2024/8/25 Sun
いのちだいじに
曇り.温度:22 ℃,湿度:76%,体感温度:23 ℃,風速:4.6 km/時,風向:E
『カミヒル』をスキップして参加した『占冠村ヒグマライド2024』.
ざっくり内容を説明すると,山中のヒグマ生息地をサイクリングしつつ,その生態を学ぶ ⇒ 昼食 ⇒ 座学 ⇒ クマスプレーの噴射体験というイベントである.
結論.
興味深く,勉強になったものの「事前の予測よりかなり違ってたなぁ」という感想.
そう,最初は「グラベル走行:ヒグマ話」の割合は「6:4」ぐらいと思っていたが,実際は「2:8」だった...というお話.
自宅から集合場所である道の駅「しむかっぷ」までは約100km.
何もなければクルマにて2時間弱で到着する.
現地9時集合に対し,念のためにと6時に家を出た.
もちろん自前のファットバイクを持参する.
昨日のうちにバックミラーやリアキャリアを除去.
川渡りもあるということでアスセイバー(リアフェンダー)を装着.
MagicOne(マジックワン) ASS SAVERS(アスセイバー) REGULAR ブラック リアフェンダー MG-ASR-1-BLK ブラック
走行後は,かなり泥だらけになるので,バイクを汚したくない方はレンタルおすすめ.
家族が寝ているので台所は使わない.よって朝食は出発後に美瑛のローソンで.
レース前同様「塩むすび」を一旦手に取るが(消化が良いので),今日は気にする必要がないことに気付き,「梅干し」と「昆布」にする.
他にホットコーヒーと鉄分入りヨーグルトを購入.
あれ? 結局レース前っぽいメニューやな.
国道237号をひたすら南下.
先日の「旭川-襟裳岬ライド」が思い出される.
DOMANEなHIGUMA CYCLEで襟裳岬まで行ってみたライド
8時前には占冠着.
ファットを降ろす.
既にガイドの方が待機しておられたので挨拶.
参加料¥6,000を支払う.
参加記念品はクマのマスキングテープだった(使い道が...).
集合時間まで間があるため読書の続き.
宮部みゆき小説ばりのドキュメント.
一時話題になったが,どこまで明らかになったのかは知らない.
報道されなかった?
まだ途中.ラストがどうなるのか,楽しみな一冊である.
9時が近づくにつれ,参加者が集まってきた.
ファット3台.他はMTBである.
簡単に自己紹介をしていよいよスタート.
道の駅を出てすぐに右折.
いきなり未舗装だ.いいねぇー.
そういやファットでグラベル走るのも久しぶり.
うん? 美瑛のスタンプラリーの時,少し走ったっけ?
Topstone購入後は,あっちばかり乗っている.
舗装路の走破性も高いので,グラベルまでのアクセスが楽だし.
とは言え,ファットはファットでタイヤの太さによるもっさり感があるものの,見た目より軽くグラベル走破性も高いの我がスペシャのFATBOY.
それはグラベルが荒れれば荒れるほど発揮される.
特に今日のようなコースはぴったりだった.
そう,いずれにせよ今回のイベントは「MTBかファットバイク」指定.
グラベルロードだと,相当厳しかったのは確か.
林道入口の看板を過ぎ,いよいよ本格的にヒグマの生息エリアへ.
最近の雨であちこちに水たまりができている.
はい.早速泥だらけ! ヒャッハー!
そして現れる川渡り.
実に楽しい.
ホンマ,このコースプロフィールだと,完全にファット向け.
グラベルロードのタイヤ幅だとかなりヤバかったかも.
つーことで,実に楽しいグラベル.
路面も適度に荒れていて走りごたえがある.
川渡り時はシューズが濡れてしまう.
ソックスまでぐじゅぐじゅになって気持ち悪し.
変化があって楽しい道だ.
これが通常のグラベルイベントなら,景色に目もくれず漕ぎまくるのだが...
もう一つの目的「ヒグマの生態学習」も忘れてはならない.
それにガチ勢だけではなく,普段乗っていない方も参加されている.
ようするに...休憩が非常に多いのだ.
