『仮面ライダーBLACK SUN』第四話&第五話の感想~怪しげな超能力

2022/11/3 Thu

本気(マジ)変身.

Amazon Prime Videoにて配信中の『仮面ライダーBLACK SUN』(全10話).

仮面ライダーBLACK SUN

先日,序盤の第三話までの感想を書いた.

『仮面ライダーBLACK SUN』の視聴開始~第3話までの感想

なんともレトロかつ不思議な世界観で,なかなかの好印象スタート.

しかあし,引き続き視聴した第四話,第五話で雲行きが怪しくなってきた.
つーことで,以下感想...もとい酷評.

まずは第四話.

悪い意味で深まるナゾ...つーか,各キャラの行動原理がさっぱりわからなくなってきた.

光太郎の決め台詞「お前がそばにいる限りお前を守る」とかなんとかヒーローっぽいのかどうなのか微妙なセリフで幕だったが,その肝心のアオイ自身が,何故自分が襲われるのかがわかっていない.
その上,無防備・無断でデモに出かけたりと危機感が全くない.
視聴者(Kazchariのみ?)のイライラは増すばかり.

カニ怪人となった父親が石のペンダントを奪いに来だが,結局アオイ本人は何がどうなったのか,わかっていないままである.むしろ知る気もない?

光太郎も光太郎で,無理矢理でもいいから,石が大事なら奪ってでも守るべき...と誰もが思う.

そもそも,これだけ襲われまくってて,何故アオイは怪人びいきなのか?

納得いく描写が今のところ全くない.

「お父さんが差別するなと言っていた」からでは,動機が弱すぎる.
怪人達が暮らす村で生まれたとか,命を救われたとか,本人も知らない何か特別な秘密が隠されているとか...何かないの?

で,その怪人たちの設定.

まず,人間に比べ弱いのか強いのかよくわからん.
ベースになった生物の特殊能力だけが強化され,他は人間と同等?
ヘヴン以外の食べ物も普通に食べている.

よくわからないのが戦闘での描写.
クジラの“ひれ”で,引きちぎられるカニの腹.
軟すぎない?
本体からちぎれても,手(パーツ)は変身したまま?

その後,光太郎の住処であるバスの近くに,その”カニの手”を埋葬するのだが,墓標になぜか無限マーク.
あれ? お父さんて1972年の「五流護六」の一員だっけ?

そう,このドラマは現在と1972年がコロコロ場面転換するのだが,かつらや服装で若作りした同じ役者が演じる場合と,別の役者が演じる場合があって,誰が誰だか脳内補正がかなり必要.

そして続く第五話が大問題.

なんとヒロイン(?)のアオイがカマキリ怪人化!
しかも身勝手な行動の末,ビルゲニアを煽りまくって,その挙げ句の結果である.自業自得にしか思えない.
しかも,無理やり怪人にされたことを対して嘆いているようにも思えない.
極めて冷静.

伝説の「あーオレ,デビルマンになっちゃったよ~」を思い出した.

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あっ,そうか!
ずっと怪人の味方サイドだったので,ここで悲しむ姿を見せたら,実は自分が怪人を下に見ているかのように解釈されるからかー(棒).

まさかと思うが,後で「ワタシ,自分が怪人になって,初めてみんなのことがわかった」とかいうマヌケなセリフ言うたりせーへんやろな.

次に三浦友和の息子...ではなくビルゲニア

前から気になっていたが,なぜかこいつだけ素顔出し.
少し調べてみると『BLACK』に登場したオリジナルが顔出しだったから?

そう,この作品は怪人の造形に統一感がなくバラバラなのだ.

- 怪人っぽく凶悪にアレンジした主役級.

- 普通の服に被り物と手袋だけしたモブ級.

- 顔出しで浮いているビルゲニア

それに怪人は互いを「クジラ」とか「クモ」とかベースになった生物名で呼んでいるのだが,それぞれ1個体ずつしかいないのだろうか?

何より,今いる怪人は手術を受けた結果?
それとも自然発生?

そやけど,反怪人同盟のリーダーは「この家で,怪人同士がセックスして子どもを作っていま~す」とか吠えてたな.どっち?
手術しないと怪人が増えないのであれば,ほっといても絶滅するのでは?

そう,このドラマ.
怪人の設定が何しろガバガバなのだ.

『ワンパンマン』とか『怪人開発部の黒井津さん』の方がずっとこだわっている(かもしれない).

ワンパンマン

怪人開発部の黒井津さん

さて,アオイの怪人化を見て,(なぜか)マジ激怒した光太郎.

”てつを”と同じポージングでマジ変身.
俄然ヒーローっぽい造形になったBLACK SUN.
そのデザインはなかなか良い.

明らかにパワーアップしました的な演出はともかく,そこへ至る過程が変.
強敵,ビルゲニアを倒すにはパワーアップが必要.
よって,止むに止まれずヘヴンを口にして...なら多少燃えるが,もちろんそんなシーンはない.

そして西島秀俊,ここに来ても全然カッコよくない.

ブカブカの革ジャン.
生気のない表情.
変身ポーズもなぁ...なにか違う.

自分の足を引きちぎって武器にするところは良いとして,変身解除後は特にダメージなし? あれはアイスラッガー的な何か?

そして,マジ怒りならここでビルゲニアをボコボコにしないと.

そう『クウガ』のジャラジ回のように.
視聴者に「ヒーローなのに,そこまでやるかぁ...」「やめて,ジャラジのHPはもう0よ!」と思わせるぐらいの(正義の)圧倒的暴力...でも仮面の下の雄介は泣いているに違いない...という絶妙な演出.
これくらいは欲しい.

全て監督の指示?
ここは前半のクライマックスだと思うが,緊迫感,爽快感とも全然なかった.ダメダメだ.

場面は遡って1972年.
ユカリ(?)だっけ,70年代風(魔性の)美女に手玉に取られる光太郎と信彦.

びっくりしたのは,お腹に埋め込まれたはずのキングストーンが出し入れ可能ということ.
どうやって?
そして,信彦の緑っぽいモノは現在,孫ルー総理が持っている?

次期創世王の条件として,キングストーンが体内に埋め込まれているものと思っていたが違うのか?

以下,適当な後半の展開予想.

最終回ではシャドウムーンもマジ変身し,怪人代表としてBLACK SUNと戦う(どこかの採石場).そこに,もう一つのブラックストーンでマジ変身したカマキリ怪人ことアオイが参戦して三つ巴の争いに...さしずめ名前は「ブルーアース」とか(ありそう).

まぁ,後半も見ますよ.
クライマックスにかけて面白くなるかもしれんし(『ブレイド』...

あまりに展開がむちゃくちゃになって来たので脚本家を調べると...

高橋泉

えーっと,なぜこんな『仮面ライダー』に思い入れのなさそうな人物を起用したのか...

つーことで,中盤にして全く期待できなくなってきた.
残りの回も観るつもりだが,もうレビューは書かない(書けない)かも.

以上,個人の感想でした.

つーことで,『アマゾンズ』が昭和の『アマゾン』へのオマージュ(モグラ獣人など)が散見されていたように,この『BLACK SUN』も昭和の『BLACK』がらみのネタが多いのではと思い,Amaプラで配信中の旧作も観始めた.

仮面ライダーBLACK

歌い手の歌唱力はともかく,やはりいいオープニングだ.
何よりオートバイに乗りたくなる.

光太郎も日本人ばなれしたスタイルで歌はともかく台詞回しは悪くない.
脚本もちゃんとしている(まだ3話).
特撮映像技術は時代なりだが,今でも十分鑑賞に耐えうる.
第一話に出てくる伝統の「クモ怪人」.令和verよりずっと不気味.大量に出てくるしな.

