『LONG WAY UP』の感想(その5)「中米編」

2020/11/22 Sun

今度は娘.

『Long Way Up』の感想その5は中米編.

通過国はパナマ-コスタリカ-ニカラグア-ホンジュラス-グアテマラ
南米編に比べ,妙にあっさりと通過した印象.
あまりネタがなかった?

そして,前作の『Long Way Down』でも(個人的に)大不評だった演出を,またしてもやらかした.

それは,テコ入れだったのか何なのかわからんが,東アフリカあたりでユアンの奥さんが合流し,しばらく一緒に走るというエピソードのこと.
おかげで男二人旅のストイックさが台無し.
不評なのはKazchariだけで,他の人は受け入れたのだろうか?

第一作『Long Way Round』におけるユーラシア極東編のあの悪戦苦闘の絶望感が大好きなので,家族との交流などという軟弱路線は不要っ!

そこで思い出すのが,バックパッカーの永遠のバイブルこと沢木耕太郎の『深夜特急』の件.

深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】 Kindle版

Kazchariもこの本のおかげで会社辞めて,東南アジアを1年ほど旅してしまいました.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(1)

この『深夜特急』は1996から98年にかけて,3部構成でTVドラマ化された.
主人公の“僕”こと沢木耕太郎役を王騎将軍(大沢たかお)が演じていたのですよ.ココココ
当然だが旅行記のドラマ化ゆえ,全て現地ロケ.

劇的紀行 深夜特急 [DVD]

さすがにアフガニスタンには入国できなかった(原作のここのパート面白い)ものの,全般にデキが良く,毎回放送を楽しみに観ていた.
倉庫を探せば当時録画したVHSテープが出てくるはず.

しかし...第三部のヨーロッパ編にて,原作にないシーンをねじ込んだおかげで全てが台無し!
これまで積み上げてきた一人旅ならではの自由や不安,孤独感や寂寥感を全て破壊しやがった.おのれ松嶋ぁ!
別に松嶋菜々子が悪いわけでなく,完全にスポンサーか事務所のゴリ押しやろな.

話を『Long Way Up』に戻す.
つーことで,今回は奥さんに代わり,ユアンの娘がコスタリカで合流.
この娘さん,実は訳ありで『Long Way Round』ウランバートルに立ち寄った際,ストリートチルドレン保護施設にいたのをユアンが養女に迎え入れたという経緯がある.
現在17歳ぐらいかな.
ブラピとアンジェのところもそうだが,西洋人のセレブがアジアの孤児を養子にする例は多いようだ.

米国の養子縁組制度

国際養子縁組制度の今.年間50人以上の日本人がアメリカで養子に?

とまぁ,環境や人権問題を旅の途中で取り上げるのも番組の趣旨なので,先の『深夜特急』ほどコンセプトとかけ離れているわけではないが,ストイックな男バイク旅を望むKazchariとしてはちょっと萎える.
ただし,娘さんの「どうして選ばれたのが私だったのかわからないが,今はものすごく幸せ」という言葉には考えさせられる.
偶然が偶然を生んで“いま”があることを改めて認識する.

さて,例によって本編とKazchariの旅の思い出を融合合体.

【パナマ】
ユアンは壊れたバイクをハーレー本社の技術者に見てもらうためコスタリカのサンホセに先行.
チャーリーは1人(+カメラマン)でパナマ運河を観に行く.
Kazchariもパナマシティから列車で運河を訪れたことがある.
その時も巨大タンカーを間近に見ることができた.
デカイです.
運河は,現在さらに拡張されているようだ.

Nikon COOLPIX E950 / 2003年9月8日撮影

初めて知ったのだが,チャーリーの父親のジョン・ブアマンは映画監督で『テイラー・オブ・パナマ』という映画を撮っている.
2001年の公開.たぶん観てない.日本ではコケた?

テイラー・オブ・パナマ [DVD]

【コスタリカ】
自然の宝庫コスタリカ.
バイクの一行はほとんどスルー.
2003年に訪問したが,Kazchariの目当てはカエル.
そうコスタリカと言えば,『水どう』で有名な極楽鳥の他,カラフルなヤドクガエルが有名.
ガイドさんを雇ってジャングルの奥へ.

Nikon COOLPIX E950 / 2003年9月12日

何気に手のひらにのせているが,もしキズがあったら...アウトらしい.

