『LONG WAY DOWN』の感想(その4)「ケニア編」

2020/12/8 Tue

オフロード三昧.

ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンのアフリカ縦断バイク旅『LONG WAY DOWN』(LWD)AppleTV+で視聴中.

今回はケニア編の感想.
例によってKazchari自身の旅の思い出とクロスオーバー.

人生初の海外旅行先はケニアだった.

正確にはボンベイ(今はムンバイ)で1泊トランジットしたので,異国の文化を”強烈に”感じたのはインドが最初なのだが,旅としてはケニアにおける2週間が初.

時は1990年.
大学の卒業旅行の行先として,どうしてもアフリカに行きたかった.
その2年ほど前から,海外里親制度であるフォスターペアレント(フォスタープラン)を始めており,そのサポート先の子供が西アフリカのトーゴに住む「ザカール・アビボ」という少年だった.

プラン・インターナショナル・ジャパン

一月5000円の寄付.
フォスターペアレントの詳細は省くが,便宜上はある特定の子どもをサポートしていることになっているが,実際はその子の住む地域全体の生活改善のために,寄付金が使われるという触れ込みだった.

さらに,渡航費は自費となるが,とりあえず首都の空港まで行けば,現地スタッフがその子の村までアテンドしてくれるという取り組みもあり,ここはぜひトーゴに行ってみたくなった.
そして,ザカール君に「I’m your father」と言ってみたかった(アホですか)

トーゴ共和国の場所

まず問い合わせたのがアフリカに強い旅行代理店の『道祖神』

アフリカ旅行の道祖伸

もちろん当時は電話です.

Kazchari「すいません.西アフリカのトーゴに行きたいんですが,チケットっていくらですかぁ?」
道祖神「えーっと,トーゴですか...失礼ですがお客様,海外旅行はよく行かれますか?」
K「いいえ.今回が初めてですぅ」
道「えー,申し訳ありませんが,海外が初めての方に西アフリカはおすすめしません」
K「はい?」

今なら,いや,今でもこのスタッフの対応は理解できる.

海外初心者に,しかも個人旅行者に西アフリカは絶対に薦めへんな.
治安・疫病・物価・言語(仏語)・インフラなどあまりにハードルが高すぎる.
結局,『道祖神』としては「インド経由ケニア(ナイロビ)までの航空チケットは出しますので,そこから先はご自分で」ということになった.

そしてKazchariは,当時まだ国際線が飛んでいた伊丹空港からAir Indiaにて,バンコク経由でまずボンベイに降り立った.
丸一日インドにやられまくって,翌朝ナイロビへのフライト.
ようやく訪れたアフリカの第一印象というか,匂いは...腋臭でした.

ケニアの旅前半は空港で一緒になった日本人3人でつるみ,サファリへ.
後半は一人で沿岸のモンバサマリンディを旅した.

たまたま犯罪に会わなかっただけかもしれないが,あの頃のケニアはそれほど危険ではなかった.
ナイロビのナイトクラブスラムっぽい所にも出かけた.

その後かな.
ソマリアなど近隣国の内戦がひどくなり,難民や兵士がナイロビになだれ込み,テロ爆破事件も起きるなど,世界有数の犯罪都市になってしまったのは.

さて,ようやく『LWD』本編.
ケニア編は内容盛りだくさん!

【襲撃された小学校を訪問】
この事件の詳細を知ろうと,「ケニア,学校,虐殺」で検索したところ,他にもたくさんヒット...
部族抗争の結果やけど,学校は狙われやすい.
子どもを殺すのに躊躇がない.信じられない.

【象が住むロッジ】
有名な国立公園内だけでなく,こうした小規模なロッジがたくさんあんねんなぁ.
雰囲気がめっちゃ良い.
Kazchariはサファリ中はテントに泊まった.
敷地は有刺鉄線で囲われているだけ.
様々な動物の声が聞こえて,夜のトイレは恐怖.
ちなみに管理人はマサイ族だった.

Konica 現場監督 / 1990年2月21日

【わざとなのかの悪路選択】
ユアンの台詞がおもしろい⇒「効率よくバイクを壊しているみたいだ」
粉砂ダート&粘土ダートで転倒しまくり,押し歩きまくり.
さすがのパリ-ダカライダー,チャーリーは余裕の走り.
350kg超のバイク,扱える自信全くなし.

【どこもかしこも絶景】
道の状態はともかく,風景が素晴らしい.
単純に動物の数は少ないが,たまに見かけるのが良いのだろう.
さすがにライオンには会わなかったようだ.
そんなことより何より,サファリカーではなく自分のバイクで,好きな道を走るという行為!至福!

Konica 現場監督 / 1990年2月21日
Konica 現場監督 / 1990年2月21日
Konica 現場監督 / 1990年2月24日

【遊牧系の少数民族とともにキャンプ】
こういう商売っ気のない状態よし.
この民族,割礼の儀式があるとか.
痛そう.
一夫多妻&多産の文化
同行の医師による診察があったが,彼らはどこまで文明との接触があるのだろう?
薬の処方とか難しいやろな.

Konica 現場監督 / 1990年2月23日

この方たちは商売っ気満々.

【ケニアに住む友人の家へ】
美しい湖の傍に住むイギリス人(?)の友人を訪ねる.
個人のセスナで遊覧飛行.
何の商売してるんやろ.
そういやジャマイカでも,西洋人がむっちゃ山奥の豪邸に住んでいることがあった.
庭に「ポロ」用のフィールドがあるのにびっくりした.
一説によると競技用の馬や選手を本国から空輸するそうな.
贅沢というか,想像の範囲を越える生活をしている人は世界にたくさんいる.

このケニア編はアフリカツーリングのイメージまんまの回やったな.

そして一行はナイロビには寄らず,ウガンダ国境へ.
R1200GSのメンテした方が...

さて,Kazchariの1990年トーゴ行きはどうなった?
結局,行っていない.
さすがに航空機の手配や現地でのビザ取得などは初心者には無理(今なら大丈夫?).
そして帰国後,ザカール君の住むトーゴも内戦が勃発し,彼が行方不明になったとの連絡が入った.

E09 地球の歩き方 東アフリカ ウガンダ・エチオピア・ケニア・タンザニア・ルワンダ 2016~2017 (地球の歩き方E09)

しばらく更新されてない?
大丈夫なのか東アフリカ.

オフロードつながりでこの一冊.
本日より『弱虫ペダル』70巻配信開始!
色々物議をかもしたMTB編ですが,普通に面白かったのでは?

坂道君のチートぶりは相変わらずですが.
タイヤのあまり太くない,普通のMTBも欲しくなった.

弱虫ペダル 70 (少年チャンピオン・コミックス) Kindle版

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