『Giro d’Italia 2020 Stage14』の感想と北見出張

2020/10/18 Sun

「さすガンナ」by 土井ちゃん.

『Giro d’Italia 2020 Stage14』は大会2回目の個人TT.
Stage1のような極端なレイアウトではないが,それでも十分変則的.
登って,平坦,登ってゴール.
特に最初の坂は最大斜度19%という,ホンマにTTバイクで登んの?

一方プライベートでは,土曜日に旭川から北見へ出張.
Stage14はホテルのwifiを使っての観戦となった.

3人での出張やったけど”密”をさけるため,個人で夕食をとることにした.
そやけどあれやね,北見市内のホテルに泊まったんやけど,周りの飲食店が焼肉屋だらけ.
ほぼ8割は焼肉屋.
あまり腹が減っていなかったのと,一人焼肉はコスト的にもアレなので,ラーメン屋に入った.
ここが…大ハズレ.
やっぱ,北見名物の肉食えばよかったと反省.

そんなことはさておき個人TT.
大方の予想通り「トップガンナ」の圧勝.
ベタな表現だが正に”異次元の走り”.
もうね,走る姿がマン・マシン一体というか,人力エンジンとして完全に調和しているというか,長い脚がコンロッドのようだとか,アムロのRX-78というか,ヒデヨシのカタナというか,拓海のハチロクというか要するに無敵
誰も勝てる気がしない.
激坂だろうがなんだろうが,500W越えでガン(ナ)ガン(ナ)踏んでいく.
超絶美しい造形のゴールド・ピナレロと完璧な体格と身体パフォーマンス.
もはや走る芸術やな.
本人はヒゲ面にもかかわらずお茶目な弟キャラっぽいが.

他の選手?
うーん,ローハン・デニス”も”がんばりました.
アルメイダ”も”持ちこたえました.
それくらいかな.

Stage1同様,ガンナに全部もっていかれた日.
今年のジロは最終日もTT.
そこまで大会が継続できれば,ガンナ4勝目も確実でしょう.

さて明けて日曜日.
北見での仕事は10時頃には終了.
そこから旭川まで事務の人の運転で帰ってきたのだが,”今日走らへんのやったら,いつ走るねん”的な好天.
紅葉もキレイだ.
急かしたわけではないが,帰宅後は午後からそそくさとライドに出かけた.
詳細は次回.

それしても…自分の運転でも,同乗するにしても…クルマってホンマ退屈.
体感時間が長くて長くて…

当然だが,同じ距離を移動するのであれば,チャリの方が所要時間は圧倒的.
しかし,クルマの運転は基本的にほんのわずかな足首の屈伸運動の繰り返し(しかも片足)だけ.
一方のチャリは全身運動かつ,道路の高低差やら路面状況を常に意識しながら走る必要がある.
ようするにメリハリがある.
まぁ,移動そのものを手段ととらえるか,目的ととらえるかの違いやな.

ブラックサイクリスト的に北見は十分日帰り圏内.
仕事で行くのは御免被るが.

『Giro d’Italia 2020 Stage13』の感想

2020/10/17 Sat

思ってたんのと違う.

『Giro d’Italia 2020 Stage13』はこれまた平坦ステージ…なのだが,後半の4級山岳2連チャンがまさかの波乱を生むとは…
延々と続く山を登り続けるより,たった2つの低い山でこれほどまでに集団が破壊されるとは…

戦前の予想では例によって“サガン向けコース”.
これは冗談ではなく,Stage10のサガンの走りをみると「これは勝つ」と誰もが思っていたはず.
さらにFDJのアシストが「デマールが4勝しただけでチームとしては大成功.マリア・チクラミーノはその結果に過ぎない.別にその獲得にこだわってないヨン(テヘ)」的なコメント.
これで益々,サガンの勝ちと思った時期がKazchariにも(実況や解説者にも)ありました.

「あれは嘘だ」 by メイトリックス

中間スプリント地点でもするするとデマールが上がってきて,しっかりポイントGet.
逃げ集団通過後なので,高得点ではないがサガンにはしっかり差をつけた.

あれ?

さらに,最後の4級山岳を越えてからの必死の追走.

あれ?

どう見ても本気やん.

さて,レースの方は山岳での「BORAスプリンター引き離し作戦」が不発.
肝心のサガンがついて来れない.
平坦ステージにも関わらず総合勢の争いになってしまった.

優勝はUAEのウリッシ.
2勝目.
ニバリを抜いてジロ8勝目らしい.
VIVA L’ITALIA!

