『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を観てきた

2026/2/1 Sun

もう実写でよくね?

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いよいよ公開となった『閃光のハサウェイ』第二部こと「キルケーの魔女」
SNSの流れ投稿や動画サムネすら油断ならん時代.
ネットでネタばれを喰らう前に早々に鑑賞.

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』

前作や小説版からの考察は以前記事にしている.

『閃光のハサウェイ』を読んでみた~第二部以降を勝手に予想

※以下,ネタばれ含みます.

圧巻の出来.

「3部作の中編は中だるみする」というジンクスがあるとかないとか.
いや,そうでもないか.
始まりと終わりのつじつまさえあれば,自由にアレンジ可能という面もある.
『哀 戦士』『帝国の逆襲』も面白かったな.
ただし『最後のジェダイ』,てめーはダメだ.

そんなことはさておき,『ハサウェイ』には原作本があって,富野監督自身も「原作のままだと面白くするのが難しい」とか言ってらしたようで,大幅なアレンジが期待,もしくは懸念された.

原作本を何度も読み込むほどのオタではないので,少々不確かだが大筋に変化はなかったと思われる.

まずはメカ描写について.

原作からのアレンジとしては終盤のエアーズロックにレーン(作中きっての常識人)が参戦したことくらい?
しかもペーネロペーではなく,新型に乗ってときた.
これは間違いなく財団Bの陰...いや忠...いや要...いやアドバイス.
ただでさえメカの種類が少ない物語に新型を投入するためだろう.
まさかこいつの発売が壮大な前振りだったとは...

METAL ROBOT魂 Ka signature 量産型νガンダム(フィンファンネル装備)

間違いなくオプションパーツがプレバンで出るな.
そのうち,ガンプラも発表されるとは思うが,公開日には音沙汰なし.
『ジークアクス』同様,最近の財団Bは売り時を逃しまくっているような気がしないでもない.

それはともかく,例によって戦闘シーンへのこだわりがとんでもない.
メカごとに異なる動きや音はもちろんのこと,一人称視点の緊張感や臨場感が半端ない.
ディスプレイの表示や警告音,パイロットの挙動も含めて360度コクピット演出の最高峰.

ただし,一作目同様にMSの戦闘シーンは全て夜.
光にやたらこだわる演出のせいで,機体が真っ黒でディテールがさっぱり見えない.
ミサイルの爆発で一瞬照らされるだけ.
「えーい,リアルはいいから,もっとMSを見せろ!」と心の中のテム・レイが叫ぶ.
リアル演出的にはありなのだろうけど,さすがに欲求不満.

おかげで例の新型も,ずーっとペーネロペーの外装を変更しただけと思ってた.
独特の怪鳥音もしないし,動きもギャプラン的な直線軌道で違和感だらけだったんで気付くべきだけど.
クスィーに外装ユニットを壊された後のシルエット,そしてアムロの幻覚...ハサウェイを精神的に追い込むための特大アレンジだった.

まさかと思うが発売日が重なるこいつの販促も兼ねてる?

そして,5年前は全然かっこよく思えなかった”裃ガンダム”ことクスィーが,妙に欲しくなってきた.
ビームバリアのテストを兼ねた海面からの浮上,戦火の町上空の浮遊遠景や,ラストの肉弾戦など見ごたえありあり.
ラストのマスク割れでチラ見せするへの字スリット.
そのうちνガンダム顔のパーツが付いた新作が発表されるかも.
最近は実店舗でもよく見かけたクスィーだが,映画公開後は売り切れ⇒再プレ値化しているのが面白い.

で,メカの話はここまで.
次はストーリーとキャラ描写について.

冒頭,海に沈んでいくクスィー.
緊張するハサウェイ(『Z』で溺れた経験あり).
ここでタイトルとOP.
まるでダニエル・クレイグの『007』が始まったかの様.
クリストファー・ノーラン風味の,洋画を意識した画作りが今回もてんこ盛り.

