2024/3/23 Sat
ザ・茶番.
前回はこちら ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day6 高雄~墾丁(その2)
晴れ時々曇り.温度:24 ℃,湿度:85%,体感温度:27 ℃,風速:16.2km/時,風向:SE
昨夜のうちに今日の目的地は決めておいた.
東海岸,台東市の手前にある「知本温泉」(Zhī běn wēnquán)である.
台湾には統治時代に日本人が開発した温泉があちこちにある.
この旅の間,一度くらいはどこかに入りたいとずっと考えていた.
知本温泉は,ここ墾丁から最短距離で140kmほど離れている.
これだけでもかなりの距離なのだが,さらに山越えを含むため獲得標高も1500m近くになるはず.
加えて...これは台湾最南端を経由しない場合の距離でもある.
もし,「最南端」を含めると走行距離は160km近くになる計算.
うーむ.普段の練習で乗っているDOMANEやEMONDAなら大したことはないのだが,いかんせんクロモリ+荷物満載の激重SURLY.それに南国の暑さとこれまでの疲労が足かせ.
いずれにせよ,本日がクイーンステージなのは間違いない.
それが心配だったのか5時過ぎに起きてしまった.
疲れているはずなのに睡眠時間が短い.
ホンマ,ショートスリーパーやねー.
外に出る.
夜間,少し雨が降ったようだ.
チャリが濡れていた.
チェーンルブを挿し,タイヤの空気圧のチェック.
今日になって気付いたが,このチャリ,前輪が仏式,後輪が米式という変則仕様.自前のポンプだと面倒だったかも.
朝食券に書いてある「魔法厨房」まで歩く.
6時には食事を提供してくれるらしい.
実はKazchariは旅好きのクセに方向音痴.
方向感覚が怪しく,店の場所がわからん.
作業車に乗っていたにーちゃんに場所を尋ねる.
親切に探してくれる.このあたりはやはり日本人っぽいな.謝謝.
で,発見.
いくつかの選択肢のうち一番下のセットを注文(適当).
「これでいいか?」と言われて出されたドリンクは「甘くない豆乳」だった.
そして出てきたのはサンドイッチっぽいナニカ...不気味なモノがはみ出ているが...
な,なんとKazchariが地球上で最も苦手とする,いやヒトの食物と認めていないキュウリ山盛りのサンドだった(泣).
もちろん丁寧に取り除かせていただく...(朝食なしにすれば良かった)
さて宿に戻り,全てのパッキングを終えて宿を出発したのはなぜか7時30分.
のんびりしすぎだ.
実は出発寸前まで最南端を諦めて昨日来た道を戻り,本日の目的地である「知本温泉」までの最短ルートを走るつもりでいた.
だがしかし,細い路地を抜け大通りに出た途端「やっぱり最南端行きに変更!」というまさかのどんでん返しで右折する.
良く言えば柔軟,悪く言えば優柔不断な性格が爆発してしまった.
そんな装備,いやノリで大丈夫か,Kazchariよ?(後にこの性格が大事件を引き起こす)
一応,脳内で演算.
ここから最南端までは往復で約18km.
平均速度および向こうでの滞在時間を含めて1時間もあれば「最南端」までの往復も可能.
それくらいなら問題ない...はず.
不思議なことにGoogle先生は最南端から東側を進むルートを表示しない.
地図上,細くてカーブだらけなので推奨しない方針なのだろうか.
幸い懸念していた強風はなく,むしろ追い風.
いい感じで進む.
途中「日の丸をバッグに挿すのを忘れてた」と一旦停止.
パニアのフタを開けて取り出す.
そう,この時だ.
パニアのフタのロックをし忘れたのだ.
次に停止した際にそれに気づき,パニアの中身をチェック.
何かが足りない.
サ,サンダルがないッ!
そう,日本から持ってきた,もう15年以上使っている(要はボロボロ)のKEENサンダルがなくなっていた.
出発地点から既に5kmは走っている.
その間,寄り道はしていない.
つまり,このまま引き返せば見つかるはず.
ただし反対車線から発見できるか?
「もう新しいヤツ買うたらえーやん」と悪魔のささやき.
あかん! あれだけ足に馴染んだサンダルはあらへん!
そう,迷っているヒマはない.
「絶対見つかるッ!」と祈りながらUターン(北向き).
ロックし忘れた=「日の丸」を装着したポイントまで戻る.
見つからん.
さてどうする? ここで問題だ.
この時間がない中で,どうすべきか?
2択-どちらか選びなさい.
答え①
ハンサムなKazchariはもう一度Uターンし,サンダル探しつつ最南端を目指す.
答え②
サンダルも最南端も諦めて北上,最短距離で東海岸を目指す.現実は非情である.
冷静に判断するなら②だろう.
しかし,Kazchariが選んだのは①!
「『最南端に行く』『サンダルも見つける』『両方』やらなくちゃあならないってのが環島チャリダーのつらいところだな』覚悟はいいか?オレはできてる」
再度Uターン(南向き)し,必死の形相で再び右車線を走る.
数キロ進むと...なんと見つけてしまった!
思えば,台湾到着初日の「悠遊カード紛失事件」.
今,そのリベンジを果たした感!(そうか?)
紛失から発見までに要した時間は約30分.
まだUターンして「北上する」という選択肢も残されているが...いいや,行くね,南だ! おっさんは南端を目指す!
遅れを少しでも取り戻すべく,脚を削って回しに回し,無事到着である.
いわゆる鵝鑾鼻灯台はまだオープン前なので,細い歩道のようなところを通って「台灣最南點碑」まで行く.途中の激坂と犬の猛攻は辛かった.
最南端の碑に着くと,台湾人のカップルがおられた.
いつも通り「撮りましょうか?」⇒「謝謝!(日の丸を見て)日本人?」⇒「リーベンで~す」⇒「あなたの写真も撮ってあげるわ」⇒「一緒に撮りましょう」のルーティン.いい旅だ.
さて,今回の旅の目標の一つである「台湾最南端」にかろうじて到達.
トラブルに見舞われつつも,この選択は正しかった...はず.
この旅もついに折り返しとなる.
あぁ,なんか既に走り切った感が強いわ(甘かった).
Day7(その2)へ ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day7 墾丁~知本温泉(その2)