映画の思い出と鑑賞料金

2023/12/11 Mon

パラディーソ

Kazchariは約20年前に大阪から旭川に引っ越してきた.

実際に生活してみると...メリットしかない.
その一つに映画料金の安さ,および空き具合がある.
映画好きにはたまらん環境である.

旭川にはシネコンが現在2か所.
「シネプレックス」「イオンシネマ」である.
かつてはもう一館,「ディノスシネマ」もあったが新コロのせいで廃業.

さて,自宅から近いせいもあり,Kazchariは「シネプレ」に行くことが多かった.
さすが旭川,これまで観客はKazchari一人,つまり貸し切りが3回はあったぞ.

その「シネプレ」が12/15より鑑賞料金値上げ.
これまで最安だった毎週金曜日の会員¥1,100デーが廃止となった.
結果,毎週水曜の「¥1,300」が最安料金に.
さらにモーニング&レイトショー割引がなくなり,平日(¥1,300)と土日祝(¥1,500)で区別.
これは勤め人〇しか?(平日休みの人もいるって)

つーことで,これからは同じ映画なら「イオンシネマ」一択.
こっちは株主割引で常時¥1,000+ドリンクやしな(ネットで座席予約ができないのが残念).

さて,こんな感じでじわじわと値上げされていくのだが,その原因の一端は昨今のサブスク攻勢にあるのは間違いない.
公開から配信までの期間がどんどん短くなっている.
結果,一部の大ヒット作品を除き,映画館の動員数は減っているのではないだろうか?

映画離れは本当か?映画、テレビ、インターネット、利用動向に年代差あり

家庭のテレビやスマホでの映画体験は果たしてホンモノか?
やはり映画はあの限定空間と音響とともに観るのが一番やな.
映画館の方が非日常を楽しめるのは確実.

...と,ここまで書いてて言うのも何やけど,映画史上に残る大傑作『ニュー・シネマ・パラダイス』の初見は,妹の部屋にあった14インチのしょぼいテレビ放送だった.

ニュー・シネマ・パラダイス 4Kレストア版 Blu-ray(2枚組)

カットあり,CM付き,吹替えという映画体験としては最低ライン.
だがしかし...始まってから3時間後,妹と二人して大号泣.
やはりあれほどの映画になると,画面の大きさや音は無関係ということか.

そんなKazchariの,これまでの映画体験の一部を回想.

最も古くかつ,はっきりした記憶は「東映まんが祭り」
幼い頃は親と一緒に行った.
特に覚えているのは『飛び出す人造人間キカイダー』(1973)
あの赤と青フィルムの立体メガネが印象的.

飛び出す人造人間キカイダー

当時住んでいたのは大阪府茨木市
父親は市役所の公務員だった.

市内には映画館が複数あったが,よく行くのは「茨木東映」だった.
資料によると2005年まで営業していたとのこと.割と最近やな.

当時住んでいた自宅の壁面には,その「茨木東映」の宣伝ポスターを貼るスペースがあった.そのお礼だったのか,月あたり2枚ほど無料鑑賞チケットをもらった.

資料によると昭和48年(Kazchari6歳)で,大人の鑑賞料金は¥751だったらしい.

年次統計ー映画代

数値だけだと安そうに感じるが,現代の価値に換算すると,なんと¥1,890
割引なりの通常料金ベースだと今と変わらない.そう映画料金はデフレしなかったのだ.

だとすると子供料金は¥400前後.
それが無料で観れたのだからありがたい.

やがて一人で行くようになった.
『ノストラダムスの大予言』(1974)はよく覚えている.
当時Kazchariは7歳.
こいつはトラウマ映画として超有名.
荒れ果てた大地で不気味な姿に進化(?)した人類のビジュアルは50年近く経った今でも忘れられない.
案の定各方面からクレームが殺到し封印作品の1つとなっている.

『犬神家の一族』(1976)から始まる金田一シリーズも「茨木東映」で観たなぁ.

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推理小説マニアになり,当時の角川のキャッチコピー「読んでから見るか 見てから読むか」を地で行く生活.
ちなみに当時9歳.大丈夫かKazchari?(歪みました)

数十年ぶりに『獄門島』を再読する~わが青春のヨコミゾ

その後,市内の別の家に引っ越したこと,それに「茨木東映」も成人映画館にシフトしたことにより,ここで観ることはなくなっていった.

そして中学生時代へ.当時の友人には熱狂的な映画マニアが多かった.
その筆頭はこいつ.

文芸ジャンキー・パラダイス

金銭的な問題から映画館はハードルが高く,この頃はTVでの洋画劇場が最大の情報源.
そして時代は「ガンダム」から始まるリアルロボ&SFブーム.
『哀・戦士』(1981)の前売り券を買うのに,なぜか並んだ記憶もある.

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 劇場版 機動戦士ガンダム

『ジェダイの“復讐”』(1983)も観たなぁ(※今では”帰還”に変更).

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高校生になると我が家にビデオデッキがやってきた.

ダンバインふたたび~あれから40年

となれば,普段見れない深夜放送の映画やらレンタルビデオに手を出しはじめた.しかし,部活が忙しかったのと,やはり金銭面の事情から映画館にはあまり行かなかった.

で,大学生となり,ご多分に漏れず学校にはめったに行かず週5のアルバイト.
金と時間はたっぷりある.
映画の日には梅田まで出かけ,3本くらいハシゴした記憶がある.
当時は指定席は一部,入れ替えではない,オールナイト,立ち見,通路座り込み可...

思い出に残るのが飲み会後の『ロボコップ』(1987)もオールナイトで4回鑑賞.
うるさくて寝られへんかったわ.

ロボコップ

うん.文字数が多くなってきた.
今日はここまで.
機会があったら,海外での映画体験などの続きを書こう.

ガンダムSEED,予習&復習

2023/12/9 Sat

意外にも

iPhone11 Pro ストライクの色あせがひどい

来年1/26より『ガンダムSEED』の20年ぶりの新作,劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開される.

最近の映画作品の常で情報は小出し.
こちら側からも公式PVを除き,ネタバレにアクセスしないようにしている.
原作がないので,どうなるのか予測もつかない.
種割れやら宇宙クジラの謎は解明されるのか? ついでにシンは救われるのか?
そもそも1本,2時間程度の映画で片が付くのか?

新メカのヴィジュアルは財団Bが,バシバシ公開している.
公開しすぎてガンプラのCADデータが流出.
本家の前に海賊版が販売されるというとんでもない事態に.

ガンダムメタバース、3Dデータの漏えいを確認 「クライアントファイル内のデータが外部から解析」

こんな劇中顔負けの事態もあったが,それよりも気になるのが主役の2機が妙に地味なこと.
隠し玉の匂いがぷんぷんする.ついに「シードガンダム」登場?

現状,劇場に足を運ぶ予定である.

さて,この『SEED』だが,好きか嫌いかと問われると...とりあえず無印こと『種』は面白かった.
TV放送時はちょうど海外に滞在しており,日本にいたヨメからやたらに『種』に関するメールが送られてきていた.
放送日の度に職場でガノタと大盛り上がりだったそうな.
『エヴァ』を除くロボアニメに全く興味のなかったヨメさんがここまではまるとは...と,帰国後に一気見.

ふむ.
確かに「平成のファースト」と言われるだけあって,ストーリー進行が似ているっつーか,完全に意識.
コロニー⇒地球⇒宇宙要塞の舞台移動も踏襲.
煽情的なシーンも多いが,まぁ許容範囲(夕方放送としてはどうか)

当時としては絵もキレイだった.

キャラ設定は...どいつもこいつも横幅が広いカ〇ル顔なので好みではない.
表情もワンパターンかつバンクだらけ.
それに渋かっこいいおっさん(大人)が皆無.