【ニカラグア】
Kazchari未訪問.
協力隊の同期によると「超つまらん国」らしい.
ただし,以下の本によると内戦で国が荒れに荒れたものの,中米は珍しい平和国家のひとつ.

世界244の国と地域 197ヵ国と47地域を旅の雑学とともに解説 (地球の歩き方BOOKS)

番組中では火山を紹介.
これは見てみたい.

【ホンジェラス】
これまたKazchari未訪問国.
これまた同期隊員によると...イマイチな国らしい.
驚いたのはサン・ペドロ・スーラに行く旅程になっていたこと.
ここは言わずと知れた“世界治安悪い都市ランキング”で常にトップを競り合うマッドマックスな町.
番組では,近くの町のUNICEFを訪問している.
今ではややマシになったが,以前は昼夜間問わず,子どもは外に出れなかったそうな.
理由は「殺されるから」
わけわからん.

【グアテマラ】
この辺りから麻薬ギャングがらみの話が増えてくる.
夜間走行を避けるべき地域がある.

Kazchariは2004年に訪問.
その際は隣国ベリーズから陸路国境を越えて入国.
ちなみにグアテマラはベリーズを独立国家として認めておらず,地図上はグアテマラの一部扱い.
ティカル遺跡を見物した後,これまたバスに乗って陸路でメキシコに抜けたのだが(チアパス州),たぶん外務省的にはヤバイ地域やったと思う.
だいたい国境地域はそういうもの.

Nikon COOLPIX E950 / 2004年4月10日 グアテマラーメキシコ国境

バイク組+娘一行は湖のそばでキャンプしたりしていたが,その間,四輪組は来るべきメキシコ通過に備え,無茶な計画を準備中であった.

次回はいよいよクライマックス.
文句も言っているけど,面白い(うらやましい)旅である点は揺るがない.

もうじき終わってしまうのが何とも寂しい.

『LONG WAY UP』の感想(その4)「エクアドル&コロンビア編」

2020/11/20 Fri

国境超えは大変.

『Long Way Up』の感想その4は,エクアドルとコロンビア編.

米国に近づくにつれ,何やらゴミゴミしてきた.
都市化が進み,自然が減少.
これはこれで旅情感あり.

エクアドルに入国.
国内最大都市,グアナキルではスターウォーズ俳優として自撮り攻めにあう.
Kazchari的にはエクアドル=ガラパゴス島なのだが,この旅ではさすがに行かないらしい.
オートバイ関係ないしな.
そういやイグアスの滝もパスしてる.

ちなみにガラパゴスのダイビングツアーは軽く100万円コース
憧れの海であるものの,さすがに躊躇する価格.
100万あったら...『Emonda SLR』『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』買うね!(いや,こいつらも値段的におかしい

TREK Emonda-SLR7 e-tap(80諭吉)
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400 F4.5 TC1.25x IS PRO(110諭吉)

お次はコロンビア
コロンビアと言えば,麻薬と自転車選手
世界最大の麻薬組織,メデジンカルテルが(たぶん)滅んで,だいぶ観光しやすくなったそうな.
世界最悪の街の悪名はホンジェラスのサン・ペドロ・スーザに移ったか.
渓谷に建てられた教会とか,実に趣がある.

悪路の雨中走行が祟ったのか,ユアンのバイクが壊れた.
ハーレー本社に電話してアドバイスをもらうが打つ手なし.
精密機械ゆえ,コスタリカまで運び,技術者に修理してもらうことになった.
まぁ,この辺は個人旅行とは雲泥の差やな.

ここからは期待のダリエンギャップ越え.

コロンビアとパナマの国境にあるダリエン地峡は,パン・アメリカンハイウエイの未開通区間である.
ここは道路のない未開のジャングルという地形的な障害だけでなく,反政府ゲリラもしくは麻薬密売グループの巣窟とされる.
個人旅行でここを通過するのは自殺行為.
...のはずなのだが,まさかこんな本が出てるとは...

ダリエン地峡決死行 (わたしの旅ブックス)

毎回のアバンタイトルでは,バイクのまま陸路で突っ切るような印象もあり,まさか!と思っていたが,さすがに飛行機+船による移送になったようだ.

番組内では,この辺りの旅程やルートがごちゃごちゃして,何がどうなっているのかさっぱりわからん.
ユアンが輸送機に乗ったままパナマinするために“一時的に”作業員になりすましたり(いいのか?),旧ソ連製の小型飛行機の客室にバイクをそのまま載せたり,結局船の予約がどうなったのか,四輪組と二輪組はどうして別ルートになったのか,時間的にも空間的にも『TENET』なみに複雑(2回見ればわかる?).

