!?
現状,大型ドローンと同じような扱い?
買おうかな? いや,ウソ,無理です.
スキューバダイビングと比べても,さすがに危険すぎる(フライングスーツよりはマシ).

それに劇中での高度,あれ相当やな.怖すぎる.

クリスチャンの本棚に「ニルスの不思議な旅」がおいてあった.
幼少期に読んでいたであろうトマが手に取る.
この伏線は,後で見事に回収される.

ニルスのふしぎな旅

さて,親父の不用心な行動により,偶然にもトマが一人でグライダーを操縦してノルウェーからフランスまで戻ることになった.

“ほぼ”CGなしの空撮が話題.
最近の「本当はバックがグリーンな場面」だとわかりつつも,超絶なアクションに慣れてしまった観客には地味に映るかもしれない.
でも,こういうのでいいんだよ.
しかしながら「ラピュタ」っぽい乱気流シーンは,さすがに実写では無理だったようだ.

さて,今風にSNSへの拡散やら,親切な人々の助けにより,なんだかんだでフランスに帰還するのだが,トマの旅の進行とともにクリスチャンとパオラの夫婦関係も修復されていく.

川で体を洗う奥さんをチラ見する元旦那が微笑ましくて良い.
そういや何のために出てきたのかわからない女性カメラマンやけど,パオラに嫉妬させる=復縁させる役割だったのだろうか?

前半では,トマの冒険心をちょこちょこ抑制しようとするパオラ.
その後,ノルウェーからトマが一人で飛んだことを知り,クリスチャンに大激怒.
トマの発見後も,クリスチャンは自分の不手際でこうなってしまったことに狼狽し,計画を断念しようとする(=鳥の羽根を折る).
ところが,息子の確かな成長を見た後の母親の変化が面白い.
クリスチャンの決定を無視し,トマをもう一度飛ばさせる.
ある一線を超えると,女性の方が度胸を見せるという描写が良い.
子どもの成長を素直に喜ぶ,いいお母さんやな.
会社でけっこうな役職についていそうなのも納得.

さて,この映画のもう一方の主役がカオジロガンのアッカ.
カリガネガンの群れの中に手違いで一匹紛れてしまった.
劇中,クリスチャンが「同じ群れにしておくことはできない」だのなんだの言うし,途中で2回ほど行方不明になるしで,いつ死ぬのかとヒヤヒヤした.

ちなみにガンとカモ,Kazchariは区別がつかない.

ガンとカモは何が違う?雁行の由来になった鳥

ちなみに,日本で一番有名なカモであるカルガモは渡らないそうな.

というわけで,博物館の館長だとか,ノルウェーの自然保護官だとか,知事だとか頭の固い杓子定規的な大人も登場はするものの,すっきりとした展開.みんな職務に忠実なだけ.
昨今のメタだの,パラレルだの,悪には悪の論理が云々といった小難しい映画ばかり観ている中で,一服の清涼剤になりもした.

まぁ,強いて言うなら,クルマでノルウェーまで行く間に,もう少し父と息子の交流シーンが欲しかったなぁ.フランスからは,あっという間に目的地に着いてしまった.
蛇足かな.

調べてみると,『グース』というアメリカ映画が1996年に公開されている.
未見だが,これもかなり評判が良い.

グース [Blu-ray]

テーマ的に本作と似ている?
動物,家族,そして飛ぶ! ヒットしないわけがない.

そういや,よりドキュメント寄りのこういう映画もあったな.

WATARIDORI ディレクターズ・カット -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray

この映画の製作に関わった人鳥類研究者がクリスチャンのモデルらしい.

さて,『グランド・ジャーニー』を純粋に少年の成長映画として捉えると...やはり旅ですよ旅.
男を鍛えるのは旅ッ! それも一人旅ッ!

「若い時に旅をせねば老いての物語がない」は,とある狂言から.

Kazchariとしては,アホ息子に「中学生で北海道一周,高校生で日本一周,大学生で世界一周しろ」と絶賛洗脳中.
最終的には宇宙飛行士か.