一番感心したのは,令和『BLACK SUN』がマジ変身したわけだが,第一段階の襟足がバッタのように伸びたシルエットが,昭和『BLACK』の変身シーンで一瞬映る.
そして第一話の初変身では,その怪人っぽいフォルムで少し動いてる.

あぁ,それで令和『BLACK SUN』はああいうデザインになったのか.だったら...(以下,略)

『仮面ライダーBLACK SUN』の視聴開始~第3話までの感想

2022/10/29 Sat

時をかけるルー大柴.

Amazon Prime Videoにて,いよいよ『仮面ライダーBLACK』さん...ではなく『BLACK SUN』の配信が10/28に始まった.
面白い試みとしては,一週間に1話ずつとかではなく,全10話を一度に配信とのこと.
1話45分として,全部で7.5時間か.スゴイな.

仮面ライダーBLACK SUN

事前情報を完全にシャットアウトしているため,これで終了なのか,次のシーズンにつながるのかどうかも知らない.

既に特撮系YouTuberには感想動画をアップしている猛者もいるようだが,当然見てません.

つーことで,本日第3話まで観たレビューを書いてみる.
正直まだまだ謎だらけの展開.

『仮面ライダーBLACK』と言えば1987年放送,つまりほぼ最後の昭和ライダー(正確にはRX?).
当時,Kazchariは大学生.
日曜の朝,”てつを”の歌声を聴き「HONDA VT-250FⅡ」にまたがり,時を超え,空を駆けた.

しかしながら,そのストーリーはほとんど覚えていない.
やたらに強いシャドームーンというメカメカしいライダーが出てきて,実はその正体は幼なじみで,BLACKは戦いたくないけど戦わなければならないという葛藤に悩まされて...みたいな展開だったような.
そうそう涙なしには見れないバトルホッパーとのお別れシーンは鮮明に覚えている.
えーと,後は決め台詞の「ゴルゴムの仕業だ」「ゆるざん」
そして“てつを”のバイク.
変身前は「GSX-R400」,RXの時は「RGV-γ」だったような...

つーことで,金曜日の朝から『BLACK SUN』を視聴開始.

地上波では絶対放送不可能な内容にびっくり.
スプラッタな映像だけなら『アマゾンズ』とどっこいどっこいだが,テーマがなぁ...

仮面ライダーアマゾンズ

怪人差別に名を借りた人種差別や階級差別.
ロケ地(山谷?)のせいか隣国の文字やポスターがやたら目に入る.
独居老人,LGBTを◯◯しろなんて,フィクションをフィクションとして捉えられない人から抗議がありそう.

『BLACK SUN』の物語は2022年と1972年を行き来する(冒頭のみ1962年頃?).

過去編のこだわりがスゴイ.
誰がどう見ても全共闘.
ただし戦う相手は日帝でも米国でもありません.時の政府反怪人主義者.

Kazchariが大阪の某マンモス大学に入学したのは1986年.

まだ,正門脇にゲバ字看板が並び,ヘルメット+タオル姿の人達がアジ演説を行っていた.なぜか総殲滅の「殲」はひらがなだった(ゲバ字でつぶれるから?)
暴れたりピケ張ったりすることはなかったけど,もはやネタ的存在やったなぁ.

さて,主人公の南光太郎(西島秀俊).
はっきり言って弱々しいおっさんである.
顔のシワも目立つし,歩く時は足を引きずっている.
借金の取り立てのような仕事をして日銭を稼ぎ,違法(?)な薬を購入し,定期的に打つ必要があるようだ.
子供の時に父親にバッタ男に改造され,さらにブラックストーンを体内に埋め込まれる.

成人してからは全共闘...ではなく「五流護六」という怪人解放組織に(美女に惹かれて)参加.

組織上層部の裏切り(初代ルー総理と手を組んだ)により組織を離脱.
その後50年,姿をくらまし廃バスで生活する(←無理がある).

物語上,偶然にもヒロインのJCと共同生活を送るようになるが.特に“守る”という使命感はまだ持っていない.マーベル映画『ローガン』と似たシチュエーション.

お試しのDisney+1ヶ月~継続する?

現状「自分を含め,怪人は滅んでしまえば良い」と考えているようだ.

さて,番組の予告編でチラ見した“てつを”っぽい変身ポースはまだしてくれない.それに“アレ”を食べてないせいか,変身後も対して強くない.
これからかな.

もうひとりの主役は言わずとしれたシャドームーンこと秋月信彦(中村倫也).
こっちは,50年間監禁されていたとはいえ,“アレ”を食ってたので見た目も若いままである.
変身後も強い.怪人瞬殺である.
何かにつけて容赦ない.
第三話時点での目的は,1972年時同様「怪人解放,権利拡大」のまま.

つーことで,ものすごく不思議な世界観と,伏線や謎を散らかしまくっている本作品.
3話までだと疑問だらけ.ちゃんと回収してくれるのだろうか?
以下,気になる点.

1)怪人差別というが,何をどう差別されているのかわからない.
学校にも通っているし,嫌がられるだけでバスにも乗っている.服装もキレイ.
どういう不利益があるのかの描写が足りない.
つーか,匂いで怪人かどうか判別してんの?

2)怪人は日本にしかいない?
ルー総理の目的は,怪人部隊を作って外国と戦争することとあるが,警官の銃であっさりと殺されてしまう程度で戦力になるのか?
ベースにした生物によりランクがあるということ?

3)創世王から滲み出るエキスと人間の肉を混ぜて作られる万能薬ヘヴンが設定てんこ盛り
- 人間を怪人にすることができる
- 怪人のケガを治すことができる
- 怪人を不老にできる
- 怪人を依存症にできる
他,あったっけ?

4)創世王とは?
50年前に突如日本に現れた? ⇒ 捕まった ⇒ エキスだけを採られる ⇒ 1972年時点ではなぜか五流護六の手にある

5)怪人のデザインが微妙
気合の入った主人公たちやクモとかアネモネはともかく,クジラを含むザコ怪人は被り物をしているだけにしか見えない.
どっかで見たなぁ...そう,ジューマン(動物戦隊ジュウオウジャー)や!

6)なぜかバイクのこだわりがスゲー
光太郎のバイク,何だろう?
古い空冷のDOHC4気筒のようだが,わからん.
やはり1972年にも乗っていたという設定だから?
まさか「バトルホッパー」という名前ではないよな.
信彦のバイクはボクサーツインなのでBMWか.
ふたりともノーヘルなので,封鎖道路以外で合成になっているのが悲しい.

以上,第3話までの感想でした.

もはや,おもちゃの販促とイケメン俳優のプロモとなり,脚本破綻しまくりの某キツネ面ライダーと異なり,想像以上にぶっ飛んだ内容となっている『BLACK SUN』.

『アマゾンズ』とは別方向で子供には見せられない内容だが,1972年当時の風俗・世情を少しでも知っていれば楽しめる内容だと思います.

残り7話も楽しみだ.

ないとは思うけど,各方面の団体からクレームがついて,配信中止にならないことを...信じる奴が正義!

『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』を観た~これ,リアル◯◯◯◯やん

2022/10/25 Tue

なんとも複雑なキモチ.

今を去ること10/9.
地元の映画館にて『ガールズ&パンツァー総集編』『劇場版』のリバイバル上映が行われた.しかも4DXで.

TVアニメ放送開始10周年記念だそうな.

当日,Kazchariと息子は釧路にてキャンプ.

息子と秋のキャンプ旅~カヌー体験(その1)

しかし,この作品の大ファンであるヨメさんとJKの娘は,この1日限りのイベントに出かけた.
たいそう楽しかったそうな(何度観れば気が済むのだろう?)

それはともかく『ガルパン』は実に息の長いコンテンツだ.
地元コラボ作品(茨城・大洗)としても,現時点で最大の成功例だろう.

そんな『ガルパン』だが,物語は未だに完結していない.

全6作とされる「最終章」の第3話までしか公開されていない.

