なんとなく終末観

2020/2/28 Fri

さて,どう行動すべきか.

OLYMPUS TG-5

新型コロナウイルスの感染拡大予防のため,市内小中学校が休校となった.
当初は1週間の予定だったが,首相が全国の公立校全てに休校を要請したため,どうなるのかさっぱりわからん状況.

24日の祝日および有給取って休んだ昨日も,通常であれば子供らを連れて外出することが多いが,今回は人混みを避けるようにした.
結果,3人で丸一日自宅待機でレゴ三昧.

ヨメさんは祝日も含め通常勤務なので,外から持ち込む可能性もないではないが,そこは医療関係者,対策はしっかりしているので大丈夫でしょう.

旭川では有名なとんかつ屋の経営者が感染後,店の名前を公表し休業したことが話題になった.
この方の他人に迷惑をかけたくない男気が評価されるとともに,日本人はこの手の話が好きやから,終息後は人気店になるんやろなぁといらぬ邪推もしたくなる.

一方で,クルーズ船で働いていた医療関係者(とその家族)が差別されるとか,人込みで喘息で咳き込んでいた人がいきなり罵倒されるなどの話も出回っている.
こういうのがエスカレートすると,原作版『デビルマン』のような不信感の増大から悪魔狩りへ,そして人類滅亡へという悪夢のシナリオ.
そうならないことを望むが,いずれにせよ,今回の災厄は東日本大震災並みに人々の意識を変えるような気がする.

今回のウイルス騒動が始まる少し前にKindle Unlimitedにて,一色登希彦の『日本沈没』を読んだ.
小説ではなくコミックである.
全15巻全てがUnlimitedで公開されていたので一気読みした.

日本沈没 1巻

何しろものすごい熱量のコミックであった.
確かにイマドキの液タブマンガと比べると画は荒いし,キャラ設定は途中で崩壊するし,ストーリー展開も全然スマートではない.
でも,それが日本沈没(ようするに地震と津波)という未曽有中の未曽有災害の中,そりゃ人がここまで壊れるのもさもありなん...という説得力がある.
小松左京の原作小説も何十年か前に読んだが,むしろ藤岡弘主演の映画版が印象に残っている(アルマゲドンもどきの草薙くんのアレより数倍面白い).

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没

そのおぼろげな記憶からでも,このコミック版は,「あれ?こんな話だったっけ?」的な描写だらけで,“日本が沈む”というプロット以外はほぼほぼオリジナル.
時代も現代(2000年ぐらい?)に変更されている.
前半は割と冷静に緻密に描いているのだが,後半にかけては,話の整合性やバランスを無視した叩付けるような怒涛の展開.
地震で壊滅状態の首都ではデビルマンな描写!
しかもこの作品,阪神淡路後,東日本の前の作品というのが感慨深い.
なぜこのコミック,あまり話題にならなかったのだろう?
クセが強すぎるから?

ラストはSF的(クラーク『幼年期の終わり』っぽい).
難民となる日本人が海外に散り散りになるのだが,その受け入れ条件と求められる”ふるまい”がちょいと理想的すぎるかなぁ...
全編,かなり政治的メッセージも多いので抵抗ある人いるかも.

著者の一色さんの作品では他に競馬漫画の『ダービージョッキー』,オートバイ漫画の『モーティブ』がUnlimitedで公開されている.
後者のみ読んだが,これまた熱い.
高校生が読んだら人生変わりそう.

いずれにせよ,何となく終末観漂う今日この頃,こうしたコミックや映画はいかがだろうか.
楽しめるかどうかはともかく,平時に鑑賞するのとはまた違った体験ができるかもしれません.

歌野晶午『春から夏,やがて冬』を読んだ

2020/1/9 Thu

春から夏、やがて冬 (文春文庫)

それほどの読書家ではないが,年間100冊は活字本(紙の本)を読んでいる.ほぼ100%図書館で借りている.金銭的に助かるのと〆切(返却日)がある方が読めるのです.傾向としては新書ノンフィクションや国内ミステリ系が多い.