原案は「いのまたむつみ」だが,クリンナップによっていつもの平井キャラに.
平井キャラと言えば『リヴァイアス』や後の『ハフナー』にみるように,悲惨な目に遭うのが定番.『種』も準拠.

そして各キャラの演技がイマイチ(声優さんではなく).
このあたりは一般受けを狙ったデザインのせいなのか,監督・演出の力量の違いなのかわからないが,『めぐりあい宇宙』『逆シャア』,それにアニメーション作品における究極の人間ドラマ『イデオン』に比べると...生きていない.

比べるのは酷か(劇場版と比べてどーする)

特に主人公がなぁ.
正直,何を考えているのかわからんふわふわキャラ.
前半はまだ自己主張していたが,後半は悟ったふりの修行僧のよう.
結論を先送りし続ける.

そもそもスーパーコーディネイターだと何が問題なのだろう?
PSのフィアナのように寿命が2年とかのハード設定ないしな(これも後付けだが).
結局,ラストのセリフが「どうして僕たちは...」やしな.

お次はメカ.
元の顔がでかくゴツイ大河原デザインが劇中ではスリム化.
極端なバースとともに画面上を飛び回る.
これ「ファースト」の時は逆だった.
細い大河原メカを,安彦さんがゴツくクリンナップ.
代表的なのがドムとゴッグ.

線の多いメカ群はさすがに作画が大変だったのか,キャラ以上にバンクを多用.
特にバスターの銃連結⇒発射シーン,およびフリーダムのくるくるスパーン⇒一斉掃射.何度見たことか.

とまぁ,いろいろ文句はあるし,伝説の『ファースト』には到底及ばないものの,なんだかんだで楽しめました(2周した).

で,劇場版新作を控えてか,Amazon Prime Videoにて再配信開始.
今さら全50話も見てられないので,約2時間×3部に編集した「HDリマスター版」とやらを視聴することにした.

もちろんZWIFTの友として.

機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション HDリマスター

これが予想以上にうまくまとまっていてびっくり.

全50話をたった5時間ほどにまとめているので,相当はしょっているはずなのだが,それが全く気にならないほど,つながりがスムーズ.
総集編にすると,舞台が突然変わったりして唖然とすることが多いが,こいつは違った.
一見,「あれ?とんだ?」と思わせても,その間何が起きたのかを各キャラの脳内回想シーンによって説明.
省略による違和感をなくす演出が丁寧だった.

ちょ待てよ.
これってオリジナルが冗長過ぎたことの証明?
少なくともニコルとトオルの例のシーンの”くどすぎる”プレイバックがなかっただけで,こんなにすっきりするとは...

他にも書き直しや新作カットが相当数あると思われるが,そこまでマニアではないのでわからん.

逆に面白かったのが,本放送時にBPOから注意されたフレイのあのシーン.
反省して丸ごとカットか,もっとマイルドに表現するのかと思いきや,逆にシーン追加,具体的に何をしていたのかを明確化.
開き直ってますな.
2011年の地上波放送時にはお茶の間を凍り付かせたのでは?(家族では見れません)

それとアイシャの声優変更.
実はビビアン・スーの「あ~んでぃ~」に笑う準備をしていたのだが,平野文さん声になっていた.普通過ぎて肩透かし.

つーことで『種』の予習は終了.

続きまして『種タヒ』...はTV版同様にひどかった.

機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション HDリマスター

こちらは全4部構成.
『種タヒ』は本放送を一度観たきり.無印ほど印象に残っていない.
有名な主人公交代,ご都合主義すぎる展開(キラ&アスラン不死身),総集編ばかりで話が進まない.当時は製作サイドも相当荒れていたと伝え聞く.

『種』のHDリマスターが良かったので,こちらにも期待したのだが...なんじゃこれ.
アスランを語り部に,かつシンの物語を中心にしようとした方向性はわかるが,相変わらずバンク多すぎ.
似たようなシチュエーションの戦闘が延々と続く.

アスランもキラもカガリも,主要キャラ全員に「お前が言うな」とつっこみまくり.
みんな叫んでばかりで中身のある台詞がほとんどない.

何よりザフトもオーブも軍紀はどうなっておるのだ.
国家間戦争なのに,個人の感情が優先しすぎて,まるでケンカの様.
シンに至っては...確かにこいつを主人公にするのは元々無理があるな.
カミーユより破綻している.

それに『種』になかった,とってつけたような「ディスティニープラン」なぁ...プッチ神父?
方法はともかく,議長の思想ってそれほどおかしいわけではないと思う(適材適所論).
しかも,提案しただけで「あれはダメだ.議長ぶっ〇す!」とか.

今度の映画では,このあたりの話も深めてくるのか,それとも別のテーマに?

※『SEED FREEDOM』観てきた ⇒ 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観た~令和最新版

ジョジョの奇妙な犬神家?~『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

2023/12/2 Sat

もしくはゲゲゲの岸部露伴.

近くのイオンシネマにて『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観た.

株主優待で¥1,000(+ドリンク付き)はありがたい.

巷で話題のこの映画.
全くのノーマークだった.

大阪に住む(ヲタな)義妹が鑑賞し,いたく感動.
売り切れだったパンフレットを旭川で購入できないかとの依頼があった.

で,改めて確認してみると,予想外のスマッシュヒット.
あちこちで大評判らしい.
これは是非とも観に行かねば.

まずはKazchariの鬼太郎知識.

さすがに1960年代にスタートしたコミックではなく,アニメから入った.
Wikiによると,アニメはこれまで第6シーズンまで制作されている.

ゲゲゲの鬼太郎

さすがに1968年のモノクロは視聴していない(再放送はあるかも).
おそらく観ていたのは年齢的に1971~72年放送の第2シーズンだろう.

「鬼太郎と目玉おやじ」と言えば「野沢雅子+田の中勇」の組み合わせが刷り込まれている.

それにしても息の長いコンテンツだ.
結果,日本人なら大人から子供まで,誰もが目玉おやじ,猫娘,ねずみ男,こなきじじい,砂かけばばあ,ぬりかべを知っている.
一部『ドロロンえん魔くん』と混同する場合も...(ない)

そういや原作者の生涯が朝ドラになり,年末の総集編を観た記憶がある.

連続テレビ小説 ゲゲゲの女房 総集編 DVD-BOX

衝撃的だったのが,2008年深夜アニメとして放送された墓場鬼太郎

墓場鬼太郎

かなりアレンジはされているが,雰囲気は原作通り.
不気味なキャラとダークな展開.
映像表現も実験的.
正義の味方でかっこいい鬼太郎しか知らない子供たちには見せられない内容(深夜です).

これを観る前までは,鬼太郎が片目なので「目玉おやじ=鬼太郎の左目」だと思い込んでいた(違います).

と言いつつ,この『墓場』,全話見たはずだが内容はあまり覚えていない.
ただ,主題歌の『モノノケダンス』はめっちゃ気に入って,iPodのお気に入りにin.

つーことで,ようやく今回の新作映画の話.

キャラ設定のベースである猫娘がやたらにかわいい第6シーズンは未視聴,『墓場鬼太郎』の内容は忘れている,原作コミック未読,それに映画の情報もカット,もちろん各感想サイトもシャットアウトしていたので,実に新鮮な気持ちで鑑賞.

感想は...えー,タイトル通りの「横溝正史あるいは岸部露伴シリーズっぽい話やなぁ」でした.

※ 以下,あらすじとネタばれです.

舞台は昭和31年.
巨大製薬会社を経営する龍賀家の当主,時貞が突然死.
時貞には後継ぎ候補の男子が複数いた.
長男の時麿,次男の孝三,娘婿の克典,そして娘の生んだ時弥(孫)である.

