モンキー125で下川町のカフェへ

2022/4/10 Sun

Love & Peace.

iPhone11 Pro

今日はモンキー125でツーリング.
さぁ,どこへ行こう...おっとその前にドラレコの位置を変更.

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これまではリアキャリアの裏側に逆さ付けしていたのだが,粘着力が弱いのかポロポロ落ちる.
幸いコードの固定をしっかりしているので落下⇒紛失はない.
ただブラブラしていては,いざという時の画像が取得できない.それでは意味がない.
ゆえにフェンダーの上に移設.
さすがツルピカ面.強力にくっついている.

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最初は海を見に行こうと思った.
でも,他に行ってみたい場所を思いついた.
先日放送された,Kazchariもエキストラ出演した『チャリダー』

NHK-BS『チャリダー』に出演&観た

その前半に,猪野さんがマイラさんと,下川の”とあるカフェ”を尋ねるというパートがあった.
そのカフェに行きたくなった.

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自宅を出発し,国道39号経由で40号へ.
そこからはひたすら北上.
法定速度で走っているとバンバン追い抜かれる.
まぁ,モンキーなのでこのトコトコ走行が良い.いざ,本気(トランザム!)を出せば...ヤメトコ.
結局,和寒のセイコマで小休止.

なぜか4Gの電波が悪く電子決済ができなかった.
やはり現金もまだ必要やな.

ここでナビ(iPhone7)をセット.
以前も書いたが,振動による故障を防ぐためツーリング時はスマホ2台持ち.
それをダンパーを介したマウントで固定.
ちなみにこの「iPhone7」も,ゲオで買った中古SIMフリー品である.

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この組み合わせが実に便利.

さて,そのナビ(Google MAP)は,まさしく,チャリダー収録時のロケ地である風連小中学校に向かうルートを示してくる.
そのまま向かっても面白くないので,面白そうな道に寄り道.

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やっぱりこのマフラーいいなぁ.

モンキー125のマフラー,これにしました

iPhone11 Pro

で,懐かしのロケ地,風連小中学校着.
2ヶ月経って,雪もすっかりなくなった.

いただき画像 2/11撮影

日新地区を過ぎていよいよ下川町へ.
結構な距離走ったなぁ.ロードバイクやったらヘロヘロ.
「万里の長城はこちら」という,面白い看板を発見.
またしても寄り道.

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iPhone11 Pro レトロフューチャーな塔

うーん,なんとも言えない.
人口3,800人の町に,莫大な予算をかけて作るべきものだったのだろうか?

近くには「五味温泉」もある.
もう少し暖かくなったらタオル持参で来てみよう.

いよいよお目当てのカフェに向かう.

iPhone11 Pro
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噂には聞いて(見て)おりましたが,なかなかの佇まい.
大雪が降ると心配になる.

そう,ここはカフェ モレーナ

クルマが数台止まっていたが,それほど混んではいないようだ.
うわさの巨大犬と茶色いネコがお出迎え.

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中は意外に広い.
ぼっちなので,厨房すぐ前のテーブルに案内される.
拡大鏡やらなんやらが置きっぱなしなのが,風情をかもしだしている.
そう,懐かしいのだ.元バックパッカーには.

メニューは壁にピンどめされているとのこと.
ここはやはりカレーでしょ!っつーか,基本的にカレー2種類のみが食事メニュー.後はドリンクとケーキ.
「オニオンとひき肉のカレー」にした.いや,「カリィ」なのか?

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はい.出てきました.
一口食べて...美味い!と思わずつぶやく味.
これはオススメ.
やはり,これは「カリィ」.
最近できたというお店のホームページには,材料へのこだわりが書かれている.

『チャリダー』出演の話と,Kazchariも元パッカーであることを明かすと,マスターと話が盛り上がる盛り上がる.
年齢にして24,5歳差があるのだが,やはり似たような経験をしているものだ.

南米の魅力,アフリカのキツさ.
カオサンの「ジュライ」と「楽宮」,カルカッタの「パラゴン」「サルベーションアーミー」,ナイロビの「NEW KENYA LODGE」...何もかもみな懐かしく,そして楽しかった.

若者最大の武器は,文字通りの若さと怖いもの知らずの無謀さ.

若者は助けてもらい,許してもらえる.
自分がやりたいことに堂々と挑戦できる.
失敗してもやり直しが効くから.

そして,自分の中に(旅の)経験という資産が蓄積されていく.
こいつだけは決して暴落しない.

番組でも気づいていたが,ご主人は12年ほど前に脳卒中になり,左麻痺の後遺症が残ったとのこと.
実際,歩き方は相当ぎこちない.
かつては店内の段差で転ぶことも”あった”という.そう,過去形なのだ.
医師が驚くような回復ぶりを示したという.

特に左手の回復が素晴らしく,番組でも披露されていたがギターが引けるようになった.
リハビリとは「専門家に”してもらう”モノではなく,自分で”する”こと」を見事に具現化されている.

人間は「やりたいこと」「やらなければならないこと」があると...強い.

iPhone11 Pro マスターの著書
iPhone11 Pro 看板ネコのアーレスティ
iPhone11 Pro 見た目どおりの長毛種で,セーターが...かわいいのでヨシ.
iPhone11 Pro
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途中でお客さんもガシガシやってくるのだが,そのほとんどが常連さんっぽい.
(帰宅後,ヨメさん曰く「安否確認ちゃうか?」 ← おいおい)

Kazchariも,名刺をいただいたり,SNSの承認申請したりと,その仲間入り?
ここはもしかすると第二の「ルイーダの酒場」なのか?

ロードバイク練開始.目的地はルイーダの酒場ライド

2時間近く滞在後,帰路につく(最近このパターン多いな).
もちろん,往路とは異なるルートを選択.

iPhone11 Pro
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まだ15時頃なのだが,太陽の姿はなく,山中に入り両脇が雪状態でかなり寒い.
バイクウェアの下はセーターだけだったが,追加でウインドブレーカーを着込む.

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「冬期通行止」の看板が出てきた.
愛別に抜けるルートは通れるようだが,そこには1km越えの長いトンネルがある.
大丈夫とは思うが,凍結(転倒)回避のため,一旦国道に戻るルートを選択.
無事に帰宅するまでがツーリングなのだ.

