『ゴジラ-1.0』を観た~時代やな

2023/11/4 Sat

多大なプレッシャーの中で

久々に劇場で映画を鑑賞した.
話題の『ゴジラ-1.0』である.

新コロ禍がほぼ明けて日常生活が戻り,人々のインドア娯楽の需要がなくなったのか,はたまたサブスクの普及によって,劇場公開作がなかなか話題にならなくなった.

かく言うKazchariも『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の2本は劇場に足を運ぶつもりだったが,「そのうち」と思っているうちに上映が終わってしまった.
あまり客が入らなかったのだろう.

で,『ゴジラ-1.0』である.

当たりはずれの落差が激しい山崎貴監督.
伝説の『宇宙戦艦キムタク』『ドラ泣き2』『DQⅤ』“やらかし”は記憶に新しいところ(個人の感想です)

一方,『アルキメデスの大戦』のような傑作もある.

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つーことで,前評判では「どっちの山崎や?」と喧々囂々だったが,いざ蓋を開けてみると試写会や初日興行で大絶賛評が続出.
これは早めに観に行って,Big Waveに乗るしかない!

公開二日目の最終回(20:30~)のチケットを購入.
さすが旭川,余裕で大スクリーンのいい席が取れたぜ!

で,鑑賞.
面白くないわけではなかったが,間違いなく比較されてしまうであろう大傑作『シン・ゴジラ』

Kazchari的には『シン・ゴジラ』の方が好みだった.

シン・ゴジラ

例によって,他者のレビューは一切見ずに感想.

※ 以下,いろいろネタばれ

舞台は1945~1947年の日本.
確か一作目の『ゴジラ』の公開(設定も?)は昭和29年だったので,それより前の時代.
つまり現代ではない=ロクな兵器がない.

『シン』と異なり米軍の協力(干渉)はない.
旧日本帝国軍の駆逐艦(タカオ!)や戦車は出てくるけど,これでどうやってゴジラを倒すのか?

おまけにゴジラは歴代最強レベル.
攻撃力というよりも無惨様なみに再生能力がえぐい.

「水圧&減圧作戦失敗後,口内特攻⇒爆破で頭部を吹っ飛ばす!」が作戦の要旨だが,とてもじゃないがこれで死ぬとは思えん.実際エンドロールでは...

ストーリーは以上です.

ドラマパート?
いや,長すぎる上にあまりのご都合に...うーん.

例によって邦画の悪い癖で説明セリフが非常に多い.
神木くんが島で起きたことを浜辺さんに告白するシーンとか.
詳細な説明必要?
観客は既に知っているのだ.

それに役者の過剰な感情&映画的表現.
ゴジラですら,わりと無表情・無痛覚な『シン』に対し,大砲が当たったら痛がるそぶりの『-1.0』

『-1.0』はあくまで逃げ惑う庶民視点.
政府も米軍もあてにならない.
ゆえに民間の力でゴジラを倒そう! おーっ!

例の伊福部マーチでテンション・マックス!

やばい.船の出力が足りん.
人情で船が集まったぞ!
みんなの力が合わされば,勝てるぞ! おーっ!
...王道っちゃあ王道.

一方の『シン』
住民視点の描写はほとんどなく,会議室や作戦本部でのおっさん達の会話劇で話が進む.
リアルシミュレーション&社会風刺的側面もあった.

何より『-1.0』を観ていて思うのは,ああ,最近の映画やなという点.

元々我々は玉砕=敗北の物語が好きなはず.
『新選組』『忠臣蔵』『特攻隊』をテーマにした作品は繰り返し作られ続ける.

山崎監督にしても『宇宙戦艦キムタク』で原作通りとは言え,『アルマゲドン』をやってしまった.
『アルキメデス』も大局にあらがえなかった主人公の物語である.

ところが今回の『-1.0』
主要なキャラは誰も死なない.
残酷描写を極力排し(冒頭の島ぐらい),それどころか確実に亡くなっている描写だったヒロインすら,実は生きてました演出.

機雷除去の4人組,小さな漁船で巨大な海洋生物と戦うなんて,まるで『ジョーズ』
一人足りないけどメンバー構成も船長,学者,警察(兵隊),海上をゴジラに追いかけられている構図,ボンベならぬ機雷を食わせる作戦もよく似ている.

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よって「こりゃ主人公以外は...」と思いきや...全員生還.

現実の社会情勢が不穏な分,創作物においてはハッピーエンドが求められているのだろうか.
また,全体的なテーマとして「戦争のおかげで精神的に死んだ人々のリベンジ」という側面も強いので全滅エンドはないか.

そういや,なんでゴジラは毎回日本,特に東京に上陸するんだっけ?
確かオリジナルの映画では,「太平洋戦争で亡くなった兵隊の怨霊が,ゴジラに乗り移っているので皇居を目指している」とかなんとか,そんな設定があったような(あいまい).

そういや重要なメカを忘れていた.
最終兵器「震電」だ.

機体の後ろにプロペラが付く,いわゆるプッシャー型.
プッシャー戦闘機と言えば『スカイ・クロラ』だな.
こういう試作機,異形のメカは男のロマン.

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神木隆之介は『仮面ライダーアギト』の子役.
浜辺美波は『シン・仮面ライダー』のヒロイン(主役?).

で,今回二人とも『ゴジラ』に出演ということで,残りは『ウルトラマン』ですね.
『シン・ウルトラセブン』待ったなし(意味なし妄想).

つーことで,『-1.0』がなぜここまで絶賛されているのか,正直よくわからなかったKazchariでした.

これからいろんな人のレビューを聴いたり,読んでみよう.
見方が変わるかな.

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