EMONDAなBRM614もっと当丸コースター300(その4)

2025/6/14 Sat

ラスボスは最後に登場する(進次郎構文)

iPhone15 Pro  今シーズンの収穫

曇り.温度:17 ℃,湿度:79%,体感温度:15 ℃,風速:10.6 km/時,風向:SSE

前回はこちら ⇒ EMONDAなBRM614もっと当丸コースター300(その3)

さて,残り約60km.
300kmブルベなので行程の80%を走破したことになる.

通常であれば凱旋パレード気分なのだが,今回は甘かった.
古平から余市までしばらく海岸沿いの平坦.
いくつものトンネルを通過.
ハイスピードで時間と距離を稼ぐ.
まぁ,このあたりまでは平和だった.

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そして地獄は余市から塩谷エリアに入ってから始まる.
断面図だと赤丸のあたり.

それまでのドカンとした山岳のせいで目立たないが,この細かいアップダウンが地味に脚と心を削ってくる.T夫さんの言う通りだった.

終わったと思ったら,また登り返しが延々と続く.
後で聞いたところによると,このエリアだけで1,000m近く登るらしい...

照明がほとんどない山中は陽が落ちると暗闇.
前を照らすのは小さな小さなフロントライト.

午前中のアクシデントによってライト一灯状態.
ゆえに,バッテリが心配で最高照度が使えないのだ.

メガネで視力そのものはカバーできているが,困るのは動体視力の低下.
アスファルトの切り替えなのか,穴ぼこなのか,溝なのか,濡れているのかの判別ができん.
結果ブレーキを多用し,登りで貯めた位置エネルギーを効率よく下りに変換できない.まぁ,慎重に下って悪いことは何もないのだが.

JR「塩谷駅」が見えてきた.
周囲に住宅はあるが,それほど乗降客はなさそう.

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この後もアップダウンを繰り返し,ようやく小樽市街地へ急降下.
これがまた道ボコボコの急坂.
話には聞いていたが怖い怖い.冬場の凍結とかは大丈夫なのだろうか.

信号待ち時,前方にリアライトの赤い光を確認.
しかもチャリ一台なのに複数の灯り.
間違いない.あれはブルベの参加者だ.
朝里峠の途中以来,久々にランドヌールを見た.

信号が青になり,登りが始まったのですぐに追いつく.
挨拶すると,やはりそうだった.

【276.9km地点:PC5 セブンイレブン小樽奥沢店】

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このラストPCで合流.
腹が減った.ちょうど夕食時である.

そのMさん,お話してみてビックリ.
なんと,この(地獄の)『もっと当丸コースター』が初ブルベらしい.
何をトチ狂って(失礼),この超過酷なブルベを選んでしまったのか...
しかも単独参加で,この距離と獲得標高のバランスに何も疑問を抱かなかったらしい.結果「ケツとヒザ」が死んだそうな.

わかります.

思えばKazchariの初300は2018年の『BRM901アタック三国峠300』だった.
これも山岳ブルベという位置づけで,ゴール後は足腰ボロボロ.
獲得標高は2,955mと,今日のに比べればだいぶまとも.

それにしてもMさん,初ブルベにしてはめちゃめちゃいいペース.
聞けば「HANAZONOヒルクラ」やら「NISEKO GRAVEL」にも出てて,さらにはトライアスロンもやってるそうな.
そら速いわ.基礎が違う.

しばし休憩後,約20km先のゴールを目指して出発する.

ここから先は国道5号でひたすら札幌方面へ向かう...わけはない.
PCを出て直後,またしても登りが始まる.

暗闇の小樽の住宅街を走る.
高台と言えば聞こえは良いが,崖のような場所に無理やり建っているような家も多く,夜景こそキレイなものの,これ,どうやって町まで行く?的な道を縫うように走る&登る.

うん? これって既視感が...
一週間前の室蘭,地球岬周辺の道とそっくり.

