2025/3/19 Wed
タイミングの問題
もうじき小学生の息子が卒業式を迎える.
その前にクラスでの催しとして,映画鑑賞会が開かれることになったそうな.
で,何を観るかのクラス会議が開かれた.
息子は昔からのお気に入り,『ホーム・アローン』を推した.
しかし,最終的に別の映画に負けたらしい.
その映画はなんと『秒速5センチメートル』.
『君の名は。』で名をはせた新海誠監督作品である.
もう,新海節全開っつーか,世界系ここに極まれりっつーか,「DTの妄想全開」っつーか,「ハルキの影響強すぎる」っつーか,「リア充爆発しろ」案件っつーか...要は,いくらなんでも小学6年生には「早い,早すぎる」物語なのは間違いない.
しかも驚くべきことに,この映画を推した女子,『君の名は。』の大ファンだが,『秒速』は観たことがなく,「新海監督だから」という理由だけで推薦したらしい.
プレゼンが上手かったのか,他の生徒もこれに賛同して,息子敗退.
ちなみにKazchari家には『秒速5センチメートル』のBlu-rayが置いてあります.
配信なんてなかった頃,レンタルDVDを借りて大感動.
速攻,Amazonでポチった.
もう,“せつない”という言葉がぴったりの名作.
これを観ずに〇ぬのはもったいない.
秒速5cmは,桜の花びらが落ちるスピードのこと.
それははたして遅いのか早いのか.
容赦なく進む刻の中,二人の変化を,これでもかと丁寧にかつ残酷に描く.
しかも超美麗な映像と山崎サウンドをバックに...
人の気持ちは永遠ではない.
誰もがあの頃の気持ちを保ち続けることはできない.
後悔しても決して戻らない.
それは熟成し,ココロの奥底に澱となって残り続ける...
あれ,先ほどのディスりは一体...
偏見たっぷりに述べさせてもらうと,この映画を楽しむには条件がある.
まずは概ね30歳以上であること.
そして中高生の頃に,想いを伝えられなかった,もしくは伝えきれなかった相手がいること.
ネタバレは避けるが,山崎まさよしの♪one more time~が流れる中のタイトルバーン!は正にブレイバーン!
つーことで,いくらなんでも小学6年生,特に男児には「イミフ」な内容でしょう.
その昔,Kazchari家に客人が来訪した際には,『秒速』を無理やり観せて,反応を見るのが楽しみだった.特に女子は泣いてたなぁ.
その上映会の際はもう1本,こいつを見せるのがデフォルト.
それはアンパンマン映画『いのちの星のドーリィ』だ!
アンパンマンと思ってナメてかかるとエライ目に...
人生哲学主題歌として世界的に有名な「アンパンマン・マーチ」を具現化した超絶内容です.
騙されたと思って,こっちも観て下さい.
話を息子に戻す.
その後も息子はしつこく『ホーム・アローン』がいいと訴え続けていたが却下されたらしい(ちなみに息子も『秒速』は未視聴).
ここで気になるのは担任の先生.
このクラス会議を,どういう立場でどういう運営をされていたのかわからないが,これだけは言える.
過去に『秒速』を観ていたら,たぶん止めていたはず.
勝手な想像だが,映画をあまり御覧になっていない先生?(失礼な)
と,よくよく考えて見るとKazchariの周辺に,年齢問わず,いわゆる映画マニアはあまりいない.
以前はともかく,定期的に劇場に足を運ぶ人って,もはやまれな存在?
統計上も明らかに減っているらしい.
だが,これはあくまで劇場動員数のデータ.
昨今はサブスク配信で楽しくことが当たり前になっている.
個人的には「自宅+小さい画面+しょぼい音響」と,劇場での映像体験は別物だと思うけどな.
環境の違いはさておき,その昔は週5日「〇〇ロードショー」がテレビ放送され,深夜枠では“けしからん”作品がガシガシ放送されていた.
好き嫌いに関わらず,清濁併せのんで,何でもかんでも観て吸収した.
レンタルが盛んになってからも,映画館での上映終了からソフト化までかなり時間があったので,待ちきれず映画館にもよく行った.
要するに熱心かつ目が肥えたファンが大量にいたと思われる.
現代人には,映画体験の量も質も圧倒的に足りない(非難しているわけではない).
そういう意味ではうちの子供らはよく観ている方かも.
先日の「金ロー」での新声優『BTTF』も,半強制的に見せたしな.
つーことで,誰もが楽しめるという意味で,息子の選択『ホーム・アローン』は間違いではなかろう(クリスマスシーズンではないけど).
...と,ここまでが昨日の話.
その後,なんだかんだあって『秒速』は無しになったそうな.
代わりに決まったのが『聲の形』.
悪くはない,悪くはないけど,小学校最後のクラス会がこれかぁ.
しんみりではなく,もうちょっとバカ笑いできてスカーッとする作品の方が良くね?(※個人の感想です)