『Tour de France 2020 Stage20』の感想

2020/9/20 Sun

とんでもないモノを見た.

『Tour de France 2020 Stage20』は今大会最初で最後の個人タイムトライアル
スロベニア人2人のタイム差は57秒
ログリッチェのTT能力を考えると,よほどのトラブルがなければ,安泰のタイム差と思っていたが...

いやぁまぁ,とんでもないことが起きた.
ジロ2018のフルーム独走以来の興奮!

1分56秒もの大差をつけてポガチャルがステージ優勝!
そして黄,白,赤玉のジャージ3枚Get!
えーい,UAEの白い悪魔め!

前半解説の中野さんが,レース前に「ずっとチームに守られていたログリッチェが,このまま勝っても誰も納得しない(マイヨジョーヌにふさわしくない)」と話されていた.
そう,ログリッチェが目立つシーンはここまでほとんどなかった.
一方で「ログリッチェは,この最後のTTで初めて”レッドゾーン”に入れて最高の走りを見せるかもしれない」と話していた.

残念ながら後者の予想は外れた.
確かにタイムそのものはそれほど悪くない.
チームメイトであるTTスペシャリストのデュムランや何でも屋のファン・アールトにそれほど劣っていたわけではない.

登りの手前あたりから,ログリッチェの正確無比なハイケイデンスなペダリングがむっちゃ乱れてた.
そしてどんどんタイムを失っていく.
モニターを見つめるデュムランとヴァンアールトの表情がぁー
ゴール後,崩れ落ちて放心状態のログリッチェ

2017年のジロでも,最終ステージにてマリア・ローザのキンタナをデュムランが個人TTで破って優勝した.
ただし,それは誰もが予測していた通りでそこに意外性はなかった.
今回は違う.

ポガチャルが異次元過ぎる.

横風分断で失ったタイムをすぐに取り戻し,クイーンステージで借敗したことはあったものの,あれだけアシストをそろえたログリッチェに勝ったわけで,純粋な実力は元々ポガチャルの方が上なのだろう.
何より「上弦の鬼」だらけのユンボに比べ,UAEのアシストは壊滅状態
なのに,ここまで54秒しかタイムが開かなかった.

ここしばらくグランツールを席巻していた「SKY-INEOS:フルーム」の次が突然現れた.
それもチーム力というより圧倒的な個人の力で.
まるで一昔前に戻ったような.
安原会長が話していた”絶対的な選手”が久々に誕生か.
しかも21歳...

それにしても最終日(第20ステージ)が個人TTはいいな.しかも今回のような山岳.
毎回,このパターンでいきましょう!
ステージレースだと,途中で雌雄が決してしまうと,ゴールまでダラダラ流すようなこともよくあるので.

そしてTREK乗りとしては...
リッチーポート総合3位おめでとう!
やっぱMADONEやめてEMONDAにしようかな.

実は土曜日の本配信の時は寝落ちしてしまい,日曜の朝になって見逃し配信で続きをと思ったのだが,なぜかJsports版が用意されてなくて,英語コメンタリーでゴールまで試聴.
日本語バージョンでも早く見直したい.

https://www.youtube.com/watch?v=h9Li5_4A5eg

『Tour de France 2020 Stage19』の感想

2020/9/19 Sat

サガン白旗.

『Tour de France 2020 Stgae19』は(実質)今大会最後の集団ステージレースにして最後のスプリントステージ.
サガンの大逆転を狙ってBORAが何かをするかと思いきや...もうその力が残ってなかったようだ.
4級山岳での仕掛けもなく,その後のスプリントポイントを越えて,ほぼサガン単独でSベネの振り落としを図るが,結局ゴールでは競り負けた.
さらにポイントが広がる.
今年のマイヨ・ヴェールは無理やろな.

サガンは確か契約で(?)ジロにも参加義務があったはず.
マリア・チクラミーノを狙うのか,狙えるのか.
紫のサガンを観たい.

優勝はサンウェブのクラウアナスン
2勝目.今のところは地味な選手.ヒルシュともどもこれから注目あびてくるやろか?

と,レースの話はさておき,今日のゲスト解説のJBCF安原会長
この人がまぁ,強烈なキャラで放送事故スレスレ
ようするにざっくばらん過ぎで口の悪い関西のおっさん.