JAXA 宇宙飛行士候補者募集

13年ぶりの募集だそうな.

つーことで,映画『グランド・ジャーニー』,普通に鳥もかわいいし,オススメです.

なんと!北海道の「道の駅」が登録抹消!?

2022/2/4 Fri

縮むのか?

SNSのタイムラインにこのニュースが流れていた.

伊達と足寄の道の駅,登録抹消 道内初

ようするに道の駅『足寄湖』『フォーレスト276大滝』が1/31をもって閉鎖されたという話.
両方とも古くからある道の駅だったように思う.

『足寄湖』は1998年の北海道ツーリングで立ち寄った際,鹿肉丼を食べた記憶がある.

1998年9月21日撮影

そうそう,2019年の400ブルベでも休憩に使ったな.

BRM824旭川400km(その2)

トイレやドッグラン施設は残るようだが,何か寂しいモノがある.

『フォーレスト276大滝』はなんと言っても,ふるさと創生基金の一億円で作った豪華トイレと自動演奏ピアノが有名.
確かに一見の価値はあるトイレだった.

ここ数年は運営会社の破産で閉鎖されていた.
そやけど,お隣の「きのこ王国」は大盛況なので,完全に集客ミスだろう.
いっそこっちと合併しといたら「道の駅」として存続できたのでは?
田舎だけに色々あったのかもしれん(邪推).

昔の北海道の「道の駅」はハズレがなく,各地域の威信をかけた特産物,特に「食」へのこだわりが半端なかった.
しかしながら,一町一村体制で「駅」がバシバシ増えてきた頃から,なんだかなーな所が増えてきたのも事実.

昨年,サイクリング中に立ち寄った,某道の駅で頼んだラーメンはひどかった.
どう考えても「サッポロ一番みそラーメン」そのまんま.承太郎なら金を払わないはず.

それにしても「道の駅」って自然災害以外なんかの,やむを得ない事情以外でも,登録抹消されることあるのが驚き.

新コロによる観光客減少が一番の痛手だったのは間違いないけど,それ以前に日本の人口減少による地域衰退の象徴やな.

『フォーレスト276大滝』は今後も再利用の予定がなく,建物がこのまま朽ち果てて廃墟化するのは確実とされている.
北海道,いや,日本中どこでも田舎を中心に空き家や廃屋が目立ってきている.
それが郊外の住宅地へ,やがて都市部にまで及ぶのも時間の問題,
タワーマンションの将来の廃墟化もよく話題になる.

北海道から消えるのは「道の駅」だけではない.
JRの「深川~留萌」「富良野~新得」「長万部~余市」も廃線決定(一部協議中).

日本の人口が増え,かつての賑わいを取り戻す日は来るのだろうか?

今では「少子高齢化」は揺るがない事実として認識されているが,Kazchariが子供の頃は,逆に人口爆発が心配されていた.
小,中学校は12組まであったしな.
単純計算で40人☓12クラスで,1学年424人!? すげー.

それこそ,1979年放送のガンダムの世界では,増えすぎた人口をスペースコロニーに棄民...いや移住させることになってたし,井上陽水も「地球上に人があふれて,海の先にこぼれるのではないか」と1989年に心配してた.

それが今では,人口減少を憂いている.

未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること 未来の年表 (講談社現代新書)

もちろん,“宇宙船地球号”の観点でみると,世界人口は途上国を中心にいまだに増加中.
だが,その状況にしても,大ベストセラー『FACTFULNESS』によると「世界人口は(将来的に)110億人程度に収まる」と論証している.

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

こうして見ると,ほんの十数年で人の認識なんてコロコロ変わっている.
言い換えれば,未来予測なんて当てにならんということか.

「人口統計を元にした予言だけはハズれない」という話もあるが,不測の事態が起こればわからない.“新コロ世界”なんて誰が予測した?

また,いつの日か,人類が人口爆発を心配する日が来るのだろうか?
可能性があるとしたら...戦争? そしてその後?