まっ,コマけーことは船旅が予想以上に面白かったので良し.

国境超えトラブルはKazchariも色々と経験がある.
印象に残るものと言えば,まずカンボジア-ヴェトナム.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(24)

『Long Way Up』でもチリとボリビア間やったかな.
ユアンのパスポートに問題発生.

まず,チリを米国のパスポートで出国.
緩衝地帯を走行後,ボリビアのイミグレーションで入国手続き.
しかし,米国人はビザが必要なので入国できないと断られる.
そこで,ユアンは英国パスポートを出す.
こちらはノービザで入れるのだが,チリの出国スタンプがないため,やはりボリビア入国不可.

そうそう,欧米人はなぜかパスポート何冊も持っている.
どこかの国のドミトリーで「♪今日はどれ使おうかなぁ~」と,5冊ぐらいパスポート見せびらかしている西洋人(?)を見たことがある.
二重国籍を認めない日本が珍しいのだろうか?
それにしても不思議な身分証明書やな.

結局,ユアンはUS$160で無事(?)入国できたようだ.
国境あるあるやね.

Kazchariも青年海外協力隊時代はパスポートを2冊持っていた.
普通のプライベート用(赤)と公用パスポート(緑)

この2冊の最大の違いは,公用パスポートは渡航できる国に制限があること.
ジャマイカからの帰国時,同期隊員と一緒に隣国のベリーズを旅したのだが,そいつが,ジャマ出国のスタンプを公用パスでしてしまったので,そのパスで入国を認められていないベリーズに入国できないという事態が発生した(Kazchariはプライベートパスポートを使ったのでセーフ).

税関でしばらくつかまり,色々と尋問され,数時間後ようやく解放.
そいつはその後,メキシコ-グアテマラ間の陸路国境でも問題を起こす(確か所持金を“正直に”申告したため).

まぁ,トラブル続きで楽しかった道中の紹介はいずれまた.

そう,空路より格段に面白いのが,陸路や海路国境超え.

旅の醍醐味やね.

『LONG WAY UP』の感想(その3)「ボリビア&ペルー編」

2020/11/19 Thu

ああテレフェリコ!

『Long Way Up』の感想その3.
ボリビアとペルー編について.
この地域は標高が高い.
ガソリン車(キャブ仕様)と違って,出力が落ちる事はないんやろな.
登りが多い分,電力は喰うか.

その2の感想では,かなり感傷的になり「ああ行きたい行きたい」「ああ戻りたい戻りたい」状態になってしまったが,実際中南米を旅するとなると,治安の問題は切っても切り離せない.

2002年からのジャマイカ滞在中も,2004年にヨメさんと中南米を旅した際も,特に犯罪には遭わなかった.
ブエノスアイレスの長距離バスステーションのターミナルで,すぐそばに座っていた現地の女性が,床に置いていたカバンをいきなり持っていかれたのを見た程度.

まっ運が良かっただけやろな.

これが,オートバイ旅になるとどうだろう.
もちろん,オートバイが盗まれたり,無人地帯で強盗に襲われるというのが最悪の事態だが,その他にもガソリンの入手やエンジントラブルが心配(パンク修理すらおぼつかない).

あぁ,ダメだ「行かない理由」を考え出すとキリがない.

とりあえず書籍やブログで旅行記を読み直そう.
そういや『珍夜特急2nd season』,途中で読むのが止まっていた.

珍夜特急 2nd season 7―ペルー・ボリビア― Kindle版

なんてことを観るたびに考えさせる『Long Way Up』.
ホンマ,毒番組やで.

さて,チリを抜けボリビアに入国した一行.
国の経済レベルに伴ってか,ボリビアの道路はよろしくない.
目的地のウユニ塩原に向かう道は,フカフカとガチガチが混ざる砂漠ダート.
以前のGSならともかく,ロードタイヤの電動ハーレーでよう走るわ~

ユアンはオフロードに慣れていない,チャーリーはこれまでの度重なる事故により,脚にボルトやらプレート固定しまくっているらしい.

すいません.
旅程がハードなほど観ている分には楽しいです.

苦労のあげく,ウユニ塩原着.
10月頃かな? 乾期だったこともあり,雨後の鏡面状態にならないのでそれほど時間をとっていない.