ただし,長男と次男は精神に問題を抱えているようだ.
孫はまだ幼い.
ゆえに娘婿の克典が跡目濃厚と思われた.
血液銀行の職員「水木」は,かねてより取引関係にある克典の当主就任祝い,および「M」と称される薬の秘密を探るため村を訪れることになった.

『千と千尋』ばりの怪しいトンネルを抜けると,中心に広大な湖を有する農村.

水木は謎の老婆ならぬ,美少女と少年に偶然出会う.
彼らこそ龍賀時貞の孫たちであった.

龍賀本家,分家一同が介し,そこで弁護士が時貞の遺言状を読み上げる...おおっ,ここまではモロに犬神家!
そこへ現れる白塗りの長男! スケキヨか!
これ完全に狙ってるよな.

案の定,遺言状は(無能と思われている)長男,時麿を後継者に指名していた.
場は紛糾し,親戚入り乱れての大乱闘となる.

結局,時麿が当主となり,何らかの儀式のため祠に入ることになった.
だが,翌朝,その祠にて片目に神具が突き刺さった時麿の死体が発見される.

隔絶された村社会.
そこを牛耳る古い因習の旧家.
跡目争い.
謎の死体.

正に横溝.
ここまでは超好みの展開.

そこへ,よそ者を捕まえたとの報告が.
このよそ者こそが鬼太郎の父,のちにゲゲ郎と称される人物である.
「自分は妻を探している.そしてこの村にたどりつた」と訳の分からぬ話をする.

ゲゲ郎は時麿を殺した犯人扱いされ,村長である長田の指示で斬首されそうになる.
この時点でこの村が治外法権であるとわかる.

それを見ていた水木が止めに入る.
座敷牢に入れられるゲゲ郎.
監視役に指名された水木とともに,その後起こる連続殺人事件を調査,解明していく...

という話.

PG-12指定の理由は,たぶん龍賀家一族の殺され方による.
これまた横溝ばりの何らかの見立てっぽい(だけで深い意味はあまりない).

そして,真犯人は〇〇だったという,現代のコンプラではなかなか厳しい設定(よくやった).
本人というよりも,文字通り“幽波紋”っぽいアレのせいだが.

一見被害者に見えて実は...という展開は別に珍しくないが(『夢幻紳士 怪奇編』にも似たような話があった),主役(?)の水木が誠実&不屈なキャラだったので,結果的に呪いが拡散せず,日本が救われたとも言える.
ここは水木の「激戦地の生き残り」という設定が活かされている.

映画鑑賞後,原作コミックをAmazon Kindleで検索.
unlimitedにでもなっていれば最高と思ってたら,なんと2年前に3巻まで購入していた(失念).

ゲゲゲの鬼太郎(1)

早速第1巻をダウンロードして読む.
へぇー,映画のエンドロールの挿絵はここから引用されてたんや.
文字通り前日譚だったんやね.
ただし,水木のキャラ造詣は全然違う.

この映画一番の話題はなんと言ってもゲゲ郎とその妻,つまり鬼太郎の母であろう.
そのビジュアルと関さん沢城さんボイスも相まって,原作の「ミイラ男とお岩さん」とのギャップがすごい.
なかなか強引な方法でうまくつなげたなぁ.

あれ? ここまでまともに感想書いてない.

前半の横溝展開は良かったが,後半の妖怪パートになると失速.
戦闘シーンの作画もキレイと言えばキレイなのだが,昨今の“ぶっとんでる”TVアニメのクオリティに見慣れているとそれほど目新しくはない.
巷で騒がれるほど,胸糞でも号泣展開でもないっつーか,Kazchariの感性にはあまり響かなかった.

例えば...

ゲゲ郎が「血液バンク=Mの供給源」に ⇒ 「不要だから」と,手足を切り落とされそうなる(『バビロン』か!) ⇒ となると,既に鬼太郎母もダルマ? ⇒ そんなん見たくないけど,これだけ“胸糞”と言われているからには...⇒ (発見後)あれ?普通やん.美人やったんが原作準拠のお岩さん顔になっているだけ?

と肩透かし(趣味悪すぎるやろ).

他の「目ぇ見開いて倒れている水木が死んでいなかった」とか,これまた胸糞要素と思われる「実は〇〇が〇〇に捧げられていた!」みたいな話も横溝ワールドではよくあるしなぁ.

ようするに,鑑賞前にハードルを上げ過ぎていたようだ.

本編の10数年後に鬼太郎と猫娘が村を再訪し,時弥の魂を解放.
始まりと終わりがキレイにつながった点はすっきりする.

結論.怪奇ミステリーとして普通に良作だと思います.

土曜夜の映画館には,不思議なことに会場にはなぜか女性の二人連れが目立った.
確かにバディムービーではある.
そっち界隈向けの需要もあるのか(他意はない)

そうそう,パンフレットはしっかり品切れでした.

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 パンフレット

Kazchari家,『ガルパン最終章第4話』を観に行く

2023/11/17 Fri

人類はここまできたか

iPhone11 Pro

金曜日の話.
仕事を終えてちゃっちゃと帰宅.
めずらしく,Kazchari家フルメンバー(4名)で映画に行く.
JKの娘は推しの”ダージリン”と同じ髪型だ.

その映画は...『ガールズ&パンツァー最終章第4話』

全6話の最終章もいよいよ第4話.
前回は,フィンラン...もとい継続高校のシモヘイ...スナイパーによって,試合開始直後にあんこうチームが撃破されるところで終わる...というとんでも展開.引きが強すぎる.

ガールズ&パンツァー 最終章 第3話

そこから2年! ようやく第4話が公開となった.

さて,そのクオリティは...いや,もうとんでもない.
その白眉はなんと言ってもクライマックスの雪上戦.
戦車がゲレンデをあんな風に滑走するわけがない...みたいなリアリティラインはもうどうでもよくなるような,超ド級の作画でした.
最新のCGってあそこまでできねんなぁ...(『ゴジラ-1.0』もたいがいだったが)

今回は通常版で鑑賞したが,追って4DX版も上映予定とのこと.
ヨメさんは「酔うから絶対ムリ」と言っていた.

さすが2012年のTV版放送以来,10年以上人気の衰えない=稼げるコンテンツ.
そこに2年間の潤沢な時間が加わると,この完成度となる.

『ガルパン』は「戦車道」という架空の武道をテーマにした王道のスポコン・アニメである.
ストーリーは単純そのものだが,戦車のディテールや動き,小ネタが楽しすぎる.

なかでもKazchariがお気に入りなのが,モデルとなった国の特徴や文化を思いっきり誇張する演出.

今回の対戦相手である継続高校の学園艦がもろに「森と湖の艦」

フィンランドと言えば...まずは〇ーミンだ.
艦上にはしっかり”あの家”が建っていて,Kazchari家は大爆笑.

どう見てもスナフ〇ンなミカの声はスレッタのかーちゃんと同じだ(今日気づいた).

忘れちゃいけないのがもちろんサウナ
ちゃんとヴィヒタの説明付き(日本で使っている人を見たことがないが).
うーん,サウナに行きたくなってきたぞ.

仗助みたいな謎のリーゼント部員.後で調べるとレニングラード・カウボーイズというバンドの特徴らしい.
どっから拾ってくんねん,そんなネタ.

他にもペサパッロとか民族楽器の「カンテレ」,世界的奏者がいるらしい「アコーディオン」...
濃い,濃すぎるぞフィンランド.

そういや『かもめ食堂』という映画もあったな.

かもめ食堂

あとあれやね,フィンランド語は世界有数の習得困難言語としても有名.