大学生の頃は国内外の純文学にドはまりしていた.今でも一番好きな作家は?と質問されたら迷わず「ヘルマン・ヘッセ」と答える.この頃は新潮文庫や岩波文庫をたくさん買ってたなぁ.
しかしながら,たまーに本棚の奥から“文学系”を引っ張り出して読むと...あかん.展開の遅さに逆についていけん.むしろ老境に差し掛かかった今は軽い内容の本が楽しい.

簡単な読書リストもつけている.1984年から記録しているが,面白いことに最近読んだ本より,20年,30年前に読んだ本の内容を覚えているのはどういうこっちゃ.作品のデキ云々よりも,Kazchariの脳機能,特に感性の低下が懸念される.

さて『春から夏,やがて冬』である.これはミステリ小説なのだろうか?

この本,事前の評判などから探していたわけではなく,たまたま図書館のオススメ本コーナーに置いてあった.手に取り表紙を開いてみると,図書館的処理で貼りつけた帯にこんな文言が...

「ラスト5ページで世界が反転する!」

おお,これは期待できるぞ.なんせあの“葉桜”の作者やしな!と喜び勇んで借りました.

以下,少し内容に触れます.

結論 ⇒ 反転しませんでした.

ハードル高めで読んだせいかな? むしろこのラスト5ページ不要では?
ここまでのヒロイン(?)の造形から,そういう行動するかなぁ...何か納得いかない.
でも,いつ来るか,いつ来るかのワクワク感は味合わせて頂き,一気読みさせる筆力はある.さすがだ.

むしろ,ミステリ要素を抜いた部分.全てを失った50代主人公の心情には共感できた.でも殺すかなぁ...携帯のメッセージでばれた(ことにした)ってのも無理あるし.物語だからと納得したとしても“読了後の充実した感”は弱いなぁ.

この作者には『葉桜の季節に君を想うということ』という泣く子も黙る大傑作がある.相当この類のどんでん返し系ミステリを読みこんでいたとしても,騙されない読者はまずいないはず.今でもおおよそのストーリー展開を覚えている.「おもしろい本はないですか?」と訊かれたら真っ先に推薦している.

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

『春から夏,やがて冬』がKazcahri歴に残り続けるかどうかは,時間が教えてくれる.

A Busy Day

2019/12/21 Sat

OLYMPUS TG-5

先週の土曜日はホンマに忙しかった.

9:00,ヨメさんと娘(13歳),バレエ発表会のリハ&準備のため出発.

9:30,Kazchariと息子(7歳),英語教室に向かう.
10時開始のはずだが,先生も生徒も誰もいない.公民館の予定ボードにはしっかりスケジュールに組み込まれているのだが...掃除のおばちゃんにも心配される.結局,年末の休業と判断.どこかで連絡ミス?

息子,自販機にて恒例の「いちごミルク」を飲む.英語教室の後はこれ.絶対にメニューを変えない息子.

1Fの市立図書館の開館を待つ.最近,息子がはまっているのが『おしりたんてい』シリーズ.小学生男児の心をわしづかみである.

おしりたんてい ふめつの せっとうだん (おしりたんていファイル)

10:30,次の習い事である体操教室へ移動.
体育館に消えゆく息子を見届け,車に戻る.館内に休憩室的なものはないのだ.
幸いそれほど寒くなく,車内でkindle.『金剛寺さんは面倒臭い』で爆笑.

金剛寺さんは面倒臭い(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

Kindleを手に入れてから,それまでなら絶対に読むことのなかったマンガに出会うようになった.ついでに時間泥棒にも出会ってしまった.もちろんアナログ読書も大事だ.うん.
ポカポカ(というほどでもないが)陽気の中,ついついウトウト.こんこんと窓を叩く息子.「終わったよ.寝ちゃダメ」

息子,自販機にて恒例の「アロエ&白ぶどうジュース」を飲む.体操教室の後はこれ.絶対にメニューを変えない息子.

帰宅して,昨夜の残りのハヤシライスで昼食.Amazon Primeで『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en Film』を観る.現在放送中のリュウソウジャーはアレだが,前作のルパパトは非常に面白い.ビジネス的には失敗(玩具が売れなかった)だったそうな.

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film

余談だが,先日,たまたま息子(7歳)と二人きりになった際,何かのきっかけで「姉ちゃんのこと好き?」と訊くことがあった.