番組開始そうそうからスタジオ内に緊張感が漂っているのがわかる.
いやまぁ,何ともボケもツッコミも難しい.
あまりいないと思われるが,この日たまたまJsportsを観た人,びっくりするやろなぁ.
番組内でも栗村さんが「(実況中)関西方面はともかく関東方面のお客さんからはクレームがくる」と冗談まじりで話していたが,冗談ではないような気もする.ネイティブ大阪人のKazchariは楽しめたけどな.

さて,安原会長の話で一番面白かったのが「さいたまクリテ」におけるベルナルの話.

なんでかわからんけど,安原会長,ベルナルのことを知らなかったらしい.
マイヨ・ジョーヌを着て,ポケットにカメラやらスマホを詰め込んでガチャガチャいわせてながら「僕のバイクがない!」(すでにスタッフが移動済み)とウロウロしているベルナルを「偽物(のチャンピオン)」と思ったらしい.
ホンモノと認識した後も,まるで自転車レースを始めたばかりの大学一年生と変わらんので,「ベルナルくん」と呼んでいるそうな.
ツッコミどころ満載のエピソード.
ベルナルもリアル坂道くんっつーか,散髪の件といい天然いい人キャラ?

さぁ,明日はいよいよ決戦!山岳TT!

事前情報によると,最後の山の登り口から山頂までのタイムで一級山岳ポイントを決めるそうな.
つまり,ポガチャルは最初から最後まで全力
カラパスは前半ゆっくりと,山だけ全力という走りになる.
どうなるか.

https://www.youtube.com/watch?v=XZVjld-iAfw

『Tour de France 2020 Stage18』の感想

2020/9/18 Fri

三度目の正直.

『Tour de France 2020 Stage18』で,今大会の山岳ステージが終わる.
ライバルにタイム差を大きくつけたければ,ここで動くしかない.
平坦なしのノコギリプロフィールに加え,常時9%以上のブラック峠に山頂グラベル.これは何かのヴァーチャルレースですか?

オンデマンド英語コメ版につなぐと,やたら標高の高い場所に選手が集まっている.
スキーリゾート?
モン・ブランの空撮がやたら映る.
何人かの選手はジレや長袖着用.
それもそのはず.
下りのパレード・ランが21kmもある.長いわ寒いわ.

今回のツールは天気に恵まれている.
雨らしい雨はニースの第一ステージのみ.
今思えば,一番降ってはいけない場所だった.

ステージ優勝はここ3日間闘い続けたカラパスと,万能選手のカワサキさんことクヴィアトコフスキーINEOSワン・ツーというか事実上の同着
記録上はカワサキさんが優勝.

肩を組みながら満面の笑みという,マンガみたいなゴール
『弱ペダ』3年生のIHか,それとも最終回か?
総合優勝ではないのが残念だが,さすがの実力を見せつけたジロの王者世界チャンピオンでした.
こういうシーンには冷めていると思っていたKazchariだが,サッシャの「あえて言いましょう! ツールドフランス第18ステージの優勝はチームINEOSです!」という言葉には泣けた.

【ああヒルシ...】

攻めに攻めていた山岳賞がたった一度のスリップでこぼれ落ちた.
擦過傷が痛そう.
そして,サーベロS5がぁー(諭吉140枚).

カワサキさんの「あそこのカーブは危険だから99%の攻め方をすべき」というコメントが,何だかよくわからん超人の世界
ヒルシ曰く「新しい(ブランドの?)タイヤだったので慣れていなかった」からだそう.
どうしてこういう大事な時に換えるかな.メーカーごり押し?
以前から思っていたが,ヒルシって「プリプリプリズナー」っぽい.

【2人の会話】

ゴールしたINEOSの二人も残り数kmで何やら話し合っていたが,やはりどちらがステージを取るかの相談やったんかな?
先ほど書いた肩組んでのゴールも良かったけど,ガチのスプリント勝負もそれはそれで盛り上がったかもしれん.それはそれでカワサキさんの方が速い?

さて,後方でもグラベルを終えたスロベニア人2人が何やら相談.
ゴール後インタビューでも「何を話してたんですか?」と訊かれる.
「覚えてない」「大した話はしていない」と何か誤魔化してそう.
翌々日の「山岳TTで勝負だぁ!」とかかな.
違うチームやけど,パリのシャンゼリゼではこの二人も肩組みゴールしたりして.