『鬼滅』に代表される,キャラが己の心境や感情を全て説明する昨今の風潮とは真逆.
ちょっとした表情や目線,仕草,小物の扱いを含めた演出でこちらに理解を迫ってくる.
一瞬たりとも見逃せない,そして思考をやめさせない.

最も印象に残ったのが,横になったハサウェイの隣でケリアが食事をする場面.
事前のやり取りからして,もう二人の関係が終わっていることは分かるのだが,それに追い打ちをかける描写.
ケリアの口元がアップで,ソースがべっとり.
咀嚼音がやたら響いて,それを聞いたハサウェイが嫌悪感たっぷりの表情が映されたりと...そうそうパートナーのこうした生理現象が気になり始めると,もう修復不可能.無視するか諦めるか別れるか...
後半の回想シーンでは流産していた描写もあったような気がする.
そして徐々に短髪になっていくケリア.
壊れていくハサウェイ自身とその人間関係.

香港で愛人の訪問を待つギギ.
豪邸,美食と贅沢し放題.
地位も金もあり,何をしても許されるポジション.
でも満たされない.
地の文で語れない映像作品だからこその表現が素晴らしい.

ギギの名前は「疑義」から来ていると何かで読んだが,己の人生に対してなのか,他人に対してなのか.
同時にクエスは「クエスチョン」説もあるらしい.
かかわるとやっかいどころか,マフティーそのものが崩壊するのはわかっていても,惹かれるハサウェイ.

今作ラストでは「心だけで悶々」から「肉の実感」へ.
『新訳Z』だと,後者でハッピーエンドに改変された.
次作の冒頭は(クスィーのコクピットに続き)ハサウェイとのベッドシーンで始まると予想.ベタかな.
一見,爽やかに終わった青春映画に見えるけど,代々,不安定もしくは敏感な者同士(≒ニュータイプ)の出会いには悲劇しかない世界.

『閃ハサ』は全共闘学生運動のオマージュ.
ゆえにマフティーが若者だらけで,チャラくて,ノリで戦っている様に描写される(一方で戦地オエンベリでは妙に冷静なのが怖い).

いずれにせよ,マフティー勝利後のビジョンが全く見えない.
まっ,歴史上,暴力革命が上手くいった試しなし.
『逆シャア』でのアムロの名言もある.

「革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるから、いつも過激なことしかやらない。しかし革命の後では、気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を引いて世捨て人になる」

ダメ押しに,イマジナリー・アムロに対して「ならば、今すぐ愚民ども全てに英知を授けてみせろ!」という,シャアのセリフを言い放ってしまうハサウェイ.

こりゃ生存ルートはありえない.
原作通りの最期,待ったなしでしょう.
処刑までの描写や会話をどう見せるかが大変そうだけど.

それに話を突き詰めると『銀英伝』「堕落している民主主義と,善政の帝国主義のどちらがマシ?」と同じになってしまう.
そうなれば,もう「ニュータイプ」も「ガンダム」もいらない.

いずれにせよ,前作同様,噛めば噛むほど味が出るスルメ映画なのは間違いない.
ではもう一度劇場で観るかと言われると...IMAXだと画面の暗さは気にならない説もあるが,旭川にそんなものはねぇ.
機会があれば札幌のIMAX劇場で戦闘シーンを堪能しますか.

余談だが,単純に娯楽作品としては『ジークアクス』の方が満足度は高かった.
あれは反則.
特典商法にのせられて劇場に4回行ったしな.

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』を観た~開始0.5秒で泣ける

そういやこっちもテレビ放送終盤の『逆シャア』オマージュがすごかったな.
サンライズのスタッフ,どんだけ好きなんだ?

次の第三部も5年後?
今度こそ副題は「サン・オブ・ブライト」か.

その日まで,ガンプラ作って待ちます.
気分的には「クスィー」だが,手元にはない.
『閃ハサ』系で唯一持っているプレバン限定の『メッサーF2型マインレイヤー装備』に手を付けますか.

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