2023/4/19 Wed
肩透かし
ガチなチャリダーと自称しつつも,Zwift時は「FTP」だの「SST」だの「レース」参加は避け気味のKazchari.
だってなぁ,真剣にレースとかしてたらAmazon Prime Videoに集中でけへんやん.
つーことで,本日も映画を観ながら走る.
今回は『ファイナル・カウントダウン』だぁー!
公開は冷戦真っ只中の1980年.
その国威発揚のためなのか(たぶん)US-NAVY全面協力.
原子力空母ニミッツが主役.
そこから,戦闘機史上最も有名かつ美しい「F-14トムキャット」が発進!
たまらん.
空中給油のサービスカットまである.
「トムキャット」が活躍する映画と言えば,言わずもがなの『トップガン』.
こちらの上映は1986年とだいぶ後になる.
派手な戦闘やトム様,それにノリノリのBGMで誤魔化されるが,単純に戦闘機のPVという意味では『ファイナル・カウントダウン』の方が上(のような気がする).
えーと.ここでレビュー終了でも良いくらいなのだが,SF超大作らしいので一応ストーリーの感想も.
※ 以下,ネタバレ.
80年代のSFやアクション映画はロードショーやTV,レンタルビデオでそのほとんどを鑑賞してきたが,こいつはノーマークだった.
理由は,当時,映画キチの友人が酷評していたため.
曰く「騙された」と.
その感想が頭に強く残り,これまで鑑賞を避けていた.
しかし,昨夜たまたまAmazon Primeの「もうじき配信終了」リストに上がっていたのを発見.
これは最後のチャンスかもとクリック.
感想は...「それほど悪くない.でも(友人の)感想も正解」
”悪くない”理由は,先程述べたトムキャットがひたすらかっこいいから.
だが,ストーリーはダメだ.
いわゆるタイムリープ(スリップ)物である.
1980年,真珠湾沿岸で訓練中の空母ミニッツが,突如謎の嵐に巻き込まれて,なんと1940年12月7日に出現.
つまり”その日”の前日である.
最初は「何が起こったのか」と,とまどう艦長や乗組員.
周辺海域を調査中,アメリカ国旗を掲げた古いタイプだが新しいボートを発見,さらにそのボートが「ゼロ戦」に攻撃されているのを目撃.
出撃したトムキャットが,その戦闘力の差を見せつけ,ゼロ戦を撃墜.
ボートの乗員(上院議員と秘書)を救出,およびゼロのパイロットを捕虜にしたことで,ここが1940年の真珠湾であることを確信.
さらに索敵を続け,真珠湾攻撃に向かう大日本帝国の大艦隊も発見.
歴史を変えてしまうかもしれないことにビビりつつも,アメリカを守るため,これを殲滅すべく,トムキャット,コルセアを発進させるが....
おお,この後,大戦闘か!
数的には日本有利のはず.
さて,40年先の最新兵器は,旧式の大群相手に果たして勝てるか!
...と,この時点で上映時間は残り10分.
そう,その時,不思議なことが起こった.
都合よく”謎の嵐”が再発生.
正に戦闘に入る瞬間,空母ミニッツは元いた時代,つまり1980年に戻ってきたのだ...
そう,この映画に期待した大迫力の戦闘シーンは見事にカット.
何も起きずに終わってしまうのだ.
ようするにあれですか,神様は歴史の改変を嫌ったということですか.そーですか.
いまいちわからんのが,オーウェンス大佐の行動.
元々歴史書を書いている?
1980年には大富豪になっていて(未来の出来事を知っているから),部下のラスキーにニミッツに乗るように指示,過去の自分が現状を理解し,過去に残るよう仕向けた?
そんなそぶりあったっけ?
次期大統領の上院議員チャップマン(民主党)は,史実ではボートで行方不明のはずが,救助され,歴史が変わるかもしれない可能性ができた.
そこで島に置き去り作戦を...うん? おかしい.ラスキーはこのあたりの事情を知らないので,何かをけしかけたような場面はなかったようだが...
チャップマンの死も偶発的だし.
うーん,どう考えてもわかわらん.
いずれにせよ,オーウェンスは40年前に残り,40年後にラスキーに再会.
映画冒頭のオーウェンスとラストの彼は同じ人物(認識)と捉えていいいのか?
何か,このあたりのタイムパラドクスがモヤる.
当時は多元宇宙の思想はなかっただろうしな.
まっ,どこかレビューサイトの解説を読むか.
いや,もうこの辺のSF解釈は,もういいです.
やはり,この映画の最大の肝は最終戦闘回避でしょう.
作劇上の都合という,好意的な解釈もできなくはないが,おそらく一番の理由は予算.
Wikipediaで確認すると,この映画の制作費はたった2000万ドルだ.
最初から大規模戦闘なんて描く気はなかったんやろなぁ.
よく考えれば舞台はほぼ艦内の数カ所のみ.
他は(たぶんホンモノの)甲板,それに海に浮かぶ小型ボートだけ.
低予算臭がぷんぷんするぜ.
宣伝に騙されて,劇場で観た人は激怒するだろう(知らんけど).
それに捕虜となったゼロ戦パイロット.
日本人ではなく韓国人俳優なので,日本語の発音も文法も変.
「要求条件」なんて言葉はありません.
こういうのって,ちゃんとした監修が入らないものなのだろうか.
クリント・イーストウッド監督を見習ってほしい.
ところで,こうした現代兵器が過去の戦争に介入して歴史を変えてしまう,もしくは変えようとする創作物は他にもある.
有名どころ(と言っても日本だけ)では,やはり『戦国自衛隊』は外せない.
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角川映画全盛期の作品.
確か映画館で観た.
こっちはしっかり山場として最終合戦シーンあり.
当初は無双だったものの,補給物資がないため徐々に追い込まれていくソニー千葉.
次々と死んでいく仲間.
しっかりバッドエンドです.
過去とは言え,自国民を殺す内容は...つーことで自衛隊の協力が得られなかったというリアルなエピソードがあったはず.
原作小説の発表は1971年とかなり古い.
同種のアイデアの先駆けではないか?
余談だが,半村良の小説ではビー玉が世界競技化する『ビー』が好きだったなぁ.
もう一つがかわぐちかいじの『ジパング』.
原作で前半は読んだ.
結末は知らんけど『ファイナル・カウントダウン』のように歴史改変を避ける方向には行かない予測がつく.
他に変わり種として『聖戦士ダンバイン』の「東京上空」編も類似作品? 少々強引か.
とまぁ,この映画の公開年からも約40年以上経った.
現代兵器が冷戦時代に乱入したら...という映画が作られてもおかしくないかも...
あっ,『トップガン・マーヴェリック』がそれか!
立場は逆転してるけど.