2025/1/8 Wed
かまってあげる
物心ついた頃には,ネコがそばにいた.
幼児期のKazchariと一緒に写っている写真がけっこうある.
今から30年ほど前,実家には(何代目かの)2匹のネコがいた.
三毛ネコの「みう」と白ネコオッズアイの「るう」である.
印象に残るのはメスネコの「みう」.
捨てネコだった「みう」は,子ネコから育てたにも関わらず,なぜかやたらに凶暴で,飼い主にさえ,いつも「シャア!シャア!」と唸っていた.
そんな「みう」ではあったが,なぜかKazchariの就寝時にはいつも布団に潜り込んできた.
意外にも家族の中では一番好かれていたのかもしれない.ネコの基準はよくわからない.
そして,忘れもしない1995年1月17日.
早朝,まず「みう」が飛び起きて,Kazchariに爪を立てつつ,布団から飛び出して家の外に出ていった.
その後,あの激しい揺れがやってきた.
Kazchari家は本棚が倒れた程度で済んだものの,停電回復後のテレビで見た震源地の被害状況には絶句した.
外ネコでもあった「みう」は,しばらく戻ってこなかった.
この家だけが揺れていると思ったのかもしれない.
やがてKazchariは結婚して家を出,さらには日本を出て実家を数年間不在にした.
帰国して実家を訪れると「みう」の姿はなかった.
ある冬の朝,家の外に設置してあった洗濯機のそばで冷たく横たわっていたという.海外にいたKazchariへの連絡はあえてしなかったそう.
一説によるとネコはタヒぬ前に姿を消すらしい.
死ぬ前に姿を消すのは本当? 猫の老化と亡くなる前の変化を知って看取りに備える
記事によると,さすがにネコには「タヒ」を理解するだけの知性はそなわっていないそうなので,「みう」の行動は,老いにともなう低体温ゆえの寒い場所へ移動という極めて本能的な行動的となるのだろうか.
とっくに15歳は越えていたので,平均的なネコ生と言える.
「みう」の没後,しばらくして白ネコの「るう」も天寿を全うした.
最後まで仲の悪い二匹だったな.
いずれにせよ,今もネコ好きなのは変わらない.
飼ってこそいないが,旅先で見かけるとついつい追いかけてしまう.
ましてや人懐っこいネコに会えれば大当たり.
観光そっちのけで,その子と戯れているだけで満足だ.
そんな旅先ネコの中でも歴代最高だったのが,イースター島のゲストハウスにいたこいつ.
イスに座っていると膝どころか頭の上までよじ登ってくる.
そして“ふみふみ”攻撃.たまらん.ネコ好き瞬殺である.
さて,かようにネコ好きなKazchariなのだが,先日,不穏な話を聞いた.
知人の知人,要は他人だが,とある60代の男性がネコに噛まれたことが原因で,もうじき亡くなるかもしれないというのだ.
ちょ,待てよ.
狂犬病ならわかるが,ネコでもそんなことがあるのか?
なんと,“ある”らしい.
種類はたくさんあるが,中でも「カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症」の発症時の致タヒ率は驚愕の30%! 新コロですら0.6%程度なのに.
ちなみに他の30%を越えるような疾患には「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」がある.通称「人食いバクテリア」.怖すぎやろ.
まぁ,感染することはまれだと思われるので,それほどビクビクする必要もないかもしれんけどな.
かねて指摘されている通り,新コロ期間中,我々は感染対策をし過ぎたという説がある.
結果,ウイルスや菌を取り込まなさすぎたために,免疫システムがかなり弱っている.
以前は平気だった“敵”にも負けるかもしれない.
免疫獲得という面からすれば,清潔な環境で育ちすぎるのがよくないのは自明.
大人よりも新コロ期の子供たちの将来が懸念される.
とは言え,ネコは人のココロに平安をもたらしてくれる存在.
Kazchariとしては,再び飼いたい気持ちもあるが,ヨメさんや子供らはアレルギー持ち.
実際,以前,娘が旅先でネコと触れ合った後,目が腫れあがってエラい目にあった.Kazchariもここのところ触れていないので,反応が出るかもしれん.
つーことで,残りの人生で今後,自宅でネコと暮らすことはない気がする.
旅先で戯れるだけにしますか.