途中,剣淵町の桜丘湖に寄る.
見事に全面凍結.
後,数週間で湖周辺は桜に覆われる.

iPhone11 Pro
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国道40号に戻ってからはひたすら南下.
気温はますます低下.
仕方がない.
塩狩峠のPAで,秘密兵器である「電熱ベスト」フォームにチェンジ!
ついでにグローブも「革」から「防寒テムレス」

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当麻町に入り,もうすぐ家か...と油断した頃,まさかの降雨
それも結構な激しさ.
この時期に夕立?

タンクバッグ,財布など濡れてはアカンものを,トップケースに放り込む.なんて便利!

♫ だけぇども,問題わぁ...レインウェアがない.
降水確率10%で降るか~!?

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旭川市内に入ると雨がやんだ.
んが,時スデにお寿司.
モンキー125の足回りはドロドロである.
明日は洗車やなぁ...

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つーことで最期に満タン給油.
本日の走行距離は213km.
消費ガソリンは...約3リットル.えっ?

ガソリン料金高騰の折,この驚異の燃費はありがたい.

それにしても,オートバイもチャリも2輪は楽しい.
でも,所有しているだけではダメだ.
旅に出るべし.なるべく遠くへ.

7h33m / 213.0km

ジャークチキンがコンビニで?~ジャマイカの食べ物

2022/3/15 Tue

そーいや,全然食べてないわ.

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某SNSでのつながりに,青年海外協力隊のジャマイカ時代,同時期に活動していた隊員がいる.
彼女は元々が大のジャマ好きで,今でも関連投稿をよくする.

その彼女が先日「セブンイレブンからジャークチキンサンドが出た!」と投稿していた.

以下,引用.
―――――――――――――――――――――――――――

美味 一般ピーポーにも買って貰えるスパイス量だけど、スパイス内容はジャマイカ本場スタイルから遠く離れていない。これが街角でこの値段で買えるって素晴らしい。お試しあれ

―――――――――――――――――――――――――――
「ジャークチキン」とは,ジャマイカの名物料理.
スパイスやら何やらに漬け込んだ鶏肉を炭火焼きする料理である.
食堂をはじめ,屋台や道端でドラム缶を半分にぶったぎったグリルで焼いていることが多い.

Nikon Coolpix950 / 2002年撮影

店や個人ごとに味付けにかなり違いがあるものの,作るにしても食べるにしても失敗しようがない料理と言える.
ネットで検索すると様々なレシピが出てくる.

つーことで,そのセブンイレブン製の「ジャークチキンサンド」を早速買ってきた.

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開封する.
もちろん冷えている.
これは温めた方が絶対美味いヤツ.
トースターで2分ほど焼く.

iPhone11 Pro

一気に見た目アップ.

食べる.
確かに美味い.

本格的かどうかと聞かれると...パンチ,つまり辛さが少々足りない気もする.
まっ,そこは個人の好みで味付け.
デスソースをかけるとか...

ブレアーズ ホットソース サドンデス ジョロキア デスソース 150ml

この「ジャークチキンサンド」はおそらく季節限定品.
見かけたら買うべし.

もちろん,ジャマイカ・ビール「レッドストライプ」も用意すべし.

Jamaica beer ジャマイカ ビール レッドストライプ 330ml/24n

さて,ここでジャマイカ滞在中の2年間の食生活を思い出してみる.
まず「ジャマイカ料理」でネット検索.

現地で絶対食べたいおすすめジャマイカ料理10選

このサイトで紹介されている料理が一番イメージに近いかも.
ジャークチキンに次に「アッキー&ソルフィッシュ」も有名だが,こちらはほとんど食べたことがない.よって味も覚えていない.

↓これが生で食べたらあかん「生アッキー」

Nikon Coolpix950 / 2002年撮影

そして,旅行者ではなく居住者だったので,朝晩はほぼ自炊.
Kazchariが住んでいたのは,人口6000人ほどの地方都市セントアンズベイ.

ここの公立病院に勤務し,敷地内にある寮で寝泊まりしていた.
幸い冷蔵庫があったのでスーパーで肉や卵を買っても保存できた.

まず朝食.
トーストにジャムを塗って食べる.
サイズがやたらに小ぶり.

Nikon Coolpix950 / 2002年撮影

昼は病院の売店.
「パティ」をほぼ毎日.
これとコークなどの炭酸.
よくこれだけで保ったものだ.

Nikon Coolpix950 / 2004年撮影

休みの日などで町に出た時はファーストフードのハンバーガー.
日本にも進出している「バーガーキング」がお気に入り.

Nikon Coolpix950 / 2003年撮影

夜は自炊.
基本メニューはチャーハン.
まず米(長粒米)を鍋で炊く.
ブロックで買った凍ったチキン胸肉を必要な分だけ包丁で削ぐ.
レタス,肉,玉ねぎを適当に切る.
オリーブオイルで上記材料を炒め,中華ソースでからめて食べる.
まぁ...不味くはない.栄養が摂れれば良し.
何度作ったことか...

Nikon Coolpix950 / 2002年撮影

ベーコンが手に入った時は「巻かないロールキャベツ」

Nikon Coolpix950 / 2003年撮影

めったに売っていない「ひき肉」が手に入った時は「ハンバーグ」

Nikon Coolpix950 / 2003年撮影

日本から救援物資が届いた時は「カレー」作ったなぁ(ルーなんて便利なモノは売っていなかった).

Nikon Coolpix950 / 2002年撮影

どうしても,作る気がでない時はインスタントラーメン(香港製).

Nikon Coolpix950 / 2003年撮影

たまーに(半年に一度くらい)首都のキングストンに戻った時は,隊員宿舎で飲めや歌えの大宴会.
料理好きな隊員が色々作ってくれるので助かる.
何より日本語で会話できるのがうれしかったりする.

Nikon Coolpix950 / 2003年撮影

他にも,ローカル価格のため,格安で利用できるオールインクルーシブホテル.
もちろん食べ放題なので,ここぞとばかり肉,肉,肉.
とは言え,悲しい事に,普段のストイックな食生活のおかげで,そのいざという時あまり入らない...シクシクシク36.