第1話公開日:2017年12月9日
第2話公開日:2019年6月15日
第3話公開日:2021年3月26日

という,驚きのゆっくりペース.
最終話が観られるのは,おそらく2027年? 生きてるだろうか...

これだけ愛されている,待ってもらえる作品もなかなかない.
エヴァ? あれは別格.

しかし,ここに至って不安材料が...
そう,ウクライナとロシアの戦争である.

現実にリアルな戦車戦が行われている中で,このようなパロディアニメ(しかもロシアっぽい学校も出てくる)が許容されるのだろうか...
コンプライアンスにうるさいご時世である.
第4話以降の製作が,いつ中止となっても致し方ないような雰囲気.

そんな中,1日限りとは言えどリバイバル上映されるとは.

これぞ「辛いときこそ,ユーモアを」という処世訓なのだろうか?

と,戦地から遠く離れた極東の国で考えてみても仕方がない.

つーことで,別に『ガルパン』を意識したわけではないが,昨夜のZwiftの友として,Amazon Prime Videoから『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』をチョイス.

T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版 [Blu-ray]

Amazonからあらすじを引用.

第二次大戦下、ソ連の新米士官イヴシュキンは初めて出撃した前線で戦いに敗れ、ナチス・ドイツ軍の捕虜となってしまう。収容所で行われるナチスの戦車戦演習のため、ソ連の最強戦車T-34を操縦することを命令されたイヴシュキンは、同じく捕虜になった仲間たちと隊を組み、あまりにも無謀な脱出計画をたてる。実弾を装備することは許されず、ひたすらナチスの戦車軍から逃げ惑うことしかできない、必ず死が待っているはずの演習。しかし、男は仲間のため、そして収容所で出会った愛する人のため、ナチスの軍勢に立ち向かう

※ 以下,ネタバレ.

まさかのロシア製作の戦車映画である.

主役はもちろん,ロシアの誇る戦車「T-34」だ.
Kazchariはそれほどミリヲタではないので,前期型とか後期型とかの細い違いはわからんが,ホンモノなのだろう.

収容所内でボロボロの「T-34」を修理するシーンなんて『ボトムズ』っぽくてシビレる.

映像の質も高く,被弾時のハリウッド的ハイスピードカメラな演出も...まぁ嫌味には感じない.
なぜか,BGMがワグナー風味やけど.

戦車の居住性,乗り心地の悪さも十分表現されている.
長時間運転していると手がしびれる.
うるさいので,大声で指示を出す.
砲弾がかすっただけで,車内の反響音が凄まじい.

特にストーリーに”深み”はありません.
あまりにもご都合主義な脱出劇はファンタジー感満載だが,戦闘シーンの面白さがそれを補う.

なんつっても「T-34」vs「パンター」の緊迫の市街戦ですよ.

わざと敵戦車すぐ下の地面を砲撃し,その跳弾で弱点である車体の底を撃ち抜く!(可能なのか?)

向かい合った戦車同士の砲塔旋回勝負(もちろんハンドル回しての手動)
コンマ数秒T-34が速く,そこからのゼロ距離射撃!(『ガルパン』か!

これ,スタッフの誰かアニヲタちゃうか?

敵複数に対して,こちらは単騎,それに砲弾は少ない.
そこで手榴弾を抱え,決死の肉弾突撃.
明らかに死亡フラグだが,おかげでパンター撃破!

残りは1台.
さぁどうする!...までは最高の流れ.

でもここからがなぁ...妄想にもホドがある.
『マーヴェリック』のトムキャット以上のぶっとび.
さっきのフラグもたたんでまうし.

突然,場面変わって,なぜか橋の両端まで移動しての一騎打ち(時代劇か!).
T-34,ローラーダッシュのごとき旋回性能で砲弾を避け突撃~!

カウンター砲撃からの~決着ぅぅぅ!

ドイツ軍側のライバル,イェーガーも決して極悪非道なだけの人物として描かれていない.

互いに「強敵」と書いて「友」と呼ぶような関係で互いをリスペクト.

単にロシア万歳のプロパガンダ映画になっていない点が高評価.
アクション娯楽大作として,非常に楽しめた.

そうそう,この映画は絶対に字幕版をオススメ.
ロシア語とドイツ語でないと意味がないシーンがたくさんある.

ただし,今後はロシアでこうしたバランスの取れた映画は作られへんかもしれんなぁ.

いかにもハリウッドな『フューリー』よりはるかに面白かった.

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ちなみに『ガルパン最終章第4話』のPVはこちらです!

あっ,そういや第3話,まだ観てねーや.

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偶然のカタナ~キリンは泣かない

2022/10/24 Mon

そういう時期もありました.

iPhone11 Pro

就寝前は,不眠の原因とされるブルーライトの影響を避けたいので,紙媒体の書籍や写真集を眺めることにしている.

先日手に取ったのは,2012年発行の『RIDE 65「カタナ大特集」』号だった.

東本昌平RIDE65 (Motor Magazine Mook) ムック

もう10年前か.
今読んでも十分読み応えあり.

このスズキの最高傑作,GSX1100S「カタナ」を所有したことはない.
試乗したこともない.
それでもこのデザインは今見ても素晴らしいと思う.震えるほど美しい.

Kazchariのオートバイ趣味が一番炸裂していたのは20代前半,つまり80年代終わりから90年代はじめまで.
時代はレーサーレプリカ.
峠ではローリング族が問題になっていた.

レース志向でないKazchariは,峠を”攻める”度胸も腕もなく,純粋にツーリングを楽しんでいた.

250,400と乗り継いで限定解除.
社会人になり資金ができた.
「さぁ,次はいよいよリッターバイクだ!」と意気込む若きKazchari.

その候補に「カタナ」は確かにあったように思う.
しかし,当時でも既に「カタナ」は旧車扱い.
取り回しの悪さや純粋な走行性能・安全性能を鑑みて,購入までに至らなかった.

次の候補はYAMAHAの「V-MAX」
これまたデザインが強烈.
まるでエンジンがそのまま走っているかの様.

これまた実用面,その他から止めた.

もうおわかりであろう.
「カタナ」といい「V-MAX」といい,あの頃は東本マンガの世界観の影響をモロに受けていた.

はっきり言うと『キリン』の世界だ.

Kazchariは「Mr.Bike BG」での連載中から追いかけていた.
『あいつと...』とか『バリバリ...』と異なり,これほどバイクを哲学的に,しかもやたらにかっこよく語るマンガを他に知らなかった.
つまり大人,なわけだ(なんと浅薄!).

※ もちろん,公道暴走は良くないですよ.あくまでファンタジーとして.

やがて連載終了.
単行本にまとめられると迷わず購入.
ゆえに,手持ちの4冊は全て初版本である.

キリン(1) (ヤングキングコミックス)

今なお続くカタナブームの牽引役として,この『キリン』の存在がめちゃめちゃ大きいのは言うまでもないだろう.
ちなみに,単行本は全39巻まである(完結).

Kazchariも10巻ぐらいまで購入していた記憶があるが,最初の4巻だけ残して全て処分.
わかる人はわかるよね.

そんな『キリン』だが,先程のムックと同じ2012年に実写映画化されている.

キリン POINT OF NO-RETURN! PREMIUM EDITION (3枚組) [DVD]

旭川での上映がなかったので,札幌まで出向いた記憶がある.
肝心のデキは...製作者への原作への”リスペクト”は十分感じられました.

ただし,クライマックスの高速道路での競争は...明らかに制限速度内でしたね.今なら特殊効果でもう少しごまかせたかな.

先程のムックに撮影時の面白い話が書かれていた.

由比ヶ浜への水没シーンの撮影は八丈島.
さらにツナギを着ていると全然沈まないので,おもりを持って胸の前で抱えていたそう.ゆえに映画では不自然に左肘が曲がっているらしい.へー.