呆れるほど難しいフィンランド語、そのわかりやすい一例

目的格の変化がエグイ.小林聡美スゲー.

実はKazchariはヨメさんとフィンランドに行ったことがある.
地球一周旅行の最後の訪問地がフィンランドだった.
ナーンタリのムーミン村に行こうと思ってたら,なんと8/15で営業終了.
フィンランドの夏は短すぎる.

2004年8月撮影 ロヴァミエミ.サンタクロースいました(マジ)
2004年8月撮影
2004年8月撮影
2004年8月撮影 おそらく個人の別荘.サウナ付き
2004年8月 キシリトール以外読めん
2004年8月 マクドのゴミ箱.KIITOS=ありがとう

日本から一番近いヨーロッパというふれこみだが,今は戦争のせいで遠回りだろうか.
やはり一度訪れた国は”他人”ではなくなるな.

次回はいよいよ決勝戦.

アリスがその名の通り(ルイス・キャロル?)「聖グロ」に入学したわけだが,彼女は大洗と劇場版で一度対決している.
さぁ,その焼き直しではない試合展開をどう見せてくるか?

ただし,第5話の公開はおそらく2年後.
その先の完結編に至っては2027年!?

今は若者でも,誰もが「ガルパンおじさん」になるぞ.

特別上映ゆえ,各種ポイント,レイト・子供割引も全く使えず,家族4人で¥6,400!
まぁ,その価値は十分にあるアトラクション映画でした.

旧作含め,『ガルパン』は何周しても飽きない.

オートバイ事故は増えているのか~そのファクト

2023/11/16 Thu

アブナイ趣味?

Kazchariは多趣味である.
現状,一番ハマっているのはもちろんチャリだが,次点はオートバイ

二輪免許を取ったのは19歳だったかな.
レッドバロンで中古の「VT250F」を買った.

ハセガワ 1/12 ホンダ VT250F(MC08) (1984) プラモデル BK14

だがしかし.このVT,1年も乗らずに事故で廃車にしてしまった.
懲りずにすぐさま「VFR400Z」を購入し,北海道を含む日本あちこちを走った.

オフ車に興味を持ち「NX-125」を追加.
林道およびキャンプツーリングにはまる.
せっかく限定解除免許があるのだからと,大型に乗りたくなり「V45-MAGNA」を購入.

その後いろいろあって,最終的には「XR-BAJA」だけを長期間所有.
北海道移住時にも“乗ってきた”(引っ越し荷物は別送).

そして新コロ禍.
海外旅行に行けなくなり,娯楽資金が余った.
で,「BAJA」から「モンキー125」に買い替えた.

モンキー125,納車!

モンキー購入時は「こいつでまたキャンツーだぁー!」と意気込んでいたのだが,その積載能力の無さ,および「チャリ+クルマ」の最強車中泊コンビの前に挫折.

結局,モンキーの主な用途は「日帰りサウナツーリング」となった.

モンキー125,カナダなサ活?

このようにKazchariは35年以上オートバイに乗っている.
転倒による骨折経験はあるが(アホです),命にかかわるような事故は起こしていない.

さて,この間,本ブログでも度々言及しているように,ライダーの意識は大きく変わった.
特に安全に関する意識だ.
メーカーの商品ラインナップも充実してきているように思われる.

それでも,オートバイ事故のニュースが毎日のように届く.
ブラウザがパーソナライズ化されていることもあるけどな.

オートバイ事故のざっくりとした“印象”は次の通り.

- 右直事故(オートバイ直進)
- 峠でのオーバースピード
- マスツーリング
- スーパースポーツ乗り

そして...50歳以上のおっさん.

あくまで“印象”なので,そのファクトが気になった.
そこで2022年のデータを警視庁が公開しているので覗いてみた.

二輪車の交通死亡事故統計(2022年中)

警視庁,つまり都内オンリーのデータなので,全国と比較するのは少々無理筋かもしれんがあくまで“傾向”ということで.

【死者数】

結論から言うと,バイク事故死者数は増えている,というより元に戻った.

全交通事故死者数の30%だそうな(40/132人).
歩行者(37%)の次となるが,オートバイ事故の場合,おそらく被害と自爆が混ざるはず.
ちなみに全国だと16.7%.田舎の峠より都会の方が危険?

その下のグラフも興味深い.
バイク事故による死者の割合は2018年がピーク.
新コロの影が忍び寄る2019年に落ち込み,その後の自粛ムードの蔓延とともに上昇.
2022年に新コロ前の状況に戻る.
これはいわゆるリターンライダーの事故?
それともバイクブームで免許取得したての新人さんだろうか?

【いつ事故るのか?】

出勤&退勤時で40%を占める.
まぁ,朝夕は混む上にみんな殺気立っているからなぁ.
これは旭川でも変わらない.走るのを避けたい時間.

一方でツーリングなどの娯楽時は18%と意外に少ない.
報道だとこちらの方の事故が多いように感じるが,これはニュースバリューの問題か.

【年齢層は?】

えー,やはりと言うか50~60代が圧倒的ボリューム.
これは印象通り.
道の駅でメットを取ると白髪だらけ.
Kazchariもそうだが,カラダよりも動体視力がやばい.
次の20代は経験不足と身体能力拡張からの慢心(偏見).

【事故累類型別】

単独事故が多い.
つまり衝突や転倒?

ニュースで目立つ右直事故は二番手.
Kazchariも交差点進入時は速度を落とすようにしている.
加えて,できるだけドライバーと目線を合わせること.

【致命傷部位】

やはりここですね.
己がどれだけ気を付けていても,相手の過失が原因のこともある.

死因の1位は頭部,2位は胸部の負傷.
もちろんヘルメットは100%かぶっているはずだが,胸部プロテクターの装着は任意.

記事中にあるプロテクターの着用率8.9%とやらは事故者だけではなく,都内の全ライダー対象なのだろうか?
でもまぁそんなもんやろな.
原チャ乗ってるおばちゃんが,プロテクター付きのごついジャケットを着るとは思えん.

Kazchariもモンキー購入後,夏はプロテクター付きのメッシュジャケット,春秋は20年ものの3シーズンに別売りのプロテクターを着込んで走っている.

オートバイの胸部プロテクターを購入~KOMINE「SK-688」

このグラフでは言及されないが,普通のジーパンで乗る時も,膝パッドをかかさない.
125ccなので,とんでもないスピードで走ることはまずないが,事故は何がきっかけで起きるかわからない.

残るは,ソロツーとマスツーではどちらの方が危険か問題.
これって統計データあるのだろうか?

マスツーでの事故ニュースが流れると...

技能やマシンの性能さによって,各自ペースに合わせるのが大変 ⇒ あせって事故る

インカム会話に夢中 ⇒ 気が散って事故る

と言った意見がコメント欄にあふれる.
複合的な要因がからみあっているだろうから,何とも言えない.

ソロとマス,どちらもメリット,デメリットがあろう.
「シン」と「-1.0」のどちらか良いか論争に近い(そうか?).

『ゴジラ-1.0』を観た~時代やな

Kazchariはもう完全にソロツー派.

「バイクは孤独を楽しめる.そこが好きだ」(一文字隼人)

これからも安全に末永くオートバイに乗り続けたい.

冷静に考えると,頭の上に発泡スチロールをかぶっただけのチャリの方がよほど危険なのだが.

『ゴジラ-1.0』を観た~時代やな

2023/11/4 Sat

多大なプレッシャーの中で

久々に劇場で映画を鑑賞した.
話題の『ゴジラ-1.0』である.

新コロ禍がほぼ明けて日常生活が戻り,人々のインドア娯楽の需要がなくなったのか,はたまたサブスクの普及によって,劇場公開作がなかなか話題にならなくなった.

