2022/11/3 Thu
本気(マジ)変身.
Amazon Prime Videoにて配信中の『仮面ライダーBLACK SUN』(全10話).
先日,序盤の第三話までの感想を書いた.
『仮面ライダーBLACK SUN』の視聴開始~第3話までの感想
なんともレトロかつ不思議な世界観で,なかなかの好印象スタート.
しかあし,引き続き視聴した第四話,第五話で雲行きが怪しくなってきた.
つーことで,以下感想...もとい酷評.
まずは第四話.
悪い意味で深まるナゾ...つーか,各キャラの行動原理がさっぱりわからなくなってきた.
光太郎の決め台詞「お前がそばにいる限りお前を守る」とかなんとかヒーローっぽいのかどうなのか微妙なセリフで幕だったが,その肝心のアオイ自身が,何故自分が襲われるのかがわかっていない.
その上,無防備・無断でデモに出かけたりと危機感が全くない.
視聴者(Kazchariのみ?)のイライラは増すばかり.
カニ怪人となった父親が石のペンダントを奪いに来だが,結局アオイ本人は何がどうなったのか,わかっていないままである.むしろ知る気もない?
光太郎も光太郎で,無理矢理でもいいから,石が大事なら奪ってでも守るべき...と誰もが思う.
そもそも,これだけ襲われまくってて,何故アオイは怪人びいきなのか?
納得いく描写が今のところ全くない.
「お父さんが差別するなと言っていた」からでは,動機が弱すぎる.
怪人達が暮らす村で生まれたとか,命を救われたとか,本人も知らない何か特別な秘密が隠されているとか...何かないの?
で,その怪人たちの設定.
まず,人間に比べ弱いのか強いのかよくわからん.
ベースになった生物の特殊能力だけが強化され,他は人間と同等?
ヘヴン以外の食べ物も普通に食べている.
よくわからないのが戦闘での描写.
クジラの“ひれ”で,引きちぎられるカニの腹.
軟すぎない?
本体からちぎれても,手(パーツ)は変身したまま?
その後,光太郎の住処であるバスの近くに,その”カニの手”を埋葬するのだが,墓標になぜか無限マーク.
あれ? お父さんて1972年の「五流護六」の一員だっけ?
そう,このドラマは現在と1972年がコロコロ場面転換するのだが,かつらや服装で若作りした同じ役者が演じる場合と,別の役者が演じる場合があって,誰が誰だか脳内補正がかなり必要.
そして続く第五話が大問題.
なんとヒロイン(?)のアオイがカマキリ怪人化!
しかも身勝手な行動の末,ビルゲニアを煽りまくって,その挙げ句の結果である.自業自得にしか思えない.
しかも,無理やり怪人にされたことを対して嘆いているようにも思えない.
極めて冷静.
伝説の「あーオレ,デビルマンになっちゃったよ~」を思い出した.
あっ,そうか!
ずっと怪人の味方サイドだったので,ここで悲しむ姿を見せたら,実は自分が怪人を下に見ているかのように解釈されるからかー(棒).
まさかと思うが,後で「ワタシ,自分が怪人になって,初めてみんなのことがわかった」とかいうマヌケなセリフ言うたりせーへんやろな.
次に三浦友和の息子...ではなくビルゲニア.
前から気になっていたが,なぜかこいつだけ素顔出し.
少し調べてみると『BLACK』に登場したオリジナルが顔出しだったから?
そう,この作品は怪人の造形に統一感がなくバラバラなのだ.
- 怪人っぽく凶悪にアレンジした主役級.
- 普通の服に被り物と手袋だけしたモブ級.
- 顔出しで浮いているビルゲニア
それに怪人は互いを「クジラ」とか「クモ」とかベースになった生物名で呼んでいるのだが,それぞれ1個体ずつしかいないのだろうか?
何より,今いる怪人は手術を受けた結果?
それとも自然発生?
そやけど,反怪人同盟のリーダーは「この家で,怪人同士がセックスして子どもを作っていま~す」とか吠えてたな.どっち?
