2020/8/9 Sun ~ 8/10 Mon
12年ぶりの収監.
家族全員が起きて来た.
朝食後,撤収開始.
相変わらず息子は戦力にならん.
「その3」では静かなキャンプ場と感想を述べたが,一つだけ例外があった.
隣というか,こちらから見て山側の家族が犬連れだった.
この雑種犬,放し飼いではないものの,うちのテントとの中間地点に刺したペグに“伸縮式の”リードでつながれているだけ.
距離をとって歩いていたにも関わらず,いきなりじゃれついてきて困った.
Kazchariは犬が好きではない.
あいつらはクサい.
その上「なめる」というコミュニケーション手段をとるのが我慢ならん.
何よりも人間に媚びる態度が(以下略)
ようするに,Kazchariはネコ派です.
にしても,犬好き派の「みんな(ウチの)犬が好きに違いない」という思い込みはなんとかならんか?
あ,これって子供(赤ちゃん)好きにも言えるか.
息子はもちろん興味津々.
近づいたり離れたりして遊んでおる.
戦力にならなかった原因の一つはこの犬.
撤収を急ぐのにはわけがある.
昨夜風呂から帰還した後,Kazchari号を木と木の間に停めたのだが,うちと他車に挟まれてちょうど動きがとれないクルマがあるのだ.
誰だか知らないそのオーナーが出発する前に,Kazchari号を動かす必要がある.
少しずつパッキングした荷物をクルマのそばまで運ぶ.
ちょうどそこへ,その動けないクルマのオーナーがやって来た.
Kazchari「すいません.動けないですよね.今すぐ出しますんで」と挨拶すると,そのオーナー(若いにーちゃん),「いいですよ~ まだ出ないんで」とさわやかに返答.
ただし,気になったのは,半袖シャツから見えている両腕にびっしりのタトゥー.
別に偏見を持つわけではないが,何の職業かなと思う.
少なくとも,温泉に入れへんやん.
気になったので調べてみたらこんなページを見つけた.
【経験談】タトゥー・刺青がOKの仕事まとめ|タトゥーだらけの筆者のケースは?
以前に比べると,そんなに特別なことではなくなってんねんなぁ…と認識をアップデート.
つーことで9時頃にはキャンプ場を後にする.
まず,前日に日帰り入浴したホテルに娘が忘れたバスタオルを取りに行く.
丁寧な対応に感謝.
そして「網走監獄」へ.
ご存じの方も多いと思われるが,現在は刑務所ではなく,あくまで“博物館”である.
ちなみに運用中の「網走刑務所」は別の場所にちゃんとある.
殺人などの凶悪犯はおらず,刑期10年以下の短期収容施設で,4割以上は暴力団組員および覚醒剤関連だそうな.
網走監獄には朝一到着.まだ人少なめ.
入場券の販売所では,なぜか「どこから来たのか」の確認がある.
これがまぁ周囲に丸聴こえで,関東や関西の地名がポンポン飛び出すが,例の「Go to インパール」…じゃなかった「キャンペーン」で来た人たちだろうか?
近頃めっきり減っていると思われる外国人の場合,どの様に尋ねるのだろう?英語?
最近読んだ本が面白かった.
まんが アフリカ少年が日本で育った結果
筆者はカメルーンに生まれて育ったルネさん.
母親が日本人と再婚したので4歳頃から日本に住んでいる.
日本語で教育を受けたのでほぼネイティブ.しかも神戸なのでバリバリの関西弁.
黒人の少年が周りからどう見られてきたか,特に日本人のステレオタイプな発想をユーモアたっぷりに紹介した本である.
首都圏に限らず,日本在住の外国籍の方は確実に増えてきている.
息子の友だちにもロシア人がいて,10歳の彼は日本語ペラペラである.
このまんがの作者やロシア人の少年に限らず,白人顔,黒人顔だと“必ず”英語が話せると思われるらしい.
日本人から話しかけられる時の第一声はたいてい英語.
当然,母国語ではない英語を苦手とされる方も多い.
そりゃそうだ.