それにしても...今日のチロル地方のコースは美しかった.
あれは是非ともロードバイクで走ってみたい.
以前,海外サイクリングのツアー参加を検討したこともあったけど,料金の高さに諦めた経緯もある(ダイビングクルーズとそれほど変わらんけど)
個人手配なら料金抑えられるか.
いっそ,2023年のPBPを目指す?
...という脳内会議が普通に楽しめる世界になりますように.

ツアーならフェローサイクルが老舗っぽい.

https://www.youtube.com/watch?v=Efr4BD4l6gM

『Tour de France 2020 Stage17』の感想

2020/9/17 Thu

ゾンコラン,アングリル,そしてロズ.

『Tour de France 2020 Stage17』は今大会クイーンステージ.
スキージャンプ場もあるというツール初登場のロズ峠(ローズ?)フィニッシュである.
その超級の前にも別の超級を登らせるという鬼畜ステージ.

このロズ峠,ゴール手前2km弱から24%,18%の登りが続く.
これをフランス政府は「サイクリングロード」と言い張っているそうな.
こんなんガチ勢でないと足つき絶対やで.e-bike用?

スロベニア人二人のガチンコ対決になるかと思いきや,優勝者はアスタナの“いつもなぜかフルネーム”ミケル・アンヘル・ロペスでした.
これで第一ステージの自爆アタックも帳消しか?
その後もたまにアタックしてたけど,それほど目立った活躍はなし.

それでも順位は上にいた.
それがとうとう,このステージで爆発.
コロンビア人には標高2000m越えの酸素濃度がちょうど良いのか?
総合2位のポガチャルも,ここに来てとうとう調子を落としてるように見える.
これはパリ表彰台3位どころか,ワンチャンあるかも...

その他,Jsports実況・解説コメントから拾った話題.

【ベルナルのリタイヤ】

ついにというか当然というか,優勝候補の一角だったINEOSのベルナルがDNS.
今思えば,休息日のセルフ散髪も余裕ではなくて,余裕がなかったからこその行動だったかもしれんな.
前回のステージではグルペットで走りながらも,近づいてきたカメラに向かって微笑みながらVサイン
行動が読めない,または価値観が違い過ぎておじさん達が怒りそう.

先に終了した「ティレーノ〜アドリアティコ2020」ではGが総合2位だったそうな.たらればやなぁ...
ちなみに総合91位のフルームは,ツールに関して各メディアからコメントを求められることが多いとのこと.それが面白いくらいハズレてるらしく,一部で「第二クリ(ストファー)ノート」と言われているとかなんとか.

さて,アシスト業務を外れてステージを捕りに逃げたカラパス.
このステージでは残念だったが,次のStage18でも動く?

【逃げ集団のピー問題】

番組へのツイッター通しての質問で「逃げの選手たちはどうやってトイレタイムを確保しているのか?」というのがあった.
そうそう,これはKazchariも気になっていた.
メイン集団だとレースが落ち着いた頃に「走りション」または「止まりション」が始まる.
しかし逃げ集団は,ずっとハイペースなので止まってられないし,何よりずっとカメラが国際映像として映し続けている.
解説の元選手の方,何か言いにくそうに「自然の問題ですから」「ここではちょっと」「スイッチングで映さないように」とか話していたが,それは集団でも同じこと.
逃げ集団はやはりパンツすら降ろさず,文字通りの垂れ流しなのだろうか?

【バーレーンの引き】

エースであるランダの上位へのステップアップを目論んで,山,下り,平坦とリーダーチームを差し置いて集団を引きまくったバーレーン.
実質アシストのいないポガチャルや,鉄壁に鉄壁を重ねたいユンボにとってはありがたい存在.
実際,この引きが無ければ,カラパスが逃げ切っていたかも.
「これで調子がいいはずのランダが,まさか遅れるはずないよね~」とみんなが思っていたら,ロズ峠でまさかの遅れ.
見事に作戦失敗.
後でチームメンバーからボコボコやな.

【スプリンターの登攀力】

ツールには制限時間が設定されている.
交通規制解除やゴール施設の撤去のため.
コースプロフィール平均速度など細々とした規定があり.ステージごとに時間が異なる.
ただしグルペットがあまりに大人数だと緩和措置もあるそう.

今回の超級山岳ゴールではトップの到着から37分ほど経つとタイムアウト,強制リタイヤとなる.
重量級で坂が苦手なスプリンターが,はたしてこの時間内にたどり着けるかどうかも注目ポイント.
これまでの山岳ステージでも,マイヨ・ヴェール着用者であるSベネが,ホンマ死にそうな表情でクライムするシーンがよく見られた.
当然タイムアウトになればマイヨ・ヴェールも取り消し
さて今回は...なんとか間に合いました.

