コロナ後の旅

2020/6/4 Thu

そうさ君は気づいてしまった

人生初の海外旅行.インドのバラナシ.1990年3月.大学の卒業旅行で訪れた.
貧乏旅行バックパッカーブームの真っただ中であった.
地球の歩き方』を片手にいかに安く旅行するかを競い,ハードな交通手段をあえて選び,陸路の国境を越え,ダニだらけのベッドに耐え,詐欺師と闘うなど数々のクエストをクリアし,自分の能力を試し,勝利に酔い,失敗しても何とかなるさとつぶやく.
愛読書は『深夜特急』と『ゴー・ゴー・インド』だった.

深夜特急(1~6) 合本版 Kindle版

新ゴーゴー・インド (日本語) 単行本

時は流れて2020年.新コロ後の海外旅行について,旅行業者やブロガーが次々に記事をアップしている.

まず,悲観的な意見として,

【航空運賃が高くなる】
感染対策への巨額投資.
座席数を減らす=客数が減ることで,コスト増
格安運賃,LCCが消滅することにより競争原理が働かなくなる.
オンライン会議が普及し,企業の出張が減る.

【終息までまだまだかかる】
先進国はともかく,Kazchariが好む途上国や秘境では新コロ終息に,より時間がかかる.一説にはワクチンの完成が2020年末.全世界に行きわたるのが2021年末…

【入国手続きが大変】
これまでのように日本のパスポートホルダーならほぼフリーパス…ではなくなり,健康状態に関する検査や聴取が煩雑になる.

【外国人差別】
客商売ならともかく,一般の人の外国人観光客への視線が厳しくなる.息が詰まりそう.治安も悪化しているかも.

次に楽観的な意見

旅ホリック,旅しなければ生きている意味がないと感じる人々が,反動によって大挙してでかける可能性がある.特にバカンス大国のヨーロピアン.
日本政府も検討中のようだが,旅行クーポンの発行などにより,航空運賃の値上げがペイできる.
また,多少料金が上がったとしても,以前よりお得感がある.つまりダイビングに関して言えば,しばらくヒトが海に入らなかったため,かつてないほど自然環境が回復しているらしい.

Kazchariもここ十何年,毎年海外旅行に出かけていた.
最近は旅行会社の海外ダイビングツアーに申し込むことが多い.何しろ楽.日本人経営のショップだと,英語すら使わずに全てがスムーズに進む.ダイブクルーズに至っては寝るか食べるか潜るかしかできない.

何もかも自分で手配する方が,安くて融通がきき,面白いプランが組めるのはわかっている.
しかし,Kazchariも一応社会人なので帰国できなくなるような不測の事態はなるべく避けたい.

しかし,ダイビングもたいていの有名どころ,行きたいところは潜ってしまった(ガラパゴスやココ島はまだだが).
そろそろ,昔に戻って古式ゆかしいパッカー旅を再開したくなった.

きっかけは最近楽しみに観ているこのシリーズ.

このYouTuberさんの旅,若き日のKazchariが1993年に10ヵ月ほどかけて回った東南アジア周遊コースによく似ているのだ.
もちろん,この動画ほど飛行機は多用しなかったが,ラオスの街並みなんて懐かし過ぎて涙が出た.一方でこの30年間の発展もしっかり感じた.
もう一度あの地に立ちたい.これも思い出補正にあたるのだろうか.

昔と今ではバックパッカースタイルもかなり変わったようだ.
以前は飛び込みで宿を探すことが普通.予約したくても方法がないし,電話があっても語学堪能でなければ電話での会話はハードルが高い
宿を確保できたらできたで,次は情報収集.
有名な安宿にはたいてい情報ノートがロビーにおいてあり,有益な(?)情報が得られたものだ.
もちろん直接会話による情報はより貴重.特にとんでもないへき地で日本人を見かけるや否や,もう互いにしゃべりまくる

今のパッカーは,それぞれが端末を持っているので,情報から予約まで全て事前検索.宿では個室にこもり,SNSにひたすらアップしたり,YouTubeでお笑い番組を観ていることが多いとか…

その行動を否定するわけではない.かく言うkazchariも次にパッカー旅に出るとしたら,必ずスマホを持参する.保証付きの便利さと安全は捨てがたい.
部屋にこもることはしたくない.けど,おっさんに話しかけられても,若いパッカーは引くやろうなぁ…日本語に飢えてなさそうやし

後,あれやな.若者が困っていたら周りは助けてくれる.おっさんだと,みんな冷たそう.そういう意味でも旅立つなら若いうちに

何はともあれ感受性が全く異なる.パッカー旅を経験できてよかった…って,まだ行けるで!

1990/3/24 アグラ-インド

コメントを残す