息子「好き」

Kazchari「じゃぁ,かーちゃんは?」
息子「好き」

Kazchari「じゃぁ,とーちゃんは?」
息子「...悩むねぇ」(おい)

父親評はともかく,セラピストの端くれとしては次の質問が欠かせない.

Kazchari「じゃぁ,M(息子)は自分のこと好き?」
息子「大好き!」(即答!)
Kazchari「どんなところが?」
息子「悪ガキだから!」

良い返事だ,息子よ.

次は娘のバレエ発表会.14:30会場なのであわてて出撃.
土曜日なので車多めで遅れそう.やばいやばいとあせりつつも14:35には会場着.身内ばかりとは言えほぼ満席.割と良い席が取れた.

15:00,開演.娘はシニアのソロなので後半の出演.
その娘の演技だが,掛け値なしに素晴らしかった.『パリの炎』という演目なのだが,中盤に難度の高い見せ場がある.「ポワント」つまり片足つま先立ちで,前方に進みつつ,上げたほうの足では膝の屈伸を行う.我が娘,それをブレなくやりきった.すごいぞ.会場からも演技終了後ではなく,途中で拍手があった.
話によると前日,当日のリハーサルでは失敗の連続で,本人は落ち込み,周囲はハラハラものだったそうな.意外にも本番に強い側面を見せた娘であった.できれば勉強の方もそのノリで...

16:00,終幕.さて,次だ.
退屈なのか,上演中ずっと不機嫌だった息子.Kazchariに話しかけたり,おもちゃで遊んだり,変なポージングをするなど全く落ち着きがなかった.しばいたろかと思う頃,ようやく寝る.その息子を起こし,帰り客で駐車場がごった返す前に会場を脱出.知り合いから娘の演技のことを褒められたりして呼び止められるが,申し訳ありませんと,次のポイントへ急ぐ.

16:40,駅前イオン着.次は映画『仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション』の鑑賞.現在放送中の「ゼロワン」と前作「ジオウ」のコラボ映画.主人公の父親役の山本耕史が全面的にかかわるということで,ファンであるヨメさんの方が楽しみにしている.で,先にKazchariが偵察.株主優待カードによって二人で¥1800+ポップコーン付き.とりあえずイオンシネマのシートは快適だと再確認.

以下,内容に触れます.

結論.大きいお友達も子どももどっちつかずの内容.
大人はタイムパラドックスが気になって仕方がない.TV本編とは別の山本耕史=飛電其雄の死が描かれるが,本編でも映画でもヒューマギアの死には違いない.それよりも“本物の”父がどの様な最期を遂げたのかがテーマになると思っていたので,すっかり肩透かしである.間違いなく,TVの後半は父の死の真相やろな.
子どもには,少なくとも息子は内容についていけなかったようだ.直前のTV放送で死にかけたキャラ(滅)を見て,パラワールドの出来事にもかかわらず「わ,やっぱ生きてんじゃん」とか言っていた.無理もないか.

と,全く大人げないコメントですが,ライダー映画には『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』という大傑作があるので,毎回,期待値高めで鑑賞しているわけですよ.

仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ

夕食はそのままイオンのフードコートで.ポップコーンのおかげでそれほど腹減らず.久々に「花まるうどん」.丸亀の方がうまいな.
帰宅して,息子を入浴させ,身体を吹いていると,母と娘帰宅.
ようやく解放され,今夜も今夜でレーパンをはいて,Zwiftに接続されたスマートローラーに向かう趣味人Kazchariの姿があった.とーちゃんの戦いは続く.ちゃんちゃん.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(17)

1993/3/29 Mon

コンポンソムはかつて,シアヌークビルと呼ばれていた.

人に対して何か良いことをすると,それを神様が毎回チェックしていて,その分だけ楽しい人生を与えてくれる…心のどこかではそうであることを望んでいる.これが自分の道徳観,倫理観の正体.単純単純.

周期的に訪れる鼻炎のおかげでくしゃみが止まらない.時期的に花粉症なのだろうか?

その様な状況ではあるが,コンポンソムに来た本来の目的である「ピーチで泳ぐ」をようやく完遂することができた.

宿を出て海を目指す.しばらく荒涼とした大地をさまよう.まるでヨーロッパの芸術映画のごとき風景が広がる.刑務所風建物の壁沿いを通過し,たどり着いたビーチは遠浅の美しい白浜であった.
ホテルらしき建物もあるが,我々以外に人影はない.全くない.

