2025/1/7 Tue
連想ゲーム
時に西暦1992年.
会社員Kazchariは沼津に住んでいた.
そして,その年に行われた『アメリカ横断ウルトラクイズ』に出場した.
もちろん会場は東京ドームだ.
「ウルトラクイズ」については説明するまでもない...と言いたいところだが,今の若い人は知らんやろなぁ.
要は莫大な金と手間暇をかけた,今では実現不可能な一般参加型の超大型クイズ番組である.
まず,後楽園(後年はドーム)の国内予選で100名まで絞り,成田空港のじゃんけんでさらに半分,グアム,ハワイ経由後に10名前後がアメリカ本土に上陸できる.
アメリカ各地でのバラエティに富むクイズを経て,1名ないし2名が脱落していく.
(例外もあるが)1対1のニューヨーク決戦で勝てば,クイズ王の称号とクセの強い優勝賞品を獲得!
福留アナの「ニューヨークへ行きたいかぁー!」「罰ゲームは怖くないかぁー!」のフレーズはあまりにも有名.
Kazchariは小学生時代から毎回テレビで視聴(木曜スペシャル!).
いつかの出場を夢見ていた.
なにせ出場にはパスポートが必要なのだ.
で,満を持して応募した第16回大会.
約26,000名の参加だったらしい.
記念すべき第1問は,
「ニューヨークの自由の女神像,STATUE OF LIBERTYがアメリカ合衆国の硬貨に描かれたのは,1986年,100周年記念の時が初めてである.〇か×か」
毎回第1問は自由の女神に関するネタがほとんど.
今なら手元のスマホで即検索...となるのだが,そんなオーパーツは存在しない.
電話ボックスは長蛇の列.
知人に電話して百科事典などで調べてもらうも,それでわかるような答えではない.
結局,勘頼り.
Kazchariは「〇」を選択.確か1塁側スタンドに乗り込んだ.
さて,結果は...なんと正解!
そらもう大喜びで,隣に座っていた見知らぬおねーちゃんと抱き合って飛び跳ねた!(痴漢行為ではありません)
すかさず第2問.
これに正解すれば人工芝に降りられる!
「アメリカの象徴『自由の女神』.もちろんアメリカ海軍には,現在その名を持つ軍艦がある.〇か×か」
知らんがな.
〇と思うならスタンドに待機.×なら芝へ.
これまた勘を頼りにKazchariは芝へ降りた.
正解は...なんと「×」!
2問目もクリアしてしまった.
こうなると気分はもうすっかりアメリカ.
「3週間も会社休めるだろうか」とかのトラタヌ.
そして第3問.
「オリンピックのメダルとノーベル賞。両方とも獲得した人は1人もいない.〇か×か」
ボールを持って左右どちらかに走る!
Kazchariは〇の方へ走った.
さすがにそんなチートな人はおらんやろぉ...と思ったのだが...いたんだなぁ,これがッ!
それは英国のフィリップ・ノエル・ベーカー卿.
この方,1916年のアントワープオリンピックの1500mで銀メダル.
その後,1959年にノーベル平和賞を受賞されているのだ.
知らんがな...って,後で聞くところによると,界隈ではベタ問だったらしい.
ナナマル サンバツ (1) (角川コミックス・エース 245-4)
つーことで,残念ながら3問目で敗退.
ドームの外に追い出されてしまった.
次年度でのリベンジを誓うも...ウルトラクイズはこの16回を最後に終了してしまった.
一応,数年後(1998)に第17回として“今世紀最後”が開催/放送されたが,その時には,もはや情熱はなかったなぁ(全く記憶に残っていない).
そしてテレビからは一般参加のクイズ番組が減り,芸能人もしくは東大生がわちゃわちゃはしゃぐだけの番組だらけになった.
そこには「ウルトラ」に見られた濃密な人間ドラマは存在しない.
で,なぜ唐突に「ウルトラクイズ」かと言うと,年末大掃除の時にこんな本が出てきたのだ.
懐かしい.奥付を見ると1990年発行とある.
中には鉛筆での書き込みが多数.真面目に解答している過去のKazchariがいた.
当時は(今も)雑学好きだったこともあり,「アタック25」などへの参加を真面目に考えていた.名は忘れたが別番組のペーパークイズ予選を受けて落ちた経験もある.
「ウルトラ」名物の一つと言えば,その優勝賞品.
当時は懸賞金の上限が100万円と決められていたこともあり,その枠内で工夫を凝らした賞品が設定された.
懐かしい.
油田,飛行機,潜水艦,無人島など,一見ロマンあふれる賞品が並ぶのだが,どれもこれも「思ってたんとちゃう」的オチが用意されている.
中でも,第13回大会の「冷凍人間保存権」は異彩を放っている.
受領時のエピソードについては,優勝者の長戸さん自身が日記を公開されている.
これって人類の夢,不老不死に現状最も近い科学技術だろう.
『エイリアン』『アバター』などの宇宙旅行系のSF映画で多用されている.
放送から36年.残念ながら未だ実現化したという話は聞こえてこない.
にしても...「ウルトラ」のようなダイナミックな番組が放送されてた80~90年代.
テレビが,いや日本が輝いていた古き良き時代である(ただのノスタルジー).
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