まぁ,そこは仕方がない.
”そういうイベント”なのである.
で,そのヒグマの説明をしてくれる鳥獣保護員のMさんが,なかなか強烈なキャラクターだった.
まずは,シカとヒグマでフキの食べ方が違うという講義.
パフォーマンスしながら,実際にフキを食べるMさん.
よくわからんが,生のフキっておいしいのか?
参加者から「そこまでカラダをはらなくても」との声あり.
いや,大好きなんだろうな.ヒグマのこと...(皮肉ではありません).
そして,激坂を登り切った先にある一本の木の前でストップ.
この木にヒグマの痕跡があるとのこと.
はて,それは?
チッチッチ...チーン.
それは「背こすり」の際についた体毛(2,3本).
わ,わからん.
そこから30分近く講義...
いや,わかるんですよ.こちらがメインということは.
ただ,Kazchari的には楽しそうなグラベルがまだまだ先に続いてそうなのに,この停止時間は...キツイっつーか,もったいない.
想定していたのは,普段走れない林道の奥地をプロのガイドとともに深く潜入.
さすがに”本物”に出会わないまでも,このイベントのみの限定コース(ようするにヤバイ)を走り回りたかった...というのが正直なところ(※個人の感想です).
そう,今日のグラベルは3kmほど行って,そのまま引き返すだけ.
フリークとしては...いくらなんでも短すぎ.
次回,グラベル走行がメインの企画を立ててくれたら...ぜひとも参加したい(過去にはあったっぽい).
そうそう,今回入口からすぐに分岐したグラベルがあったので「あっちは勝手に走ってもいい道ですか?」と聞いたところ,特別な許可は不要だが,サイクルツーリズムに事前連絡が欲しいとのこと.
うむ.今度,旭川自転車愛好会のCさんに提案してみよう.
Topstoneな東神楽グラベルライド~ジャングル・リベンジ
一旦舗装路に出た後,河川敷のグラベルを少し走る.
途中で,畑のそばでヒグマ用の箱ワナを見る.
先日も一匹かかっていたそうな.
人里に下りてきてしまった...という理由で殺処分.仕方がない.
で,国道を移動して小学校跡の「双民館」へ.
現在はキャンプ場やらレンタルサイクルのステーションになっているようだ.
ここで昼食タイム.
「スイカ」「塩サイダー(なぜか徳之島製造)」そして「カレー」である.
カレーにはデカいウインナーが入っている.
これは世にも珍しい熊肉ウインナー.
村で捕獲したヒグマの肉と豚肉を混ぜて作ったそうな.
道の駅でも買えません.
このイベントのための特別製らしい.
歯ごたえがあって美味し.
そういや熊肉食べたのは初めてだっけ?
知床あたりで熊肉ラーメンとか食べれたような.
次に廃小学校内の体育館にて,パワポを使った,占冠村およびヒグマに関する座学が1時間ほど.
講師(Mさん)自らが事前におっしゃったように...すいません.講義中,何度か意識とびました.
そして,いよいよメインイベントたる熊スプレーの試射.
一部で有名なゴミ袋製のヒグマが登場(よくできてる).
風向きを考えつつ設置.
滑車により迫るヒグマ!(のオブジェ).
それを,スプレーで撃つべし,撃つべし!
とまぁ,撃つのはあっという間だが,そこまでのレクチャーが重要.
何せ,この熊スプレーは成分がヤバイ.
皮膚に触れたりするとかゆみや発赤.
匂いを感じた=服にも付着したことになるので,そのままの恰好でクルマに乗ると,しばらくは刺激臭が消えないそうな.
もちろん,目も保護しなければ.
しっかりサージカルグローブとグラサンをかけて準備.
某無課金おじさんにはなれない.完全防備で撃つ.
どこかで「噴射はクマが2mまで近づいてくるまで我慢」と聞いた記憶があるが,本日試射した高級スプレーは10mからでOKとのこと.
事前の試し吹きだけでも逃げていく可能性も.