はい.ここまでが壮大な前フリ.

今回何が驚いたって,なぜかムック本を読んだ翌朝に,この映画切り抜き動画がオススメにアップされていたこと!

別に「カタナ」や「キリン」で検索した覚えは一切ない.

就寝前の読書は,完全にオフラインでの行動なのだが,どうしてGoogle(YouTube)側にKazchariの今の興味が探知されてしまったのか!?

あな恐ろしや,Googleパーソナライズ!

これまでの経緯から「そろそろカタナに興味もつ頃でしょ?ホレホレ」とAIが勝手に判断したのだろうか?

それとも久々にシンクロニシティ炸裂?

シンクロニシティ

シンクロニシティふたたび?

それはさておき,若きパダワン...もといKazchariが『キリン』に感化されまくった挙げ句,限定解除後に購入した大型バイクは...「HONDA V45MAGNA」(北米モデル)でした.

1992年8月撮影
1992年8月撮影
1992年8月撮影

「V45」とはV型4気筒エンジンで45キュービックインチ=750ccから.

よくわからん車名やな.

ロー&ロングのアメリカンドラッグレーサー的デザイン.
当時でも珍しい4本出しマフラー.
悪くない.
ツーリング先でも,おじさん達からよく声をかけられた.

天下のHONDAーV4エンジンである.
走りに不満はなかった.
ただしタンク容量が小さくて,頻繁に給油した記憶がある.

立ち位置的に「V-MAX」の対抗馬だったかもしれんが,性能,迫力,人気とも完璧に負けているのは否めない.

『キリン』の世界観に...まぁかすっているかな.

そうそう,革ジャンも買った.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

そう,知る人ぞ知る「カドヤ」の「GOD SPEED」である.
現在も所有.
クソ重たい.

もちろんこの上に,袖を落としたジージャンを来て.ドラッグレーサー風の大型バイクを駆る...正に若気の至り.
あぁ恥ずかしい.

まぁ,Kazchariの体格的には,こいつがぴったりだった.
荷物山積みでキャンプもよく行ったし,いいバイクでしたよ.

会社を辞めて,世界放浪の旅に出る前に売ってしまったけど.

今だと結構な値段に.

HONDA V45 MAGNA カタログ・諸元表・スペック情報

お試しのDisney+1ヶ月~継続する?

2022/10/19 Wed

時間泥棒.

「1ヶ月¥200!」のお試しキャンペーンにつられて加入した「Disney+」
その契約がもうすぐ終わる.

そもそもなぜ加入したのかというと「Disney+独占配信!」ってのがめっちゃ多いため.特にマーベルスター・ウォーズ関連やね.

継続するか否か?  結論から言うと一旦解約.
サブスクは厳選しないとキリがない.

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)

とりあえずこの一ヶ月の間に観たコンテンツの紹介.

※ ネタバレ注意

【マンダロリアン】

巷で大評判のこいつが観たくて加入したようなもの.
全話視聴済み.文句なしの大傑作.

秋分の雨とDisney+で『マンダロリアン』

もう主人公がカッコ良すぎる.
作中,素顔を晒したのはわずかに2回(たぶん).
ハードボイルド&ロードムービーはこうあるべしの手本.

ここぞというところでグローグーの活躍が期待外れなのも面白い.
最終話,ルーク登場からの無双シーンは鳥肌.

【ボバ・フェット】

一応「マンダロリアン」の続編.
前半は,Epi.Ⅵで死んだはずのボバが如何にして生き延びたか.
どこかの田舎の大名(?)になるまでの抗争と,砂漠の民との思い出シーンが交互に繰り返される.
正直退屈.

ただし後半でガラリとストーリー...というか主役が変わってしまう.

そう,マンダロリアン(マンド)の登場である.
それどころか,グルーグー,ルーク,アソーカまで出てくるのだ.
まるで『ガンダム種死』並の主役交代劇.
もちろん,後半の方が数倍面白い.

【オビ=ワン・ケノービ】

話が退屈過ぎて途中で挫折.
面白くなるの? これ?

【プレデター ザ・プレイ】

これまた高評価作品だったが,Kazchariには微妙.
まず時間配分に問題.
前半パートが退屈.
早くプレデターと戦え!
では,その肝心のクライマックスは...えっ? そんなんでいいの?

ある薬草(血止め用)を食べると血流が遅くなってプレデターのセンサーに認識されない(?)謎設定.
食べた本人も動けなくなるのでは?

戦闘シーンも,もっとネイティブ・アメリカンならではの攻略法はなかったのだろうか?
知恵と勇気と工夫というよりも,パワー勝負の域を出ない.

【スターウォーズ:クローン・ウォーズ】

ディズニーに買収される前のルーカス・フィルム作品.
そうか,クローンとの戦いでなく,クローンが活躍する短編集だったのねん.

もし実写で作っていれば恐ろしいくらいの予算がかかりそう(だからアニメ).
過去と続編をつなぐ小ネタが面白い.
デフォルメの効いたキャラデザインも元々の俳優さんにスゴク似ている.

ただし...展開が少々ワンパターン.

誰かが逃げる(か捕まる)⇒助けに行く⇒軽口で戦うジェダイ⇒救出⇒グリーパス将軍もしくはドゥークー伯爵は逃走.

結局,最終話まで観れなかったが「もういいや」となった.

【ターミネーター:ニューフェイト】

ターミネーター:ニュー・フェイト

駄作というより蛇足.
若いT-800とジョン・コナーなど,映像技術は目を瞠るものがあるが,ただそれだけ.
メカであるはずのシュワの老化と感情機能誕生には違和感しかない.ここも若いままにしておけば良かったのに.

ストーリー,キャラ設定がびっくりするくらい「1」「2」と同じ.
未来からの刺客は永遠に送られ続けるのだろうか? キリがない.

もう普通のタイムリープものでは,観衆は納得しない.
時代はマルチバースなのだ(それすら食傷気味になりつつある).

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を観た~そう来たか!

一か所だけ爆笑できたのが,シュワのアジトでヒロインからの「どうしてこんなに武器を用意しているの?」という問に(対ターミネーターだけでなく)「ここはテキサス州だ」と答えるシーン.

【ソー・ラブ&サンダー】

ソー:ラブ&サンダー 4K UHD MovieNEX

MCU作品としては,これの前作にあたる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を鑑賞済み.

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を観た~そろそろ潮時

同じくMCUフェーズ4だが,特に今作とのつながりはない.
『MOM』を観て,もうMCUを追いかけるのはやめようと決めていたが,「ソーのキャラは好きだしぃ,予告だと作風をガラリと変えてきてるしぃ,どうせサブスクだしぃ」ということで鑑賞.

結論 ⇒ 劇場で観なくて良かった.
ナタリー・ポートマン,よく出たな.
ギャグとシリアスでどっちつかず.

ラスト.ぽっと出の「ラブ」役の子供,どう感情移入しろと?

【ローガン】

LOGAN/ローガン

これまた長期間続く「X-MEN」シリーズの主役キャラ.
その最後を描く作品.

本編のみならず,人気キャラのウルヴァリンはスピンオフ作品が多数作られているが,どれもこれもイマイチ.
この最終作品のみは,割りと評判高めだったと記憶していたが,これまで未視聴.

「Disney+」にラインナップされていたので視聴する.

感想は...うん.イマイチ.

展開がご都合的すぎる.
- ローガンの言動にずっとイライラさせられっぱなし.確かに本編でもイライラキャラだったが,今回はそれに老害がくっついている印象.
- ずっと咳き込み,足を引きずっている.
- 明らかに超能力で追跡されているのに,ベントン先生(懐かしい!)の家にお邪魔する危機感のなさ.結果ベントン家全滅で胸糞.
- 道路でぶっ倒れたローガンをクルマに乗せたのは誰? ローラには無理.
- ローラ役の女の子,あまりにも残虐な役のためか,この後の出演映画が心配.売れたのか?
-「国境を越えたら安全」の意味がわからん.それくらいで諦める組織なのか?

