2022/8/24 Wed
吹けよ,飛べよ,叫べ
4時起床.
なぜだか「GARMIN Edge 1040」が夜間突然「ピコッ」となるおかげで,夜間に数回起こされてしまう.
チャリを動かしていないにも関わらず,チャリのスピード・ケイデンスセンサーを常に拾いにいく.理由不明.
ピコ音が聞こえないよう,浴室に放り込んで,再度就寝.
ちゃんと説明書読んで,設定せんといかんなぁ.
起床後,カーテンを開けると見事に快晴!
普段はロンドン並みにガスってる釧路ですよ.これを奇跡と呼ばずしてなんと呼ぶ!(偏見)
そうなのだ.
めちゃめちゃ幸運に恵まれたこのブルベ.天気に関しての懸念は昨日のみだった.それすらクリア.
今日を含めた残りの2日間は快晴予報.ツキ過ぎてて反動が怖い.
そそくさとパッキング.
今日からはドロップバッグに入れていた新しいジャージを着用.
気分一新で後半戦に臨む.
5時半になったので1階のレストランへ.
ビュッフェ方式の朝食である.
最近噂に訊く超豪華な(いくら食べ放題など)朝食ビュッフェには及ばないが,十分美味い.
時間的制約がなければ,もっとゆっくり,もっとガッツリいきたいところだが,なんだかんだで本日も200km越えのライドが待っているのだ.やや控えめにした.
6時チェックアウト.
半袖ジャージ+アームカバー.
日焼けによる疲労を考慮してのことだが,通常の日帰りライドだったらカバーはしない.
そんな上々なサイクリング日和.
まずは釧路の町中を,コース折り返しで進む.
やはり夜と朝では雰囲気違うな.
分岐点まで来た.
ここから本ブルベ最南端,襟裳岬への長い長い旅が始まる.
国道38号.
物流の大動脈であり,実際交通量も多いのだが,肝心の路面状況はあまり良くない.
いや,車道はいいんですよ.
問題はチャリが走る路肩.
広くてキレイな時もあるが,ボコボコの時はホンマにボコボコで草ぼうぼう.
それらの回避のために右側に寄ると,すぐそばを高速のクルマ・トラックがスレスレに通る.
やはり海沿いの道は傷みやすいのだろうか?
実際,この後,襟裳を回って北上する道もたいがいだった.
北海道って,こんなに道悪かったっけ?
それとも,Kazchariが疲れてきているから気になるのだろうか...
とりあえず通過チェックでも何でもない道の駅「しらぬか恋問」で休憩.
海がキレイだ.
その後も海沿いを南下.
で,ある意味今回の最重要チェックポイント.
音別町のセイコマ着.
ここで補給および買い出しを忘れると,約100km先の広尾まで飢餓に苦しめられることになる.とりあえずバナナは外せない.
と,ここで久々にAさんと再会.
「連れの方は?」と聞くと,「ケツが割れた,と釧路のホテルで寝込んでいるので置いてきました」「まだ時間もあるし大丈夫でしょう」とのこと.二人旅だけど一人旅な感じ.ペースが合わないと疲れるしね.それがブルベ.
「STRAVAでフォローしてもいいですか?」と尋ねると,「やってない」とのこと.
珍しい.
その昔,ルート記録のため,クルマでサイコンを使っていた際,セグメントのKOMを次々に更新してしまったため,DMでクレームが大量に送られてきたそうな.そのせいで退会.うーむ.
他のSNSもやっておられなくて,結局Aさんの名前は最後まで不明のまま.
そうか.普通にメールか電話番号の交換で良かったんや.すっかり抜けてた.時代やね.
Aさん先行.数分後,Kazchariも出発.
さすが「1300」に出場するだけあってAさんもなかなかの豪脚.
この後,襟裳岬直前まで再会することはなかった.
海岸沿いは天気が良くて,これまた最高のサイクリング日和.
うん? 過酷なはずの4桁ブルベがこんなに快適でいいのか?(いいのだ)
海から山へ風景が変わる.
暑い.
噂通りの過酷なコース.
同じような風景が延々と続くアップダウン.
たまに見かける廃屋と自販機.
緑は豊かだが,まるで砂漠を横断しているかの様.
精神的にヤラれる.
途中2,3回停車して,ジェルやミニジャムパンで補給する.
十勝に入ると,過去のブルベで見知った風景やCPが表れる.
例えばこの橋もそう.
晩成温泉の入り口にて缶ジュース.
ここも先日の「トカプチ400」で見覚えがある.真っ暗やったけど.
そしてようやく人が住まう街,広尾着.
本日のクライマックスである襟裳岬攻略戦前に,ちゃんとした昼食をとることにする.
(ミニ)親子丼と味噌ラーメンで¥880のセット.
ボリューミィかつやさしい味でした.
さぁ出発.
最大の懸念事項,海岸沿いの風は...やや向かい風だが微風.
今日も幸運が続いている.
さて,ここからは国道336号.
開通工事に莫大な費用がかかったことからついた名前が「黄金道路」.
今でも,常にどこかで工事中.
トンネル化が進んでいる.
以前に比べ,道幅も広く走りやすくなった...気がする.
荒波の中サーファー達の姿を見かける.
海はいいよねー.冷たいのは勘弁やけど(リゾートダイバーの私見).
ここの自販機で休憩しているとAさんもやってきた.
広尾の町で抜いたのだろうか?
この先,やたらに長いトンネルがある.