栗村さんも言っていたが,超級が2つあるステージを,超人クライマーのゴールからたったの30分遅れでゴールできるというのが信じられない.
日本の短めのヒルクライムレースやったら,さくっと優勝しそう.
坂の遅れを下りと平坦で取り戻しているそうだが,それは画面に映らない.
どんな下りやねんやろ.

今日も回収車=“箒クルマ”の前をタイムアウトしたB&Bの選手が走っていた.
栗村さん曰く「オレはツールをタイムアウトになったけど,リタイヤはしていない」という選手の意地だそうな.
根性論は古臭いというけれど,こういうシーンはジーンとくるものです.

https://www.youtube.com/watch?v=EE7_8_RAFVs

『Tour de France 2020 Stage16』の感想

2020/9/16 Wed

スロベニア選手権ツールステージ.

『Tour de France 2020 Stage16』はアルプス山岳三連戦の初日.
明日が超ハード(クイーンステージ)なので今日はおとなしめと思いきや,やっぱりおとなしめ.

休息日PCR検査の結果は全員陰性とのこと.
後はパリがロックダウンしなければ...もしかしてシャンゼリゼは無観客?

逃げ切りチャンス,およびスプリントポイントが前半にあるので,激しい逃げの打ち合いがありなかなか決まらない.
結局BORA不発でサガン乗れず,Sベネとのポイント差を詰めることができない.
トレンティンはなぁ...

総合勢は総合勢で,やはり先週のベルナル脱落が招いたのか,ゴール寸前を除き,どことなく緊張感を欠くステージになった.
Kazchariだけかもしれんが,視聴者側も少々熱が下がったような.
昨年はアラフィリップが最後までひっぱってくれたので(あのTT!),第三週は楽しみでしかなかったのだが.

事実上,今年のツールはどちらのスロベニア人が勝つかに絞られてきた.
いっそ,二人でよーいドンして決着しても良いのでは?
あっ,第20ステージのタイムトライアルがそうなるか.
ポガチャルは今日明日の山岳を,ユンボトレインの一人として走り,ゴール前で飛び出し,ログリッチェから数秒でもタイムを奪い,TTでなんとか...これじゃ勝てんか.

ステージ優勝はBORAのケムナー
ヒルシ同様,前ステージで負けたことへのリベンジとなった.
バイクはたぶん最新の『TARMAC SL7』.いいなぁ,欲しいなぁ...(諭吉150枚)

ベルナルは集団からもじわじわと遅れ,チームカーを呼んだ時点で止めるかと思ったが一応完走.
チーム戦略も変更となり,周りのアシストもフリーになって一人で走るシーンが痛々しい.
休息日のメディアインタビューでは「これも人生」と達観し,受け入れている様子も見られたが,常勝INEOS(SKY)の「ゼッケン1」の重みは軽いものではないだろう.
ドーフィネから続く背中の痛みに加え,膝痛も出てきたという.
「止めてもええで」と声をかけたくなってきた.

その他,Jsports実況・解説コメントから拾った話題.

【山岳賞の行方】

先週および前半の山でがんばったピエール・ロラン
いつもいい所まで行くのに,ふにゃふにゃと失速してしまう.
それでも赤玉山岳ジャージ同点首位! 今日で奪取できるか?
ところで,ロランのバイクは日本では珍しいKTM
KTMと言えば,BMWと並ぶビッグオフ(モーターサイクル)メーカー
いっそオレンジカラーにすれば良いのに.
ジャージはジャージで肩から背中にかけてのダダ模様がダダっぽくって良い(なんじゃそら).
胸の真ん中の〇にB&Bはイマイチだが.

【Zwiftドーピング?】

負荷のかけられないローラーとスマートローラーで差があったり,ローラーをモーターで回すような不正ができたりと,Zwiftの走行データも怪しい面は多々ある.
しかし,それらをクリアして同条件にしたとしても,どうしようもないハンデがある.

それは標高差.

室内とは言え,標高の高い場所と低い場所では酸素濃度が違う.
ガチレースになればなるほど,標高が低い方が有利.
「脚質デジタル」なんて揶揄されている選手もいるが,こうした環境面の違いも見逃せない.
他にも空調が効いているかいないかの差も以前話題に上がってたなぁ.
ちなみに旭川もここ数日ようやく気温が下がり,Zwiftが快適になってきた.