Flèche Hokkaido 2025~激闘!おだってるJAPAN!(その2)

残り10kmほどでようやく国道へ.
この道も決して平坦ではなくアップダウンを繰り返す.
交通量は多いものの,路肩の幅はしっかり確保されている.
ジャリ浮き怖く,パンクが心配だがなんとか乗り切る.

そして幹線道路を渡ると,ゴールのコンビニがあった.

【301.8km地点:GOAL セブンイレブン札幌曙12条店】

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ここは甘くて冷たいモノが欲しい.
つーことでアイス&伝統のプロテインでキメる.

16時間4分.最終的な獲得標高は4,790mだった.そらしんどいわ.
しばらくすると,後続のMさんも無事到着.

Kazchari「どうすか? ブルベはまりそうですか?」

Mさん「うーん,なんとも言えないです.とりあえず膝が...」と,実に辛そう.

Kaz「いやいや,たぶん辛いのは今だけで,もっと長い距離を走りたくなりますよ~それがブルベ!」と予言.

Mさん「...そうすかねぇ...」.

とは言え,さすがに最初のブルベがこいつだと,もう参加されないかなぁ...と,この時は思っていた.

だが,この話には後日談がある.
STRAVAのフォロー申請した際,Mさんからメール.

Mさん「函館400にエントリーしちゃいました」

Kaz「言った通りになりましたね (^^)」

Mさん「ですね (^^)」

さすがブルベ,中毒性がありすぎて恐ろしい!

で,地元のMさんに,ここから少し離れたスタート地点「前田森林公園」まで案内していただく.
スタッフのT夫さんSさんがクルマで待機.
ゴール手続きをし,2年前の『きのこの山300』以来のキノコ茶を一杯.

BRM610きのこの山300km(その0)

後日発表になった仮リザルトを見ると,トップのR大さんはなんと13時間台でゴール.
このコースレイアウトで,そのタイムはエグ過ぎる.リスペクト.

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落車やパンク,カラダのどこかが猛烈に痛いなどのダメージもなく,圧倒的達成感に包まれる.ただし...眠い.

EMONDAをハスラーに積むなど,もろもろの撤収作業をしていると23時近くになった.
これで今夜の入浴はほぼ絶望.
24時間営業の『たまゆらの杜』など,今から行けないことはないが深夜料金が発生してしまう.

仕方がない.旭川まで帰るか.

こんなこともあろうかと,クルマに常備している「ボディシート」で,汗やら何やらで悪臭をはなつカラダを拭く.

メンズビオレ 顔もふけるボディシート

「森林公園」を出てしばらく走ると『山岡家』を発見.
そして,またしても背徳の「プレミアム豚骨ラーメン」...

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美味し.
そして相変わらずの満席.すごいな.
こりゃ24時間営業でも経営成り立つわけや.

その後,当別からいつもの国道275号に乗るが,鶴沼あたりで眠気のピークがやってきた.
「こりゃマズい」と道の駅で停車.
2時間ほど”仮眠”をとる.これぞ道の駅の正しい使い方.

目が覚めると午前2時半.
自宅へ向け発進.

滝川の道の駅あたりで,後方から猛スピードで迫りくるワゴンR.
こいつはヤバいヤツか,と左に寄って先に行かせる.
そのワゴンR,次の信号が青なのになぜか急ブレーキで停車.

あぁ,こいつはおそらく酔っ払い.
深夜道路は空いているが,こういう連中が闊歩してそうで怖い.

で,なんだかんだで夜が明けてきた.
自宅には4時前に到着.
速攻でシャワーを浴びてベッドへGo.
4時間ほど意識がとぶ...

さて,これにてエグいエグいと評判の『もっと当丸コースター300』は無事終了.
こういうとんがったコースも面白い.
本州ではこのくらいの獲得標高が当たり前と聞くけどな.

つーことで,運営のみなさま,ありがとうございました.

さて,実はこの後は仕事やら他の行事と日程が重なって,ブルベの予定が何も入っていない.
次のチャレンジは『納沙布1200』となる.

参加しない理由なし!~2025北海道1200km納沙布岬

事前にフル装備での長距離試走もしておきたいところやな.

iPhone15 Pro 当丸峠より