いずれにせよ,ローガン,チャールズとも,びっくりするくらいあっさりと死ぬ.ようするにカタルシスがない.
強敵(自分のクローン)と相打ちとか,愛情は芽生えたローラを守って...ではない.

ようするに,かつてのヒーローの老年期の活躍を描いた『スペース・カウボーイ』『トップガン・マーヴェリック』とは逆方法のアプローチ.

あれ? どこかで老害元ヒーローの映画観たぞ...あっ『スターウォーズEpiⅧ:最後のジェダイ』や!

こんなん見せられて,何に共感しろと?

つーことで,1ヶ月でこれだけ視聴.
『マンダロリアン』だけで¥200の価値以上.

そうそう即日配信してくれる『水星の魔女』はありがたいな.
Amaだと5日後やし.

Disney+は『マンダロリアン』の第3シーズンが開始されたら再加入かな.

それにしてもサブスクは恐ろしい.
まさに時間泥棒.

現在Kazchariが加入中のサブスクは以下の通り.

『Amazon Prime』

『kindle unlimited』

『Zwift』

『Apple Music』(UQモバイルユーザー6ヶ月無料プラン)

最後のAppleは無料期間が終わったら解約の予定.
Amaに比べるとインターフェイスが分かりづらい.

あっ,一番金を払っているサブスク,NHKを忘れてた!

色々言われているけど,大河と朝ドラの2枚看板,『鎌倉殿の13人』『舞い上がれ!』はめちゃくちゃ面白いですね.
払っている価値は...あるかな.

秋分の雨とDisney+で『マンダロリアン』

2022/9/23 Fri

あちこち大変.

秋分の日は,台風の影響で日本全国ほぼ雨模様.
ここ北海道道北も例外ではなく,朝から結構降っている.

そんな中,もしかしたら参加していたかもしれない自転車イベントが2つ.

1つは3年ぶり開催の第13回丘のまちびえいセンチュリーライド

2010年の第1回大会に参加したのが良い思い出.
60kmと100kmの2日間に分けて美瑛の丘を走りまわった.

もう初日から辛かった.
10月開催で寒い上に獲得標高もたいがい...まぁ当時は初心者レベル.
全然脚がなかった.

この大会には,その後も7,8年連続して参加.
当初はボトル,ライト,サコッシュなどの景品が良かったけど,徐々にしょぼく...おっとここまでだ.

「びえい」だけでなく「そらち」「中札内」などの道内グルメフォンドに出まくった後,脚力の上がったKazchariは,よりハードさを求めて「ブルベ」という底なし沼に足を踏み入れてしまうのだった.

いやいやいや,今日の天候と気温では,80km一本とは言え「びえい」も相当ハード.
FacebookやSTRAVAでは阿鼻叫喚の声が溢れている(大げさ).
ご苦労様でした.

そして,それに輪をかけて地獄なのがBRM923霧立400kmだろう.

https://randonneurssapporo.net/2022brm923kiritachi400/より

スタートからゴール時間となるであろう明日の朝まで,ずっと雨...
正直,エントリしなくて良かった...っつーか,根性なしのKazchariはDNSしてたやろうな.前科もあるし.

もうすぐ300kmブルベ~BRM528きのこの山参戦とベルの話

家族に「ワシが参加してへんから雨が降ったんやぁ~ 今年は天気の神様に愛されてるからなぁ~」と言ったら,白い目でみられました.
すいません.みなさんの無事のゴールを祈っております.

さて,そんな雨の日.

当然,ライドやツーリングに出かけるわけもなく,午前中はインターネッツで連続ドラマ鑑賞.

うっかり「Disney+」の一ヶ月お試しプラン¥200に加入してしまい,以前より観たかったマンダロリアンにドハマリしております.

これがまぁ,もう面白いのなんのって...
なぜにこの雰囲気で,本編Ⅶ~Ⅸが作れなかったのか...
今からでも遅くない.『ターミネーター』みたいに”アレ”はなかったことにして作り直せ!

まだシーズン2の途中までしか観ていない『マンダロリアン』のざっくりとした感想(印象).
本編SW(特にⅣ)がクロサワ映画の影響を受けているのは有名な話だが,この『マンダロリアン』はより明確にオマージュ.

もろ『七人の侍』なエピソードもあるしな.

クロサワではないが,チビ・ヨーダ(?)を連れての一匹狼のロードムービーって,『子連れ狼』やん.もちろん西部劇要素もふんだんにある.

時系列的にはエピソードⅥ「ジェダイの帰還」で帝国が滅んだ後のストーリー.

「反乱軍が新政府を作った.これで平和,バンザ~イ」とはいかず,辺境の地はまだまだ無法地帯.
人々はそれぞれの正義や信念の元,日々を懸命に生きている.

外見はかの「ボバ・フェット」とよく似ている主人公(賞金稼ぎ).
この世界では,共通デザインのアーマーを装着した者は「マンダロリアン」と呼ばれており,銃や格闘などの腕前にみなが一目置いている.

ストーリーが進むにつれ「マンダロリアン」は種族の名前ではなく,「ある教義を信じる者」であることが明らかになる.

主人公はその敬虔な信者.
かつて孤児になった時に助けられた恩義を忘れない.

それゆえのクソ真面目さが面白い.
最初は割りと不殺を貫いていたけど,チビ・ヨーダがからむと...怖い怖い.

主人公は決してマスクを取らない.
教義にて人前で素顔を晒してはならないとあるらしい.
今のところ,マスクを取ったのはケガの治療のための一度のみ.
役者さんも演技が大変やと思うけど,首の傾け方や”間”による感情表現が実に上手い.

この主人公の雰囲気はどこかで...と思ったら『ゴブリンスレーヤー』っぽいなぁ.

いや違う.

我らがキリコ・キュービーではないか!(変なポエムはつぶやかんけど).
無口で余計なことを言わない ⇒ かっちょええ...

外国ドラマにありがちな,ひきにひいて次のエピソードへ!という展開もなく,基本的に1話完結.無茶なドンデン返しや裏切りも,低レベルなギャグもない.
淡々と確実に話が進む.それがいい.

エンディングに差し込まれるイメージボードも素晴らしい.
そうそう,『スター・ウォーズ』はやっぱりこれっしょ!

つーことで『マンダロリアン』超おすすめです!
このクオリティを¥200で堪能できるとは...良い時代だ.

観終わったら次は『オビワン』かな.こっちは地雷らしいけど.

『ククルス・ドアンの島』を観てきた~ふむ...

2022/6/10 Fri

ロボアニメのリアリティ.

『シン・ウルトラマン』『トップガン マーヴェリック』に続き,2022年おっさんホイホイ第3弾こと『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を劇場で観てきました.

思った以上にウルトラマン~『シン・ウルトラマン』を観た

『トップガン マーヴェリック』を観た~ニンジャぁ!

さぁ,これらに続く傑作となるか!?

https://www.youtube.com/watch?v=JNvnkkri_qM

以下,ネタバレです.

映画開始早々,テロップが流される.

「この映画は1979年放送のTV番組「機動戦士ガンダム」1stシーズン第15話の翻案です」

翻案の意味を調べると「既存の事柄の趣旨を生かして作りかえること。特に小説・戯曲などで、原作の筋や内容をもとに改作すること。また、そのもの。」(goo辞書より)とある.

まぁ,それはそれで間違いないのだが,この作品,TV版(もしくは劇場版3部作)だけ知っている人には脳内に疑問符がわきまくる作りだった.

少なくとも,安彦監督の『THE ORIGIN』を読んでおかないとわけがわからない.