これまで都会を避けてきた一行だが,ボリビアでは首都のラパスに寄っている.
ラパスと言えば標高3640mという世界一高い場所に位置する首都で,すり鉢状の土地にへばりつくビルやら建物が有名.
おかげで街中は急坂だらけ.

とは言え,ユアン曰く「これまで訪れた中で最も楽しい街」らしい.
新市街と旧市街の移動もテレフェリコ(ロープウエイ)だし,確かに楽しそう(そこ?).

次はチチカカ湖を横断しペルーへ.

山岳地域を走っている際,片足のローディと出会う.
ペルーのパラリンピック代表選手らしい.
片足でチャリに乗るだけでも驚異だが,それでヒルクライム!? この標高で!? すごすぎる.
美瑛センチュリーライドでも日本人の片足オリンピアンに会った.
ええ,激坂で抜かされましたよ.

ペルーでは定番のマチュピチュを訪れる.
バイクを置いて,列車でふもとまで向かうのだが...これまた,うらやましすぎる.
夜明けの遺跡見学
地形上,仕方ないのかもしれないが,マチュピチュの全体像はいつも同じ構図.
それでもなかなか霧が晴れなくて,きれいに見れる日は少ないそう.
この旅のユアンとチャーリーは...とにかく運がいい.

Kazchariも写真や映像ではなくこの目で見てみたい.

ペルーのもう一つの謎遺跡と言えば「ナスカの地上絵」
定番のセスナによる遊覧.
お約束のゲボボ魔獣状態で見物どころではない.
この辺は『水どう』っぽい.

その他,欧米の番組っぽく,環境問題や少数民族の人権問題を上手く取り入れている.
ユニセフの活動も紹介されているが,押しつけがましくなく好感が持てる.

Kazchariもこの2国は行ったことが無い.
将来の楽しみにとってある.
余りに距離が遠く,10日程度の休みだと時差ボケ&高山病で悩まされたまま終了してしまうような気もする.

とは言え,世界で最もインスタ映えするスポットとして有名になったウユニ塩湖なんて,ここ数年,日本人観光客が大挙して押し寄せているそうな.
主に高齢者と若者.
時間があるのはわかるけど,金持ってるなぁ...
今,さくっと調べたら,ウユニ,マチュピチュ,ナスカ周遊の全コミツアーだと,11日間50万ほど.

うん? 意外に安い?(いやいや)
ラジャアンパットのダイビングツアーとそう変わらない.(おいおい)
もちろん個人手配&個人旅だとこの半額以下になるんやろうけど,時間が無限にあるパッカーならともかく,リーマンにはツアー参加が良いでしょう.

あれ? オートバイで行く話はどこへ?

『LONG WAY UP』の感想(その2)「アルゼンチン&チリ編」

2020/11/16 Mon

羨望しかない.

ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンの中南米縦断バイク旅『LONG WAY UP』AppleTV+で視聴中.

ようやく全行程の1/3を視聴完了.
アルゼンチン&チリ編やね.
サンティアゴやブエノスアイレスなどの大都会は避けて地方都市をつなぐ旅程.
当然,道の状況はあまりよくない.
ウシュアイアからしばらくは雪景色(凍結は大丈夫なのか?).
北上するにつれ,荒涼とした岩砂漠へ.
もちろん未舗装.
あの短いサスとロード用タイヤでよう走るわ.
実に楽しそう.

それにしても...絶景に次ぐ絶景.
そのあまりに美しい風景に感情が揺さぶられる.
撮影技術も進歩した.
中でもドローンを駆使した映像が素晴らしい.

そうやなぁ...やっぱり南米(チリ,アルゼンチン,パラグアイしか訪れていないが)は景色,食い物,人,全てが良かった.

今回の旅の目玉は電動バイク&クルマの旅であること.

ゆえに充電切れの不安が常にある.
ようやく街にたどり着き,民家やホテルの電源に接続しても,電圧の関係なのか,うまくいかないことが頻繁に起こる.

サポートカーも砂漠の真ん中で充電切れの他,システム異常によるブレーキロックなど,トラブルだらけ.

バイクもクルマもガソリン車以上に気温や風,スピードや路面状況(登り!)による電力消費の差が激しいようだ.
ホテルの中にバイクを持ち込み温めると電力が復活するとか,クルマのスリップストリームを使うとか...その問題解決方法も番組として楽しめる(無事にゴールするとわかっているからだろうけど).