持参した競泳用ゴーグルをつけて潜る.魚はほとんどおらず,シュノーケリングには不向きであったが,久々の海水浴に満足.シャワー生活が続いた後の湯船みたいなものである.曇天の下,静かな波間をふわふわと漂う.
“リゾート”というわけにはいかなかったが,なんとなく哲学している空間だった.

3時間ほどビーチで過ごした後,市場へ.途中,駐車場付きのバンガローが立ち並ぶ通りに出る.そのいくつかにUNTACのランドクルーザーが停車していた.ネオン付きのけばけばしい看板には「大香港旅社」と描かれていた.用途はおおよそ想像がつく.

市場の食堂のテーブルは真っ黒だった.そう,ハエテーブルと化していた.カンボジアにはハエが非常に多い.慣れというのは恐ろしいもので,その様な場所でも食事が平気になった.適当に選んだおかずをのせたぶっかけメシを食う.

宿に戻ってテラスで読書.たまたま読んでいるのが『ガリバー旅行記』.馬人国,フウイヌム編が実におもしろい.全ての人間は唾棄すべき畜生,ヤフーなのだ.昨日読んだ巨人国の食事場面を思い出した.先ほどのハエテーブルと重ね合わせると…ウッぷ.(その18へ)

今年もよろしく雪道ライド

Mostly Cloudy, 1°C, Feels like -3°C, Humidity 89%, Wind 3m/s from S

アップが少々遅れたが,11/9のライド日記となる.
朝起きると,Zwift部屋からの眺めがこの様になっていた.
旭川はいきなり真冬に突入.

OLYMPUS TG-5

初雪後の本格的な冬景色.思えば前日の金曜日は仕事で北見方面に出張していた.業務が終わり,現地を出発したのがPM7:00.旭川紋別自動車道,白滝付近で暴風雪に遭遇.除雪間に合わず,積雪は軽く5cmを越えていたように思う.さらには横殴り,正面からの雪でハイビームが反射して使えない.おまけにKazchariのくるまは軽のハスラー.蛇行するわ,後方からトラックやSUVに煽られるわで生きた心地せず.いやぁ,無事に帰れてよかった.「俺っ,生きてるっ!」

で,翌日は休日.天気も回復している.となればグラベルへGoである.
ウェアは冬用中装備.手袋で悩む.ハンドルカバーはまだ早いと判断.チャリの方は凍結を考えタイヤの空気圧を減らした(通常1.2Bar→0.7Barへ).
幹線道路の状態はこんな感じ.

OLYMPUS TG-5

いつも通り南に向かい,空港周りを探索予定.途中で眺めのよさそうなあぜ道を見つけるとそちらにハンドルを向ける.遠くに離陸間近のJAL機が見える.

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空港脇の撮影スポットに入る.今日はバズーカカメラマン皆無.良い撮影日よりだと思うのだが.日差しも出てきて,15%超えの激坂を上って自撮り.ポージングがイマイチ.

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今度は下る.青い空,白い雪,黒い土,さらに黄色の枯れ木がアクセント.自撮り棒にて俯瞰撮影.

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雪を踏む.薄氷を踏む.

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落葉のもみじを見つける.赤と白のコントラスト.

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千代ヶ丘の踏切を押して渡る.くるまは通れない.

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帰路に就く.
お気に入りの河川敷へ.時折,川岸に降りる.どう考えても無謀なブロック敷.ファットだと安心,と言いつつも結局は水門に阻まれて,堤防に15kgを押し上げることになる.

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堤防を走る.一週間前との景色の違い,変化を楽しむ.この極端さが楽しい.

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コーヒータイム.この魔法瓶,ホンマ優秀.残念ながらボトルゲージに差してグラベルすると表面が傷だらけになってしまうのだが.

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タイガー 水筒 500ml サハラ マグ ステンレスボトル 軽量 アクアブルー MMZ-A501AA

PM1:00,今日も無事帰宅.例によって泥だらけで実に楽しい.自宅庭の雪はこんな感じ.また融けるかな.

