2022/11/25 Fri
定年後のシミュレーション?
軟禁生活もかれこれ1週間.
部屋を片付けるのに絶好のチャンス!なんて言ってたが,思ったより続かない.
最初の2日ほどはがんばったけどな.
そのかわりに「Amazon Prime Video」と「ガンプラ」三昧だ.
2013年に購入したキットを9年後に完成とか(素組みやけど).
長時間の着座.
目が疲れ,肩がこる.
でもやめられない.
これが廃人への道か...
てなわけで,ちまたで(なぜか)評判の『貞子DX』つながりで,懐かしの日本映画から.
1998年公開である.
劇場で観た覚えなし.
数年経ってからレンタルビデオで鑑賞(いいのか?).
いずれにせよ20年(以上)ぶり.
Kazchariは先に原作読了.
「これほど恐ろしいホラー小説はない」との触れ込みだった.
確かにその噂に違わぬ面白さだったように記憶している.
映画公開後だったと思うが,より原作に忠実なギバちゃんとTOKIOの長瀬主演のTVドラマ版もあったはず.
これも観たなぁ.
さて「ジャパニーズホラーの金字塔」とも評される本作であるが,さすがに今の視点だと厳しい.
ホラーとしてもミステリーとしても中途半端.
ようするに怖くもなければ,ドキドキもない.
既にストーリーを知っているから? いや違うな.
良い創作物は鑑賞する度に新たな発見がある.
一番よろしくないのは各キャラの掘り下げが全くないこと.
まず松嶋菜々子!
未熟な演技力(まだ新人?)も相まって,全く感情移入できない.
つーか,原作では男性だったキャラの性別を変更したことが様々な歪の原因かも.
サイコメトラーな前夫(真田広之)との関係性もよくわからん.
なぜかこの元夫婦.自分たちの子供に妙に冷たい(続編を見るとある程度納得).
貞子側の人間関係もよくわからん.
結局父親は誰?
ストーリー展開もご都合主義.
なんで井戸の位置を特定できたのかわからん.
仕方がない.
上映時間が100分ないのだ.つまり2時間サスペンス.
そういうもんだと割り切りましょう.
街並みが今とほとんど変わりないのに,あるモノが登場しないのがモーレツに違和感.
そう,携帯電話(スマホ)だ.
あの頃の連絡は不便やったなぁ.
PCもWin98にISDNだ.遅い.
ただ,観ていて面白かった点もあり.
まず(当然だが)キャストがみな若い!
竹内結子さん,こんなとこに出てたんや.
そして,孤独に食べる松重さんもまだ30代か.
例のTVから貞子が這い出てくるシーンは1回のみ.
その際,脳内で再生される主題歌「♪きっと来るぅ~」.
エンディングクレジットでフルVer.が流されるのだが,歌詞がやたら明るく前向きなのにびっくり.
「きっと来る」のは雪やら天使やら希望だったりする.
で,調子に乗って...つーかガンプラ作りながら再生ボタンを押したのがこれ.
「あれ?『リング』の続編って『らせん』じゃなかったっけ?」と,疑問を懐きつつ鑑賞.もう原作無視の超展開にひたすら唖然.
なんと貞子に呪われるとフォースが使えるようになるのだ!
怖くないホラーどころか,笑えないコメディになっていた(この路線が今に続くわけやな).
深田恭子の変顔が見どころっちゃー見どころ.
何かに似てるなぁ...と思ったら迷作『北京原人 Who are you?』なみの不合理・不条理設定.
「もうええやろ」と思いつつも,正統続編のこいつも鑑賞.
なるほど.『リング2』はパラレル,今風だとマルチバースだったわけね.
さて,この『らせん」だが,Kazchariはこちらも原作読了済み.
一作目の「呪い」という超自然現象(=よくわからんモノ)に,科学っつーかSF要素を組み込みました的な内容だったように記憶している.
映画はかなり忠実に作られている.
ただし面白いかどうかと言われると...微妙.
中谷美紀の怪演が見どころっちゃー見どころ.
最悪なのは貞子役に”ちゃんとした”女優さんが配役されてしまったこと.
いや,ここはボヤかしといた方が良い.
この世ならぬ恐怖を与える顔...はこちらの想像にまかせて欲しい.
かの有名な”目の”どアップもあるのに,もったいない.
あー,これはあれやな.『キサラギ』のエンディングでの顔出しに近いがっかり感.
続きは原作だと『ループ』になるが,確かSF要素がさらに強まって,「全てはコンピュータのプログラム内で起きたこと」だとかなんとか,そんな話になってたような気がする.当時は新鮮だったような気はするけど,今だと...ねぇ.
以上で,私的貞子シリーズ鑑賞会は終了.十分堪能した.
やはり邦画はイマイチ合わない.
つーか,ホラーって結局何やろな.
「ジャパニーズ・ホラーは虚仮威しではなく,心理的にじわじわ来る」とよく評されるけど,過剰な演技で観ているこちらが冷めてしまう.
とは言え,スプラッタ系映画の怖さは文字通り,痛さ.
これはミラーニューロンの機能やから仕方がない.
では,本当の恐怖とは?
実はこういう映画かもしれん.
いや参りました.
通常,この類の映画は医師や家族などの介護者側の視点で描かれることが多い.
しかし,これは患者自身の視点...というか主人公の”認知的事実”が映像化されている.
ゆえに時系列バラバラ.
登場人物も,そのポジションが主人公視点でコロコロ変わる.
鑑賞している者をひたすら不安に,もしくは苛立たせる.
最後まで解決法は示さない.
ハッピーエンドはない.
そう,そんなものに意味はないのだ.
どんな人なのか,何を成した人なのか,そんなことに関係なく,誰もが順番に押し出されていく真実.
今が幸福であろうとなかろうと,それが永遠に続かないことを目の前に突きつけてくる.
全ては無に帰す.
これ以上の恐怖はない.
レビューには「監督の自己満足」だの「認知症を絶望的に描いてて嫌」「この凝った構成にどうオチがつくのかと思いきや...」といった感想が並ぶが,それは見る映画を間違えただけだろう.
まぁ,かく言うKazchariも2回目はないけど.
アンソニーの歳になったら観るか.
えー,最後に気持ち悪すぎて夢に出てきそうな『チェンソーマン』第7話のあのシーン.
ここまで感情移入どころか,咽頭あたりをゾワゾワさせるとは...なかなかやるな.これはこれでスゴイ.
伝説の「◯◯◯◯小僧」の衝撃に近い.
※ 未聴の方は絶対に聴かない方がいいです(笑).
てな感じで,ひきこもり生活が続いているわけですが,こんな生活が毎日続くと,ココロとカラダが腐ってしまふ.
意図せず,定年後の生活を少し早めに経験している気分.
こりゃ(いろんな意味で)ボケるわ.
土日をクリアし,来週からはようやく社会復帰の予定.
まずは錆びついたボディをなんとかしないと.
つーことで,今はちょっと特殊なジオングを鋭意製作中(←おい!運動しろ!)
なんやこれ!? カッコ良すぎやろ!