とまぁ,思い返しても現地の名物ってあまり食べていない.
これは長期滞在のジャマイカに限らず,他の旅先でも同じかも.
例えばタイだと屋台のぶっかけメシばかり食ってる.

Kazchariはグルメに興味がない,もしくは味音痴?

違うな.

各種エスニック料理は日本で食うのが一番美味い.正にアレンジの妙.

話は変わるが,ジャマイカの国旗は超カッコよい.

構成もカラーも.
個人的に世界で一番イケテルと思う.

つーことで,セブンイレブンの「ジャークチキンサンド」おすすめです.

旅の回顧録~1993年のヴェトナム(5)

1993/4/10 Sat

南行きメンバー募集.

相変わらず書類がそろわない.
日々不安の中で過ごす.
何のために旅をする?
苦行の一種なのか?

「気にしない」と思えば思うほど気になってしまう.
なんとかなると思っていても,なんとかならない時があるのが個人旅行.
まるでロールプレイングゲーム.
決められた手続きをクリアしていけば,いつかはゴールにたどり着くのだろうか?

というわけで,サイゴンでの事務手続き地獄はまだ続く.

朝から大前田(T)さんと市内の公安オフィスを訪問.

その結果,大前田(T)さんは現状のままだと,やはり来週の月曜日には出国しなければならないらしい(警官によって意見が違うようだ).
とてもじゃないが,この後,陸路でハノイまで北上し,中国(昆明)に抜けるようなルート設定は日程的に不可能.
同様のルートでラオスに抜けたいKazchariも,今の滞在許可期間では全然足りない.

まぁ,こうした途上国,特に国がようやく安定し,これから観光業に力を入れようとする国に,手続き上の不備というか,いい加減さはありがちではある.

特にヴェトナムにおける個人旅行が解禁されたのは最近.
団体旅行ならまだマシ.
個人の個別事情にいちいち対処するのは,国としても面倒くさいのだろう.
(※これは日本大使館も同様と,この半年後に痛感する)

実際,今日会った空港inの旅行者は,なぜか一週間の滞在しか許可されなかったそうな.
この適当なシステムの被害者が日々増え続けているような気がする.

さて,公安からの帰り道に郵便局で日本の友人に絵葉書を出した.

そして少し大きめの百貨店へ.
◯◯市場と違って品揃えは...良いのか? 高いのは確か.
そこで,念願のコーヒーフィルター,新しいコイル電熱器(壊れたので2代目),コーヒー豆(ひいたもの)を購入.

さらにベンタン市場に寄って鉄製のマグカップも購入.
ふっふっふ,ついにヴェトナムコーヒーを楽しむための一式をそろえたぞ!

VAN CANHホテルに戻ると,以前会った新婚さんに偶然再会.
「最近,見ないなぁ」と思っていたが,何かの事情で一度バンコクに戻り,再びサイゴンに帰ってきたらしい.
金持ちは違うのぉ.

SINカフェに行き,これまでの手続き狂騒曲を説明.

今後予定している南部デルタ地帯のミトやカントー方面への遠征メンバーに誘うと,快諾.

夜は大前田(T)さんを交えてまたも中華街へ.
今日も食った食ったの一人17000ドン(安っ).

そして,ホテルに帰って作ったヴェトナムコーヒーは...あまりに苦かった.

(続く)

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その前日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(4)

その翌日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(6)

旅の回顧録~1993年のヴェトナム(4)

1993/4/9 Fri

希望から絶望へ

Konica 現場監督

事務手続きばかりで,一向に前進しないヴェトナム旅.

Kazchariと大前田(T)さんは,これからハノイまでできるだけ陸路を使って北上したい.
そのためには現状のヴィザ期限では短すぎるのだ.
その延長ができるかどうかわからない手続きのために,今日という日も消費されてしまうのか?

正に本末転倒.

しかし,これもまた,無期限パッカーにのみ許された贅沢とも言えよう.

とりあえず,入国許可スタンプ(?)とか関税申告書のことは一旦保留し,ヴィザの延長だけにターゲットを絞ることにした.

朝から大前田(T)さんとまた旅行代理店へ.
本日向かうのは,バンコクにて大前田(T)さんの「モク・バイ(陸路入国)」ヴィザを手配した店のサイゴン支店である.

シクロを使うと料金交渉にかなりHPを削られることがわかっているので,代理店まで歩くことにした.
甘かった.
大前田(T)さんはエベレストのベースキャンプまで一人で登れる健脚.
Kazchariはそこまでの体力はない.
足元はビーサンやし.

そう,なんやかんやで10kmは歩いた.ヘロヘロである.
ようやくたどり着いたその店は,若い娘三人が切り盛りしている雰囲気の良い,かつ良心的な店であった.

事情を説明すると,当局に掛け合ってくれるとのこと.
少々不安だが,パスポートを預けることになった.
ここは信用するしかないだろう.

三人娘に希望を託し,ファング・ラオ通りに戻り,ランチカフェ.

サイゴンはまだまだ旅行者のたまり場となる場所が少ないので,この通りのカフェで張っていると,すでに知り合いの旅行者によく会うのだ.
(※注:ネットや携帯のない時代)

サイゴンよりさらに南下し,メコンデルタ川下りツアーの船をシェアする相談を持ちかけるためである.
大前田(T)さんと二人だけだと,高くつくのだ.

しかし,今日に限って誰も来ない.
後日に期待するか...

さて,時間が余った.
「ホーおじさん記念館」に行くも昼の休憩時間.

ここで大前田(T)さんと一旦別れて一人,「戦争博物館」へ行くことにした.
入場料7000ドン.おそらくガイジン料金.

なんとも適当な展示方法.
ヴェトナム戦争で使われた武器が無造作に置いてある.

Konica 現場監督
Konica 現場監督
Konica 現場監督

他には,アメリカ軍による胸クソ虐殺写真や,「枯れ葉剤による奇形児のホルマリン漬け」が並ぶ.
ふと考えれば,この国,戦後からまだ20年も経ってないのだ.