【1対170】

ロードレースはチームスポーツであるが優勝者はあくまで1名.
2位以下およびチーム賞には誰も価値を見出していない.
球技などの団体戦はチーム対チーム,言うなれば1対1の勝負だが,ツールはアシストを除くと1対170.
勝つことがどれほど困難か.
ツールで一勝すれば末代まで称えられるというのは大げさではない.
逆に,プロになっても一勝すらできず引退も珍しいことではない.
そしてごく一部のスター選手を除き給料激安で不安定.
まさに修業

https://www.youtube.com/watch?v=eUd5mkIYBTo

『Tour de France 2020 Stage15』の感想

2020/9/15 Mon

ロガチャル,もしくはポグリッチェ.

『Tour de France 2020 Stage15』は,前後半で非常にメリハリの効いた(ゴールが2つある)コース.

前半はスプリントポイントを目指してのオールスター逃げ合戦
BORAというより.サガンの気迫が凄い.
しかしながら,少々とばしすぎたのか,最終的に8人ほど逃がしてしまった.
ここまでの平均速度49.9km/h.人力です.
さらに肝心の勝負でもSベネとアスグリーンとモルコフさんの策略に負け,ポイント差がさらに広がってしまう.

スプリントポイントまでの間で,EFのイギータが後方確認中に先行者の斜行に巻き込まれて落車リタイア.
今大会20人目だそうな.多い?
イギータはイエローのコロンビア・チャンピオンジャージを着ているので,最初はログリッチェ転倒と誤報(?)されていた.
今年はこのジャージにしろ,ユンボのジャージにしろ,プロトンにイエローが多すぎて見分けにくい.
やや色合いが異なるとは言え,マイヨ・ジョーヌの意義からすると,ツール限定でカラー変更するなどの配慮があっても良かったのでは?
確か何年か前のツールでは,ユンボもブラックとイエローの配色比率を変えていたはず.

さて,第二のゴールこと超級グラン・コロンビエール
名前からして凶悪.
ステージ優勝は“UAEの白い悪魔”ことポガチャル
ユンボの超高速トレインに乗っかって足を貯め,最後の最後にログリッチェをスプリントで粉砕.
まだまだ余裕ありそうなのがエグい.

そして...
全世界何十億人かのツール評論家の期待と不安が入り混じる中,3週目にならないとわからないと言われ続けてきた...ベルナルがぁー
ついでにキンタナがぁー

と,フランス勢に続いてコロンビア高地族も壊滅.
ウランロペスはまだ戦うか,戦えるか?

それにしてもユンボ強い
強すぎて箱根学園どころか,「上弦の鬼」軍団みたいになっている.
それに立ち向かうほぼ単騎のポガチャル.
どうやって倒す?
間違いなく三週目はこの対決図式.

cyclowired」のベルナルの登攀中写真.
別人のような老け顔になっていた...

その他の話題.

【リヨンの市長はツール嫌い】

今日のステージのスタート地点,リヨンの新市長さんはツール開催に反対だとか.
てっきり「新コロ予防で自粛すべき」という話かと思いきや,「(帯同する)クルマが環境を破壊する」からだそうな.
極端すぎへんか?
娯楽は人を堕落させると思っているタイプ?

【ヲタクネタだらけ】

ポガの“白い悪魔”はKazchariの勝手なネーミングだが,Jsportsでは,先日のサンウェブ波状攻撃を「ジェットストリームアタック」「白い三連星」と呼んだり「インターポールと言えば銭形や滝」とか...楽しいな.

【無観客?】

「最後の山はゴール付近無観客.ツール史上初」とかなんとか言いつつ,それなりにいた.
もちろんノーマスク絶叫マンも.
山に住んでいる人とは思えないので,こっそり,または前夜に登ってきた組?
強制的に排除しないのもフランスらしさか.

【スロベニアの人口】

たった205万人だそうな.
その中の2名がツールでワン・ツー.
スポーツエリート教育が盛んらしく,特にウインタースポーツ,ウォータースポーツ,登山などの耐久系に著名人多し.知らんけど.
エリート教育に関してはフランスも同様では? なのにこの差.

https://www.youtube.com/watch?v=gSmy2IRzT3I

『Tour de France 2020 Stage14』の感想

2020/9/13 Sun

休息は敗北を意味する.

