2022/7/7 Thu
もちろん犠牲者もいるけど.
7/1にデンマークのコペンハーゲンで開幕したツール・ド・フランス2022.
Kazchariは例によってJSPORTSオンデマンドで視聴中.
今年は7月中で終了するので,1ヶ月契約(¥1,980)とコスパも良い.
これだけ楽しませてくれて,映画一本分!
今,これを書いている時点で,1週目最大の山場である”ミニ・パリ・ルーベ”第5ステージが終了したところ.
今年は例年にもまして面白い,いや楽しい展開である.
退屈なステージがない.
では,ステージごとの簡単なレビューを.
【Stage1コペンハーゲン 〜 コペンハーゲン(デンマーク)】
https://www.youtube.com/watch?v=ugQzkB5R-O8
顔見世的なタイムトライアルからのスタート.
13.2kmと距離は短いものの,残念ながら雨.
見るのも走るのも,雨のサイクリングは憂鬱.あっ,雪は楽しいけど.
誰もが優勝予測していたトップ・ガンナの大迫力ペダリングが見たかったが不発.
何やら後輪がスローパンクしていたようだ.
懸念されていた落車は少なめ.
これまで初日TT大怪我でいきなりリタイヤ,とか色々あったな(あぁバルベルデ...)
勝者は意外な伏兵ランパート.
確か,パリ・ルーベでおじさん観客にぶつかって吹っ飛び,勝利を逃した人だったような.
不運は続くとは限らない(場合もある).
毎年第1ステージはフルVerが無料配信されている.
https://www.youtube.com/watch?v=IRmc4yK8fTQ
たまたまこの放送を見た一般人が,ロードレースに目覚める,ということはあるのだろうか?
ステージレースの方がわかりやすいかも.
【Stage2ロスキレ 〜 ニュボー(デンマーク)】
https://www.youtube.com/watch?v=Mi6m9mAiLxs
ここはなんつっても18kmの橋が見どころ.
横風,向かい風などによる集団大分断が起こるかと思われたが,何もなかった.
少々拍子抜け.
海上を走るプロトンの風景は美しかった.
そんな中,これ以上ないくらい楽しそうに走っていたのがEFのマグナスコルトおじさん.サムネの表情も最高.
金色のマスタッシュがダンディだが,まだ20代らしい.マジか?
地元デンマーク人が山岳ポイント総取り...と,言っても高い山がないデンマークは全て4級×3(1ポイントずつ加点).
なんでも標高173mが最高地点らしい.ちなみに天保山は4.5m.
ポイント取る度に周囲から大歓声.
デンマークは観客のマナーが非常に良い印象(去年のあれはひどかった).
最後はスプリント勝負.
顔面大手術の復活のヤコブセンが優勝.
歯は超大事.
【Stage3バイレ 〜 セナボー(デンマーク)】
https://www.youtube.com/watch?v=QqgNvtSpe1M
デンマーク最終ステージ.
興行的には大成功.
何しろ,沿道の観客が途切れない.
そのせいで「トイレができない」という声が選手から上がっているそうな.
前から思ってたけど,ロードレースにおけるトイレ問題(走りション,立ちション),いつか規制が入りそうな気がするなぁ.
生理現象ゆえ,ゴミ捨てエリアのように場所を限定するわけにもいかないだろうし...
抗利尿ホルモンであるパゾプレッシンを服用...はアカンやろうし.
高吸収性のおむつ? もしくはカテーテル?
レースの方はマグナスコルトおじさんの連日の逃げと山岳ポイント稼ぎ.
そしてゴールでは,これまた復活のフルーネウェーヘンがスルスルとすり抜けてスプリント優勝.
前日のヤコブセンの事故原因を作った男,というのが劇的.
以前はまるで彫刻のような冷徹なマスクのフルーネウェーヘンだが,色々あって柔らかい表情になった気がする.
【Stage4ダンケルク 〜 カレー】
https://www.youtube.com/watch?v=FVmLhwtIl1s
いよいよフランス上陸.
『ダンケルク』と言えば,クリストファー・ノーランの...少々退屈な映画のタイトル.
丘陵ステージとは言え,とんでもない登りはない.
またまたマグナスコルトおじさんが逃げる.スゴイわ.
前半はあまり動きはなかったが,この日の見どころは何と言っても残り10kmからのマイヨジョーヌ,ワウト・ファンアールトの独走劇.
距離は全然違うけど,あの伝説の2018ジロ,フルームの大逃げに近い興奮を覚えた(いや,そこまでは).
正にV-MAX発動!みたいな加速やったな.
TTに強ぉーて,スプリントに強ぉーて,山岳も強ぉーて,シクロも強ぉーて,無限にエースを引っ張れてと,何でもありの脚質ファンアールト.
どうしてエースじゃないのか不思議.
既に若手ではない(27歳).総合優勝の野望はないのだろうか?
いすれにせよ,このワウトと,別種目からやってきたもう一人のスーパースター,マチュー・ファンデルプールのおかげで,退屈になりがちだったレイアウトのステージがとんでもなく面白くなった.
特に,先日のジロにおけるマチューの走りは...セオリーなんて完璧に無視.アタックしたいと思ったらアタックする,今日は休息ステージ? そんなん知るか的走りが最高だった.
今ツールのワウトの動きも,全然マイヨジョーヌらしくない.
アシストに守られて助けられて,一番おいしい所でGo!が一般的な黄色の走り.
それをエースではないとは言え,完全に無視.
彼らの「1時間全力疾走のシクロ走り」が,グランツールを面白くしていると思う.
【Stage5リール・メトロポル 〜 アランベール・ポルト・デュ・ハイナ】
https://www.youtube.com/watch?v=FEgmV754tgw
さて,いよいよ問題のパヴェステージ.
前日まで絶好調,「今年こそは勝てそう!」なユンボ・ビスマが崩壊してしまう.
ワウトは自爆落車するわ,ヴィンゲゴーはメカトラ,そしてエースのログリッチェは...ズレた緩衝ブロックで落車+肩脱臼! なんてこった.
それでも超人ワウトのおかげで被害は最小限に留まっているのがスゴイ.
もう,エースでいいんじゃね?
一方,総合優勝筆頭の”ザ・ワールド”ポガチャルは涼しい顔で,何のトラブルもなく集団前方をキープ.
ステージ優勝こそなかったものの,総合ライバル勢が自滅して好ポジション.
ホンマ,自転車の神に愛されている男やな.
つーことで,まだまだエグいステージが続くツール.
毎晩楽しみです.