旧大統領の館跡を過ぎて,隣の「革命博物館」も見学.
前知識があまりないので展示物を見てもよくわからない.
知っているのは「アメリカの傀儡政権である南ヴェトナムを解放するために,ホーチミンが北ヴェトナム軍を率いて,反政府ゲリラのヴェトコンと手を組み,アメリカ軍を追い出した」というぐらい(合ってる?).
無料なのは救い.
カンボジアの前に行ったラオスの首都,ヴィエンチャンにあった“赤い部屋”の方がずっとインパクトがあったなぁ.

15時過ぎに宿に戻り,部屋にいると,ちょうど代理店から電話がかかってきた.

曰く,Kazchariのヴィザは今すぐに延長可能.ただし2週間(短い!).

大前田(T)さんに至っては「モク・バイ」入国期限日から換算して1ヶ月オンリー,つまり来週月曜日には出国しなければならないという,理解し難い裁定.

「これはシャレにならん」と,2人してあわてて代理店に出向く.

3人娘には罪はない.
結局イミグレーションで直接直談判しようということになり,スタコラと3日前(もうそんなに経った!)に行ったイミグレを再度強襲!

しかし...全く相手をしてもらえず,翌日「公安」にて再チャレンジすることにした.

大前田(T)さんはほとんど諦めの境地にあるようだ.

夕食は今日も中華街へ.
食卓の友,ニョクマムがクセになってきた.かけまくる.

なんだかんだで博物館に行ったし,サイゴンをひたすら歩いたせいか,今日になってようやく観光らしい観光をした気がする.

そして気づいたこと...サイゴンの街はう○こがよく落ちている.
そして小便くさい.

懐かしい...そう,インドから香辛料の匂いを抜いた感じに近い.

(その5へ)

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その前日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(3)

その翌日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(5)

旅の回顧録~1993年のヴェトナム(3)

1993/4/8 Thu

これぞパッカーの1日.

Konica 現場監督

蚊がいた.
寒かった.
鼻水が出た.
朝食が美味かった.

カンボジアで日本人ボランティアが殺された.

SUNIMEXに行ったがラチがあかなかった.
(注:何のことだかわからない)

日本への手紙を出しに郵便局に行ったが,消印のみで切手を貼ってもらえなかった.

やはり入国許可スタンプや税関申告が気になった.
タンソンニャット国際空港に行くことにした.
行きはシクロでUS$2.5だった.
帰りはバイクタクシーでUS$1だった.
空港のイミグレでも何の進展もなかった.
出国カードの裏側に何かを書かれた.
税関申告カードもラチがあかず,「Big Problemだ!」と脅された.

バイクタクシーの親父と料金でもめて口ゲンカになった.
関西弁で怒鳴ったら逃げた.

「Cefe CaCa」で食事した.
2日前に会った日本人旅行者にビールを奢ってもらった.
同じく「モク・バイ」入国で書類が揃わず焦る日本人旅行者にも会った.
大学生だった.
日本人3人で中華街へ行った.
鴨の足を食べた.

雑貨屋で牛乳石鹸を見つけた.
日本製品の直輸入店だった.

ホテルの部屋に戻って,先程の旅行者と雑談した.

サイゴンに滞在して4日が経った.
何の観光もしていない.

(その4へ)

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その前日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(2)

その翌日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(4)

旅の回顧録~1993年のヴェトナム(2)

1993/4/7 Wed

フォーとケーキと

扇風機をつけながら寝ると体に悪いと言うが,暑さと蚊のせいで眠れないよりはマシ.

そう,昨夜はこの人工的な涼しさの中,ぐっすりと眠ることができた.
朝,少々頭痛が少々残るものの,胃は回復した.

この宿も悪くないが,より快適さを求め,大前田(T)さんと,近所にあるエアコン付きUS$5の「VAN CANH HOTEL」(注:声調記号は省く)を見に行く.
部屋はそこそこ良かったが,残念ながら共同トイレの水の出が悪かったので,エアコンはもちろん,シャワー/トイレ付きUS$9のツインにアップグレードした.
2人だと宿代が助かる.
「部屋が暗いからヤダ」と大前田(T)さんは最後までゴネてたけど.
いやいや,あなた,電気スタンド持ち歩いてるやん.

元の宿から荷物を搬送.

それにしても...エアコン付きの部屋なんて今回の旅行で初めてである.
実に快適.
チェックイン後,外で食事.
「ヴェトナムうどん」こと,フォーを食べることにする.

相場がわからないので,半屋台っぽい店で値段を尋ねる.
どこで聞いてもなぜか一律4000ドン(約40円).
これが,この近所のフォー固定価格なのかね?
地元民と同じ?
それともボラれてるのだろうか?

適当に座って「フォー・ガー」(鶏肉入り)を注文.
思ったほど美味くない.
日本を出て3ヶ月が過ぎ,そろそろ世界最強の「日本のうどん」が恋しくなってきた(禁句).

宿への帰り道,よくわからんが医療器具がやたらに置いてある店でタイ製の歯磨き粉を5000ドン(約50円)で買う.

ヴェトナムのホテルはお湯を用意してくれるのがうれしい.
持ち歩いているインスタントコーヒーが飲めた.

ヴェトナムには,有名なコーヒーセットがある.

illustACフリー素材

粉コーヒーを濾すのだが,これをどこかで手に入れたい.
その後,昼寝をしたり,日本へ手紙を書いたりしているうちに,サイゴンは夜の7時.

胃の調子もぐっと良くなり,食欲も出てきたので「シン・カフェ」まで出向き,東南アジアのメジャー食,野菜ぶっかけメシを食べる.

ナムプラー(?)の小皿もついてきたので,タイ料理のノリでドバっとかけると酸っぱくなりすぎた.
これがヴェトナムのニョクマムか.
以後,注意すべし.

食事の後,裏通りをジャラン・ジャラン(散歩).

店も並んでおり,それほど暗くはないが,これまでの国に比べ少し恐怖を感じた.
事前にサイゴンの悪いウワサを聞きすぎたせいか.

宿の近くのケーキ屋に寄る.
2個で2400ドンという激安品を買う.

部屋で食べると異様に甘かった.

(続く)

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前日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(1)

翌日 ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(3)

旅の回顧録~1993年のヴェトナム(1)

1993/4/6 Tue

Good Morning VIETNAM!