最近,ロの国とウの国あたりが少々キナ臭くなってるけど...ヤメテー!

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

2022/2/3 Thu

フリをしているフリをする

著作が出版されれば,必ず読む作家が2名いる.

一人は言わずもがなの森博嗣.

息子へのプレゼント~森博嗣『勉強の価値』を読んで

もう一人が橘玲(たちばな あきら)である.

この二人は毎回,Kazchariに知的興奮を与えてくれる.

先日,その橘氏の『スピリチュアルズ「わたし」の謎』を読んだ.

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

氏の著作を初めて読んだのは10年少し前だったかな.
老後の資産形成を見据え,投資を考え始めた頃だった.

そのおかげで,インデックス長期分散投資の有利性を理解し,そして「PT」という存在を知った.
世間には,定住地を持たずタックスヘブンに資産を預け,諸外国を転々とする「永遠の旅人(Permanent Traveler;PT)」がいるらしい.
元来の旅人気質で状況が許すなら10年でも20年でも旅し続けたいと考えているKazchariには憧れの存在(?)だった.

最近は,国家間における金融取引の情報交換が厳密になり,合法的な節税がほぼ不可能になったらしいが,それならばと,昨今では早期リタイヤたるFIRE信仰が大流行している.
やはり労働嫌いっつーか,徹底的に好きなことだけしたい人間はどの時代も一定数いるねんなぁ.

その後も,人的資本の大切さを解説する『専業主婦は2億円損をする』や,最新の知見に基づく遺伝の影響を赤裸々に綴った『言ってはいけない』などの発表で,炎上騒ぎを起こしている(あくまで一部界隈だけだが).

専業主婦は2億円損をする

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

さて,今回読んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』は,書名だけ聞くと”あっち系”っぽく,少々胡散臭いが,中身はヒトの“性格”を科学的に論述した書籍である.
例によって,世間にはびこる有象無象の自己啓発本とは一線を画した内容.

以下,簡単に概要を紹介.

パーソナリティ心理学における「ビッグファイブ(主要五因子)」をベースに,ヒトの性格を①「外向的/内向的」②「楽観的/悲観的」③「同調性」④「共感力」⑤「堅実性」⑥「経験への開放性」の要素に還元.さらに⑦「知能」⑧「外見」を加え,計8因子で紐解いていく.

その分析は3つの原則に基づいている.

(1) こころは脳の活動である
(2) こころは遺伝の影響を受けている
(3) こころは進化の適応である

これらの前提を元に,本書の内容をざっくりまとめると,遺伝や脳の神経伝達物質など,個人の力ではどうにもできない要素で,ヒトの性格は形成される.

その性格傾向を無視するような(日本人が大好きな)「努力すればなんとかなる」は幻想.
「努力できる」も持って生まれた才能の1つ.
やはり,現代社会を生き抜くには「適材適所」を見つける,これにまさる行動はない.

とまぁ,一応教育関係の仕事に就いているにも関わらず,今回も“言ってはいけない=身も蓋もない理論”に同意してしまう.

さらには,Kazchari自身の性格分析にも新たな知見を発見.

それは「共感力」に関する章.

この章では,「共感力」すなわち「相手と感情を一致させる能力」について述べている.
それに「メンタライジング」という「相手の“こころ”を理解する能力」という別の要素を掛け合わせて分析している.

つまり,「共感力」が高いか低いか,「メンタライジング」が高いか低いかで四象限のグラフを作ると,次のような分類になる(そのままの図を載せるのまずいので文章で).

(1) 共高/メ高 ⇒ コミュ力が高い
(2) 共低/メ高 ⇒ サイコ
(3) 共低/メ低 ⇒ コミュ力が低い
(4) 共高/メ低 ⇒ アスペ

おお,ものすんげー納得.

Kazchariは昔から,周囲の人間に「冷めてる」だの「ヒトデナシ」だの「ノリが悪い」だの「ワタシの気持ちをわかってくれない!」と(たぶん愛情こめて)ボロカスに言われている.