何よりあの過酷なルートで,あの“ハーレー”が壊れないのが何より驚異.

そういや電動だと排気量という概念がなくなる.
今後電動バイクが増えてきたら,グレードはどう表現するのだろう?
ワット数? バッテリー容量?

ここでKazchariの電動バイク体験記を.

2018年に石垣島を旅した時,現地で電動スクーターを借りた.

石垣島の電動レンタルバイク

うろ覚えだが,台湾メーカーが今後の日本本土への展開を考えて,島で試験運用中だったように思う.
有名どころの観光地にバッテリーステーションがあり,2リットルのペットボトルより二回りは大きいバッテリーを交換しながら走りつなぐ.
満タンで80kmは走る.
狭い島なので充電切れの心配はまずない.

OLYMPUS TG-5 /2018年9月22日
OLYMPUS TG-5 /2018年9月22日
OLYMPUS TG-5 /2018年9月22日

大きな声では言えないが,「ブーストモード」なるものが付いていて,これを発動させると50ccのスクーターより明らかに速い(その分電力消費も激しい).
内燃機関の排気音ではなく「ウィーン」というモーター音が独特.
番組中の電動ハーレーも同じような音がしている.
(名物の)エンジンの振動はほぼなさそう.

さっき,久々に公式サイトを見たら,中古車を販売しているようだ.
もちろん走行は石垣島内に限る.
そらそうだ.
バッテリーステーションが必要やし.
本体だけでなく月々バッテリー使用料も別途かかる.
ガソリン車とどっちが得?

それにしても...番組を観ながら考えてしまう.

世界あちこちを旅してきたが,レンタルバイクなど単発的な場合を除き,飛行機,バス,列車など公共交通機関を利用しての旅がほとんど.

楽で安全だが,自由に自分のルートを線でつなぐオートバイ旅の方が何倍も楽しいのは間違いないだろう.
あっ,そういや2010年にボルネオ島1500kmをバイクで横断するツアーに参加したことを思い出した.
あれも実に良い思い出.

昨日は冬支度の一環として,HONDA XR-BAJAのバッテリーを外し,車庫の奥深くに入れた.
今年はもう乗らない.
いや,正直に言う.
今シーズンは一度も乗らなかった.

もちろん自賠責も任意保険代も払っている.
年3万ほど.

なぜ乗らなかったのか.
理由はわかっている.
自転車が楽し過ぎるのだ.

オートバイには19歳の頃から乗っている.
一周こそしていないが,それこそ日本中出かけた.
豪雨や暴風の中,雪山,猛暑の中を走り,満天の星の下でキャンプをし,見知らぬ人と話した.
何よりオートバイは造形的に美しい.

オートバイは乗らなければ朽ちていく.
サスはへたり,オイルがにじみ,ガソリンが腐り,サビが浮く.

『LONG WAY UP』を観る前は,本気で手放すことを考えていた.
今,その気持ちが揺らいしまっている.

死ぬまでに達成したい目標が,また一つできてしまったかもしれない.

そう,オートバイで南米を走りたい.

OLYMPUS CAMEDIA C5050Z / 2004年7月20日 チリ-アルゼンチン国境にて

復活の旅番組『LONG WAY UP』

2020/11/14 Sat

感無量.

iPhone11 Pro

往年の旅番組が2つ復活した.

一つは『水曜どうでしょう』

まず今年の4月に「赤平にあるミスターの土地(?)にどうでしょうハウスを建てるという企画」が放送された.
2017年に撮影開始,つまり3年がかりの長大作品だった.
そして...見事に最後騙されました.
これはこれで実に面白かった.

水曜どうでしょう 北海道で家、建てます(2019新作)

『水曜どうでしょう最新作-最終夜』を観た

しかしながら,この番組の真骨頂はやはり,おっさん4人によるウダウダ旅にある.
現地人との交流なし! 観光地に行ってもロクに景色も見もせずボケとツッコミ.
基本的に狭い車内で3人(+嬉野カメラマン)のどうでもいい会話,そして,たまーに出る名言を楽しむ番組.

そのあたりはスタッフも承知しているのか,「家づくり」と並行してちゃっかりと海外旅行に出ていた(2018年収録).

ということでその2作目の新作が10/28から放送開始.
今回はパリinしてアイルランドを目指す.
ヨーロッパ制覇のリ・リベンジとともに,“とてつもなくつまらなかった”アフリカ旅のリベンジも兼ねていると推察.