かく言うKazchariも『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の2本は劇場に足を運ぶつもりだったが,「そのうち」と思っているうちに上映が終わってしまった.
あまり客が入らなかったのだろう.

で,『ゴジラ-1.0』である.

当たりはずれの落差が激しい山崎貴監督.
伝説の『宇宙戦艦キムタク』『ドラ泣き2』『DQⅤ』“やらかし”は記憶に新しいところ(個人の感想です)

一方,『アルキメデスの大戦』のような傑作もある.

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つーことで,前評判では「どっちの山崎や?」と喧々囂々だったが,いざ蓋を開けてみると試写会や初日興行で大絶賛評が続出.
これは早めに観に行って,Big Waveに乗るしかない!

公開二日目の最終回(20:30~)のチケットを購入.
さすが旭川,余裕で大スクリーンのいい席が取れたぜ!

で,鑑賞.
面白くないわけではなかったが,間違いなく比較されてしまうであろう大傑作『シン・ゴジラ』

Kazchari的には『シン・ゴジラ』の方が好みだった.

シン・ゴジラ

例によって,他者のレビューは一切見ずに感想.

※ 以下,いろいろネタばれ

舞台は1945~1947年の日本.
確か一作目の『ゴジラ』の公開(設定も?)は昭和29年だったので,それより前の時代.
つまり現代ではない=ロクな兵器がない.

『シン』と異なり米軍の協力(干渉)はない.
旧日本帝国軍の駆逐艦(タカオ!)や戦車は出てくるけど,これでどうやってゴジラを倒すのか?

おまけにゴジラは歴代最強レベル.
攻撃力というよりも無惨様なみに再生能力がえぐい.

「水圧&減圧作戦失敗後,口内特攻⇒爆破で頭部を吹っ飛ばす!」が作戦の要旨だが,とてもじゃないがこれで死ぬとは思えん.実際エンドロールでは...

ストーリーは以上です.

ドラマパート?
いや,長すぎる上にあまりのご都合に...うーん.

例によって邦画の悪い癖で説明セリフが非常に多い.
神木くんが島で起きたことを浜辺さんに告白するシーンとか.
詳細な説明必要?
観客は既に知っているのだ.

それに役者の過剰な感情&映画的表現.
ゴジラですら,わりと無表情・無痛覚な『シン』に対し,大砲が当たったら痛がるそぶりの『-1.0』

『-1.0』はあくまで逃げ惑う庶民視点.
政府も米軍もあてにならない.
ゆえに民間の力でゴジラを倒そう! おーっ!

例の伊福部マーチでテンション・マックス!

やばい.船の出力が足りん.
人情で船が集まったぞ!
みんなの力が合わされば,勝てるぞ! おーっ!
...王道っちゃあ王道.

一方の『シン』
住民視点の描写はほとんどなく,会議室や作戦本部でのおっさん達の会話劇で話が進む.
リアルシミュレーション&社会風刺的側面もあった.

何より『-1.0』を観ていて思うのは,ああ,最近の映画やなという点.

元々我々は玉砕=敗北の物語が好きなはず.
『新選組』『忠臣蔵』『特攻隊』をテーマにした作品は繰り返し作られ続ける.

山崎監督にしても『宇宙戦艦キムタク』で原作通りとは言え,『アルマゲドン』をやってしまった.
『アルキメデス』も大局にあらがえなかった主人公の物語である.

ところが今回の『-1.0』
主要なキャラは誰も死なない.
残酷描写を極力排し(冒頭の島ぐらい),それどころか確実に亡くなっている描写だったヒロインすら,実は生きてました演出.

機雷除去の4人組,小さな漁船で巨大な海洋生物と戦うなんて,まるで『ジョーズ』
一人足りないけどメンバー構成も船長,学者,警察(兵隊),海上をゴジラに追いかけられている構図,ボンベならぬ機雷を食わせる作戦もよく似ている.

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よって「こりゃ主人公以外は...」と思いきや...全員生還.

現実の社会情勢が不穏な分,創作物においてはハッピーエンドが求められているのだろうか.
また,全体的なテーマとして「戦争のおかげで精神的に死んだ人々のリベンジ」という側面も強いので全滅エンドはないか.

そういや,なんでゴジラは毎回日本,特に東京に上陸するんだっけ?
確かオリジナルの映画では,「太平洋戦争で亡くなった兵隊の怨霊が,ゴジラに乗り移っているので皇居を目指している」とかなんとか,そんな設定があったような(あいまい).

そういや重要なメカを忘れていた.
最終兵器「震電」だ.

機体の後ろにプロペラが付く,いわゆるプッシャー型.
プッシャー戦闘機と言えば『スカイ・クロラ』だな.
こういう試作機,異形のメカは男のロマン.

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神木隆之介は『仮面ライダーアギト』の子役.
浜辺美波は『シン・仮面ライダー』のヒロイン(主役?).

で,今回二人とも『ゴジラ』に出演ということで,残りは『ウルトラマン』ですね.
『シン・ウルトラセブン』待ったなし(意味なし妄想).

つーことで,『-1.0』がなぜここまで絶賛されているのか,正直よくわからなかったKazchariでした.

これからいろんな人のレビューを聴いたり,読んでみよう.
見方が変わるかな.

捨てたらアカン~映像作品の継承

2023/9/15 Fri

知能指数は1300!

Kazchariは医療系専門学校の教員をしている.
ゆえに疾患に関する講義を担当することもある.

座学にて,文字や写真だけで説明したとしても,学生もイメージをつかみにくいだろう.ゆえに,疾患をテーマにしたアニメや映画,ドラマを通じての視聴を薦めることが多い.

先日,脊髄小脳変性症(Spinocerebellar degeneration:SCD)について話す機会があった.
SCDをテーマにした有名なドラマがある.
それは2005年に地上波で放送された『1リットルの涙』である.

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放送後しばらくは「観たことがある」「内容は知っている」という声が多かったように記憶している.

最近は,さすがに「知らない」という学生が増えてきたので,配信しているサイトを紹介できるかどうか調べてみた.
結果,どこも取り扱っていなかった.
理由は(おそらく)主演女優の不祥事であろう.

とは言え,DVD-BOXは販売されているし,GEOやTSUTAYAでのレンタルは可能なのはまだ幸いと言える.

少し調べてみると視聴困難なドラマはけっこうある.

実は放送禁止?大人の事情で再放送できないと噂されているドラマ14選! 理由や視聴方法も解説

いずれにせよ,お手軽な配信での視聴に比べると,今やレンタルうんぬんは少々ハードルが高くなってしまったのは確か.

ただし...まだ視聴可能なだけマシなのだ.
例のウルトラセブン第12話なんて,新しい仕様のDVD/Blu-ray BOXが発売される度に「また未収録か!」と失望と怒りの声が渦巻くしな.

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放送困難な理由は数あれど,出演者の不祥事で作品そのものをお蔵入りにするかどうかは,以前から賛否両論ある.

放送すべき派の論理としては,いわゆる「作品には罪はない」というヤツやな.
Kazchariはどちらかと言えばこっち派.

確かに被害者の心情を考えるなら,知らず知らずに目に入ってしまうかもしれないTVでの再放送はまずいかもしれんが,対価を払ってわざわざ観る場合には解禁して良いのではと思う.

今一番ホットな某J事務所所属タレントの出演ドラマも,下手すると今後は再放送や配信が停止になる? 何だかそこまで行きそうなな叩かれ具合.

パソコンやスマホの普及により,エンタメを楽しむことが極めて個人的な行為になった.
家族,友達と同じモノを見て,感想を語り合う機会は減った.
流行歌? 何それ? で,紅白の選曲で荒れる.
”ヨコ”のつながりはすっかり怪しくなった.