「共感力に問題がある=アスペルガー症候群」という言葉が世に出てきた頃,「あぁ,Kazchariはこのタイプかなぁ」と思い,周囲に「オレ,アスペっぽいかも」と自嘲気味に話していた時もあった.

ただし違和感もあった.
アスペルガーの場合,定義上「人の気持ちがわからない」という前提があるのだが,Kazchariにそれはない.
例えば,目の前の人が泣いている場合,事情を知れば「なぜ泣いているのか」は理解できる.
そこに至った過程,感情の推移,表情などのノンバーバルな情報,脳科学的知識で分析し「泣いている理由」は理解できる.
ただし,それと「共感」は別.
「そこまで泣かんでもええのに...」とついつい思ってしまう.

それがこの本の解説で目からウロコドロップ.
言われてみれば当然なのだが,「理解」と「共感」は別モノなのである.
これでKazchariも今日から立派なサイコパス!...ってこれもイメージ良くないけど.

映画『羊たちの沈黙』のおかげで,「サイコパス」という言葉に「異常犯罪者」や「連続快楽殺人者」といったレッテルが貼られてしまった.

羊たちの沈黙 [Blu-ray]

しかし,なんでもかんでも相手の気持ちに「共感」しまくっていたら,ヒトは合理的に効率的に,そして道徳的に行動できない.
リストラを断行する経営者,死地に赴くよう命令する将官,成功率の低い手術をする外科医.
あくまで結果が伴うという条件付きだが,社会的成功者には「サイコパス」が多いという.

岡田斗司夫も「自分はサイコパス」と言いまくって,宣伝文句にしてるしな.

橘玲は述べる.

「サイコは“障害”ではなく,男のごくふつうのパーソナリティ」.

程度の問題に過ぎない.

物事を「冷たい認知」つまりメンタライジングで観察することで,今何をすべきか,言うべきかが判れば,つまり演技すれば社会生活に問題はない.

フリのフリを最後まで貫けば,それはホンモノとなる(かもしれない).

つーことで,やはり面白い橘玲の『スピリチュアルズ「わたし」の謎』,超絶にオススメです.

Pontaカード狂騒曲~どうしてこうなった!

2022/1/29 Sat

何と戦っているのだ?

iPhone11 Pro

なんちゃらPay乱立時代.
Kazchariのスマホも”Payアプリ”だらけ.

言うまでもなく,それぞれ派閥(経済圏)がある.
それはほぼ通信キャリアに合致している.

Docomo経済圏 ⇒ dポイント
au経済圏 ⇒ Pontaカード,au Pay
Softbank経済圏 ⇒ T-Point,PayPay
楽天経済圏 ⇒ 楽天ポイント,楽天Pay

だいたいこんな感じ?

うちのスマホはdポイント以外のアプリはみんな入ってる.
Kazchariが使うのはほぼPayPay一択.
上記の図式で言うなら,Softbankもとい「T-Point経済圏」にいるからな.

そう言えば,以前,春以降,SBIポイントとT-Pointの交換ができなくなる旨の記事を書いた.

電子マネーで大混乱

実はこれは間違いで,「Yahooカード(ワイジェイカード)」を「PayPayカード」に切り替えれば,引き続きSBIポイントのT-Pointへの交換が可能であることがわかった.

ヤフーカードが2022年3月末に終了!SBI証券投信マイレージはどうなる!?

ホンマややこしいわ!
SBIからのダイレクトメールには,別会社へのサービス移行だからなのか,この辺りの事情がまるで書かれていなかった.
これで春移行も,Kazchariの主要電子マネーはPayPayのままでよさそうだ.
...と考えているのだが,解釈合ってるよなぁ(自信ない).

さて,そんなこんなで平和な電子マネーを送っていたKazchari.

だが,以前,家族でauからUQモバイルに乗り換えた,かつ電気を「auでんき」に変更した際のサービスポイントが6000ptも「au Pay」に加算されていたことから戦いが始まった.

現在Kazchariは「au id」を2つ持っている.