水曜どうでしょう 2020最新作

そこで毎週期待を込めて視聴中なのだが...
正直...つまらない.
まっ,こちらは最終夜まで観終わってからレビューしよ.

もう一つは知る人ぞ知る『LONG WAY UP』
オビワン・ケノービこと俳優ユアン・マクレガーと友人のチャーリー・ブアマン(ダカールに出場!)のモーターサイクル旅行のドキュメントである.
なんと言ってもそのスケールがスゴイ.

第一作の『LONG WAY ROUND』(2004)はイギリスを出発し,ヨーロッパ,ロシア(モンゴル),海を渡ってアラスカ,カナダ,アメリカにゴールと地球を横断する旅.
マシンはBMW-R1150GSである.

ユアン・マクレガー 大陸横断バイクの旅/Long Way Round [DVD]

第二作の『LONG WAY DOWN』(2007)はイギリス発,イタリア経由でアフリカに渡り,そのまま南下.南アフリカにゴールという地球縦断の旅.
マシンはBMW-R1200GSである.

ユアン・マクレガー 大陸縦断バイクの旅/Long Way Down [DVD]

日本ではWOWOWで放送されていたようだ.
視聴環境がなかったKazchariは海外版のDVDセットを購入.
『ROUND』は日本語字幕付き,『DOWN』は英語のみ(旅番組なので状況はだいたいわかる)だった.

随行するカメラマンもいるし,国境越えなどのややこしいポイントでは,クルマのスタッフが待機している.
何より出発前の準備やら,旅行中も何かとサポートするバックオフィスも存在する.
純粋な意味での“旅”や“冒険”とは言い難い点もある.

それでも,ユアンのような世界的俳優が決して安全とは言えないルートをガチで走る.
転倒他のトラブルにもめげず(いや,グチは多い)進む姿は,その過酷さを同時体験している気分にさせる十分なインパクトを有している.
(モーター)バイク乗り必見のドキュメントである.

それにしてもBMW-GSのカッコよさ!
この番組が相当売り上げに貢献したらしい.
Kazchariも190cmぐらい身長があったならぁぁぁぁ!

そして,第二作発表後12年経過.
満を持して『LONG WAY UP』が放送開始!
「オーストラリア⇒東南アジアルート」かと思いきや,より過酷なアルゼンチン(ウシュアイア)⇒ロサンゼルス!の中南米縦断だった!

これは視聴せずにいられるだろうか? いいや限界だ,観るね.

LONG WAY UP 大陸縦断バイクの旅

この『LONG WAY UP』AppleTV+独占配信.
9月スタートなので既に全話配信済み.
早速,アプリをiPhoneとiPadにダウンロード.
「iPhone11Pro」を買ったときに付いてきた視聴1年間無料権をすっかり失念していて,既に期限切れだったため,1週間のお試し入会.
1話50分の全11話.
時間的に大丈夫かな?
まぁ,一カ月のサブスクが600円やし,見逃した『ランボー・ラストブラッド』もあるし,少し延長してもええかなと考え中.

で,昨日から見始めたのだが,いやぁ,もう素晴らしいの一言.
第3話の時点でパタゴニアを爆走中なのだが面白過ぎる.
今回のマシンはなんと,撮影当時も,そして今現在も未発売のハーレー・ダビッドソンのLiveWire.

Harley Davidson Livewire

まさかの電動モーターサイクル!
その試作品を本社がカスタム.
充電満タン時の走行距離200kmほど.
当然インフラどころか民家すらまれな場所を走ることになるので,充電ステーションの設置から準備を始める.
なんつースケール.

それでも充電できないトラブルが早くも頻発.

Kazchari夫婦は2004年の7月頃,南米を旅していた.
ウシュアイア,プンタアレナス,あの国境,あのフェリー...何もかもみな懐かしい.
ヨメさんと二人して狂喜乱舞.

撮影技術の進化も伴い,もう絶景のオンパレード!
もう続きが楽しみで仕方がない.
このブログでも随時感想をアップしていく予定.

とりあず,第2話でのユアンの名言.

「ウシュアイアは偶然訪れることはない町.旅人はここを目指してくる」

Nikon COOLPIX950 / 2004年7月18日

新春,美瑛の丘ライド

2020/1/4 Sat

宗谷帰りの猛者に会う.

