さらばオリンパス

2020/6/25 Thu

一つの時代が終わる

OLYMPUS E-620 / SIGMA 30mm F1.4 EX DC

久し振りの衝撃的なニュース.
昨日,オリンパスが営業事業部門(つまりカメラ事業)を分社化すると発表した.
10年来のオリユーザーとしてはとうとうこの日が来たかという感じ.
これまでもこうした噂は何度か浮上しては,社長が否定しては消えの繰り返し.
火のない所に煙は立たぬと言えど,これほどの老舗ブランドが消えるとは考えられず,なんだかんだで事業継続するのではないかと思っていたが,そのはかない希望は無残に打ち砕かれた.
先日の「フォトパス」終了に続き,Valuecommerceのアフィリエイト提携終了,突然のオリオンポイント利用率アップキャンペーンなど,前兆は確実にあった.

結局,どこが引き受けるのか,今後の製品開発はどうなるのか,販売済みの商品のメンテは? 全て未定

ここで防湿庫に保管してある手元のオリ製品をあらためてチェック.

【ボディ】
E-1
E-5
E-620
OM-D E-M1
OM-D E-M1 Mk-II
OM-D E-M5 Mk-II
TG-5
TG-Tracker

【レンズ】
ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0
ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
ZUIKO DIGITAL ED12-60mm F2.8-4.0 SWD
ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro
ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD

M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8PRO
M.ZUIKO ED12-50mm F3.5-6.3 EZ12-50
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.8
M.ZUIKO ED 60mm F2.8 Macro
M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8

この他にPanasonic(LUMIX)のボディ(GH4,GM1)とレンズ(12-35,14-150)もあるが,それは除外.

こうやって見たら,主要レンズはほとんど買ってるなぁ.
そして,使ってないレンズも相当ある(特にフォーサーズ).
オークションに出すにしても,高く売れるのか,それとも買いたたかれるのか,今のところわからない.

小型軽量,ダストリダクション,手振れ補正,望遠側が稼げる,てんこ盛り過ぎの機能,そして何よりそのデザイン.

そんなKazchariお気に入りのオリンパスであるが,カメラ趣味の仲間内でもマイナーな存在であることは確かである.

製品がいくら良くても,会社そのものが粉飾決算やら,マウント企画変更・中止を突然行うなど,イメージ悪化が避けられない”やらかし”を何度も繰り返している.
他にも変な規格(XD picture独自USB端子など)の固執とか…
一番アレなのは,フルサイズを意識するあまり,新製品発表時に毎回宣伝される「フルサイズに匹敵する高画質」との文言…あくまで匹敵であって越えてはいないのねん.そりゃ”わざわざ”買わない.

それでも好きでしたよ,オリンパス.

オリンパスの事業の譲渡先,一番の理想はPanasonicが引き継いでくれること
同じm4/3陣営でレンズマウントを共有できる.
とは言え,Panaもフルサイズ出したしなぁ.
2マウントを維持し続ける体力は残っているのか疑問.

Kazchariが特に気になっているのが,今後の水中写真機材について.
プロやガチ組はニコ・キャノの一眼レフを使っている.
ただし専用のハウジングやストロボ,ライトまでそろえると100万円越え
さらに重くて取り扱いが大変
昨今は飛行機の預け荷物の重量制限も厳しい.

一方,コンデジだと画質に難.
マクロだとTG-5でかなりいけるが,やはりワイドは厳しい.
そのベストバランスがm4/3.今ならOM-Dやねんやけどな.

Kazchariの水中機材は,E-M18mm Fisheye,60mm Macroが主力.
ハウジングもオリンパス純正を使用.
E-M1 Mk-II用のハウジングどうしようか.
このままなくなってしまうのだろうか?
今後M1が寿命を迎えた時を考えて,購入しておくべきか...
でも,13万は今出せない.そもそもダイビング自体当分行けそうにないし.

OLYMPUS 防水プロテクター PT-EP14 E-M1 Mark II用防水プロテクター PT-EP14

あぁ,何か買わない理由探しを始めてしまっている.
冷静に考えられない.それくらいショックなニュースだ.

TGシリーズはアウトドア趣味の人たちの中で大人気である.
ダイビングにおいても同じボートで見かけないことはまず見ない.誰かが持っている.
つまり,ダイバーには一定のシェアがあるのだが,それでも今後の開発と販売は難しくなるのだろうか?
ダイビング器材メーカーって,マイナー会社(INON,TUSA,Sプロ,マレスとか)だらけで一般人は知らないはず.それでもやっていけてるけどな.

オリンパスに限らず,今や日本のカメラ産業は”かなりやばい”と相当前から言われている.
理由は言うまでもなくスマホの台頭=カメラヘビーユーザーの減少がある.
最初にコンデジが売れなくなった.
スマホの画質はさらに上がり一眼(レフにしろ,ミラーレスにしろ)に並ぶようになった(素人目には).

今や,iPhoneで誰でも一定水準以上の写真が撮れてしまう.
さらに,撮影後,アプリで加工すれば映える写真にあっという間に変身.実際に,Kazchariも「iPhone11」を入手以来,サイクリング時の撮影はこいつで行っている(重たくてデカくて写真しか写せないTG-5はお休み).

そもそもデジタル写真は,露出やホワイトバランスは後からいくらでも修正可.
今やボケさえコントロールできる.
ひと昔前は「写真をいじるなんてもってのほか.JPEG撮って出しこそ正義!イエー!」みたいな風潮もあったように思うが,今では逆に「レタッチしてない? フォトショ使えないの? それで“いいね”がもらえると思う?」みたいな世界になっている.

もちろん,スマホ万能!カメラ不要!とは思わない.
先日,iPhone11のポートレートモードでこんな写真を撮った.

iPhone11 Pro

一見,キレイにボケているように見えるが,どこかがおかしい.
おわかりいただけるろうか?

ここです.
ワイヤーに囲まれた部分は車体の一部と認識され,明らかにボケていない.
光学性能ではなくソフト的な処理とはこういうことやねんなぁ,実感.

一方,m4/3で明るい望遠レンズを使えばこんな感じ.

OLYMPUS OM-D E-M1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8

この構図をiPhoneのポートレートモードで撮ったらホイールの内側がとんでもないことに…
まぁ,iPhoneで,ワイヤリングやスポークなどでスキマだらけの自転車を撮ることは想定していないので,責めるのもおかしい話ではある.
だが,人物写真でも髪と肩,頸の間に空間があったらどうなるのだろう?

iPhone11の名誉のために,望遠レンズを使ったボケ写真も一応掲載.

iPhone11 Pro

こいつはソフト処理してないはず.
もう十分な画質やな.
通常のカメラが優位なのは,もはや動体撮影しかないのであろうか.

残りはロケーション構図か.
めっちゃ僻地に行って,滅多に見れない風景を撮ってくるとか.

もう一つは被写体を作り込むこと.
現像での加工はもちろんのこと,撮影時から特殊な状況を創った上で撮影する.
それで大成功したのがこの写真集.続編やTV出演時に撮影方法を種明かししていた.

幸せのしずく World of Water Drops

もちろんスポイトテクニックだけでなく,センス=構図が重要.

しかし寂しい話やなぁ…このままオリンパスにサヨナラされてしまうのだろうか…どうなるKazchariのカメラライフ.

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