携帯電話時代から使っていた旧id

家族で乗り換えの時に作った新id

旧idには,既にPontaカード連携済み.GEOでのレンタルやシェルでの給油時に使用.
新idは「au Pay」と連携済み.今回の6000ptはこちらに入金.

このように非常に効率の悪い運用になっている.

つーことで,このねじれ現象を解消すべく,Pontaカードを新idと連携させるべく行動を開始.

(1)旧idとPontaカードの連携を解除
まずここでいきなり躓く.
スマホの「au Pay」アプリから作業を行ったのだが,なぜか最終解除ボタンを押すと画面がフリーズする.
何度やってもダメ.
ネットで検索するとここでフリーズした場合,「ボタンを長押し,そのリンク先で解除できる」とある.
なんじゃぁ,その裏技!?

(2)新idとPontaカードの連携
新idで「au Pay」を起動し,Pontaカードの登録を試みる.
しかし,「ご入力いただいたponta会員idは,すでにau id連携済のため,受付できません(PERL-APCN-E4425)」とのメッセージが.
なんじゃぁ,解除したのにどうなっとんねん!
何度かトライするもラチ開かず.

(3)新Pontaカードを作る
翌日,PontaカードのカスタマーサービスにTel.
30分くらい待ってようやくつながる(固定電話なのでフリーダイヤル).
ややこしい話だったが,さすがコールセンターの関西弁のお姉さま.状況をすぐに把握し,アドバイスをくれた.
とりあえず旧idとの連携解除はできていたので...

「ローソンで新しいPontaカードをもらう」⇒「個人情報を入力し有効化」⇒「Pontaカスタマーに電話し,旧カードのポイントとGEOに関するデータを新カードに移行」⇒「改めてau Payと連携させる」

との解決方法を提案してくれた.
ようするに,au idは複数あっても良いが,Pontaカード(GEO)は2枚持ちを許さない仕様になっているためである.

早速,近所のローソンで空カードをもらい,自宅にて上記作業を完了.
しかし...

(4)auショップへ出向く
そう,最後の工程「au Pay」との連携がやはりできなかった.
エラーメッセージも同様.
これはもうau id側をいじってもらうしかない,と今度は近くのauショップへ.
平日昼間のため待ち時間なしで対応してもらえた.
様々な調査,トライをして頂いたにも関わらず,問題は解決せず.
最終的に販売店レベルではどうしようもなく,au/UQモバイル本社での調整が必要との結論.
すごすごと帰宅.

(5)UQモバイルカスタマーサービスとチャット
カスタマーサービスに電話するが,安定の大渋滞.1時間待ち!とのアナウンス.
電話の前でじっとしているわけにもいかないので,チャットに切り替える.
最近はLINEチャットやねんな.
チャットと言っても,そのやり取りは月面基地と交信かというぐらいラグがある(返答1時間後とか)
結論として,ポイントとGEOのデータを移行した時点で,新カードも旧カードと同じと判断されしまい,連携が拒絶されてしまったらしい.
ようするにPontaの会員idが変更になっても同じカード扱いという仕様.はい,詰んだ.

もしかすると,先に新カードとしてau Payと連携させてから,GEOのデータを移行させれば...あぁ,もう面倒クセェ!

つーことで昨日はここで気力が萎えました.
このバタバタしている間はアドレナリンが出まくり,問題解決に向けてまっしぐらーという感じだったのだが,冷静に考えてみると...何やってたんやKazchari.

よくよく考えれば,今後も「PayPay/T-Point経済圏」が主軸になるのは確実なのに,滅多に使わないであろう「au Pay」に,ここまでこだわる理由はほぼないはず.
生来の貧乏性が炸裂した日やった.

人生において大事なのはお金より時間.

特に,人生半ばを過ぎて残りの日々が加速度的に減っていくKazchariは正にそう思う.
こうした無駄なことに,その貴重な時間を費やすのはバカバカしいこと...と頭では理解してるんやけどな.

いや,単純にこうしたトラブルの解決過程を楽しんでいるんかもな.
何の生産性もないけど,頭の体操にはなったかも.