英語の世界共通語化は未達成.
逆に日本人が海外に出かけた場合,「ガイド」「商売人」「詐欺師」以外は,容赦なく自分たちの母語で話す.それに対応するため,こっちも現地の言葉を覚える.
よく考えれば,日本を訪れた人に“英語”で対応する義理はない.
とは言え,日本語のマイナーさ(とは言っても話者は1億人以上.ただし地域的に狭小)から考えると,共通語として,わずかでも知っている“英語”になるのはやむなしというところか.
似たような話で,インバウンドだかなんだか知らんが,ここ最近急激に増えた中・ハングル・英併記の看板.看板がデカすぎて景観を損ねている場合すらある.
旅に求めるのは母国同様の便利さではなく,非日常・異文化体験なのでは?
あまりに配慮しすぎると,かえって旅がつまらなくなる...と思うのは少数派なのだろうか?
そんな脳内妄想から,網走に戻る.
ここで大失敗に気づく.
この博物館も私学共済のフリー入場特典の対象だった.
保険証や割引証なんぞ持っておらん.
どこまで優遇すんねん,私学共済.
そやけど,ゴールドカード年会費の件,あれはダメだ.
チケットを買っても,なぜかもぎりの人はいない.
実質スルー? なんてアバウト.
敷地内は非常に広い.
全部回るためには結構な体力が必要.
詳細は公式サイトにて確認していただくとして,撮影したものをのせる.
どうして花写真ばかり?
前回(12年前)訪問した3月は寒々感が強かったが,今は夏.明るい.
それに施設や展示物がクレードアップしている気がする.
インバウンド効果のおかげかも.
これまでなかった北海道推しマンガ『ゴールデンカムイ』関連の展示もちょこちょこと.
「網走から北見へとつながる道路建設に受刑者たちが従事させられていた.その過程で多くの受刑者が死んだ」事実をやたら悲劇的な出来事として,妙に囚人側に同情的な演出が気になった.
犯罪人だから何をしてもいいとはもちろん思わないが,アメリカ並みに“加害者”や“受刑者”の人権が強調されてないだろうか?
まぁ当時の発想では刑務所は「懲罰施設」であって「矯正施設」ではない.
人の命,ましてや犯罪者の命は今よりはるかに軽い時代だったのは間違いない.
そういや,先日レビューした『正義の教室』でもパノプティコンの話があったな.
網走監獄の斜め格子や五翼放射状房は,より効率的な監視システムへの過渡期的設計なのかも.
刑務所と言えば刑務作業.
多くの展示物があったが,網走監獄で作られた加工品や農作物は非常に評判が良かったとのこと.
現代の刑務所の話になるが,昔,Web記事でこんな比較表を見たな.
【刑務所とブラック企業の比較】
労働時間 8時間厳守 最低12時間
通勤手段 徒歩数分 満員電車1~2時間
朝食 健康食 食べない
昼食 健康食 コンビニ弁当
夕食 健康食 コンビニ弁当
夕食後 自由 仕事
残業 無い 当然
残業代 無い サービス
休憩 あり 喫煙時のみ
土日祝 確実に休み 出勤か接待
年数 刑罰に応じる 倒れるまで
健康 健康になって出所 ボロボロ
さて,けっこうな気温の中,ほぼ全ての展示物を見学後帰路へ.
めったに来ない地域なので,行ったことのない道の駅『東藻琴』へ向かう.
ここで昼食.
昨夜の『ARCADIA』ステーキの衝撃が収まらぬ中,無謀にもここでもステーキを注文.
まぁ,美味しかったかな(そんなもんです).
やはり道東は肉だ.
ようやく帰路へ.
往路と同じ道だと面白くないので,帰りは高速を使わず,下道(石北峠)を通る.
特に大きな事件もなく(あったら困る)無事帰宅.
ずっと運転していたせいか,もはや持病となっている頸コリが悪化.
そろそろ病院かな.
こうして年に一度の家族キャンプは終了(本当に?)
次は一人で行きたいなぁ...ボソっ