『仮面ライダーBLACK SUN』,最終回まで観た~生きることが好きさ(えっ?)

2022/11/6 SUN

マジメに観たらアカン.

昨夜,文句言いながらも最終回まで視聴した,いや,視聴してしまった『仮面ライダーBLACK SUN』.

仮面ライダーBLACK SUN

これまでも序盤/中盤の感想をブログに書いた.

『仮面ライダーBLACK SUN』の視聴開始~第3話までの感想

『仮面ライダーBLACK SUN』第四話&第五話の感想~怪しげな超能力

行動原理がナゾだらけのキャラ設定.
整合性のない脚本.
そして変な政治思想の押し付け...

既に今後の展開に悪い予感しかなかった.
それでも,クライマックスへの盛り上がりに一縷の望みをかけていたが...

最終回まで観た感想は...大酷評.
これまで観てきた”特撮”でも最低ランク評価.

あまりにも酷い内容で,どうしてこんなクオリティのものが,脚本段階でGoサインが出て,撮影中誰も疑問を呈さす,令和の世の中に公開されてしまたのか全く不思議.予算が少ない? いや,それ以前の問題.

あー『デビルマン』(原作)がやりたかったのね.
あー『ガンダムOO』(一期)がやりたかったのね.
あー『JOKER』がやりたかったのね.

結局一周回って...『愛國戦隊大日本』やん,これ!

右も左もみなゴメン.
真面目に観たらあかんことに気づいた.
そうじゃないと,あまりにも稚拙な主張に愕然とする.

視聴後,ざっとレビューサイトのコメントを眺めた.

肯定派の意見は,

「ブラック・サンとシャドウ・ムーンの造形が良かった」
「昭和ブラックへのオマージュが良い」
「最終回のオープニング最高」

と中身に触れているものはほとんどない.

一方,否定派の主要な意見は,

「イデオロギーを持ち込むな」
「ライダー以外の怪人造形のクオリティがしょぼすぎる」
「暴力革命を肯定するな」

などの至極当然な意見.
もちろんKazchariもこちらに同意.

とは言え,散見される「オレの(思い出の)BLACKが汚された」といった感想まではない.そこまで思い入れはない.
ポリコレ過多だろうが,偏向思想だろうが,面白ければどうでも良い.

まず,政治思想的なところは置いといて,作劇上の疑問点.

戦時中の人体実験で創世王が生み出された...という視聴者側に周知の事実を,さらに登場人物が知って驚くシーンが繰り返される.
これって誰視点?

ゴルゴムビル内でビシュムがルー総理の部下を惨◯するシーン.
扉の向こうで何が起こったのかを見せない.
再び現れる血だらけのビシュム.
えぇ,いいんですよ.
扉の向こうで何が行われたのかは想像つく.よくある演出.
なのに,このドラマ,その後にルー総理がわざわざ◯戮された部下たちを見る場面があるんですよ.
何故その必要がある? 何のための最初の見せない演出?

シャドームーンに敗退したBLACK SUN(つーか,片足で立てない光太郎を蹴り倒しただけ).
いつの間にか仲間になったクジラ怪人に連れられて,海中深く潜り,秘密基地に搬送される(昭和ブラックも同じような展開らしい).
貝に入った謎の液体をかけて治れ~治れ~と謎の処置.

「そんなん,万能薬のヘヴン飲ませたらえーやん」と誰もが思う(後から出てきた).

翌日(?),コウモリやらアオイ,ビルゲニアもこの秘密基地を訪れるが,なんとこいつらは普通に地上から登場.
えー,前回の水中搬送シーンは何?

クジラ怪人が使っても全く効き目がなかった謎の貝エキス.
なぜか,アオイがかけるとBLACK覚醒.
まさかの「その時,不思議なことが起こった」オマージュ? あーるエーッ!

なぜか,アオイは血文字でBLACKの左胸にブラックのサイン.えっ,そこは無限マークじゃないの!?

そう,このドラマ最大の問題キャラは「アオイ」である.

言いたいことは山ほどあるが,なんつっても目の前で母親が◯されて,数日も経たないうちに,◯した本人(ビルゲニア)と和解.
何か欠落してないか,このヒロイン?

まぁ,育ての親,実の親が相次いで◯されても,警察(理解ありそうなキャラもいた)に相談とか,友達と会いたいとかそんなことは一切言わず,ホームレスのおっさんの廃バスに同居するという意味不明な設定なので,今さら感もあるけど.そういや元々は国連でスピーチするような才女だったよな.
もうむちゃくちゃ.

ゴルゴム党ビルでの最終決戦でポーズを付けての変身.
なぜか,浮かび上がる最近のドライバーっぽいデザインのベルト.
かと言って変身体がBLACK SUNのマジ変身の様なライダーっぽいわけではない(意味不明).

生きることが好きなはずの光太郎の”コロシテクレ...”後,数年(?)経過してのラストシーン.

怪人の名を借りた「差別はダメ」がテーマのドラマ(たぶん)だったはずが,ここに来て外国人差別問題をはっきりと打ち出す.
これまでのメタファー演出台無し.

反差別ボードを掲げる小学生(?)の少女が通行人に倒される.
その子を助けるご丁寧にコマンドセーターを着用したアオイ.
なんと,空き地に子供たちを集めて軍事教練中.

そう,なんとこのドラマ,JKがテロリストを養成するシーンで幕を閉じる.

なんじゃそれ.

多様性を認めないヤツらはぶっ◯しても良いらしい.

評判の良い最終回の昭和フル再現のオープニングについても「こういうの見せたら,オマエらうれしいやろ?」的な押し付け感ガンガンで,苦笑しか出なかった.まず内容と歌詞が合わない.
それに本編ではライダー姿でバイクに乗っているシーンがない.
使うなら第一話からこれにすればいいのに.あざとい.

なぜ『シン・ウルトラマン』のオープニングが大好評だったのか,制作スタッフ,わかってるのだろうか.
かつての旧作と今をつなぎ,中身と完璧にリンクしているからだ(これは『マーヴェリック』にも言える).

だから,大きいお友達が”泣く”.

こうなったら庵野カントク『シン・仮面ライダー』に期待したい(大丈夫やろか...).

以上,個人の感想でした.

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