手術しないと怪人が増えないのであれば,ほっといても絶滅するのでは?
そう,このドラマ.
怪人の設定が何しろガバガバなのだ.
『ワンパンマン』とか『怪人開発部の黒井津さん』の方がずっとこだわっている(かもしれない).
さて,アオイの怪人化を見て,(なぜか)マジ激怒した光太郎.
”てつを”と同じポージングでマジ変身.
俄然ヒーローっぽい造形になったBLACK SUN.
そのデザインはなかなか良い.
明らかにパワーアップしました的な演出はともかく,そこへ至る過程が変.
強敵,ビルゲニアを倒すにはパワーアップが必要.
よって,止むに止まれずヘヴンを口にして...なら多少燃えるが,もちろんそんなシーンはない.
そして西島秀俊,ここに来ても全然カッコよくない.
ブカブカの革ジャン.
生気のない表情.
変身ポーズもなぁ...なにか違う.
自分の足を引きちぎって武器にするところは良いとして,変身解除後は特にダメージなし? あれはアイスラッガー的な何か?
そして,マジ怒りならここでビルゲニアをボコボコにしないと.
そう『クウガ』のジャラジ回のように.
視聴者に「ヒーローなのに,そこまでやるかぁ...」「やめて,ジャラジのHPはもう0よ!」と思わせるぐらいの(正義の)圧倒的暴力...でも仮面の下の雄介は泣いているに違いない...という絶妙な演出.
これくらいは欲しい.
全て監督の指示?
ここは前半のクライマックスだと思うが,緊迫感,爽快感とも全然なかった.ダメダメだ.
場面は遡って1972年.
ユカリ(?)だっけ,70年代風(魔性の)美女に手玉に取られる光太郎と信彦.
びっくりしたのは,お腹に埋め込まれたはずのキングストーンが出し入れ可能ということ.
どうやって?
そして,信彦の緑っぽいモノは現在,孫ルー総理が持っている?
次期創世王の条件として,キングストーンが体内に埋め込まれているものと思っていたが違うのか?
以下,適当な後半の展開予想.
最終回ではシャドウムーンもマジ変身し,怪人代表としてBLACK SUNと戦う(どこかの採石場).そこに,もう一つのブラックストーンでマジ変身したカマキリ怪人ことアオイが参戦して三つ巴の争いに...さしずめ名前は「ブルーアース」とか(ありそう).
まぁ,後半も見ますよ.
クライマックスにかけて面白くなるかもしれんし(『ブレイド』...)
あまりに展開がむちゃくちゃになって来たので脚本家を調べると...
えーっと,なぜこんな『仮面ライダー』に思い入れのなさそうな人物を起用したのか...
つーことで,中盤にして全く期待できなくなってきた.
残りの回も観るつもりだが,もうレビューは書かない(書けない)かも.
以上,個人の感想でした.
つーことで,『アマゾンズ』が昭和の『アマゾン』へのオマージュ(モグラ獣人など)が散見されていたように,この『BLACK SUN』も昭和の『BLACK』がらみのネタが多いのではと思い,Amaプラで配信中の旧作も観始めた.
歌い手の歌唱力はともかく,やはりいいオープニングだ.
何よりオートバイに乗りたくなる.
光太郎も日本人ばなれしたスタイルで歌はともかく台詞回しは悪くない.
脚本もちゃんとしている(まだ3話).
特撮映像技術は時代なりだが,今でも十分鑑賞に耐えうる.
第一話に出てくる伝統の「クモ怪人」.令和verよりずっと不気味.大量に出てくるしな.
一番感心したのは,令和『BLACK SUN』がマジ変身したわけだが,第一段階の襟足がバッタのように伸びたシルエットが,昭和『BLACK』の変身シーンで一瞬映る.
そして第一話の初変身では,その怪人っぽいフォルムで少し動いてる.
あぁ,それで令和『BLACK SUN』はああいうデザインになったのか.だったら...(以下,略)