この言葉はJsports実況の足立さんからいただき.
ホンマ気の休まるステージがない.
例の「逃げ無しの第5」ぐらい?
今回もサガンのマイヨ・ヴェール奪還のためBORAが動く動く.
最初の山でスプリンターがどんどんこぼれていく.

ブエルタ並みの平坦詐欺.
最後の4級手前の”こぶ”は何?
まるでクラシックレース,もしくは(少し前の)世界選手権にありそうなコースレイアウト.
最後は街中ゴールやしな.
そのゴールのリヨン
映画的には謎の組織,インターポールの本部があるフランス第二の都市だそうな.
新コロ感染拡大中とのことで,ゴールエリアには観客を入れない措置が取られた.

そんな中,ステージ勝利は「ヒルシです」ではなく,そのチームメイトのクラウアナスン.
そう,サンウェブの文字通りの波状攻撃によって,集団トップが大混戦.
昨日に引き続きケムナーのアタック,ヒルシの攻撃,アラフィリップのジャンプ,デヘント先輩の突撃と色々あったものの,これ以上ない絶妙なタイミングでクラウアナスンがスルっと抜け出した.
優勝を狙うサガンも追うが,やはり疲労がたまっていたのか時すでに遅し.

今日はクイズが面白かった.
ステージ優勝者は誰か?という出題で,
(1)パンチャー,(2)スプリンター,(3)サガン,(4)その他
の四択.
脚質はチクリッシモの選手年鑑による.

ciclissimo(チクリッシモ)No.62 2020年4月号

リヨンの街中に入る頃には有名スプリンターはほぼ全滅状態だったので,実況・解説陣も(1)か(3)ではないかと予想.
ところが! クラウアナスンはまさかのスプリンター! 正解率は10%だったらしい.

いやぁ,それにしても今日も面白いレースだった.
今年のBluray-BOXも買いやな.

ほぼ無理と思われているサガンのマイヨ・ヴェール.
来週の山岳地獄を考えるとSベネのタイムアウトもありえそう.

その他の話題.

【初山さん,ジロの話するか】

他局配信だったためか,昨年は変にスルーされていた初山さんのジロ参戦-完走の話.
少し話題に出たものの少なめ.
日本のチームでの昔話より,ジロの話が聞きたかった.

【踏まないように踏んでいる】

昨日のログリッチェの走り(ハイケイデンス)を栗村さんが評した言葉.
今日も拾われていた.
ブルベにも通じる極意やな.
膝や大腿四頭筋に痛みが出ないように,かつ速く.

【ベルナルはイイヤツ】

暗黒面がないそうな.
それでいて速い.リアル小野田君?

【バルデのリタイヤを受けて】

若杉選手の「脳震盪で選手をリタイヤさせる時代になった.一安心」.
これだけ過酷なレース.当然の措置.
それはそれとして,ラトゥールもリタイヤということで,来年度の移籍が決まっている選手は良くも悪くも諦めが早い印象.
チーム内がそういう雰囲気になるんやろか?

https://www.youtube.com/watch?v=5UD_nxVsZRw

びえいCYCLE STAMP RALLY 100kmコースライド

2020/9/12 Sat

なんだこの気温は?

iPhone11 Pro

Overcast, 18°C, Feels like 18°C, Humidity 69%, Wind 2m/s from SSE

美瑛ではこの時期,センチュリーライド(60/100km)が行われるのだが,今年は新コロのせいで中止.確か第11回大会のはず.

その代替として9月いっぱい開催されるのが,「びえいCYCLE STAMP RALLY」である.

コースはセンチュリーライドを踏襲.
Kazchariはもろろん100kmコースを選択した.

思えばセンチュリーライドには第1回から第8回まで参加した(第4回は海外旅行でパス).
ソラチ中札内のグルメフォンドと違って,見事なまでにコースを変えてこないイベントである.提供される食事もほぼ変化なし.

Kazchariもここ最近はブルベにはまっていることもあり,コストや満足度の面から参加を止めていた.
ついでに言うと,脚力がついたこともあり,美瑛の丘がいつもの散歩コースになってしまったことも原因.
第一回に出た頃なんて,初日の60kmで家でぶっ倒れてたものなぁ...

それはさておき,今回のブルベちっくなこのイベント.
目的を持って走ると,また新鮮な気持ちで走れるかもしれん.

つーことで10:30頃,美瑛駅前の四季の情報館で受付を済ませスタート.
10個のPCに提示されているQRコードをスマホで読み取り,そこに表示される文字を記録していく方式.
これがまぁクセモノで...

