2025/1/18 Tue
朝のニュースで
先日のこと.
某国営放送にて「ウクライナの理学療法士,作業療法士が日本のリハビリテーション施設に研修にきている」というニュースが流れていた.
理由は,
「戦争被害により後遺症を患い,リハビリテーションを必要とする患者が増えている.しかし,ウクライナの医師やセラピストには十分な知識・技術がないから」
だそう.
ここまでは納得.
以下,食事しながら見ていたので一部意訳になっているかもしれんが,だいたいこんな内容.
「頸髄を損傷すると歩けなくなるので,後遺症の中でも特に社会復帰が難しいとされる」
うーん,これはどうだろう.
これは患者ではなく社会・環境側の問題.
車椅子,スロープなどの物理的な改善でどうにでもなりそうに思われる.
現状はそれどころではないだろうけど.
それよりも脳外傷などの認知障害,またはPTSDなどの精神疾患の方がより復学・復職は困難である.戦争だとこちらの方が問題になるのでは?(想像)
そして,
「日本とウクライナのリハビリの最大の違いは,障害評価の細かさにある」
はい?
「例えば第6頸髄(C6)の損傷を評価する場合,ウクライナでは手首を上に曲げれるか(背屈)だけで判定するが,日本の場合は手首を回せるかどうかなど,より細かく4段階で評価している」
まぁ,それはそうだけど,この評価はいわゆる「Zancolli」の分類である.
別に日本人が考えたわけでもないし,世界基準.
ウクライナのセラピストが知らない,というのはちょっと想像つかない.
まぁ,そうだったとしても,ウクライナ周辺には世界に冠たる福祉国家群,北欧諸国が揃っているではないか.
元々はNATOに加入するしないが戦争のきっかけだったはず.
なら,加盟国からの援助があっても良さそうなのだが.
まぁ,Kazchariが協力隊に参加していた2002年頃は,派遣国にポーランドやルーマニアなどの東欧諸国も含まれてたしな.
旧ソ蓮だったウクライナならもっと遅れている可能性もなくはないけど.
で,その評価を元に...
「患者は評価後,残された機能でクルマに乗れることがわかり,その練習をすることになります」
うーん,なんかこれもおかしい気がする.考え方が逆では?
患者さんの必要性や希望から,身体機能の評価や訓練,環境調整を考えていくのがリハビリの本質なのに,身体機能の評価からできることを決める?
完全なのか不全麻痺なのか,急性期か慢性期かで対応は異なるけど.
それにウクライナの患者さんが,どういう生活を求めているのか,全く出てこないし.
もちろん,受け入れ先の病院は多くの情報をちゃんと説明した上での,テレビ局側の編集内容なんだろうけど,なんかなぁ.
つーことで,偏向とは言わんけど.テレビや新聞の報道は内容が浅すぎて,その筋の専門家が見ると,なんだかなぁ...と思うことが多い.
ネットの場合,「あれ,おかしい?」と思えば,すぐに自分でググったり,場合によれば発信者に質問するなど,よりインタラクティブに行動できる(しやすい).
やはり基本的に受け身メディア,いわゆるオールドメディアは時代に合っていない.
まぁ,そんなヒネた見方はともかく,良いニュースなのは違いない.たぶん.
つーか,どうしてこの時期に日本に?
トランプさんが,ウクライナもガザも,戦争を終わらせようとしてるけど,戦後処理を考えた流れの一環なのだろうか?
はっ,もしくはUSAID解体に伴う,JICAへの補助金打ち切りの駆け込み予算消化?...(ピンポーン)おや,誰か来たようだ.