だとしたら...本番でも余裕?(うんなわけない)
FRONTIERSMAN Bear Attack フロンティアーズマン 森林警備隊採用 ベアアタック 熊撃退スプレー ラングスジャパン(RANGS)
さぁ,これでこいつを買えば,今後のぼっちグラベルも平気!...と言いたいところだがやっぱ高ぇ.最近,さらに高騰中.
やっぱ,この衝撃動画のせい?
最後に質疑応答.
参加者の質問へのMさんの回答が興味深かった.
以下,Kazchariによる要約・意訳.
ヒグマの被害に遭わないために森へ行かない,という選択枝はない.
むしろ積極的に行ってほしい.
人間の活動範囲を広げ,ヒグマに領分をわからせてやれ.
森での経験には価値がある.
本格的な熊スプレーではない,対人用の護身スプレーで効果はあるのか?
ないよりマシ.お守りとして役立つ.
スプレー噴射後も襲ってきた場合,どうするのか?
戦うのか? それとも,うつぶせで防御姿勢をとってやりすごすのか.
どちらがいいとも言えない.
殺られるときは殺られる.
そこで,ふと考えて欲しい.
自分の人生の最後はどうあるべきかを.
負けるかもしれないけど抵抗するのか,座して死を待つのか.
後悔しない選択を.
うむ.特に最後の教えはむっちゃハードボイルド.
狩猟小説に出てきそうな思想やな.
で,そんなMさん.風向きのせいでスプレーを顔に浴びてしまった.
即効で水洗いするが,しばらく目が充血したまま.
でも30分ほど経つと...
「ほら,もう大丈夫です.御覧の通り効果は長続きしません.つまり,クマにも地面の植物にもローインパクトです」
とのこと.
またしてもカラダを張った解説だ.感動.
「カラダ張ってる」と言えば,今日は新聞記者さんも同行.
取材のためだが,普段は自転車に乗らず,ましてやグラベル走行は未経験だったらしい.
しかし,そこは記者魂.
上司の指令があれば,倉庫からミッションザック(今回は登山用装備)を持ち出して,どんな場所でも出向くらしい.
大変である.
確か,このイベントの参加条件に「自転車初心者は参加できません」と書いてあったような...まぁ,いいでしょう.
サイクルイベントは,予想を超えてハードな場合と,逆に「お,おう,そーいうイベントだったのね...」に分かれる.
前者の代表はやはり「NISEKO GRAVEL Ex-Long」!
TopstoneなNISEKO GRAVEL参戦記(その3)~PANARACER NISEKO GRAVEL AUTUMN RIDE 2023編
今回のヒグマライドは後者でした(あくまでKazchari基準).
で,道の駅に戻って解散.
15時過ぎに帰路につく.
ライド後はやはり”サ活”.
今回は初訪問,『ふらのラテール』に立ち寄る.
大人¥980でタオル付.
サウナ室:★★★☆☆
水風呂 :★★★☆☆
外気浴 :★★★☆☆
サ室は2段.木製の板に直座り.
一応マットは用意してあるものの全て使用済みで,途中,誰かが洗いにくることはなかった.
テレビなし,音楽のみはベネ.
水風呂は数名が同時に入れる広さがあるが,少しぬるめ.
外気浴可.ただし露天風呂脇にビーチチェアが2脚のみ.
スペースはあるのにもったいない.
総じてほぼ平均点.
元々,サウナを売りにしていない印象.
十勝岳連峰の景色が素晴らしいだけに,もったいない.
食堂併設だが,現在人出不足のために休業中とのこと.
どうやら田舎の施設で,こういう場所がぼちぼちと増えている模様.
農閑期は復活するのだろうか?
つーことで,19時過ぎには帰宅.
走り足りなさは感じるが,ヒグマについて少し詳しくなったのは事実.
特にMさんの思想は印象に残った.
オートバイにしろ,チャリにしろ,一般人よりも確実にグラベルに入り込んでいるKazchari.
幸いにもヒグマに遭遇した経験はない.
とは言え,グラベル走行を趣味にする以上,その日はいつか来るだろう.
それに最近は国道や市街地でも出没してるしな.
はたして,その際に落ち着いた行動がとれるか.
今日得た知識・経験が身を助けるとええね.