Konica 現場監督

カンボジアでの旅を終えたKazchari.国境でのゴタゴタを乗り越えて無事にヴェトナムに入国.
(注:当時の日記のリライトにあたり,「ベトナム」を「ヴェトナム」表記に変更)

旅の回顧録~1993年のカンボジア(完)

サイゴン(ホーチミン・シティ)にいる.

現在,体調最悪.
ヴェトナムの第一印象も最悪.

カンボジア,タケオの自衛隊訪問以降,少しずつ悪化していた体調がどうやら本日ピークに達したようだ.

まず,昨夜,激しい嘔吐と下痢に襲われた.
朝も下痢と頭痛.

部屋に迎えに来た大前田(T)さんに散々,「疲労だよ,疲労!」と言われ続けた.
Kazchari本人もヤバイ病気でないことを願いつつ,大前田(T)さんと一緒に,サイゴン散策に出かける.

観光というよりは事務手続きが目的.
まだまだ個人旅行客の受け入れシステムが整っていないヴェトナムでは,必要な書類や手続について,旅行者間であーでもない,こーでもないと推測合戦が繰り広げられている.

現状の懸念事項は3つ.

一つは国境でもらえなかった「関税申告書」
もちろん,税金がかかるようなモノは持ち込んでいないが,それならそれで出国時に半券(?)を渡す国が多い.

次に「滞在許可証」の申請可否.
ヴィザはもちろん持っている.
それとは別の書類が必要という噂が出回っていた.

最後に「ヴィザの延長」
今回,カンボジアにて「モク・バイ」という陸路入国も可能な特殊なヴィザをとった.
最大滞在日数は1ヶ月.
ヴェトナムにはもう少しいたいので,サイゴンにいる間に延長申請がしたかった.

これらを解決するため,今日は動く.

まず,公的旅行代理店(?)である「ヴェトナム・ツーリスト」に行く.
スタッフから「滞在許可証の申請要,現状ヴィザの延長不可」という説明を受ける.
実にそっけない.
ただし,サイゴン発のツアーの話になると急に宣伝が激しくなった.
こりゃアカン,こちらの疑問にははなから答える気なしと判断し,店を出る.

朝食がまだだった.
次にサイゴンで有名な日本人経営の居酒屋「ドラえもんカフェ」に行ってみる.

(注:2022年現在,似たような名前の店「どらえもん かか」がある.その前身なのだろうか?)

朝定食(ごはん,卵,野菜,味噌汁,梅干し)US$2.5とバナナシェイクを頼む.
なかなかのボリュームと味であった.

そこへ,店長の日本人Hさんが,なぜかテニスウェア姿で登場.

Hさん曰く,「滞在許可証は必要なくなったけど,しておいた方がいい.ここはそういう国だから」とのこと.面倒くさい.

(注:この事務手続き関連のいい加減さには後々も悩まされることになる)

朝食後,次は「サイゴン・ツーリスト」へ.

店構えからして「いかにも国営でござい」という印象(どんな?).
スタッフが言うには「滞在許可証は不要,ヴィザの延長は残り日数が2,3日になればできる」とのこと.口調や雰囲気からここのスタッフの言うことが一番信用できそう...とここまでは良かった.

Kazchariのパスポートをパラパラとめくり,「モク・バイ」ルートで押してもらったヴェトナムの入国スタンプを見て,いきなり怒り出し「滞在許可マークが付いていない!大問題だ!」といきなり騒ぎ出す.知らんがな.

当然,同じように入国した大前田さんのパスポートにもそんなマークは押されていない.(まぁ,それ以前に賄賂入国...)

「国境のイミグレに戻ってもらってこい!」とむちゃくちゃ理不尽なことを言うので,Kazchariも(ことさら沸点の低い)大前田さんもブチ切れ!

「このミスはお前らの問題で,こっちには何の責任もない!」と怒鳴り返してやった.なぜかこういう時は英語がスムーズ.

あちらの反撃ターン.
「ヴェトナムにいたかったら,ここのルールに従え!」と言い返しやがる.
ホンマ,お役所国家である(正論やけどな).
同じ共産圏でもラオスの方がずっとましやった.ブツブツ.

むかっ腹のまま「サイゴン・ツーリスト」を出る.

市内のイミグレーションに行けば,第一の課題である,関税申告書を入手できるかもしれんと思い,炎天下の中,トボトボと歩く.

イミグレ着.
旅行者でごったがえす中,英語がわかるポリスを捕まえる.
曰く「出国カードとヴィザだけあれば“ガイジン”はNo problem」だそうな.ホンマに?

とりあえず,その言葉を信じることにして,もうこの件でジタバタするのはやめようと,大前田(T)さんと決める.

ホテルに戻ったのはよいけれど,猛烈に身体がだるく,完全にグロッキー.
寝て目が覚めたら夜の8時であった.
下痢はまだ続き,食欲がないので,パンと水だけの夕食.
シャワーと洗濯の後,日記を書いていたら大前田(T)さんが部屋にやってきた.

メコンデルタの各都市,ミト,カントー,クチなどサイゴン周辺都市の観光を相談.

Kazchari自身が病んでいても,旅は進んでいく.

続き ⇒ 旅の回顧録~1993年のヴェトナム(2)

Konica 現場監督

沢木耕太郎『一号線を北上せよ』を読んだ~そして1993年へ

2022/2/20 Sun

旅に復讐されるかも.

iPhone11 Pro

このブログを初めた頃,旅の回顧録~1993年のカンボジアというテーマの連載(?)をしていた.

これは,1993年の1月から10月にかけて行った東南アジア旅の記録で,当時の日記を元にして書いた.
そのオリジナルは,今はなき「Nifty Serve」のミステリー小説スレッドにアップしていた文章.

当時のカンボジアは長らく続いた内戦が終了し,通常選挙がようやく行われるなどなかなかの混乱具合.
選管ボランティアの日本人青年が殺害されるなどの事件もあった.

国中あちこちに地雷が埋まっており,観光するのも命がけ.
夜間には銃声.
今思うに,よくふらふらと出歩いてたもんだ.

