2024/6/7 Fri
何を残すのか
今月20日に発売予定のPanasonicの新製品『LUMIX S9』が炎上中.
「LUMIX」製品サイトの画像、ストックフォト使用に批判 パナソニックは謝罪「誤解を与える画像使用だった」
やっちまいましたな.
さすがに「この写真はイメージだよぉ.このカメラで撮ったわけではありませんよぉ.だってどこにも書いてないっしょ!」は通用せんやろ.
ましてや,別メーカーの別レンズで撮ったとなれば,この機種で同様の写真が撮れるとは限らないと自ら宣言.
「それやったら,そのメーカーのカメラ買うわ」が素直な反応.
こだわりの趣味製品の宣伝広告として最悪.
この話題,一応,写真撮影を趣味にしているKazchariも無縁ではない.
Kazchariは昔からOLYMPUS(現OM SYSTEM)ユーザー,ようするにフォーサーズ使いである.
カメラに詳しくない人にはさっぱりかもしれんが,この「フォーサーズ」とはデジタルカメラのイメージセンサー規格のこと.
いわゆる一眼カメラには,フィルム時代のサイズに準拠した「フルサイズ」,それより小さい「APS-C」,そしてこの「フォーサーズ」という一番小さなセンサーがある(これより小さいとコンデジ).
各メーカーはそれぞれのセンサーサイズに対応したボディやレンズを販売している.
ユーザーの用途に応じて複数サイズを展開しているメーカーもあるが,我がOLYMPUSは「フォーサーズ」一本.
それに合わせてKazchariの所有レンズも,レフ機用の「フォーサーズ」かミラーレス用の「マイクロフォーサーズ」である(アダプターで互換性あり).
で,Panasonicも,今回話題の『LUMIX S9』はフルサイズ機だが,別ラインナップでマイクロフォーサーズのボディ,レンズを販売しており,Kazchariもいくつか所有している.
ただし,フォーサーズ機のシェアは小さい.つまり売れていない.
理由は色々あるが,やはりセンサーサイズが小さいと,フルサイズに比べ画質がイマイチ...と思われてしまっていることだろう.
理論的にはそうなのだが,肉眼レベルやと全然わからん.
素人の腕で差をつけるのはさらに難しい.
宣伝戦略も失敗している.
かつてOLYMPUSはニューボディを発売する度,「フルサイズに迫る画質」と連呼してきた.
「迫る? 越えてない? じゃあ,フルサイズでいいじゃん」が素直な反応.
そら買わんわ.
そして,世間的に“キレイ”と言われる写真には特徴がある.
被写体深度の深さ,つまり主題くっきり,背景・周囲ボケボケ写真のウケが良い.プロっぽい(偏見です).
こうした写真はセンサーのデカいフルサイズ機だと”比較的”簡単に撮れるのだ.
一方でフォーサーズの被写体深度は浅く,いわゆるパンフォーカスになりがち.
風景写真にはいいのかもしれんが,ポートレートだと厳しい.
「これならスマホと変わらん」と思われても仕方がない(アプリ処理しやすいし).
フォーサーズ機でもボケボケ写真を撮る方法はあるにはある.
明るいレンズを使うとか,望遠で撮るとか...あかん,金かけさせたり考えさせたりする時点で負け.
この辺りの話も実はPanasonicはわかっていて,
LUMIX S9をフルサイズにしたのはカメラのリテラシーが低い人にはm4/3は使いこなしが難しいから
などと発言してたりする.過激だ.
「リテラシーが低い人」は¥20万するカメラは買わんと思うが.
いずれにせよ『LUMIX S9』は炎上=話題になった.
これで売れたら面白いな.まさか,パナ広報の策略だったりして.
一般人にも注目されたわけやし.
そんな騒動はさておき『LUMIX S9』は良いデザインだと思う.
ファインダーもなければ内蔵ストロボもない.
カメラカメラした「一眼レフ」とは一線を画すデザイン.
グリーンやブルー,レッドの革張りもおしゃれである.
最新のフルサイズセンサーなので画質が悪いはずもない(はず).
ありゃ?
そういやKazchari,似たようなコンセプトのカメラ持ってたわ.
これは「マイクロフォーサーズ」機.
かわいい&かわいい.超かわいい.
フォーサーズの最大のメリットである小型ボディを極限まで追求したのがこの『LUMIX GM1S』である.
しかも『9S』にはない内蔵ストロボ付き.
Kazchariは『GH4』も所有.
こいつらが同じサイズのセンサーとは...
で,この『GM1S』に巨大レンズを付けると...
このアンバランスさも魅力(そうか?).
まぁ,主力機であるOLYMPUSとは操作インターフェースが違い過ぎて,非常に困るのだが.
とかなんとかカメラを話題にしているものの,最近これらを使った本格撮影はすっかりご無沙汰.
「仕事」なら一眼を持ち出すが,趣味の写真はスマホ(冬はコンデジ)ばかり使っている.
何しろ手軽.ゲージュツ写真にはなりにくいが画質も十分.
いわゆる”カメラ”をチャリで運ぶのは重くて億劫なのだ.
そんな中,先日リアル書店に出かける用事があった.
一時的なのかどうかはわからんが『DIVING WORLD』が復刊していたので,中身をチェック(要は立ち読み).
DIVING WORLD Magazine(ダイビングワールドマガジン) ISSUE01 (メディアパルムック) ムック
写真にのめり込むきっかけが「水中風景」にあったKazchari.
久々に見た最新の機材・技術で撮られた海の被写体たちの美しいこと!
忘れかけていた写欲が喚起され...でも,もはや水中に何キロもあるような機材を持ち込む,いやそれどころかダイビングを再開する気力は,正直枯渇したなぁ.
誤解を恐れずに言えば,地上以上に嘘(=肉眼とは異なる)写真が多いからなぁ...水中は.
そういや,高校最後の思い出として「写真甲子園」への出場をもくろんだ我が娘.
見事に写真審査で予選落ち.
そらそうやろな.
戦略がなければコンテストの入賞は難しい.
はたして以前のような写欲がよみがえることはあるのか.
カメラ趣味ではなく,写真趣味に戻れるのか.
たぶん肉体的にチャリに乗れなくなったら復活かなぁ(いつの話?).