デジタルデトックス~無料快楽コンテンツの罠

2021/9/15 Wed

ヨメさんに怒られた.

Kazchariのヨメさんもバイカーである.
ただ仕事が忙しいせいで,以前ほど乗れていない.
そのヨメさんが先日,久々にロングツーリング.
Kazchari推薦の幻の道こと「富良野上川線」に行ってきたらしい.

チョボチナイゲートが開かれたっ!~モンキー125で走る幻の道

ツーリングそのものは非常に楽しかったらしいのだが,途中で道に迷ってKazchariに電話してきた.
目安となる建物や,曲がり角を口頭で指示したのだが,ここで不思議に思ったのが,iPhoneを持参しているのにもかかわらず「なぜGoogle先生に訊かないのか?」という点.

帰宅後の会話.

ヨメ「いやぁ,むっちゃ面白かったわ~ 200km以上乗ったので疲れたけどな」

Kaz「インカムあったら音楽聴けて楽しいでぇ.こないだAmaで買った¥3000のでも十分やしな」

ヨメ「ふーん(全く興味なさそう)」

Kaz「あとな,ROADSTOCKっちゅうアプリがあってなぁ.出発する時に立ち上げてたら,走行ルートをずっと記録してくれんねん!(どや!)」

ヨメ「ふーん」

Kaz「そういや,スマホ持っていってんのに,何でナビ検索せーへんの?」

ヨメ「(ドッカーン!)あんな,せっかくデジタル漬けの生活から抜け出すためにバイクに乗ってんのに,スマホやらなんやらに頼らなあかんの!!」

Kaz「...はい.ごもっともです...」

全くヨメさんの言う通りで,XR-BAJAで走り回っていた頃(20年近く前)は,スマホどころか携帯電話すら持っていなかった.
情報収集は事前に読んだ雑誌の記事(OUTRIDER!)か,バイカー間の口コミ.
もちろんナビではなく紙のマップ.
インカムもなく,ヨメさんとの意思疎通は信号待ち時か手信号のみ.
それで何か問題があったか?

なかった.

モンキー125購入によって,バイカーにリターンし,改めてバイク用品を調べるととんでもなく進化.
特にデジタル化が凄まじい.
すっかり,その流れに乗ってしまっているわけだが,一度その便利さを知ってしまうともう戻れない.

チャンネル登録しているYouTubeの岡田斗司夫ゼミ
世相を反映してか,エッセンスだけを編集した短時間バージョンをアップするようになった(切り抜き動画).

恋愛が楽しいのは知っている.けど,つきあう過程・維持がより面倒くさいことも知っている(だから恋愛しない).
働くことが楽しいのは知っている.けど,辛さの方がずっと多いことも知っている(だから働きたくない).

そうか,だからオートバイとか海外旅行が(若者に)流行らなくなったのか...
コスパ至上主義とでも言おうか,こうした考え方が蔓延しているのはやはり感じる.
「苦悩を通して,歓喜に至れ」というベートーベン思想はどこへ...

原因はもちろんインターネッツ.
そこには無料で無限の快楽コンテンツがあふれている.
おやつを食べ続けていればごはんは食べられない.

昔からヲタクはいた.
劇場版アニメのVHSなんて¥15000くらいしてたしな.
生テープ(120分)も1本¥3000とか.
所有感を満たしたりコンテンツを楽しむために金=働く必要があった.

しかし,今ではほぼ無料.
身体的,精神的対価をほぼ支払うことなく満喫することができる.

こうした今の日本の状況をローマ帝国ではなく「アヘン戦争時の中国」とたとえたのが何より秀逸.
格安で快感が手に入る.
つまり今は第二次アヘン戦争中.気をつけろ!攻撃されているっ!

もちろん,対価を払っていないわけではない.
「金銭」ではなく,より貴重な「時間」という財産を我々は目減りさせている.

やはり岡田斗司夫の洞察力はスゴイと思う.
しかも恐ろしいのはこの動画のアップは10年前だったこと.
なんたる先見性.

箱の底に残ったのは「嗜む」というパワーワード.
ここだけは忘れないようにしたい.
そう「快楽無料コンテンツ」に溺れず,生きている今を楽しみたいと思う.

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