まだ戦える!(何と?)

生真面目さは美徳ではあるだろうけど~ガンプラ不足問題

2022/1/28 Fri

ほどほどが一番.

新コロ流行に端を発したモノ不足問題.
Kazchariの趣味の分野でも,色々と不都合が起きている.

まずは,昨年のモンキー125納車遅延問題.
Kazchariの場合,5ヶ月待った.

その結果,価格も異常に高騰している.
Kawasakiの「Z900RS」なんて,新車より中古車の方が高い(すぐに乗れるから).

密を避けることができる最適な乗り物として,オートバイが脚光を浴びたこともあるが,同時にリターンライダーを目覚めさせてしまったことが大きい(Kazchariはこっち).

他にも様々なモノが品薄だが,世間的に有名になってきたのが『PS5』『ガンプラ』である.
品不足の原因は様々だが,何より転売ヤーの暗躍が大きいと思われる.

最近では,SNSに自分の「積みプラ」「完成品」の写真をアップすると,見知らぬ人から「売って欲しい」というDMが来るそうな.怖っ.

ちなみに,うちのような一日200pvに満たない弱小ブログでも,怪しい「金融商品買いませんか」的なメールが来たりする.なぜか英語とドイツ語が多い.

さて,そんなガンプラだが,増産アピールしている財団Bが,そのほとんどを輸出に回していると問題(?)になっている.

ガンプラはどこに消えた? 暗躍する転売ヤー 怒るモデラー

海賊版の話では,アニメのような映像コンテンツも同様らしい.
悪貨が良貨を駆逐するのを防ぐということ.

まぁ,その転売ヤーも日本人より,大陸系(組織)がはるかに多いと思われる.
あちらさんの金儲けに対する意欲はすごいからなぁ.
転売,押し買い,海賊版,模倣なんでもあり.
日本的な良心を求めても負けてしまうのは当然か.
(おっと,日本のガチャメーカー『コスモス』の話はなしだ).

Kazchariは以前,オートバイツアーに参加し,ボルネオ島を縦断したことがある.

ボルネオ島縦断ツーリング

島の西側,マレーシアとインドネシアの陸路国境越えは外国人だとなかなか許可されないらしいのだが,ツアーつまり旅行代理店を通すと可能だった(それがこのツアーの売り).
その国境にたどり着いた際,そこに香港人のソロライダーがいた.

そのライダーに「どうして,君たちはここを通れるんだ? 特別な許可がいるはずだが?」と質問された.
Kazchari⇒「旅行代理店を通すと大丈夫みたいですよ」と東から通ってきたコースを簡単に説明.
すると,そのライダー,いきなり携帯を取り出し,自分の会社なのかどうかわからんが,どこかに電話をかけ「もしこんなツアーを組んだら費用はどれくらいかかる」とかなんとか,リサーチを始めた.

さらに細かい質問してくるので,答えていると,こちらのツアーのガイドさんが目配せして「それ以上話しちゃだめです」と合図を送ってきた.
はっと我に返るKazchari.そう,このソロライダーの新規ビジネスの片棒をかついでしまうところだった.
それしても,驚きのこの行動力!

また,先日,とあるメーカー勤務の人から聞いた話だが,日本企業が海外マーケットを優先してしまう理由の一つに「日本人の几帳面さ」もあるらしい.

もちろんそれは美徳ではあるのだが,潔癖方向に振れるとややこしくなる.
納品されたモノが少しでも汚れていたり,キズがあったりすると即返品対応になってしまう.
もちろん,中身には何の問題もないのに,である.
もはやクレーマー,と呼んでも良いレベル.
その処理に延々と時間を費やされるのが辛いとのこと.

実際,Kazchariもヤフオクでコレクションを整理し始めているのだが,何よりも梱包が面倒である.
高値で落札されたモノはもちろん,全てのパッキングには気を使っている(つもり).
たぶん,落札者の評価やクレームにびびってるんやろなぁ...
礼儀としては当たり前だが,過敏に反応してしまうのも事実.