OLYMPUS TG-5

Overcast, -7°C, Feels like -11°C, Humidity 78%, Wind 2m/s from ESE

新春恒例,美瑛の丘ライド.夏の朝練でよく行くコースである.
冬は当然,よりハードになる.

まず,昨夜からの雪が積もる家の前を雪かき.
自宅前がこういう状態ということは...はい,住宅街はどこもかしこもフカフカ&ボコボコでした.それでもファットだと楽勝.本当に楽しい乗り物だ.

道道を使って南方面へ.歩道が使えないので危険な車道を走る.ところどころ凍結面が出ているが問題ない.

こういう時の安全対策にはリアライトが重要.メインライトはこれなのだが,

キャットアイ(CAT EYE) セーフティライト [TL-LD570R] リフレックスオート 自動点灯消灯 JIS規格適合リフレクター

暗闇+振動のオートライトなので,昼間はトンネルに入らない限り作動しない.

予備にこのUSB充電式のものを使っている.安いけど小型軽量の優れもの.常時点滅状態.

ziyueセーフティーライト 自転車 usb充電式 高輝度ledテールライト 防水 4点灯モード 夜間走行の視認性をアピール

ただし,この商品,OEMでいろいろなブランド(いわゆる中華)で出ているが,値段と品質はマチマチ.Kazchariも2つ違うブランドで買ったところ一つはすぐに故障した.運やね.

いい感じで水平線が見渡せる場所が出てきたので一旦停止して撮影.まるで南極の様(そうなのか?)

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

踏切を越えて五稜方面へ.だらだらと続くヒルクライム.冬ライドの敵,発汗がすごい.愛用のファイントラックメッシュの撥水作用が低下しているように感じたので,今朝アイロンをかけた.やや機能復活?

ファイントラック(finetrack) スキンメッシュロングスリーブ男性用 FUM0411

マイルドセブンの丘に到着.相変わらず観光客だらけ.タイやら台湾の人からすればこの雪景色最高らしい.

そういや昨夜,レンタカーに乗った香港からの観光客が凍結路面で止まれず踏切に進入.列車と衝突するという事故が釧路であったらしい.そんなん雪が降らない国の人が冬期北海道で運転したらあかんやろ~ それに確か中国人って,国際免許があっても日本で使えないんとちゃうかったっけ?(と,調べてみたら香港人は条件付きでOKでした)

OLYMPUS TG-5

駐車場にて,やっぱりいてはりました! 年越し宗谷岬帰りの相模ナンバーセロー.今年の様子を尋ねてみた.スンゴイ暴風雪だったそうな.

OLYMPUS TG-5

しばし談笑.年越し宗谷は2回目,さらに毎夏にも来ているらしい.その気持ちわかります.自作スパイクタイヤやら,前輪ブレ防止のステアリングダンパーが装着してあって冬装備の工夫が面白い.パッキングがやたら右加重なので,大丈夫?と尋ねたところ,こうしないとサスが十分に沈まず,左側にひっくり返ってしまうらしい.

ライダーさんはライダーさんで,うちのファットくんに興味津々.試乗してもらった.

今回は雪が少ないので快調に飛ばしていたら,時速80kmで転倒したとのこと.ケガはなく無事だったそうだが(生きていれば)こういうのも笑い話になってしまうのがライダーである.
そういえば,先日の旭岳アタックを“軽く死にかけた”という内容でFacebookにアップしたところ,数人から真面目に心配された.ご安心を.チャリダーが“死にかけた”とか“ひどかった”“辛かった”と言うのは“楽しかった”とほぼ同義ですので.

ライダーさんと別れ,なぜか除雪されている冬期通行止め道路へ.観光客へサービス? 最近多い気がする.丁度良い感じで陽が入り,実に美しい風景となる.そやけど撮影のため止まると寒い.特に手がぁ~ 旭岳の再来か! まぁ,丘の上は気温低いからな.

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

次に,これまた除雪済みの森の小道へ.ここも雰囲気が良い.

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

さて,色々と時間を食った.今日はヨメと子供らが大阪から帰ってくる日.空港へのお迎え業務があるので,そろそろ戻らねばと予定のコースを短縮して帰路に就く.

OLYMPUS TG-5

このコース,一番の問題は食事である.コンビニがない.カフェの類は不定期休業,もしくは混んでいる(もしくは,おしゃれ過ぎて入りづらい).
そろそろ消費カロリーが700Kcalを越え,カラータイマーが鳴っている.自宅まで5kmの地点でギブアップ.公園内にあるバス停風の建物で休憩.Mag-onとサーモスに入れたコーヒーで補給.

