やはり面白い『魔改造の夜』~未完の美学

2025/2/14 Fri

大人げないのが至高

2/11,NHKにて『魔改造の夜』が放送された.
今回のお題は「脚立25m走」

地上波で現在もっとも熱い番組.
今回も実に面白かった.

魔改造の夜-NHK

番組史上,最も巨大な”生贄”である.
その動く様を見て爆笑しない者がいるだろうか.

改造ルールの縛りがキツイ.

車輪の取り付けはOKだが,車輪そのものの駆動は禁止.
脚立を寝かせてはならず,ラダーの開脚運動で前進させなくてはならない.

となると方法は二つに絞られる.

足を前後に開閉しての尺取虫方式か,左右に開閉してのスケート方式

前者を採用したのは1社.
懐かしのタミヤ工作セットのような動き.
重いだけに,ラダーを開いた時の衝撃が激しく,テスト中にアルミ製のボディが折れる事案が続出していた.
さらに,前後タイヤの跳ね返りも大きく,推進力をロス.

2社がスケート方式.
開脚装置の取り付け位置が異なる.
直進安定性の勝負になった.

優勝の行方は見てのお楽しみということで.

マイナーだったこの番組も,かなり話題になってきた.
放送翌日には各ニュースサイトでも取り上げられている.
企業が自社のサイトに「参戦記」を掲載する場合もある.
今回は番組制作,つまりNHK側へのインタビューが興味深かった.

企画会議にてプランが提出されると,工学系の専門家に意見を聞き,実現可能かどうかを確認.その後に種目決定・発表するそうな.

「開発期間1ヶ月半は短すぎないか?」との質問に対し,

「あまり長くすると,研究・実験を繰り返されてしまい,最適解が見つかってしまう.そうなると3チームとも似たモノが仕上がってしまう.そうならないためのギリギリのラインが1ヶ月半」

とのこと.

地球上の物理法則は不変なので,時間をかけると誰もが同じアイデアにたどりついてしまう.番組として面白くない.

ニッチな世界でのコモディティ化とも言える.
そうなると,その製品は進化しない.
多くの白物家電やテレビの性能差がほぼなくなった.
今やスマホすら,そうなりつつある.

出演した技術者からは「無難だと面白くない」「挑戦が大事」との発言が散見される.
試行錯誤の結果,未完成のまま,不確実状況での争いの方がドラマが生まれる.

もちろん,実際に商品化して市場に出すとなると,それは困るけど.
ただ,日本のモノづくりの停滞理由が「あまりにも完璧を求めすぎる姿勢」にあるという意見もある.

「スピード&即決が重要.失敗は後から修正すればヨシ」という某国のマインドに席巻されてしまうのは仕方がない...かも(偏見)

さて,個人的にブームが再燃している『アメリカ横断ウルトラクイズ』

「アメリカ横断ウルトラクイズ」の思い出

当時の放送もYouTubeでちょくちょく見かけるようになった.

マジで懐かしい.
コンプライアンス的に公式からの配信やDVD化は難しいだろうしな.

関連書籍も発刊されている.

史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記1980-1989

とあるニュースのコメントで読んだため,真偽不明ではあるが,福留さんが以前,この様なことを言っていたらしい.

「大学のクイズ研究会が参加するようになって,司会者としては一気に冷めてしまった. 知識量はともかく,早押し練習もやって臨んでいるクイズ研究会とそれ以外の参加者ではレベルがあまりにも違いすぎる.初期は社会人参加者が 「これ以上欠勤したら仕事をクビになるかもしれない」 という不安を抱えながらニューヨークまで行っていた.作り手としてはそうした表情が面白かったのに,連中(大学生)にはそれがない」

これもある意味,クイズ番組のコモディティ化なのか.
攻略法,必勝法がわかれば勝負事は面白くない.

『魔改造の夜』もこのまま人気が継続すれば『SASUKE』のように,海外でライセンス番組が制作されるかもしれない.
そうなると,某国あたりが,とんでもない怪物を生み出しそうな気がする.

それはさておき,次回はトイレットペーパーを投げます!(意味不明)