では”タテ”はどうだろうか.
諸事情で視聴困難化,つまり過去からの文化遺産の継承まで断ち切ってしまうことにならないか?

昔からの知り合いにビデオマニアがいた.

そいつはテレビで放送された映画やドキュメント,エンタメ番組まで自分が気に入ったモノは何でもかんでもビデオ録画/保存していた.
6畳ほどの部屋を一つつぶして,VHSテープを数万本レベルで保管していたが,ある日,すべてを処分したとのこと.
その理由は「自分が撮りだめていた映像のほとんどは,サブスクやYouTubeで公開されるようになったから」だそうな.

それはそうかもしれないが,処分したテープには,もう2度と見れないお宝映像が混じっていたかもしれんな.
それはそれで諦める.
それぞれの心の中で(美化しつつ)再生し,後世に伝えましょう.

NHKの名作人形劇『プリンプリン物語』はオリジナルテープが紛失,一般人を対象に放送を録画したビデオテープの提供を願い出ていた.

緊急速報!『プリンプリン物語』残り1本に!!

アクタ共和国国歌の脳内再生が止まらないッ!

連続人形劇 プリンプリン物語 アクタ共和国総集編 前編 新価格版 [DVD]

話を元に戻すが,医療系なかでもリハビリテーションがらみで一番薦めたい映画はやはりこれ.

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色褪せぬ名作.
学生らと一緒に年に一度は鑑賞する.

dアニメストアに加入~タイパ的にどうなのか

2023/8/31 Thu

スキマはあるか

「2ヶ月間¥99」のキャンペーンにひかれて,アニメ専門のサブスクである「dアニメストア」に加入した.ちなみに通常料金は月¥550である.

要注意なのはAmazon Prime Videoを通してのキャンペーンなので,dアニメサイトやアプリからの登録では適用されない.ややこしいわ!

それにしても...Amazon Prime Videoはインターフェイスがひどすぎる.
無料と有料,それに他のサブスクなどがごっちゃごちゃで,目当てのコンテンツにたどり着くのが大変.
それに「無料」の文言でクリックしても,結局は他のサブスクサービスのお試しプランだったり(ようするに契約要),広告付きだったりとイライラする.

Amazonがらみじゃなかったら即解約レベル.

さて,肝心のdアニメだが,さすが専門チャンネルだけあって,内容は超充実.
懐かしい作品から最新作まで幅広いラインナップ.

最新作はAmazon Primeとかぶっていたり,追加料金が必要だったり(『天国大魔境』とか)するが,そもそもの契約目的が(ほぼ)旧作視聴なので問題ない.

で,早速Zwiftの友として何本か視聴.

以下ネタバレかつ,ディープなアニヲタでないとワケのわからない感想...

【ガールズ&パンツアー最終章第3話】(2021)

ガールズ&パンツァー 最終章 第3話

冒頭は大洗vs知波単の続きから.

特攻グセをカイゼンし,冷静になった大日本帝...じゃなかった知波単は強い.
後一歩のところまで大洗を追い詰める.
だがしかし.四号撃破後に浮かれてしまい油断.
万歳三唱中にフラッグ車を撃たれて散華.

ジャングル戦と特二式内火艇が見どころ.
水陸両用戦車って当時から存在しててんなぁ.知らんかった(非ミリヲタ)

続いてプラウダvs黒森峰
西住まほが不在の中,No.2だったエリカの活躍.
かませ犬にしないようスタッフの配慮が目立つ(決勝戦へのフラグ?).
気になったのは戦車道のルール.
撃破される前なら,試合中の車両乗り換えはOKなのだろうか?
これまでもあったっけ?

アンツィオvs聖グロリアーナ
えー,説明不要.

そしてサンダースvs継続高校.
継続は例のキャタピラ外し戦法でシャーマンを翻弄.
それでも多勢に無勢で追い込まれる.
だがしかし,どこからともなく飛んできた砲弾でサンダースのフラッグ車が撃破される.

ここで「フィンランド+狙撃」でピンと来る人はピンと来る.
そう,人類最強のスナイパー,“白い死神”こと「シモヘイヘ」(をモデルにしたキャラ)が登場.
ニュータイプ・シモヘイヘ,その逸話がカッコ良すぎる.

締めはその継続高校vs大洗の準決勝戦.
ゲリラ戦法で翻弄させられ,孤立したアリクイ号とあんこう号.
そこへ,シモヘイヘの砲弾が!
なんと大洗の要たる四号が撃破されてしまう.
ここでto be continued!

ちなみに第4話は今年10月に劇場公開と,やっぱり2年毎だった.
旭川での公開予定は今のところ無し.ムカっ

【境界戦機 極鋼ノ装鬼】(2023)

境界戦機 極鋼ノ装鬼

ザッピング中に偶然発見.
前作の無印『境界戦機』はク◯アニメとして有名.

日本が分割統治されている近未来(うん? ルルーシ...)
その世界観に全くそぐわないキャラデザ.特にマスコットAIがうざかった.
危機感の全くない主人公(とその周辺).二期ではよくわからない鬱展開.
メカデザインも微妙で,プラモが全然売れずワゴンの常連.
「工場のリソースをガンプラに回せ」と言われ続けた大爆死作品だったのだが...なぜに続編?

深読みすると,前作はこれ以上ないくらいの駄作だったので,スタッフによるリベンジ&リメイクか,と少し期待して視聴してみた.
結果 ⇒ えー,ダメです.
2話配信済みだが,話が全く面白くない.どうしてこうなった?
新主人公(?)もメカも魅力なし.
不思議なのはこのアニメ,15分で1話構成なのである.朝ドラ?
話の構成がブツ切れだと,視聴者を世界観に引きずり込むのは難しいのでは?

【ファイブスター物語】(1989)

ファイブスター物語

全編通しての視聴は初.

『ファイブスター物語』は知る人ぞ知る連載38年目にして,単行本はたった17巻という驚異のマンガ.
その最大の特徴は年表,つまり大筋のストーリー展開や結末が先に公開されていること.
ゆえにコミックも巻ごとに時代や場所,主役がコロコロ変わるという,大河ドラマのような構成になっている.
「作者存命中には終わらない」というのが大方の予測っつーか,それでもOKな作りになっている.

で,この映画は単行本第1巻の映画化.
監督は『うる星』で有名なやまざきかずお.
構図や光の表現が時代を感じさせる.
躍動感ある手書きアニメが心地よい.
ファティマをはじめとするキャラの表情がなんとも妖艶(目だな).
切り抜き動画でもよくピックアップされるクライマックスのKOGは迫力満点である.

と,全体的に悪くはないのだが,不満もある.
まず,冒頭の黒騎士vsレッド・ミラージュ戦がまるごとカットされていること.
戦闘どころか,レッド・ミラージュの影も形もない.

作画が大変?
いや,KOGですらグリグリ動かせたのだから問題ないはず.
やはりクライマックスのMH戦にかけて,徐々に盛り上げていく構成にしたかったのだろうか?

映画ゆえ,他にも場面の入れ替えやカットシーン&台詞もある.
仕方なしとは言え,続きは作る気なかったのだろうか?

アマテラスのキャラ造形が別人の様.
怖さと威厳が...
正直,コウ・ウラ...じゃなくて,ラインハルト声もイマイチ合っていない.
(Kazchari的には朴璐美ボイスで再生)

この映画,原作者である永野護の意向はどこまで反映されたのだろう?

ひょっとして後年作られることになる花の詩女 ゴティックメードが,徹底した永野イズムの塊なのは,この最初の劇場版の反省もしくは反動なのだろうか?