OLYMPUS TG-5

Mag-on マグオン エナジージェル おためし5味各2個 新味計10個セット

Mag-onは高いのでここで使うのはもったいないが仕方がない.賞味期限も近いし.

残りの距離を激走し,14:00頃帰宅.
冷凍コロッケやら,台所にストックしてあった菓子類を食べて落ち着く.

さぁ,お迎えに行こうか.
そしてさらば,静寂の日々よ...

OLYMPUS TG-5

『バイクパッキングBOOK』を読んだ

バイクパッキング BOOK 軽量バッグシステムが創る新しい自転車旅

軽量バッグシステムによる自転車旅の提案書である.
忘れかけていた何かを思い出させてくれる良書であった.
MTBによるグラベルツーリング(+テント泊)の話題が多く,まさにKazchariの旬の趣向に合致する.

自転車旅と言えば,頑丈だが重量級のクロモリ・チャリの前輪と後輪に,これまた頑丈なサイドラックと帆布バッグを4つ装着して,夏休みに真っ黒になりながら日本各地を旅する,というイメージが強い.

そしてチャリダーのメシの量は半端ない.

本書によると,昔に比べて何よりも装備の軽量・小型化が進んだ.
身軽になったことにより,未知なる場所へ踏み込むハードルがかなり下がった.
このブログで紹介してきたグラベルは基本,車も通れるダブルトラック,農業や林業用道路がほとんど.
著者の意見ではシングルトラック,つまり登山道や獣道のトレイルにこそ旅の醍醐味があるそうな.

Kazchariも元々はオートバイ野宿ライダー.最近,乗る機会がすっかり減ったものの,『HONDA XR250 BAJA』(1996年型)を未だに所有している.

思い起こせば1987年の夏,初の北海道ツーリングはなかなかの苦行であった.
当時はインターネットも,ノウハウを教えてくれる師匠も友人もいない.
せいぜい雑誌(『OUTRIDER』など)をむさぼり読んで装備を整えるぐらいしか事前準備できなかった.

若さは得てして楽観的思考を生む(準備万端にできるほど資金もない).
保温性能が低いわりにかさばる3シーズンシュラフと,雨風にめっぽう弱くデッドスペースだらけのダンロップの黄色い三角テント,EPIストーブとコッヘルのみがキャンプグッズ.
しかもバイクはレーサーレプリカポジションの『HONDA VFR400Z』.
何とかなるだろうと大阪の自宅を出発.

舞鶴からフェリーに乗って,小樽に上陸し北を目指すという定番パターン.
キャンプ最初の夜は背中が痛くて眠れない.
そう,銀マットなどの地面に対するクッション類は持っていなかったからだ.
さらにはライトもないので夜は真っ暗.8月と言えど,北海道の朝は寒くて目が覚めた.

それでも2週間の旅からの帰宅後はすっかり野宿ツーリングに目覚めた.
出会った旅人たちのなんと面白かったことか.
失敗経験からの反省や社会人になったことによる金銭的余裕から装備品も徐々にアップデート.
オフロードバイク『HONDA NX125』も買い足した.

大阪在住時には四国,九州方面.
沼津に住んでいた頃には伊豆半島,信州方面は元より,東北地方まで足を延ばすなど,ほぼ日本中をバイクで周った.

昨今は,スノーピークのアメニティドームを軽自動車(ハスラー)に積んで,家族4人で毎年8月に1泊×2回ほどするファミリーキャンパーである.
これが決してつまらないわけではないが,何かが足りない.

スノーピーク(snow peak) テント アメニティドーム (新品番)

自転車趣味が高じてからは,オートバイではなく,旅するチャリダーが目に付く.
正直に言おう.うらやましいのだ.

しかしながら,よくよく考えてみると,ここ数年は既にバイクパッキングに極めて近いことを既に実践していることに気づいた.
そう,これって600kmのブルベ装備とさほど変わらない.
サドルバッグ,トップチューブバッグ,フロントポーチは既に持っている.
ストーブなどの調理道具もある.軽量テントさえ買い足せば,いつでも旅立てる.

プロモンテ(PuroMonte) 超軽量山岳テント [日本国内生産品]

現在,年末から元旦にかけての,ファットくんによる年越し宗谷岬ツーリングを計画中.

本当に実行するのか?
予断を許さない状況である.