その点,海外からの発送品は適当である.
Amazonで買った格安中華品や,Wiggle商品の梱包にはびっくりする.
中身だけが大事らしい.
売り手としては商売がやりやすい.

誰かが言ってたけど,日本はサービス受益者には天国だけど,提供者には地獄とか.

どうなんやろね.
この生真面目さが,もう少し中和されれば,より生きやすい社会に変わるんかね.

道路族の話~最弱が最強

2022/1/26 Wed

最弱が最も最も最も恐ろしいィィ

興味深い記事を読んだ.

「近所で遊ぶ子どもがうるさい」とネットに書き込む人は、ただの子ども嫌いではない

この筆者の着眼点が興味深い.
「うるさくて迷惑」とか「放置している親が悪い」とか「大人が不寛容になった」ではなく,「どうして誰も注意しないのか」という点に着目している.
そう,今や下手に注意すると通報され,場合によっては傷害罪が適用される,つまり犯罪者になってしまうのだ.

つまり,子どもは子どもであるだけで弱者,守られる存在という範疇を越えて「最強の弱者」のポジションにいる.マギィィィ!

この記事にある,元ネタのサイトも見てみた.
事故物件を扱う有名なサイト大島てると同じ作り.
静かに安全に暮らしたい場所を求める人のニーズにぴったり.
合わせてハザードマップも確認する方が良いと思います.

そこそこ都会のうちの近所もしっかり載っている.

うちの子どもは15歳と8歳.
正直,子どもを怒る(叱る?)ことはまだある.
その後,冗談で「近所の人に通報されるかも」と,ヨメさんと話をすることもあるが,実の親であっても,虐待案件として逮捕されるという,シャレにならない事例もあるようだ.

さて,昔の話.

Kazchariは大阪出身なので,となり近所の子ども密度が半端なかった.
幼稚園,小学校から帰るなり,カバンを家にほっぽって遊びに行く.

当然,TVゲームなんてない時代だから,遊びは基本的に外である.
向かうは,空き地か稲刈りの終わった田んぼ道路

集まるメンバーの年齢はバラバラ.
まさに発達心理学でいうところの「ギャング集団」であった.

もちろん悪事を働くわけではない.
故意ではなくボールでガラス割ったり,クルマをへこませたり...はあったような,なかったような...
その場合,もちろん,おっちゃんが出てきてむっちゃ怒られる.
たまにはどつかれる.
最近のサザエさんやドラえもんに,そのような描写はあるのだろうか(ないやろな).

「最強の弱者」はもちろん道路族の見知らぬ子どもたちだけではない.
学校の生徒,会社の部下など,いわゆる「目下の者」(この言葉自体がまずい?)全般を指す.

先生,上司だからと,上から目線はもはやご法度.
直接的に怒鳴るどころか注意,指導ですら「傷ついた」と言われたら終わり.
親しみをこめた「からかい」もヤバイ.
ポリコレやツイフェミさんと似たような発想をする地雷もあちこちに埋まっている.

怖いなぁ.
これならいっそ誰とも関わらない方が安全...いやいや,それは不可能.

もちろんアカハラ・パワハラはご法度だが,自分の世代のコミュニケーション作法が通じるとは考えない方が良さそうだ.
ポスト・コロナ後は,ますます清潔・フラットな世界に変化していくのだろう.

漂白される世界,その先

既にマスクは下着と同じやしな.
人前で取るのは,かなり恥ずかしいこと.
何より,唾液の飛ばし合いはいかがなものか(すると性行為は?⇒少子化進むなぁ...)!
気が置けない仲間の前だけで,素顔の開示は許される.

この記事の時も書いたけど,抑圧されたヒトの衝動性はどこ向かうのか?
スポーツ? もしくはフィクション? VR?

とんでもないクオリティで,容赦なく残酷なシーンが展開される『鬼滅の刃』『進撃の巨人』が,深夜とはいえ普通にテレビ放送されているこの国,ひょっとしたら健全なのかもしれん.