人類史上最大の愚行の一つ「カンボジア大虐殺」に関しては,この映画のアプローチがすごい.

消えた画 クメール・ルージュの真実

こうした世界の負の側面を目の当たりにするなど,20代にああした行きあたりばったりの旅をしたことは,今の人生に大いに役立っていると思う.
この後,結局長年の夢だった協力隊への参加も実現できたしな.

この『1993年のカンボジア』は国境を越えて,ヴェトナムに入国したところで終わっている.

もちろんその後も旅は続いた.

サイゴン(ホーチミン・シティ)から,バスや列車を乗り継いでハノイまで6週間かけて北上.
カンボジアほどのインパクトはなかったけど,これまたエキサイティングな経験だった.

Kazchariが初めて海外に渡ったのはいわゆる卒業旅行.
1989年のケニア-インドーネパール旅だった.
この時の期間は1ヶ月ほど.
全てが新鮮そして強烈だったが,所詮短すぎた.

そして就職.
その会社を辞め,帰国日を決めない無期限旅行を決意させたのは2冊の本がきっかけである.

一冊は蔵前仁一の『ゴーゴー・アジア』.

新ゴーゴー・アジア(上巻)

もちろん,前作の『ゴーゴー・インド』も読了済み.
蔵前の一連の著作のおかげで,世の中にはこんなに楽しい旅の仕方があるのだと知った.

もう一冊は,より人口に膾炙する名著,沢木耕太郎の『深夜特急』である.

深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】

いまさら解説しようがない.
この本のおかげで,何万,何十万の若者が旅立ってしまったことやら...
有名な話だが,第1便,第2便(文庫版では1~4巻)と第3便の間には,6年間の刊行ブランクがある.
東南アジアやらインドが含まれる1,2便の方が旅のネタには事欠かないはずなのだが,Kazchariは第3便のヨーロッパ編が一番おもしろかった.
作者自身の文章力の向上ゆえかな(なぜ上から?).

大沢たかおのTVドラマも話題になった(VHSで保存している).
松嶋菜々子の登場にはズっこけたが.

さて,沢木耕太郎である.
その最大の魅力は,もう沢木節としか言えない独特の格調高い文体にある.
特に,ボクシングというスポーツを,ここまで詩的に昇華させた作家はなかなかいないのでは?

その影響力は凄まじく,一時スポーツライターをやってた”五体不満足”な人も,その文体をマネしていた記憶がある.

沢木の著作はかなりの数を読んでいるが,今回図書館でたまたま手にとったのがこちら.

一号線を北上せよ~ヴェトナム街道編 (講談社文庫)

珍しく未読だった.
文庫版の表紙には「ヴェトナム街道編」と書かれているが,単行本にはそのような表記はない.
「一号線」「北上」と聞いて,すぐに「あっヴェトナムのことだ」とわかるのはパッカーのみであろう.

内容は沢木のプライベートと取材旅行記であるが,ヴェトナムだけでなく,「キャパのパリ」「フォアマンのアメリカ」「檀一雄のポルトガル」「アルペンスキーのアルプス」「酒場のマラガ」(Kazchari命名)も含まれた短編集である.
Kazchariはポルトガルとスペインも訪れたことがあるので,懐かしく,楽しく読ませてもらったが,やはり白眉はヴェトナム編の2本である.

奥付をみると,2000年あたりの旅のようだ.
Kazchariは1993年の訪問だったので,若干のズレがある.

一見して,旅のシステムがかなり整ったようだ.
当時のタイと同程度か.
沢木の旅からさらに20年近く経った今では,どうなっているのやら...
Wifiも当たり前やろうしな.
そういや,ここしばらく,ヴェトナムってかわいい小物だとかグルメやらで,女性にも人気の旅先だった.
新コロが全てを破壊したけど..

ここで思いついた.

『旅の回顧録~1993年のカンボジア』の続き,つまり『1993年のヴェトナム』をリライトしようと.
まぁ,30年近く前の旅行記に何の情報的価値もないが,しょせんブログなんて単なる個人の歴史.
SNSではないので,即時性とか気にするものでもない.

ただし,本書『一号線~』にこんな記述がある.

「旅は繰り返すものではないし,繰り返せるものでもない.それを知りながら旅をなぞろうとすると必ず手痛いしっぺ返しを受ける.旅に復讐される,といってもいい.」

実際に再訪するのでもなく,文章で追憶するのも同様なのだろうか?
当時の日記を読むと,どうしようもなく,あの頃(の自分)に帰りたくなることがある.
でも,同じ瞬間は,もう二度と起こり得ない.
全ては過去.もう取り戻せない.

そう,『ブレードランナー』のレプリカント,ロイの最後のセリフのような心境になる.

一方で,沢木はこうも書く.

「旅先で覚えたその痛切な思いは,決して消え去ることはない.私たちの体のどこかに眠っていて,必要な時に呼び覚まされることになるはずなのだ.」

いいなぁ.その通りだろう.
この文章だけでごはん3杯はいけそう.
『深夜特急』本編と比較すると,『一号線~』は”帰ってきた人向けの本”なのだろう.

とかなんとか色々それっぽいことを言ってますが,これもまた”終活”の一貫として,『旅の回顧録~1993年のヴェトナム』,近日スタート!
全く需要はないだろうけど,それでいいのだ.

以下,余談.

Kazchari家では『水曜どうでしょう』の何度目かの再放送を夕食時に視聴している.
ちょうど今放送中なのが「原付日本列島制覇」という回で,東京から高知までカブで向かうという企画.
2010年の放送なのだが,鎌倉付近を通過する際,大泉がカメラに向かって「いざ!鎌倉!」と吠えるシーンに震えた.
まるで,未来を予言したかのようなセリフ.

ご存知の通り『水どう』は2002年にレギュラー放送を終えるのだが,その最後の旅がカブによるベトナム縦断1800キロなのだ.
正に一号線を北上...ではなくハノイ発で南下する旅やけどな.

またしてもシンクロニシティ発動?

Kazchari的に,今ヴェトナムが熱い!

『FASTEST』を観て~VRは普及するのか?

2022/2/13 Sun

脳だけで生きていける?

