誤解の誤解は?~「運命」と「フランケンシュタイン」

2021/11/6 Sat

へぇーへぇーへぇー.

iPhone11 Pro

今回はKazchariが知らなかった,もしくは世間の大多数が誤解していた(いる)かもしれないトピック.

まずは『タクトオーパス』というアニメについて.

takt op.Destiny

2021年度秋アニメ.
「Amazon Prime Video」で現在5話まで配信中.
題名がややこしい.
全くノーチェックだったが「戦闘シーンの作画が素晴らしい」という評を目にして視聴開始.
確かにアニメーションとしての”動き”は素晴らしい.
ヒロインの武器は銃と剣を兼ねる.
最近の仮面ライダーのそれっぽい.
ただし...戦闘そのものは単調なので飽きやすいかも.

残念ながらストーリーは(現在)イマイチ...既視感強め(これは仕方がないかも).

以下,あらすじ.

どこからか現れた謎の怪物D2(地球に実存する生物にどこか似ている)に侵略された地球.
そいつらは何故か音楽を憎んでおり,国家は国民に対し,大規模な音楽イベントなどを自粛させている(あれ?どこかで聞いたような).
主人公はピアニストだが,自宅で一人練習する日々(なぜかピアノソナタ「悲愴」推し).
有名な指揮者だった父親が過去に何かをやらかして,大規模被害を人類に与えたらしい.以来引きこもり気味.
ある日,幼馴染に誘われて街の音楽イベントに参加.
あらためて人前で演奏することの喜びを実感したのもつかの間,D2に襲われて主人公は負傷,そして幼馴染死亡.
絶対絶命だったが,幼馴染はかつてD2を撃退したという伝説の戦士プリ...じゃなかったムジカートに転生し,D2を駆逐する.
主人公はコンダクターと呼ばれ,ムジカートを指揮(指示)しながら戦う.
ただし,戦闘が長引くとコンダクターがどんどん消耗していき,動けなくなってしまう.
転生後の幼馴染は人間だった頃の記憶を無くしており,無感情+D2絶対コロス+やたらカロリー消費キャラに変化.
もろもろの謎を解くために,シンフォニカというD2対抗組織の本部があるニューヨークまで,世話係だが文句だらけのお姉さんと3人でアメ車で向かうというロードムービー.

音楽がテーマのSFアニメというくくりなら,昨年マニアック過ぎて大爆死した『LISTENERS』と似ているような似てないような.
あっちはロック(の歴史),こっちはクラシック音楽をテーマとしている.

LISTENERS リスナーズ

ムジカートの魅力が全てとも言える『タクトオーパス』だが,その設定の詰めが非常に甘い.

まずはヒロインの「運命(うんめい)」
次に「巨人(タイタン)」が登場.
なぜか和名と英名がごちゃごちゃ.
主人公補正かな?
今後も有名な交響曲の副題で名づけていくパターンかなぁ...と思っていた.

「巨人」はマーラーの交響曲第一番のこと.副題も作曲者自らが命名.
Kazchariには本編で曲が使われていた記憶がないが,なぜタイタン?

問題は「運命」の方.
これはベートーベン交響曲第5番の副題.
誰もが知っている♪ジャジャジャジャーンである.
彼の信条である「苦悩を通じて歓喜に至れ」を具現化した楽曲である.
劇中では何度か第四楽章が使われているが,ここだけ流してもなぁ...

それはともかく,この曲を「運命」なんて呼んでいるのは日本だけ.
ベートーベンが名付けたわけではない.
「運命はかく扉を叩く」と言ったからとか言わなかったとか.
海外で紹介する時にはどうするのだろう...と思っていた時期がKazchariにもありました.

だがしかし! こんなサイトを発見!

ベートーベン《運命》のタイトル

だそうな.
知らんかった.
マウントとって話していたら,エライ恥をかく所やったな.

さて,本編に戻る.
オープニングには後2体のムジカートが描写されていたので,順当に行けば「ジュピター」「未完成」かなと思っていた.
ところが,5話になって3人目「ワレキューレ」,4人目「地獄」(?)が登場.
交響曲縛りから外れた.
いきなりのワグナーとオッフェンバック? なぜ後者は「天国と地獄」ではない?(アンシンメトリィなコスチュームに意味あり?)

そして最大の不満は戦闘シーンなどで由来となった曲が全く流れないこと.
これは「運命」も「巨人」も同じ.
何のための楽曲からの命名なのか? さっぱりわからん.

ただのファッションなのだろうか?
キャラ名に必然性があったり,作曲者や曲のエピソードに準じた技があったりした方が絶対ヲタク受けすると思うのだが.
未視聴だが「文豪なんちゃら」とか「クラシカなんちゃら」とかって,そのあたりのこだわりあったんとちゃうん?
OP,EDともクラシック無関係やし.

とりあえず視聴は続ける予定.
最終回で評価は変わるかも.

次は「フランケンシュタイン」について.

冒頭の画像は,息子が英語教室でもらってきたプリント(ハロウィンパーティー用).
「そもそもフランケンシュタインってドイツ語では?」というツッコミはさておき,知っている人は知っているように,この絵はフランケンシュタインではない.
ただの「怪物」
フランケンシュタインとは,この人工生物を作った科学者の名前である...とうんちくを述べていた時期がKazchariにもありました.
これに関しても,今ではこのような解釈が...

フランケンシュタインは怪物の名前というのは「誤解」なのか?

アシモフ先生にまで認識されてしまっていたとは...
言葉は生き物とはよく言ったもの.

日本語にも「情けは人の為ならず」とか「議論が煮詰まる」といった誤用が誤用でなくなってしまった例もたくさんあるしな.

また,時と場合に応じて,相手がどちらの意味で用いているのか確認する必要がある言葉もある.

そう,犬も歩けば棒に当たるのように.

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