なんせこの『ゴティックメード』,公開まで内容は極秘(だったはず).
キーヴィジュアルのメカがMHじゃなかったので,誰もが別の世界の話だと思っていた.ところがフタを開けてみるととんでもないことに.

未だに慣れないGTM
ああ,でも『ツァラトウストラ・アプターブリンガー・パンツァー・カンプフロボーター』(長ぇ)と『D型・イーダー帝騎マグナパレス・デスティニーブリンガー』(こっちも長ぇ)はかっこよく見えてきたなぁ.

この作品はクリスの意向により,いまだに円盤化も配信もされていないので,“秘密”はまだ継続中とも言える.

...と,知ったかぶって書いてはいるが,Kazchariも『ゴティックメード』の本編を観たことがない.
たまにリバイバル上映されているが,近くて札幌やしなぁ.
時代は既に4K配信可能になったし,クリス先生,そろそろ許可を...

以上,ざっくりレビューでした.

ちなみに¥99キャンペーンは9/5までですぅ.

宇宙服とジェット機~現実が追いついた

2023/8/30 Wed

一気に進んだ感

宇宙に行くのも珍しくなくなり,あまり騒がれなくなってしまった昨今.
つい先日も日本人宇宙飛行士の古川さんが,国際宇宙ステーション:ISSに旅立った.

古川聡飛行士ら4カ国の宇宙飛行士が搭乗,宇宙船がISSにドッキング

いやホンマ,びっくりするぐらい話題にならない.

もはや,月もしくは火星に降り立たないと,かつてほどの熱狂はないのかもしれんなぁ.後は謎の地球外生命体の侵略とか(やめて).

とまぁ「あぁ,またステーションに行くんや...」とぼんやりテレビのニュース映像を見ていたら腰を抜かした.

なんだ,この宇宙服(与圧服)!?

SpaceXが有人宇宙船「Crew Dragon」と宇宙服を公開! かなり『インターステラー』だ

まるで,某ロボアニメの“ノーマルスーツ”ではないか?
さすがに「ファースト」とまでは言わないが「Z」レベルのスッキリ&ピチピチ感.

いわゆる生命維持装置とかはどこについてんのやろ?
まさか,船外活動もこれで?
だったら作業効率,めちゃめちゃ上がらん?
完全にノーチェックやったわ.

と,興奮状態だったが,よくよく調べてみると,2018年頃からこのスーツはスペースXの「クルードラゴン」搭乗用(つまり船内着)として開発されていたらしい.
さすがに船外作業は無理か.
「ヤマト」の乗組み員や「ウルトラ警備隊」みたいに,バイザー下げたら宇宙空間も可!とはならんな(まだ先).

それにしても...「クルードラゴン」の外見も,コクピットもやたらに洗練されている.
未来やなぁ.
まるでSF映画のセット.
現実とは思えん.

ここ数年の科学の進歩は加速度的.

Kazchariがこの世からいなくなるまで,どこまで見れる,楽しませてくれるのだろう?
その前にAIに支配される?

もう一つはバカ売れしているという「HondaJet Elite II」

最新型「HondaJet Elite II」を発表

いわゆるプライベートジェットだが双発エンジンに着目.
ボディではなく,主翼に設置してあるのだ.

ちょっとルッグン」っぽい?(←違う)

これにより,室内空間を広く取ることができ,騒音と振動と空気抵抗の軽減につながるらしい.揚力発生には不利らしいけど.

詳細は岡田斗司夫も推薦のこの動画が詳しい.

控えめに言ってかっこいい.
確かに『マクロス』シリーズに出ててもおかしくない.

値段は約10億円.
動画の言う通りヒカキンも買えるけど,年収80億の大谷だったらもっと余裕(今のプライベートジェットが4000万だっけ?).

全然身近でない宇宙服や飛行機はともかく,クルマもバイクも,そして我が愛するチャリも,素材の加工技術や空力学が進化して,ますます有機デザイン化.
全体に丸っこくなった.

https://www.bikebros.co.jp/catalog/3/999_81/より

この最近のと...

https://www.bikebros.co.jp/catalog/3/89_10/より

ならどっちが良い?

偶然のカタナ~キリンは泣かない

『マリグナント 狂暴な悪夢』を観た~中途半端やなぁ

2023/8/28 Mon

続編待ったなし?

今回のZwiftの友は『マリグナント 狂暴な悪夢』

例によってAmazon Prime Videoにて追加料金なしのサブスク配信中.
怯えているように目を見開き横たわる女性の赤いキーヴィジュアルがなかなかのインパクト.

マリグナント 狂暴な悪夢(字幕版)

さて,その中身は?

以下,あらすじとネタバレ感想.

ゴシック建築様の異様な施設.
ウィーバー医師が患者に関する所見をビデオに記録している.
そこに緊急事態発生を部下が告げに来る.

とある病室に走るウィーバー達.
室内は阿鼻叫喚.
複数のスタッフが“何か”に襲われていた.
“何か”には電気を操れる能力があるらしい.レッド・ホット・チリ・ペッパー!
(ただし,その能力で人を殺すわけではない)

麻酔銃を構える警備員も殺られた.
その銃を拾い“何か”を撃って眠らせるウィーバー

おとなしくなった“何か”は椅子に拘束される.
拘束バンドを巻かれる足元が映るが,その細さや靴下の柄から,その“何か”は少女であることが推察される.

しかし,半透明のカーテン越しに映るシルエットは化け物そのものであった.

...までがアバン.

この映画,上手いと思うのは少しずつヒントを小出しにして,観客に真相を考えさせるのが巧みなこと.
それは説明台詞ではなく,どこか意味深な映像であることが多い(オープニングとか).

数年後,お腹の大きな妊婦らしきマディソンが自宅に戻る.
ベッドには何やらだらしなさそうな夫らしい人物(デレク)が,寝そべりながらテレビを観ていた.
二人の会話から,マディソンが何度も流産を繰り返していることがわかる.
そして,このデレク,見事なまでのDV男で,ちょっとした諍いからマディソンを突き飛ばす(妊婦なのに!)
壁に後頭部をしこたまぶつけ,出血するマディソン
その後,速攻であやまりたおすデレクがいかにもなDV気質.

その夜.
1階のソファで眠るデレクが物音で目を覚ます.
やがて電気製品がついたり消えたりと異変が.
一瞬暗くなった後,明かりがつく.

そこには貞子並の黒髪ロングに黒いコートを着た化け物が立っていた.

デレクは首をネジられてタヒ亡

階下の異変に気づくマディソン
デレク同様,その何者かに襲撃を受ける.
隠れた部屋のドアごと吹き飛ばされて気絶.

この化け物は霊魂やら呪いではなく,物質として存在するようだ.

気がつくとマディソンは病院のベッド.
妹のシドニーが看病していた.
残念ながら子供は流産していた.

警察はDVの被害者だったというマディソンの犯行を疑っている.
捜査を担当する刑事は2名.
黒人女性のモスと,ちょっとアジア系(?)のショウだ.
この二人の関係が面白く,上司のモスの方が思考が単純,行動が軽率という珍しいパターン.
若いショウの方が慎重かつ大胆.ちなみにこの役者さん,ユンボのログリッチェにむっちゃ似ている.
もう一人,鑑識役かな? ログリッチェもといショウに惚れている若い女キャラもいるが特に活躍はしない.

さて,傷が癒えたマディソンは退院.
なんと恐ろしいことに,謎の怪物に夫が殺され,自分も襲われた元の家に戻って生活するらしい.その感覚がわからん.
案の定,その夜も怪奇現象が起こる.

場面は変わってシアトルの地下都市を案内する女性ガイド(名前忘れた).
仕事を終えて電灯を消すが,変な物音が.
なんやかんやで,例の化け物に拉致られてしまう.