Zwiftの友,Amazon Prime Video.
先日,GPライダー,バレンティーノ・ロッシの自伝的映画『FASTEST』を観た.

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長年第一線で活躍していたロッシも2021年,ついに引退.
若いと思ってたけど,もう42歳か.
ロードレースで言うところのペテル・サガンとイメージかぶるのはKazchariだけだろうか?
ともにスーパースターであるのは間違いない.

とは言え,毎年全ステージを食い入るように観戦している自転車の「グラン・ツール」に比べると,それほど熱心にMotoGPを追いかけているわけではない.

Kazchariが最もオートバイにハマっていたのは80年後半から90年初め.
その頃の最高峰と言えば「2st/500cc」やね.

エディ・ローソン,ウェイン・レイニー,ワイン・ガードナー,ケビン・シュワンツ,ランディ・マモラ,ロン・ハスラム,サロン兄弟とか.

弱ペダ並にキャラが濃い.何もかもみな懐かしい.
そういやTECH21カラーのYZFに乗った平忠彦の8耐を観るために鈴鹿まで行ったなぁ.ひたすら暑かった.

2018年,パプアニューギニアのワリンディにダイビングしに行った時,バディだったオーストラリア人がバイク・エンスー(死語)で,Kazchariが先ほどのレーサーの名前を出す度に大喜びしてた.

「Kaz! シドニーに来たら是非寄ってくれ.うちの家は広いぞ.一緒にツーリングに行こう!」と誘われている.

現在もSNSでのつながりはあるが,いつ行けるやら...

さて,『FASTEST』に話を戻す.
この映画の公開は2011年.
ちょうど,小型オンボードカメラの黎明期(GoPro HERO3の発売は2012年).
この映像でも車載動画シーンがある.
まだまだ解像度や構図はイマイチなれど,時速300kmを越える世界を少しだけ感じることはできる.

バイクレースと言えば肘スリバンク(この時代はまだ角度が甘い)と転倒がつきもの.
Kazchariもスマートトレーナーという固定型に乗っての鑑賞だったから良かったものの,3本ローラーだと”つられ転倒”が起きてたかも.

実際,『アメイジング・スパイダーマン』を観ながらの3本ローラーはヤバかった.

アメイジング・スパイダーマン シリーズ ブルーレイ コンプリートBOX [Blu-ray]

とまぁ,明らかに身体の外部に映し出された虚像にさえ,脳が騙されて身体が反応してしまう.
これ,仮想空間,VRゴーグルがもっと普及したらどうなるんやろ?

最初に一般化(?)したのはPS4の拡張機器だったかな?(いや,任天堂のバーチャルボーイ?)

VRはいつから普及が始まった?仮想現実の歴史を紐解く

Kazchari家にこの手のハードはない.
いや「Wii」はあったか? あれもVRっちゃあVR.

こないだ呼んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』にも,VRゴーグルを付け,高層ビル間に渡した板を歩くというアトラクションが紹介されていた.
あまりにリアルなため,一人で歩かせると認知的に”危険”なので,かならず両サイドにアシスタントを配置するらしい.

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

しかし,「脳がない生物はたくさんいるが,脳だけの生物はいない」のも事実.
やはり肉体感覚は大事やな.

少々記憶があいまいだが,何かの記事で「VR内で積み木を学んだ子供は,リアルな積み木ができない」と読んだことがある.
つまり,視覚入力情報を受け,処理してからの出力は本来であれば,自分の手で形・重さ・質感のある積み木を触らなければならない.
しかし,それが「ボタンの操作」に置き換わってしまうと,認知の発達を促さないということなのだろう.

ただし,VR,そして周囲の状況を完全にカットするゴーグルの進化は否定できない.
何らかの事情によりとある場所ら移動できない人にとって,この技術は朗報.
もはや娯楽の域を越えて,スマホ並の必須機器として普及していくのだろう.

エレコム VRゴーグル スタンダードタイプ リモコンセット ブラック VRG-M02RBK

今,ざっくりとAmazonで調べたけど,もうこんなに安くなってるねんな.
知らなかった.
これだけ安いと「一つ試してみるか」という気持ちにもなるなぁ.これこそヤバい.

まぁ,どれだけ普及しようとも,使うか使わないかは個人の自由.
でも,こいつはひょっとすると人生最後の「尊厳死マシン」として使えるようになるかも.
自分の望む風景を観ながら,安らかに逝けるならそれも悪くないかも.

そうそう,最後にバイクレースと言えば『マン島TT』が一番ぶっとんでて”面白い”と思う.
言わずと知れた世界最凶の公道レース.

VRうんぬんは抜きでも,そのレース映像を観るだけでもとんでもない.

石の壁が続く,とんでもなく狭い街中や,アップダウンの激しい丘陵コースを走る360kmのレースの優勝タイムが,最近では1時間40分ほどである.え?

『グランド・ジャーニー』を観た~こういうのがいいんだよ

2022/2/8 Tue

かわいい子には旅をさせよ.

近頃は映画やアニメをやたら分析的に鑑賞するクセがついてしまった.
原因はいくつかある.

一つは岡田斗司夫をはじめとするYouTuberやブロガーの解説を目にする機会が増えたこと.たちの悪いことに,これらの裏読み解説は知的好奇心を刺激し,やたらに面白いのだ.

もう一つは,2年半ほど続けているこのブログ.
雑記系ブログなので,自分の周囲に起きたこと全てがネタ.

映画を観たとしても,こうしてアップするなら,単に「面白かった」では済ませたくない.
頭の中にうずまく観念を具現化する作業が面倒くさい.けど...それが楽しかったりもする.
まっ,わざわざブログ書いている最大の目的はボケ防止やしな.

結果,鑑賞後,妙に裏読みし,関連作品との比較,メタファーやら社会的意義まで強迫的に考察するようになってしまった(そういう作品を選んでいるのでは?).

そんな中,たまたまAmazon Prime Videoで見つけたのがこの映画,
「そうそう,こんなのでいいんだよ」と某ゴローさんが唸るような作品だった.

