2023/5/21 Sun
始まりの一台
時に2006年.
Kazchariは”メタボ”と診断された.
ウエストサイズではなく,超音波による内診の結果であった.
それまでの立ち&動き仕事,しかもロクに食べなかった海外暮らしから一転,帰国後はデスクワーク中心になったのが原因であろう.
「こりゃいかん」と運動を始めることにした.
相手が必要,かつあまり唆られない球技系は選択肢にない.
筋トレ? 筋肉はつくけど痩せるのか?(当時は知識がなかった)
「そや!自転車はどないだ?」と,何かがきっかけで思いついた.
知り合いに自転車趣味の人はいなかった.
雑誌やらネットで少しだけ知識を仕入れて店(クランカーさん)に行った.
どうやらTREKというアメリカメーカーが有名らしい.
よくわからない製品はビッグネームにしとけば安心だろう.
店頭に置かれている車種に満足いかず,カタログを見せてもらう.
ハデハデなカラーリングの中,ブルーにシルバーのラインが入っただけのシンプルなグラフィックが気に入った.
「この7って何やろ? ランス・アームストロング? ああ何か名前だけ聞いたことがあるような...ツール・ド・フランス7連覇!? そりゃすごい」
程度の知識であった.
結局,取り寄せでこのフルカーボン・ロードレーサー「TCT5000」を購入.
¥280,000.当時は(今も?)立派な高級車である.
1週間で納車となった.
その間,ヘルメットやらウェア,シューズなどの用品をそろえる.
おっと,ペダルも最初からSPD-SLにした.
初めてのロードバイクは何しろ軽くて速かった(平地に限る).
それにホリゾンタルなフレームが美しい.
気のせいか,今のバイクよりもカーボンの作りが頑丈な気もする.
基本的な乗り方や暗黙のルール,マナーは全て独学.
週末は美瑛の丘を走り回り,慣れてくると朝練(20km)もするようになった.
やがて「美瑛センチュリーライド」「そらちグルメフォンド」「中札内グルメフォンド」などの,やや緩めなイベントに参加するようになった.
冬は乗らなかった.
圧倒的に負荷が足りないので,健康面への影響はあまりなかったが,悪化もしなかった.
重要なのはココロへの効果だろう.
自分が自分のカラダを操作しているという充実感が楽しい.
やがて10年が経過.
そろそろ新車が欲しくなり,2016年に「TREK DOMANE SLR」を購入.
ブルベやヒルクライム,ZWIFTなど,より沼...おっと趣味にのめり込むようになった.
自転車趣味が人生を鮮やかにしてくれた.
その基礎を作ってくれたのは,まぎれもなくこの始まりの一台,「TCT5000」だった.
STRAVA上のデータで16,855km.
記録前にも10,000km以上は走っているはず.
晩年はほぼギア固定(変速不可になった)で3本ローラー専用マシン.
つまり,すでに主役機ではなくなっていたこいつが,本日,永遠に手元を離れることになった.
自転車という,世界で一番楽しい趣味を教えてくれた「TCT5000」.
「ありがとう」...それしか言葉が見つからない.
...そして,迎えたニューマシン.
おや,このマークは?
視力検査?