フルカラー版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN(1) (角川コミックス・エース) Kindle版

どうしてスレッガーさんがいるのか?
どうしてジムが実戦配備済み?
ガンタンクは?
他,少しずつズレてる各キャラの性格や口調(セイラさんが顕著)など.

面白いことに『THE ORIGIN』では,このエピソードはスキップされている.
つまり原作があるようでないような不思議な立ち位置のエピソードである.
まぁ「MSが美麗なCGで動いてたらええやん!」勢にはどうでもええ話やけどな.

全体の絵の雰囲気は既にアニメ化された『THE ORIGIN』シリーズと共通(そらそうだ).

機動戦士ガンダム THE ORIGIN シャア・セイラ編

さて,オリジナルの『ククルス・ドアンの島』は第15話という1クール目が終わったばかり,つまりかなり前半の話なのだが,この映画の設定ではジャブロー戦は終了,ホワイトベースはオデッサ戦後に宇宙に上がる,その間の出来事となる.

TV版では本編の進行に直接関係のない13話『再会,母よ』,14話『時間よ,とまれ』に続く”箸休め回”だった.
本放送でも観たが,この3話は一話完結の異質回だった.
週一で見るとあまり気にならへんけどな.
ちなみに13,14話は名作だと思う.

さて『ククルス・ドアン』と言えば作画崩壊.
そして「唐突なストーリー」「細身で鼻のやたら長いザクが正拳突きで戦う」「ガンダムがザクを海に放り投げる」などなど,リアリティを放棄したカオスな内容.ただ,メカに比べキャラの作画はそれほど崩壊していなかった印象.

さてようやく本編の話.

結論から言うと,特別興行料金¥1,900は高いかな.

まず良かった点.

- 本編が始まるまでのワクワク感
- キャラの作画(好みわかれそう)
- ガンペリー

後は...うーんな点.
やはり元々20分程度の小編を2時間にするには無理のある展開.
引き伸ばし感が半端ない.

肝心のメカ作画も...うんCG.軽い.
ディテールがMGやRGと共通なのでガンプラ感が強烈(売れるのかな?).

元々,安彦氏の描くメカはロボというよりキャラクター.
『めぐりあい宇宙』の太っちょゲルググの作画とか,他にない独特の味があった.
本作でもヒートホークをよけてカエルジャンプするガンダムに,そういった人間臭さがやや見られるもの「あー,普通のメカバトルやな」という印象.
懐古厨と言われようが手書きセルの迫力(重さ)には到底かなわない.

戦争に嫌気が差したドアンは軍を脱走,(おそらく)戦争孤児を引き取って,この映画ではアフリカ沖,カナリア諸島の小島に住んでいる.このあたりの直接的な説明はない.
TV版では少数だった孤児が,本作品では20人ほどに増殖.

その子どもたちとアムロとの交流が描かれるのだが,人数が多い分,それぞれにセリフがある.
あくまで印象だが,まるで舞台劇のように一人がしゃべって次,一人がしゃべって次という感じでやたらにお行儀が良いのだ.
しかもやり取りがダラダラと長い上に,たいして面白くない(これは他のキャラのギャグシーンも同様).
特に心に訴えかけるセリフもない(何かあったっけ?).
トミノ節の電波セリフもない(同じ牧歌路線のターンAだとキャラのやり取りが楽しい).

極めて普通.

そして何より気になったのが食事シーン.
量と種類,多すぎません?

この島,まるで硫黄島のような火山島.
森や草原のない灰の堆積した不毛な大地.
一応ドアンの「灰を取り除けば肥沃な土が」的なセリフがあるが,現状,食卓があれほど豊かになるような耕作地はない.

こうしたリアリティラインの崩壊はもう一つ.

どうしてアムロが頭と左上腕に包帯を巻いているのかわからない.
最初の対ドアン戦では,ヘルメットしているし,パイロットスーツ着込んでるし.どこをどうしたら,ああいうケガすんのやろ?

何か,食事シーンやから,気絶した人やから,と何も考えてない様な演出が気になる.

細かい?
そうかもな.

いや,ファースト・ガンダムはリアリティが大事.

そう,この映画にはなんと「アムロがガンダムで敵兵を踏み潰す」という衝撃シーンがある.
もちろん,これまでもライフルやらサーベルでジオン兵を殺しまくってはいるが,生身の人間,しかも踏み潰すというのは前代未聞では?
”オレ達のミカ”でもここまでしてなかった(はず).

このシーンも,ガンダム再起動してからの怒涛の展開のままクライマックスに流れるなら,まだわかる.
だが...問題はそのシーンの後,コアブースターが着陸失敗してジムが翔んでクビが取れたり,ヤギが逃げてカイやハヤトと戯れるというギャグ描写が入るのだ.しかも,牧歌的な止め絵とBGM付きで...なんだこれ.

そして最後の「あなたの戦争の匂いを消させてください」(⇒ザクをポイ)のナゾ場面はそのまま採用.

そもそも,これでドアンの問題は解決したのだろうか?
まだ戦争が終わったわけではないし,今後もジオン,連邦とも,この島にやってくるのでは?(ミサイル発射施設残ってるし)
そもそもドアンは密命による残置兵だったのか,脱走兵だったのかどっちなのだろう?

そやけど,よく考えれば実はシャアよりアムロを追い込んでたりする,最強のオールドタイプ(?)ドアンでした.

つーことで『ククルス・ドアンの島』,繰り返しますが¥1,900は高かったです...

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を観た~そろそろ潮時

2022/6/4 Sat

三つ目がとおる.

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)の最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(以下MOM)を劇場で観た.

https://www.youtube.com/watch?v=G7kglI7eTm4

公開初日の『ククルス・ドアンの島』(以下CD ← いらんやろ)とどちらにしようかと迷ったが,MOMがどう考えても先に上映終了っぽいので優先.

鑑賞後の感想は...色々な意味で微妙.

MCUは前作(?)の『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』(以下NWH)があまりに素晴らしかったので,その直接の続きとなるMOMに大いに期待していた.

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を観た~そう来たか!

ちなみに作中,NWHへの言及はストレンジのセリフ一言のみ.
別宇宙のピーターを救うとかなんとか...はなし.

Kazchariのいつものレビューだと,ネタバレ全開であらすじに考察や感想を加えていくスタイルだが,MOMはそんな気にならない.

ようするにあまり面白くなかった.

映像はさすがにスゴイが,もう慣れてしまった.

ただでさえ“魔法”という何でもありの能力に「マルチバース」をプラスしてしまったもんやから,何でもありを越えて,今起きている事象や悲劇に何の意味ももてなくなってしまった.

ストレンジとクリスティーンの関係もピーターとMJにそっくり.

昔のSF映画では名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ターミネーター』を始め,過去に戻って未来を変える(変わる)話が多かった.
当然,こうしたストーリーには常にタイムパラドックスの問題がつきまとっていたわけだが,量子力学をベースにしたマルチバースの考えはその問題を解決したとも言える.
つまり過去をいじった時点で,別の宇宙が生まれる...という設定やな.

結果,映画の作劇は縦方向だけでなく横方向(多次元)への広がりをみせた.
それを最大限に生かしたのが『スパイダーバース』『NWH』だった.両方とも大傑作.

スパイダーマン:スパイダーバース (吹替版)

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だが,このアイデアは一発勝負.さすがに同じネタが続くと...またか,という気分.
百歩譲って,NWHの続きやから仕方がないとしても,どうしても納得いかないのは,本作のヴィランである「スカーレット・ウィッチ」の行動原理を知るためには『Disney+』配信のドラマ,『ワンダヴィジョン』を観ておく必要があるとのこと.なんだそりゃ.

いや,だいたいは過去作の記憶やMOM内のやり取りで,それぞれのキャラがどういう立場なのかわかるんですよ.
それでも配信オンリーのサブスクドラマで予習・補填しろというのはいかがなものかと...

