2022/12/22 Thu
金は天下の回りもの.
先日,ツールボトルの中身をチェックした話を書いた.
使えないものを省く,もしくは入れ替える作業をした.
その中に緊急用の隠し金(¥1,000)がある.
これがまぁ濡れた上に,ボトル内で散々シェイクされ続けたせいかボロボロ.
汚れているわ,折り目がしっかりついて破れそうだわ,色移りしてるわで,もはや他人に手渡すのが遠慮したくなる状態.
相手に拒否されても文句は言えない(日本人基準).
もちろん,銀行に持っていけば新札に替えてくれるのだろうけど,そのためだけにわざわざ出向くのも...と思ってしまふ.
そこで「人で抵抗あるのなら,機械で試す?」と考え,職場にあるジュースの自販機に読み込ませてみることにした.
¥140の三ツ矢サイダー(極冷ver)を買う.
最初に¥10玉4枚を投入し,次に先程の哀れな¥1,000を...
ジーっ...ピピピピ...ジーっ
無慈悲に戻ってきた(泣).
ヒトだけでなく,機械にも嫌われたか...
と,念のため,さっきとは反対側から読み込ませてみた.
すると...
ジーっ...ピッ(ジュースの購入ボタン点灯!)
おおっ! 無事,ロンダリング完了!
機械が認識したのだ,違法でもなんでもない.
つーことで,小銭¥900のお釣りと三ツ矢サイダーを無事GetしたKazchariであった.
この汚いお札のおかげで,ある旅の思い出が蘇った.
それは,“みんな大好き”インドでの話.
もう30年近く前の話になるが.Kazchariは3度目のインド旅行をした.
カルカッタ(コルカタ)から入って,マドラス(チェンナイ)方面へ.
そしてモルディブに向かう南インドを中心としたひと月ほどの旅.
インドでの戦いはまず空港から始まる.
当時の『歩き方』にも載っていたが,カルカッタのイミグレーションを出てすぐ正面に見える「銀行」はニセモノらしい.
いわゆる私設の両替所なのだろうか?
ヤツらは日本語で「コッチ,リョウガエ,グッドレート~!」とか言いつつ手招きしてくる.
格安航空便の到着はたいてい深夜なので,寝ぼけて判断力を失った頭で,ふらふらとそちらへ向かってしまうが要注意.
両替レートがよければ良いのだが,それほど良くない.
それに,渡してくる金(札束)も正確な額ではない = つまり抜き取りがある(ことが多い).
さらには,有名な話だがインドでは破れた札は使えないのだ.
元々紙質が悪い上に,汚れも半端ない.
一見,破れていないように見えてもテープやホチキスで留めていたりする.
これらが手元に来てしまったら...
日本のように銀行に持っていっても交換不可.
ではどうする?
もちろんババ抜きだ.誰かにこっそり押し付けるのだ.
そう,インド旅では買い物一つで日々戦い.
なんてエキサイティング!
この両替所に限らず,インドのどこで両替するにせよ,金を受け取ったらまずその場で数える,そして破れた札を見つけたらチェンジを要求する.
この行為が必須なのだ.
ちなみに正規の銀行は,先程のニセ両替所を無視して,反対側の通路の奥にあったりする.
もちろん,正規だからと安心できない.
必ず両替時ルーティンを行うこと.
なぜ,国際空港にこんな怪しげな両替所があり,かつ放置しているのか?
謎.
だが,それがインド.
いかんせん古い話なので,記憶があいまいなところもある.
間違っていたらご容赦.
今や(昔も?)デシタル先進国のインドである.
もはや,このようなカオスなわけはないはず.
日本以上のキャッシュレス社会に違いない.
もしそうなら,それはそれでインド旅行の楽しみが半減したようで寂しい気もする.
いや,「インドだけは変わっていない」という天の声が...