気がつくとどこかの屋根裏部屋に監禁されていた.
なぜか殺されることなく,壁に縛り付けられている(食事とかトイレは?)
化け物は電気を操る能力により,ラジオを使って会話が可能.
なんやかんや言ってくるが,結局,ガイドさんはなぜ自分が拉致られたのか見当もつかない.

家の中でマディソンは奇妙な体験をする.
洗濯をしようとした際,突然,周囲の風景が崩れ全く別の場所に変容.
そこで見たのは,黒いコートを着た化け物が(老いた)ウィーバー医師を殺す姿.
マディソンはその世界に干渉できないし,向こうからも認識されないようだ.

ある日,この現象内で化け物が自分の正体をガブリエルだと明かす.
ずっとマディソンことエミリーと一緒に過ごしてきたと.
医師3人の仕打ちが許せないので復讐するらしい.
意味がわからないマディソン

さて,このような事象が再度起き,またしても殺人を目撃する.
モス&ショウに報告.
二人は半信半疑だったが,マディソンの言う通りの場所で死体を発見.

そしてマディソンは3人目の殺人を見る.
今度は現場に向かったショウ刑事と化け物のバトルが開始される,

いや,もうこのバトルにおける化け物,いやガブリエルの動きが見事だった.
手や足の関節・動きの違和感がなんともキモい.
背中が正面になっているのだ.

そう,ガブリエルの正体は,なんと正面がガンダム,背面がガンキャノンで有名なリボーンズガンダムだったのだぁ!

ROBOT魂[SIDE MS] リボーンズガンダム/リボーンズキャノン

※ しっかりプレ値.

二重人格(正確には違う)を物理的に表現するとは.
この発想はなかった.

いずれにせよ,ここで「そういうことか!」と膝打ち(Zwift中).
うーん,でもだとすると物語冒頭でマディソンを襲ったのは誰?
あれは一人芝居?

後,別の場所で殺人現場を“見ている”マディソンは魂だけの存在?
そこから,ガブリエルに乗っ取られた肉体の犯行を見ている?
...ということにしておこう.

殺された3人の医師とマディソンが関係者だったことを突き止めたショウ刑事.
催眠療法によって,過去の記憶を蘇らせようとする.

その場になんと,手足の拘束を外したガイドの女性が天井を突き破って落ちてきた.
そう彼女が監禁されていたのは,なんとマディソンの家の屋根裏だったのだぁ!

怪物=マディソンと思い込んだ(間違いではない)警察は彼女を逮捕.
あろうことか集団房に留置してしまう.
これが惨劇の始まりだった.

さて,姉が養子かつ精神的な病気だったことを知ったシドニーは,深夜の廃病院散策という,世界最恐レベルの肝試しに単独トライ.
特に何も起こらず,見事決定的な証拠となるビデオテープを発見する!

そう,ここまで何か既視感あるなぁと思っていたが,この映画,物凄くジャパニーズ・ホラーの影響受けてないか?
ロン毛の黒髪とかビデオテープとか,正にアレ.

リング

で,そのビデオテープにはとんでもない映像が!(どうして処分してない?)
なんとマディソンことエミリーガブリエルは,いわゆる双子の結合児だった.
と言っても,ほとんどの組織は共通.
マディソン(エミリー)の背中から頭部にかけてガブリエルが寄生しているような状態.
(アシュラテンプルのように手だけが生えている)
ただし脳は共通(ここはご都合設定).

なんだかわからんが,狂暴な性格な上,電気を操るガブリエルに恐怖したウィーバー博士らは,彼を「悪性腫瘍」扱いとし,その摘出手術を行う.

マディソン(エミリー)と共有している脳を除去するわけにはいかないので,頭蓋骨の奥に押し込んだのだ(えっ,そんなんでええの?)

で,そうやって封印されたガブリエルの自我が,デレクの暴力で後頭部を打ち付けられた瞬間に覚醒.
それが今回の悲劇の始まりだったのだぁ!

その頃,留置場に入れられたマディソンは,ヤンキー達からからまれてしまう(お約束)
引き倒されてケリを入れられるマディソン
「あ,アカン,それ以上やったらヤバイことに!」という視聴者の期待通りに,

剛力招来! サナギマンならぬガブリエルが覚醒!

エゲツない殺し方で監房内の留置者達を虐殺する.
この時のアクションもめっちゃ凝ってて,ちゃんと背中を正面にして戦っている.
すんげーこだわり.

ショウ刑事とのバトルは逃げ回ってばかりだったが,ここに来てようやく面白いアクションが見れた.監督の気合(趣味)が伝わる.

さて留置場を抜け出したガブリエルは警官相手にも怯まない.
署内で暴れまわる.

この場面,クリーチャーというよりも,むしろヒーローっぽく描写されていると思ったのはKazchariだけだろうか?

さて,シアトル警察を壊滅させたガブリエルが向かったのは,屋根裏に監禁されていた女性が入院している病院.
そう,この女性はなんとマディソン(エミリー)/ガブリエルを産んだ実の母親だったのだぁ! なんたる偶然!

彼女は15歳の時にレ〇プされ妊娠.
自分では育てられないからとウィーバー博士の施設に預けることにしたのだ.
ちなみに「レ〇プした男は怪物だった」という台詞があったように思うが,結局何者だったのだろう?

さて病院にて最終決戦.

ガブリエルシドニーと母を殺し,「オレの復讐が終わったぁ~」とかなんとか叫ぶ.

だがしかし,実はその直前,シドニーの必死の訴えにより目を覚ましたマディソンが脳を逆ハック,妹と母を殺したと思わせたのだぁ~!
あれですね.「愈史郎が鳴女経由で無惨様を謀った」パターンですね.

そして,ついにマディソンガブリエルを意識の奥に閉じ込めることに成功(なんか都合良すぎないか?).

正気を取り戻したマディソンが最後に言う.

「私はこれまで血の繋がりを欲していた.けど,私にはそれ以上の存在,家族がいる.シドニー,それがあなたよ」(意訳)とかなんとか.

ヒシッと抱き合う二人.そしてエンドロール.

...終わり.えっ終わり!?

なんだこりゃ.
全部投げっぱなしかい.
マディソンが罪に問われないはずはないやろ,これ.
最終局面で何をしにきたのかわからないショウ刑事の存在って?

ひょっとして.続編構想あり?
じゃないと納得いかん終わり方やな.

とは言え,劇場公開されたら足を運ぶ?
いや,そこまでは...っつー映画でした.

ただ既述の通り,伏線をあちこちに散りばめていて,視聴者にあーでもない.こーでもないと考えさせる構成はなかなか見事.

そして,なんと言っても,ガブリエルの動きっつーかアクションは高評価.
CGベースやと思うけど,不思議なキモカッコよさがある.
ボロボロの黒コートも,トロフィーを磨いた短剣もヴィジュアル的に映える.

Kazchariが構想するなら,マディソンはラストシーンの後,「私は罪をつぐなう」とかなんとか言って病院から逃走して闇に消える.

そして,何かをきっかけにガブリエルの意志を封印したまま,その優れた身体能力を利用できるようになる(シドニーを潰していたベッドを動かすなどの描写があったけど中途半端).

今回の大虐殺を,人知れず悪を倒して償うとかのダークヒーロー的展開にしたいところ.
まぁ,これもこれでありきたりのプロットかもしれんけど.

おおっ,父親の正体が秘密のままやん.
こいつをラスボスにしてと.
最後はもちろんガブリエルも復活して,二人(?)が力を合わせてって...アレルヤ&ハレルヤ?

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つーことで,なんとなく00な『マリグナント 凶暴な悪夢』の感想でした.

それにしても電気を操る能力って必要だったのだろうか?