道内最長,4941mの「えりも黄金トンネル」だ.
幸い交通量は少ないものの,ヘルメットに付けたリアライトも含め,赤色ライトをオール点灯.
どーか追突されませんように.
とうとう襟裳岬公園まで約14kmの道道34号線への分岐点到達.
後,少しである.
周囲に誰もいないことをよいことに,防風林通過時「襟裳岬キターッ!」と大声で叫んでしまった.
わずか2日前に宗谷岬にいたことを考えると感慨深い.
人力でここまで来れた.
そう日本は意外に狭いのだ.
到着.
確かに風はあるものの,襟裳岬にしては全然マシ.
GWに息子と来たときに,風の館周辺は入念に散策したので.ちゃっちゃと退散.
今日こそ,暗くなる前に宿に着きたい(無理だ).
吹きさらしの高原やら,トドメの激坂を越え,国道に合流.
えりも町のセイコマで一旦休憩して補給タイム.
食べ終わったので店内のゴミ箱に捨てようとするが,なんと久々にゴミ箱なしのセイコマだった.
ペットボトルとおにぎりの袋程度なので運べないこともなかったが,ダメ元で店員さんに「すいません.自転車なので,このゴミ引き取ってもらえませんか?」と頼む.
すると「ここで買ったものですよね? いいですよ」と快く引き取っていただけた.
おお,今回,天気だけでなく,ここでもヒトにも恵まれてるぞ!
宿泊地の浦河まで残り約40km.
夕暮れの海岸沿いを爆走する.
残念ながら今日もやっぱりナイトライドになってしまった.
西日がまぶしい.
JINSで買ったSwichというサングラス取り外し式のメガネを着用しているのだが,その肝心のサングラスを忘れた.
普段のKazchariはコンタクトユーザー.
200kmまでのライドでは,コンタクト+グラサンで走っているが,それ以上の距離(つまりブルベ)はメガネにしている.
今回の「1300」も,もちろんメガネ.
正直,メガネは楽.
長距離に見合わぬこの疲労のなさは,こいつのおかげかも.
「重い」「雨だと面倒」「曇りやすい」などのデメリットもあるけどな.
今では,バイザー付きのヘルメットも普及しているので助かる.
オージーケーカブト(OGK KABUTO) 自転車 ヘルメット AERO-R2TR トライアスロン マグネットバックル仕様
やがて左手に今年のGW,息子と行ったアポイ岳が見えてきた.
すると,記憶にあるこのあたりの道は...波が防波堤を越え,ところどころ道を濡らしている.
当然,塩水である.
やめてくれ.
そんな波に洗われる道路や,小さな漁村をクリアして,とうとう妙におしゃれな浦河のマチナカに到達.
今日のライドもようやく終わりだ.
予約している宿は地図上,中心街からやや離れたところにある.
いつも通り,ホテルの場所を確認した後,夕食ポイントを探す.
ちょうどホテルのすぐ裏手あたりが一大飲み屋街になっていた.
居酒屋ばかりで,普通の食堂はないのか...と探すと,,,ありました.
せっかくの海沿いなので海鮮モノと考えたが,やたら「山賊焼き」を推しているので注文.
何の料理かわからないまま頼んだが,骨付きの鶏もも肉を焼いた,ローストチキン風の料理だった.
味は悪くないが,量が...(以下,略)
例によって帰りはローソンにて,我が筋肉たちをねぎらうためプロテインを購入.
【ケース販売】明治 ザバス(SAVAS) ミルクプロテイン 脂肪 0 バニラ風味 200ml×24本入
引き返してホテルにチェックインする.
さて,本日のお宿「ホテルイースト」だが,事前情報ゼロ.
ブルベ民にはあまり使われていないのだろうか?
それにしてもフロントのおっちゃん,よくしゃべる.
これまでのルートやら,チャリの値段,背中につけた「おにやんま」にまで,ずーっと質問攻め.早く部屋に行かせてくれ.
とりあえず,チャリの部屋への持ち込みはOK.これだけで良ホテルだ.
ただし,残念なことに,このホテルには洗濯機がない.
すぐ目の前にコインランドリーがあるが,着ていく服がない.
結果,手洗いとする.
かつてKazchariはアジアを放浪するバックパッカーだった.
当時は妙に几帳面で,毎日洗濯をしていた.
その洗濯手法が,今蘇る!
1)コンビニ袋に洗濯物+水+洗剤を入れて,30分放置.
2)2,3分間手で撹拌した後,すすぎとして新しい水を入れ再度撹拌.これを3回繰り返す.
3)そして干す.
これだけ.
だが時代は進化した.
今回はコンビニ袋ではなく,ここまで運んできたこいつを使う.
まっ,方法は同じやけどな.
下部のバルブも使用せんかったし.
問題は乾燥である.
アジアの灼熱の大地では,日中外に30分も干しておけばパリパリに乾くのだが,日本っつーかこの状況では無理.
これまでは洗濯機による脱水までできたので,タオル吸水で翌朝には乾いていた.
仕方がない.
今夜はビブのパットや靴下の乾燥にはドライヤーを使わせてもらうか.エアコンも効いているし,なんとかなるでしょ.
つーことで,22時過ぎには就寝.
ホンマ4桁ブルベなのに,こんなにゆったりできて,これほどうれしいことはない.
正直,400の徹夜走行や,600の仮眠走行の方が辛いな.
明日はいよいよ最終日!
本日までの走行距離:1120km/1309km