グランド・ジャーニー [DVD]

クリスチャンは風変わりな気象学者で、フランス・カマルグで雁の研究をしている。超軽量飛行機を使い、渡り鳥に安全なルートを教えるという、誰もが無茶だと呆れるプロジェクトに夢中だ。そんな変わり者の父親と大自然の中で過ごすバカンスなど、オンラインゲームに夢中な息子トマにとっては悪夢でしかない。Wi-Fiも繋がらない田舎で暇を持て余したトマは、ある出来事をきっかけにその無謀なプロジェクトに協力することに…

以下,鑑賞後のネタバレ&感想.

冒険心たっぷりなお医者さんが莫大な金と時間を使って,人力で日本人のルーツを探るような邦題だが,原題は仏語で「Donne moi des ailes」
訳すと「翼をください」だ.ガフの扉が開きそう.
実話ベースのフィクション作品である.

髪型が少々アレな14歳のトマ(どこか東洋人っぽい).
両親は別居し,母親の新しい彼氏と3人で暮らしている.
よくわからんけど,このあたりがフランスっぽい(偏見).

あらすじ通り,トマの父親クリスチャンは,渡り鳥に飛行ルートを“教える”プランを実行するのだが,その方法がとんでもなかった(職場の許可は得られず).

「渡り鳥は一度通った空路は忘れない」という習性を利用し,孵化直後の“刷り込み”に成功した雁(ガン)を,クルマでノルウェーの端まで連れていき,そこから(親と思わせた)パイロットむき出しの「モーターグライダー」で,鳥たちを引き連れて,元のフランスの湿地まで戻るという計画.

なんと! 2000年,実際に成功したらしい.

さて,劇中登場のモーターグライダーだが,日本では超軽量動力機=マイクロライトエアクラフトに分類される.

体重移動操縦型で,下面にフロートがついており,水面があればどこでも離着陸が可能.
日本(北海道?)では「モーターパラグライダー」はたまに見かけるけど,このタイプは見たことがない.
劇中,フランスでは15歳で免許が取れるとあった.
日本では,なんと国家ライセンス不要だそうな.

一般財団法人 日本航空協会

国交省の許可があれば飛べるとは!?
現状,大型ドローンと同じような扱い?
買おうかな? いや,ウソ,無理です.
スキューバダイビングと比べても,さすがに危険すぎる(フライングスーツよりはマシ).

それに劇中での高度,あれ相当やな.怖すぎる.

クリスチャンの本棚に「ニルスの不思議な旅」がおいてあった.
幼少期に読んでいたであろうトマが手に取る.
この伏線は,後で見事に回収される.

ニルスのふしぎな旅

さて,親父の不用心な行動により,偶然にもトマが一人でグライダーを操縦してノルウェーからフランスまで戻ることになった.

“ほぼ”CGなしの空撮が話題.
最近の「本当はバックがグリーンな場面」だとわかりつつも,超絶なアクションに慣れてしまった観客には地味に映るかもしれない.
でも,こういうのでいいんだよ.
しかしながら「ラピュタ」っぽい乱気流シーンは,さすがに実写では無理だったようだ.

さて,今風にSNSへの拡散やら,親切な人々の助けにより,なんだかんだでフランスに帰還するのだが,トマの旅の進行とともにクリスチャンとパオラの夫婦関係も修復されていく.

川で体を洗う奥さんをチラ見する元旦那が微笑ましくて良い.
そういや何のために出てきたのかわからない女性カメラマンやけど,パオラに嫉妬させる=復縁させる役割だったのだろうか?

前半では,トマの冒険心をちょこちょこ抑制しようとするパオラ.
その後,ノルウェーからトマが一人で飛んだことを知り,クリスチャンに大激怒.
トマの発見後も,クリスチャンは自分の不手際でこうなってしまったことに狼狽し,計画を断念しようとする(=鳥の羽根を折る).
ところが,息子の確かな成長を見た後の母親の変化が面白い.
クリスチャンの決定を無視し,トマをもう一度飛ばさせる.
ある一線を超えると,女性の方が度胸を見せるという描写が良い.
子どもの成長を素直に喜ぶ,いいお母さんやな.
会社でけっこうな役職についていそうなのも納得.

さて,この映画のもう一方の主役がカオジロガンのアッカ.
カリガネガンの群れの中に手違いで一匹紛れてしまった.
劇中,クリスチャンが「同じ群れにしておくことはできない」だのなんだの言うし,途中で2回ほど行方不明になるしで,いつ死ぬのかとヒヤヒヤした.

ちなみにガンとカモ,Kazchariは区別がつかない.

ガンとカモは何が違う?雁行の由来になった鳥

ちなみに,日本で一番有名なカモであるカルガモは渡らないそうな.

というわけで,博物館の館長だとか,ノルウェーの自然保護官だとか,知事だとか頭の固い杓子定規的な大人も登場はするものの,すっきりとした展開.みんな職務に忠実なだけ.
昨今のメタだの,パラレルだの,悪には悪の論理が云々といった小難しい映画ばかり観ている中で,一服の清涼剤になりもした.

まぁ,強いて言うなら,クルマでノルウェーまで行く間に,もう少し父と息子の交流シーンが欲しかったなぁ.フランスからは,あっという間に目的地に着いてしまった.
蛇足かな.

調べてみると,『グース』というアメリカ映画が1996年に公開されている.
未見だが,これもかなり評判が良い.

グース [Blu-ray]

テーマ的に本作と似ている?
動物,家族,そして飛ぶ! ヒットしないわけがない.

そういや,よりドキュメント寄りのこういう映画もあったな.

WATARIDORI ディレクターズ・カット -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray

この映画の製作に関わった人鳥類研究者がクリスチャンのモデルらしい.

さて,『グランド・ジャーニー』を純粋に少年の成長映画として捉えると...やはり旅ですよ旅.
男を鍛えるのは旅ッ! それも一人旅ッ!

「若い時に旅をせねば老いての物語がない」は,とある狂言から.

Kazchariとしては,アホ息子に「中学生で北海道一周,高校生で日本一周,大学生で世界一周しろ」と絶賛洗脳中.
最終的には宇宙飛行士か.

JAXA 宇宙飛行士候補者募集

13年ぶりの募集だそうな.

つーことで,映画『グランド・ジャーニー』,普通に鳥もかわいいし,オススメです.