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弱虫ペダルは最新刊64巻からMTB編! 世間では色々と物議をかもしているようだが(2年目のIHの結果がアレだったので),Kazchariは楽しんでいます.特にこの巻はMTB解説編で勉強になる.コーナーでペダルを回せるとか(ビギナーなんでスイマセン).そやけど,ここにきて突然のMTB編,うがった見方をするなら業界の「MTBを流行らせよう戦略」を感じないでもない.ロードブームの夢をもう一度,とか.

弱虫ペダル(64) (少年チャンピオン・コミックス)

『バイクパッキングBOOK』を読んだ

バイクパッキング BOOK 軽量バッグシステムが創る新しい自転車旅

軽量バッグシステムによる自転車旅の提案書である.
忘れかけていた何かを思い出させてくれる良書であった.
MTBによるグラベルツーリング(+テント泊)の話題が多く,まさにKazchariの旬の趣向に合致する.

自転車旅と言えば,頑丈だが重量級のクロモリ・チャリの前輪と後輪に,これまた頑丈なサイドラックと帆布バッグを4つ装着して,夏休みに真っ黒になりながら日本各地を旅する,というイメージが強い.

そしてチャリダーのメシの量は半端ない.

本書によると,昔に比べて何よりも装備の軽量・小型化が進んだ.
身軽になったことにより,未知なる場所へ踏み込むハードルがかなり下がった.
このブログで紹介してきたグラベルは基本,車も通れるダブルトラック,農業や林業用道路がほとんど.
著者の意見ではシングルトラック,つまり登山道や獣道のトレイルにこそ旅の醍醐味があるそうな.

Kazchariも元々はオートバイ野宿ライダー.最近,乗る機会がすっかり減ったものの,『HONDA XR250 BAJA』(1996年型)を未だに所有している.

思い起こせば1987年の夏,初の北海道ツーリングはなかなかの苦行であった.
当時はインターネットも,ノウハウを教えてくれる師匠も友人もいない.
せいぜい雑誌(『OUTRIDER』など)をむさぼり読んで装備を整えるぐらいしか事前準備できなかった.

若さは得てして楽観的思考を生む(準備万端にできるほど資金もない).
保温性能が低いわりにかさばる3シーズンシュラフと,雨風にめっぽう弱くデッドスペースだらけのダンロップの黄色い三角テント,EPIストーブとコッヘルのみがキャンプグッズ.
しかもバイクはレーサーレプリカポジションの『HONDA VFR400Z』.
何とかなるだろうと大阪の自宅を出発.

舞鶴からフェリーに乗って,小樽に上陸し北を目指すという定番パターン.
キャンプ最初の夜は背中が痛くて眠れない.
そう,銀マットなどの地面に対するクッション類は持っていなかったからだ.
さらにはライトもないので夜は真っ暗.8月と言えど,北海道の朝は寒くて目が覚めた.

それでも2週間の旅からの帰宅後はすっかり野宿ツーリングに目覚めた.
出会った旅人たちのなんと面白かったことか.
失敗経験からの反省や社会人になったことによる金銭的余裕から装備品も徐々にアップデート.
オフロードバイク『HONDA NX125』も買い足した.

大阪在住時には四国,九州方面.
沼津に住んでいた頃には伊豆半島,信州方面は元より,東北地方まで足を延ばすなど,ほぼ日本中をバイクで周った.

昨今は,スノーピークのアメニティドームを軽自動車(ハスラー)に積んで,家族4人で毎年8月に1泊×2回ほどするファミリーキャンパーである.
これが決してつまらないわけではないが,何かが足りない.

スノーピーク(snow peak) テント アメニティドーム (新品番)

自転車趣味が高じてからは,オートバイではなく,旅するチャリダーが目に付く.
正直に言おう.うらやましいのだ.

しかしながら,よくよく考えてみると,ここ数年は既にバイクパッキングに極めて近いことを既に実践していることに気づいた.
そう,これって600kmのブルベ装備とさほど変わらない.
サドルバッグ,トップチューブバッグ,フロントポーチは既に持っている.
ストーブなどの調理道具もある.軽量テントさえ買い足せば,いつでも旅立てる.

プロモンテ(PuroMonte) 超軽量山岳テント [日本国内生産品]

現在,年末から元旦にかけての,ファットくんによる年越し宗谷岬ツーリングを計画中.

本当に実行するのか?
予断を許さない状況である.