Kazchariはもちろん『Disney+』なんて契約していない.
『NETFLIX』もだ.
ようするに『Amazon Prime』のみ加入.安いし,配信以外のサービスもお得.

それにしても,こうした限定配信をからめた商法ってどうなんやろ?
アメリカで成功しているから,日本でも同様の手法を採用しているのだろうけど.

つーことで,このMOM鑑賞後の感想は...「そろそろ潮時かな」でした.
追いかけるのに疲れました.
正直,MCUは『エンドゲーム』で終わってても何の問題もない(号泣ヨメさんの意見).

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例えるなら,『赫奕たる異端』以降のボトムズシリーズみたいな感じになりつつある.

褒める人は”サム・ライミらしさ”を称賛しているようだが,Kazchariは元々ゴースト系ホラーはあまり好みではない.
骸骨みたいなボロをまとった半透明な悪霊が飛び出してきて「わっ!」と驚かせたりするヤツですね(偏見).
スタンドぐらい「オラオラ」と闘って欲しいものだ.

ところで,最後に出てきたパープルアイシャドウのシャーリーズ・セロンは何者? 『エターナル』(未鑑賞)の人?
...とググるのがもう面倒くさいので離脱します.

結局,シリーズを微に入り細に入り研究しまくっている人向けになりつつあるのがMCU映画.
以降の作品は,何かとんでもない変化がない限り,少なくとも劇場での視聴はヤーメた...いや『ラブ&サンダー』は面白そうだ(おい).

https://www.youtube.com/watch?v=uQjj3epsd2s

つーことで,一応最後に言い訳 ⇒ Kazchari個人の感想です.好きな人,すんまへん.

ジロ・デ・イタリア2022の感想

2022/6/2 Thu

世界で最も美しく,過酷なレース

https://news.jsports.co.jp/cycle/blog/kurimura/2021/11/32022.htmlより

5/29で全21ステージ終了した今年のジロ・デ・イタリア.
例によってJSPORTSオンデマンドを1ヶ月だけ契約.

全ステージ,スタート時からライブで鑑賞.
ゴール時間はだいたい深夜12時過ぎ.もちろん...時々楽車(寝落ち)
そして観きれなかった分は翌朝にクリアというルーティンを21日間(休息日もあるけどな).

よく言われるが,視聴する方もなかなか大変なのがグランツール.
時間も体力も削られてしまうのだ.
プラス今年は花粉症が辛かった(まだ継続中).

さて,2022年第105回大会の感想.
全力で走った選手の皆さんには申し訳ないが,一視聴者からすると,イマイチ盛り上がりに欠けた大会だった.

確かに19ステージまで,”マリア・ローザ”カラパスと2位のヒンドレーの差はわずか3秒.
ドラマチックなタイム差で,実際,20ステージの「BORA大作戦+カラパスバッドデイ」で,大逆転ドラマが生まれたのだが...

全世界配信◯グソで後世に語り継がれる2017年のデュムラン(大)

ここ10年のレースで最高峰.ライブで観ることの価値を知らしめた80km独走の2018年のフルーム.

初山の一人逃げやミケルアンヘルロペスの観客ドツキ事件など優勝者以外が目立った2019年のカラパス.

トンプガンナの爆走と最終ステージ・タイム差0の2020年のゲイガンハート.

ダニマルに鼓舞され必死の形相で走り,別のステージでは極寒の山岳を独走(しかも中継中断)した2021年のベルナル.

これらの激闘に比べると,2022年はやけにあっさりしてたなぁ.

その理由を考えてみる.

1)ユアン,ギルマイ,イエーツ,アルメイダ,ミケルアンヘル・ロペスなど有力どころが次々とリタイヤしていき,早いうちから優勝候補が絞られてしまった.

2)カラパスにマリアローザが移ってから,総合勢の消極的なレースが目立った.

3)コルク事件.

4)マチューのセオリー無視の走りは確かに最高だったが,その結果他チームの事前の作戦が成り立たなくなりグダグダ(想像).

5)天気が良すぎた.雨が降ったのは半日のみ.

6)雪が降り積もる一級山岳でのレース...が観たかった.

と,なんだかんだで不満も多いが,それでも放送終了後のロスもあった.
早速,YouTubeの「LIVE CYCLING」に総集編動画が続々とアップされている.
まずはMVPのマチュー!

iPadの映像を横目でチラチラ観ていた,うちのJKが「レースのことは全然わからんけど,イタリアの風景の中を,自転車が生き物のように走り抜ける構図は,ホンマ好き」とのこと.
ほほぉ,さすが写真を趣味にしているだけのことはあるな,我が娘よ.

後,あれやねJSPORTSの実況・解説陣のやり取りは相変わらず面白い.
フランスから本格リモート参戦の別府さんのコメントは新鮮だったし,辻啓さんの「ジェノバはどう見ても神戸三宮ですね」で大爆笑.

てなわけで,自転車動画を色々検索していると,意外なチャンネルがひっかかった.

宇多丸さんと言えば,ユニークな視点からの映画批評が真骨頂.
ナーメテーター映画という言葉は,この番組から誕生した.

一見自転車レースに無関係な宇多丸さん.近頃は「F1」から始まって,乗り物系に興味が出てきたらしい.
で,通な人をゲストに呼んでの,ロードレース入門解説回である.

「ウルトラ団体競技」「風景がキレイ」に関してはアグリーできる内容だが,レースについては「スプリントステージのゴール」が中心だったのは仕方がないか(サンキュータツオさんはサガンファンらしい).

もちろん最後には関連映画の紹介.

フランス製アニメの『ベルヴィル・ランデブー』が気になる.
いつか視聴したい.

さて,いずれにせよ...次は「ツール」だ!

『トップガン マーヴェリック』を観た~ニンジャぁ!

2022/5/27 Fri

はーいうえぃ・とう・ざ・でんじゃーぞーん.

”行く行かない音頭”をずっと踊っていた300kmブルベ「きのこの山」
「降るのか,降らんのかどっちや~」とヤキモキし続け,アプリごとに異なる天気予報を見比べるのにも疲れ...結局DNSすることにしました.

エントリーブルベ初のDNS...宿とか予約してたら行ってたけどな.

つーことで気を取り直して映画でも観に行って,夜は『ジロ』を楽しむか(シクシクシク36).

映画はもちろん,本日より公開の『トップガン マーヴェリック』だッ!

以下,ネタバレ.

オリジナルは1986年公開.
確か梅田の映画館で当時の彼女と一緒に観たなぁ.

トップガン (字幕版)

衝撃だった.

何がって?
もちろん,滑走路で戦闘機と並走するGPZ900ですよ!
ノーヘルでかっ飛ばすトム・クルーズが何しろカッコよかった.
そう,あの頃のKazchariはバリバリのバイカーだったのだ.

一方の主役たる「VF-1Jバルキリー」...ではなく「F-14トムキャット」
確かに美しい機体だが,肝心の戦闘シーンの迫力は今ひとつ(に感じた).
何か同じような構図が多くて飽きてしまったのだ.
当時の撮影技術の限界だとは思うけど.

とは言え,ディープヲタクの岡田斗司夫によると,斬新かつ画期的だったそうな.

そして待ちに待った『マーヴェリック』
本来は2019年の公開予定だったが,新コロのせいで延期に次ぐ延期.
そう,我々は3年待ったのだ.

今日は札幌前泊のつもりで午後から年休を取得.
昼からの4DX席を購入した.
シネプレックス旭川の金曜日は会員ディのため,¥2,100だった(安い).

座席は安定のC-7.
映画スタート.

最初に流れてくるのは,耳に馴染みのあるエレキのBGM.
映るのは空母の甲板.おいおいデジャヴか!?

そして...ダメ押しに『DANGER ZONE』が流れる.
やたらにカッコよい発進シークエンスと甲板作業員のジェスチャー.
何もかも懐かしい.だけど新鮮! 「最高」の言葉意外思いつかない!