おっと,その前にセイコマで補給.
そう,コース上にコンビニなどは一切ない.
自販機すら怪しい.
寄り道せず,100kmをきれいにトレースしたいのなら,事前に食料を買っておく必要がある.
今日も活躍したのがこのフロントポーチ.おすすめです.

R250(アールニーゴーマル) フロントポーチ レギュラー ブラック WWW-L-FPOUCHR-BK ブラック レギュラー

iPhone11 Pro

記憶に残る100kmコース
天気は残念だが,やはり美瑛の風景は美しい.

iPhone11 Pro

第一PC着
事前に「Garmin etrex」に転送しておいてよかった.わかりやすい.

iPhone11 Pro

ここにたどり着くまでも,ちょこちょこ停まって写真を撮っていたのだが,かれこれ30分近く経つのに,スタートから8km程度しか進んでいない.
ま,まずい.
一応5時間ぐらいでゴール予定ので,写真を控えて少しAve速度を上げることにした.

以下,PCごとの写真を.
自分で楽しみたい方はとばしてください.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

PC5着.
これまでも3人ほど,同じスタンプラリーをやっているチャリダーに会ったが,ここにも先客がいた.
十勝の浦幌町から参戦のTさん.
残り半分ほどの距離を一緒に走らせていただいた.
このTさん,同じDomane乗りだが,筋金入りのZwifterで,500km走行とかエベレスティングをしているそうな.スゲー.想像しただけでケツがぁー

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

PC6が見つけにくい.2kmほど通り過ぎたので戻った.
北西の丘公園でいももち休憩
お向かいからは60kmコースの方々が登ってくる.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

最後のPCを通り過ぎる頃は寒い寒い.
風も出てきた.
本州では30℃越えだというのに,美瑛は18℃! 北海道の一部では既にストーブを入れたとか.

で,さくっとゴール.
イマイチ,ポージングが決まらん.

iPhone11 Pro

手に入れた10個の文字をつなげると...なんじゃこれ?
意味がわからん.
特に最後のこれは...?

途中で推測されないように考えまくったから?
正解なのかなんなのかよくわからんまま提出して,スタンプラリー終了.
今月中に60kmにも参加するつもり.

浦幌に帰るTさんから,使うことはないからと参加ノベルティ(クーポンや割引券)をいただく.
ソフトクリームの割引券があったけど...寒くてあかんわ.今度にしよ.

つーことで,100km無事終了.
ボッチ走行が基本のKazchariだが,ヒトと走る(+会話)とこんなに時間が過ぎるのが早いことに驚く日だった.

戦利品.

iPhone11 Pro

『Tour de France 2020 Stage13』の感想

2020/9/12 Sat

INEOS大ピンチ.

『Tour de France 2020 Stage13』は山だらけの隠れクイーンステージ.
総合勢の実力差や調子の良しあしが如実に表れる日.
結果,17名の大集団逃げ切り組総合勢の2つの争いが繰り広げられた.

ステージ優勝者は,サイケなジャージが目立つEFのダニエル・マルチネス.
頂上ゴールのスプリントでBORA2名との接戦を制した.
ドーフィネ勝者は伊達ではなかった.
おまけに,ゴールのガッツポーズは,はあとズキューン!(本人ヒゲメン)

さて,総合勢の闘い.
まず集団落車によってバルデがぁー
そして,アラフィリップがぁー マルタンがぁー
ピノがぁーって...これは前からか.

フランス人にとっては悪夢の日
去年のような盛り上がりは今年は期待できなさそう.

フランス人以外でもキンタナがぁー モレマがぁー

後の情報でバルデ(脳震盪),モレマ(骨折)のリタイヤが発表された.
もう有力選手ボロボロである.

そんな中,圧倒的な強さを見せつけたのがログリッチェ.
もう表情が違う.余裕.
それに唯一ついていけたのが”後輩”ポガチャル
パリの表彰台ではこの2人がワン,ツーで立っている姿しか想像できない.
二人の実力は拮抗しているが,いかんせんチーム力の差が歴然.
たぶんログリッチェやろうなぁ...今年のツールは.

つまり,もうベルナルだめかもしれんね
いやベルナル個人というより,INEOSに例年の凄みが全く感じられない.
アシストしても千切れるの早いわ,謎の逃げ謎のアタック
あれだけ理論的に,効率的にツールでの勝利だけを考えた戦いを繰り広げてきたINEOS(SKY)は何処に...

