2023/5/18 Thu
深淵.
Kazchariはトイ・コレクターでもある(あった).
元々ヲタクだし,今でも日々アニメを観,ガンプラを作っている.
幼少期からソフビ怪獣に囲まれて育ち,「変身サイボーグ」「ミクロマン」で遊び,スーパーロボアニメは一通り視聴.
「宇宙戦艦ヤマト」の洗礼後,「ファースト(ガンダム)」は小学生の頃,本放送で観た.
その後のガンプラブームでは,模型店に開店前から並んだ.
大学では模型製作サークルに所属.
「ホビージャパン」「モデルグラフィックス」を熟読し,近所の模型店のコンクールに出品した.
社会人になってからは,オートバイツーリングがメインの趣味となり,模型/トイ熱はかなり沈静化.
しかあし,時に1997年.
初代超合金魂「マジンガーZ」が発売.
そのあまりのデキに驚き,即購入.
こいつは当時,わずか3週間で5万個が売れるという,とんでもない大ヒット商品となった.
Kazchariも続く「グレート」や「コンバトラー」「ライディーン」など,好きなロボの超合金は購入したが,まだ“集める”ではなく,“遊ぶ”“飾る”が目的だったように思う.
今みたいに,話題の新製品が予約解禁とともに瞬殺,なんてこともなかったしな.
欲しいものは普通に買えた.それに...安かった.
そして長女が生まれ,自然に玩具店に行く機会が増えた.
ある日,ふらっと入った「トイザらス」にて,偶然見つけたのが「S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーWサイクロンジョーカー」(2010)である.
価格は¥2,000しなかったように思う.
そのかっこよさに目を奪われた.
確かに現代(2023)の目線で見るとプロポーションが細すぎで,関節の処理もヒトというよりロボっぽいし,ディテールや塗装も甘々だが,それでも満足.
”(大人の)小さな宝物”というキャッチフレーズがぴったりだった.
この頃のアーツはなんといっても足首パーツが合金製なのが良い.
重石となり,立てた時の安定感がまるで違う.
何かのスイッチが入ってしまい,そこからは...早かった.
御存知の方も多いと思われるが,「W」はメモリーの組み合わせにより色違い,武装違いのフォームが多数存在する.
そのヴァリエーションも全て購入した.
「プレミアムバンダイ(魂ウェブ)」の存在を知り,ネット限定と言うパワーワードに負けて,対して欲しくないものまで購入.
やがて,他のトイブランド,例えばROBOT魂,SIC,リボルテック,Figmaなどにも手を出し,気がつくと家の中にフィギュアラックが4棚.
それでも収納がいっぱいいっぱい.
家中あちこちに,変なポージングのフィギュアが点在するようになった.
「キリがない」とわかっていてもやめられない.
いわば依存症状態.
とうとう収納場所も飾る場所もなくなり,未開封のまま倉庫や部屋の隅に山積み.
だがしかし.ここ数年,徐々にトイ・コレクションから離れられるようになった.
理由はいくつかある.
1つは価格の高騰.
世界の工場こと中国の経済発展に伴って人件費高騰,それが価格に反映されるようになった.
ここ10年でも3~4倍ほど値上がったのではないか?
2つ目は文字通り”キリがなくなった”こと.
財団BことBANDAIは,ブランドを立ち上げてシリーズ化するのは良いのだが,主要なアイテムを出し尽くすと,“最新技術でリメイク!”という名の下,再スタート,シリーズ化するのだ.
特にドル箱の「ガンダム」「仮面ライダー」のリニューアルは頻繁に行われる.
確かにトイとしての質は上昇.ついでに価格も上昇.
もう集める資金も気力も潰えた.
3つ目は...やはり終活かな.
Kazchariの残り時間はそれほど長くない.
それにオートバイやチャリという,事故リスクが低くない趣味活動も行っている.
この膨大なコレクションを残したまま去っては家族も迷惑だろう.
とまぁ,こじつけも含め,色々な理由をあげているが,「選択と集中」の結果がチャリになった,ということだろう.
ぶっちゃけ,お金の使い先をどこにするか問題ですな.
つーことで,全てではないがコレクションの整理を数年かけて長期計画で実施中.もちろん,ネット・オークションを使ってだ.
当初は未開封品を中心に出品していたが,Kazchariは元々箱や付属品も全て保存しているので,倉庫内で箱を見つけ,展示棚から本体を取り出し,再パッキングし,それを出品する,という作業を繰り返している.
これがまた,結構売れるのだ.
限定品など,二度と入手ができないアイテムはおおむね定価以上.たまにとんでもない価格になる.
「なぜフリマではなく,オークションなのか?」という質問をよくされる.
理由は単純.
人の争いが面白いから.
終了時間直前の入札のせめぎ合い!
まるでコロッセオにて,拳闘士たちのデスマッチを鑑賞する皇帝の気分...うわ,性格悪.
確かに10%の手数料やら,梱包が面倒というデメリットもあるが,商売としての楽しみもある.
転売ヤーではないので,手放す瞬間の寂しさはあるけどな.
最近面白かったのが,とあるアイテムを出品した際の質問.
「背中のB.CHINAの隣にある点のマークはいくつ有りますか?」
なんてディープな質問!
これまでも「塗装の状態を確認したいのでアップの写真を送ってください」といった質問はあったが,ここまでマニアックなのは初めて.
何か意味があるのだろうか? 初版の証とか? 修正版とか?
Google先生に訊いてみたけどわからなかった.
ひょっとして,Kazchariはとんでもないお宝を出品してしまったのだろうか?
まっ,質問にはちゃんと回答したので,それを見た人たちの判断やね.
結果,むっちゃ高騰したり...(とらたぬ)
こんなこともあるから,フリマよりオークションの方が面白い.
いやいや,ディープな世界ですな.
そうして得た利益は,チャリ関連に投資される.
きっとこれがアガリの趣味.