なんだこのおっさん泣かせのオープニングは?

砂漠の真ん中にある倉庫で飛行機をいじるトム.
うん? 現役引退して隠居暮らしか?
と,思わせてからの~ あのGPZ,ニンジャぁ~!
どこまで泣かせんねん!

公開時のポスターで話題になった,革ジャンから日本国旗が消えている件(某国への配慮?).
安心してください.
しっかり日の丸写っています(公開国ごとに修正?).同盟国のまま.

向かうのは実験機「SR-72 Dark Star」の格納庫.
引退どころか,バリバリの現役パイロットだった.
(久しぶりに見た)エド・ハリスの「ドローン使うからもうパイロットいらね」方針に反旗を翻し,最高速チャレンジ.
新記録のマッハ10.2を達成したところで機体爆散.
もちろんトムは生きている.
もうこの辺りから,この映画の基本方針を理解した.
こいつは,おっさん向けのファンタジー映画だ.

さて,またしても命令違反のトムだが,司令官に出世したアイスマン(ヴァル・キルマー)のおかげで今回も命拾い.
古巣のトップガンの教官役に任命される.

ここで再びバイクシーン.
駆るのはなんと「Kawasaki Ninja H2」,ニンジャぁ~!

まだあった”例の”バーに行く.
そこで女主人(ジェニファー・コネリー)に会うのだが...誰?
さすがにケリー・マクギリス(62歳)は出せなかったか.

この女主人って,前作オマージュだらけの,この映画のために作られた役やな.たぶん.

そこへ登場するのが,トップガンを優秀な成績で卒業したエリート中のエリートパイロット.
難攻不落の某国のウラン貯蔵庫を爆破(爆撃)するために集められた12名である.
トムは彼らを鍛え,内6名を選出するための教官として呼ばれたのだった.

そのパイロット達の中に,グリーン先生...ではなく”グース”の息子”ルースター”がいた.
親父の死亡事故の件,および母(メグ・ライアン)に頼まれてトムが海軍への願書を破棄したことを恨んでいる.
まぁ,こうしたわだかまりはこのての映画あるある.
ちなみに前作の回想シーンがオリジナルのまま.みんな若い.

目玉のドッグファイトシーンはこれまたスゴイ.
4DXだとジェットコースター.
何でもコクピットにIMAXカメラを持ち込んで,さらに本物の俳優さんも乗り込んでの撮影だったそうな(吐きまくり...).
『MADMAX 怒りのデスロード』のように爆音上映会やらへんかな?

そらそうだ.
トムと言えばジャッキーチェンの意思を継ぎ(違う),なるべくノースタントで危険な撮影をするので有名.
出演者に”させない”理由がない.

典型的な俺様キャラの”ハングマン”(声が中村悠一)やら,ポリコレ準拠の黒人,女性,ラテン,アジア系を揃えたメンバー.
お約束のゴタゴタからの結束.いいですよ,この辺りはありがちでも.
そんな中,神業的な操縦技術で若者たちを圧倒するトム様.
それはさすがにやり過ぎでは...おっさんファンタジーだからおK.

撮影時,トムは57歳.
老けやすいと言われる西洋人にしては非常に若く見える(キアヌほどではないが).
この後,ビーチバレーならぬ「ビーチアメフト」シーンがあるのだが,しっかりと裸を披露.
やや重力に負けてはいるが,マッチョなボディを隠さない.
(さすがにその後のベットシーンは前作に比べるとあっさり)

それにしても,この爆破作戦.
何かとそっくりと思ったら,まるでエピソード4のデス・スター攻略戦.
レーザー誘導ミサイル,崖超え,ピンポイント目標,対第五世代戦闘機空中戦など完全なる無理ゲー.
フォースが使えないと死ぬ.

シミュレーションを繰り返すが,なかなか成功しない.
そんな中,トムを擁護し続けていた司令官アイスマンが死亡.
後ろ盾がなくなったトムは教官をクビになってしまう.

落ち込んだトムはジェニファーに泣きつく.
「諦めずにあなたのできることをやりなさい」的なことを言われ,取った手段は...

これまた命令違反で,デス・スター...ではなくウラン貯蔵庫爆破シミュレーションを最速タイムでクリア.
実力を見せつける.
これにはトムをクビにした上官も絶句.
教官に呼び戻す...どころか,なんと編隊長に任命!
そんなん,最初からトム様にしといたらええやん!(おっさんファンタジーやからおK...なのか?)

いよいよ,空母にて某国へ向け出撃.
甲板エレベーターの「F/A-18スーパーホーネット」とトム様の並びシルエットのかっちょええこと!

やはり目立っていた6名が選出され発進.
作戦通り,まずトマホーク攻撃で滑走路を破壊.
「ホーネット」4機もシミュレーション通り渓谷を抜け,トム様の導きで爆撃成功.

しかし,予測通りGに耐え,山の稜線を出たところから誘導ミサイルの総攻撃を受ける.
回避運動やチャフばらまきでミサイルをかわすが,ルースターがやばい!
トムはルースターをかばって被弾⇒墜落してしまう.

相手にするにはヤバすぎる「第五世代」敵機が迫ってくるため,誰もトムの救助には行けない.
空母からも帰還命令が出ている.

当然のごとく,脱出済みのトム様.
雪原で目を覚ます.
そこへ現れるザ・共産圏ヘリ,ハインド
絶体絶命のピンチだが,もちろんトム様に弾はあたらないッ!

「いよいよここまでか!」の瞬間,ルースターのホーネットがハインドを撃墜! まぁ,わかってたけどな.
ルースターのホーネットはミサイルで撃墜⇒脱出.
敵国の地上に取り残された二人.
さてどうする?

このまま敵の地上部隊との戦闘になったりすると,別の映画になってしまう(ミッション…)
そ,そうか,最初の方の作戦説明場面でわざわざ”アレ”の映像と話をしていたのは,このための伏線か!

もう,ここからは爆笑!
この映画のメインテーマである”おっさんファンタジー”全開である!

最重要ネタバレ!
トムがグースの息子とトムキャットに乗って戦うのだ!
まさか,こんな,ありえない胸熱展開が待っていようとは!

『トップガン』の続編制作の話を聞いた時,「まさかもうトムキャットは出さへんやろな.さすがに古すぎて最新戦闘機とのドッグファイトなんて成り立たへんでぇ」と思っていた時期がKazchariにもありました.
それを,こういう形でやってしまうとは! なんという神脚本!(ファンタジーやけどな)

もちろん,トムの神がかった操縦で「第五世代」敵機を2機撃破.
この時の,後方席に座るルースターとの会話が面白いっつーか,グースとの会話そっくり.

ようやく海上に抜けるものの,またしても敵機に遭遇.
ミサイルもバルカンもチャフも切れ,正真正銘の大ピンチ.

ここを救うのはもちろん,生意気キャラのハングマンだ!
彼が敵機を撃墜し,無事空母に帰還.
上官,甲板作業員,パイロットたちから称賛を受ける.
うん? これまたデジャブ.

場面は最初の砂漠の工場に戻る.
今度こそ引退?

ヨットの旅から帰ってきたジェニファーと,ポルシェの前でキス.
もう,完璧にポスター構図.
還暦手前のおっさんとは思えんかっこよさ(しつこい).

大満足のうちに映画終了.
びっくりするぐらい,前作とストーリー展開が同じだが,まとめると「『トム・クルーズ』および『トムキャット』というオールディーズが,若者や最新鋭機にケンカを売って勝ってしまう映画」

「リアル戦争中に不謹慎」だとか,「トムのありえない強さでリアリティが」とかの感想はどうでも良い.
これ以上ない,究極のおっさんファンタジー・ムービー.
超オススメです.できれば4DX推奨.