今のベルナルに足りないのは...
指導者,アニキ,先輩,メンターetc.
戦力にならなかったとしても,ツール優勝経験者のフルームGを参加させといた方が良かったのでは.
頼むからベルナルとINEOSのゆかいな仲間たち,ここで終わるな.
今年のツールをもっと面白くしてくれ.

以上,勝手な妄想でした.
そやけど,INEOS(SKY)には,例の「ジロ2018のフルーム大逆転」の前例があるからなぁ.
カラパスやシヴァコフの謎の動きも,ゴール後の死にそうなベルナルも,モレマ砲の内容も全ては3週目大逆転の布石だったりして...

https://www.youtube.com/watch?v=AirQGSzscbA

再生回数65万回やって! Kazchariも何回観たことか!

それにしても,やはり栗村さん解説回は面白い.
Stage14のブエルタみたいな平坦ステージ詐欺へのコメントも聞きたかった.

https://www.youtube.com/watch?v=MLPvrTkLcuI

ああ,まぼろしの富良野上川線ライド

2020/9/11 Fri

あの道はやっぱり幻だったのでしょうか...

iPhone11 Pro

Overcast, 21°C, Feels like 21°C, Humidity 74%, Wind 3m/s from NNE

道道1116号富良野上川線.
その名を聞いて胸躍らない者がいるだろうか? いやいない.
滅多に通行できないこのマボロシの道が,一か月限定で開いたと聞いて有給取って行って来ましたよ.

この道については公式資料の他,色々な方がブログをアップしている.
なぜ”まぼろし”なのかも学べます.

山ん中に見えてた橋

さてまずは忠別ダムへ向かう.
天気予報上は雨は降らないものの曇天.まさにその通り.

ダムで休憩後,いよいよ入口のチョボチナイゲートへ.
何も目印がないので,少し通り過ぎた.
さぁ行くでぇ~
あれ? ゲートが閉まってる! なんでぇ~!?

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

なんてこったぁ.
ここ数日の雨のせいだろうか.
実際に地滑りが起きているわけではないと思うが...
未練がましくゲート付近をウロウロ.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

遠くに見える標識は斜度11%
ふふふ,なかなか最初からとばしてくれるやんけ.行かれへんけど.

もちろん自転車なのでかついで...なんてことはさすがに自粛
こういうのって,どこに連絡したら開いているのかどうか教えてくれるんやろか?
それとも,このまま今年は閉じたまま...

今日の目標がすっとんでしまったので,すっかりモチベーションが削がれてしまった.
美瑛にメシでも食いに行くかと,湖をぐるっと回ってSTRAVAセグメントの”ユイの壁”を登る.
おっ,ここも実は「富良野上川線」の一部やん.
期せずして当初の目的通り走ってるぞ.

寒さのあまりウインドブレーカーを着てたせいか,”ユイの壁”では汗だく.ミスった.
山越えしてしばらくするとまたまた左折.ここもなんと「富良野上川線」! 全くどういう計画で作ってんだか...

いきなり現れるのがトップ写真の「熊出没注意」看板.
もちろん熊ベルをセットしました.

iPhone11 Pro

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付 TB-K1 パールブルー

いわゆるカウベルタイプより高周波に響く.
こちらの音を熊は嫌うそうな(ホンマにぃ?).
7~8%を淡々と登る.ダンシングを入れるとベルがさらに美しく響く.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

こっちの林道なんかむっちゃ熊遭遇率高そう...ごくり.
ところでこの道道.実にわかりやすい作り.
登るだけ登ったらずっと下り.
スッキリと風景が開けた.

iPhone11 Pro

初めて通る道.
美瑛への抜け道に良い.
特に熊さんに会うこともなく街に到着.
ゴミ箱完備のセブンイレブンにて補給.

iPhone11 Pro

「Dr.ペッパー」美味し.
何気に息の長い商品だ.ついでに「SASUKE」の復活も熱望.

さぁ帰るか.
でもこのまま真っすぐ帰宅したら100km越えにならん.
ここはちょっと遠回りして...(ブラックサイクリストだ

もう一回ダムに登ることにした.

iPhone11 Pro

自立スタンドを試しに使う.
風がない日限定やな.

【追記】
後日,富良野上川線完走しました(10/4時点でチャリ2回+クルマ1回).
富良野上川線完全走破ライド
ファットな富良野上川線再びライド