2021/6/26 Sat
プロフェッショナルと息子
先日紹介した『シネマ桜吹雪』で推薦されていた映画を検索中に偶然見つけたのがこの映画(本では紹介されていない).
確か「父の日におすすめ!」的なくくりやったかな?
それがまさかの大傑作.
どこそこレビュー数も多いため”マイナー”とはないが,少なくともこれまでKazchariのアンテナにはひっかかってなかったな.
以下,ネタバレ(昨今の”ファスト動画問題”を意識して控えめ)
料理映画としても,ロードムービー映画としても楽しめる.
この映画は大きく前後半の2パートに分かれる.
前半の「評論家との対決パート」はわりと普通.
Twitterの発信表現に目新しさはある(日本映画っぽい).
シェフである主人公,無国籍創作料理が得意なのか,なんでも作る.
料理は美味そうといえば美味そうやけど,西洋料理にありがちな...味付け加工しすぎじゃね?
日本料理の素材の味を生かすとは真逆の方向.
ちなみにレビューによると,”シェフあるあるネタ”のオンパレードだそうな.
後半のマイアミに行ってから,フードトラックを改装し,キューバ料理(主にサンドイッチ)を売るところから急激に面白くなる.
そして,しっかりハッピーエンド.
なぜか映画レビューではあまり言及されてないけど,息子がいるKazchariとしては,その関係が興味深かった.
プロフェッショナルとしての心構えの伝授かな.
特に印象に残るのが以下の2つのシーン.
(1)トラック改造を息子に手伝わせるが...
キッチンの中に古い食材が放置されていた.
当然腐敗している.
その処理を頼まれた息子,あまりの臭さに「僕は料理が作りたいんだ!」と反抗.
それに対し主人公は「これもシェフの仕事だ!」と説教.
好きなことだけやってても仕事にならない.
(2)無料だから適当?
キッチントラック完成後,試験的に作ったサンドイッチを手伝ってくれた人たちにふるまう.
先に息子に焼き具合を細かく指導.
才能があるのか手際が良い.
とは言え,いくつかを少し焼き過ぎてしまう.
「これは出していいものか?」と息子に聞く主人公.
「タダだから別にいいじゃん」と答えてしまった息子を呼び出して説教.
「俺たちシェフのやりがいは,客の喜ぶ顔にある.こんなものを出して客は満足するか? お前はそれで納得できるのか?」(意訳)
自分の仕事に誇りを持っている主人公.
前半でのブロガーに対する叫びが全てを表現している.
さて,この映画は他にも意外な見どころがある.
何故か端役が極端に豪華で,ロバートダウニーjr,スカヨハ,ダスティン・ホフマンが出演.
なんでも『アイアンマン』と同じ監督なので,それつながりとか.
そして忘れてはならないのがキューバ音楽!
レゲエはもちろんのこと,カリビアンミュージックは良いね.
つーことで,息子に見せる親の態度として実に良質な映画なのだが,その後こんなエピソードが...
いよいよ近づいてきた『旭ヶ丘ヒルクライム』(7/4).
先日食卓でその話題が出た.
ヨメはん「勝てるんかいな?」
Kazchari「まぁ,無理やな.今年はグループ分けされて10人単位で走るけど,周りはバケモンばっかしや.前回の優勝者もいるし...」
息子「あれ,とーちゃん,こないだオレに『やる前からあきらめるな』って言ってたやん」
ぎ,ぎっくーぅ.
確かにそ,そんなこと話したような気が...し,小学生男子のクセにナマイキだぞ!(恥ずかしい...)
いやぁ,子供って親の発言けっこう覚えてるもんやねんなぁ...
今後は気をつけて話そう(無理や).