驚きは2位のアルメイダ.
すぐにマリア・ローザを手放すのではないかと言われ続けいたが,依然着用中.
今回もボーナスタイムGet!

今回のジロはバランスが悪いというか,エゲツない山岳が3週目に詰め込まれている.
さすがにそこでアルメイダは失速すると言われてはいるが,

(1)コロナでいつ大会そのものが中止になるかわからない.
(2)三週目の難関山岳も,天候のおかげでキャンセルもしくは短縮される可能性が大.
(3)明日の個人TTでアルメイダがさらにタイムを稼ぐ可能性もある.

ツールに続き,新人の総合優勝者誕生か?
(1)や(2)だと,本人不本意かもしれないけど.

『Giro d’Italia 2020 Stage12』の感想

2020/10/16 Fri

レインウェアはいつ着ますか?

『Giro d’Italia 2020 Stage12』パンターニの生まれ故郷,チェゼナテイコを出発し,丘陵コースをぐるっとまわって,同地点に戻るという204kmのコース.
この辺りに在住するライダーの“日々の散歩”に使われてそうなルート.
とはいえ,獲得標高3840mは剛脚オンリー.
Kazchariの家からは旭岳⇒十勝岳⇒美瑛の丘をつなげて走ったらそんなもんか.しんどいわ.
山中の道は細くて割れも目立つ.
その風景も含めなんとなく北海道の田舎道っぽい.

ほぼ同じコースを走る「グランフォンド・ノヴェコッリ」という大会が毎年開催されているらしい.
将来,走ってみた...いような,みたくないような...
エントリー開始数分で締め切られるような人気イベントとのこと.

丘陵と言えば“サガン向けコース”
デマールとのポイント差を詰めるにはうってつけなのだが,今日は“逃げ”にのらず.
さすがのサガンも勝負を避けるキツさかも.

コースプロフィールのせいだけではなく,むしろ天候の悪化によって超過酷なレースとなった.
雨+風+低温.
スタート時から多くの選手がアームウォーマー,山間部に入ってからはレインジャケットもしくはジレを着用.
ゼッケンが見えなくなくなるため,実況者&視聴者泣かせである.
そろそろ走っている選手に,リアルタイムでゼッケン番号が浮かび上がるシステムが開発されないものだろうか(もちろんon-off可で).

寒さのため手を振りながら走る選手たち.
消耗戦の中,優勝したのはINEOSのナルバエス
見事な逃げ切り優勝.
ゴールライン直前ではジレのジッパーを“下げて”「グレナディア」の宣伝も忘れない.

残り数キロまで一緒に逃げていたバーレーンのパデュンが,メカトラで遅れなかったら,やばかったかもしれんが(手嶋先輩みたいに待たないのね).
とはいえ,さすが全員がエースのINEOS.
優勝こそガンナ2勝とこのステージだけだが,メンバーそれぞれが良い順位につけている.
総合狙いをやめると,やはり個人の強さが際立ちますな.
そんなINEOS仕様のDOGMA-F12,土井ちゃん見積もりでは220諭吉らしい.欲しい!
高いが安い!(いや落ち着け)

このナルバエスも若い.
最近続く若い選手の台頭理由はいろいろあるが,土井ちゃんが懸念しているのが使い捨てにならないかということ.
昔はいくら調子が良くても,今後に備えて途中でストップさせることもあったらしい.
「若いからイケイケドンドン」ではまるでブラック企業.
ベルナルポガチャルが今後いつまで活躍できるかが一つの指針になるのだろうか.

土井ちゃん解説回では機材紹介の割合が多くなる.

メカトラ時のバイク交換で,選手やメカニックが無造作にバイクを横倒しするのにハラハラ.
もちろんフレームへのダメージも心配だが,ディスクローターディレーラーの歪み,そしてサドル破損...
いくらイラ立っていたり,焦っているとは言え,投げ捨てるのは論外(ピノ…).
その点,フルームは丁寧に扱うよな.こういう所で好感度アップ.

機材と言えばウェアも機材.
すっかり別人のようになったウイギンスも「レインウェアの選択が勝利を分ける」というようなコメント.
土井ちゃん補足.
やはり空気抵抗を考え,身体にフィットかつゴアテックスが良いとのこと.
ナルバエスのウェアをやたら褒めてたけど,あれってジレやんなぁ.
ちゃんと袖まで覆ってピタッとした物を作っているメーカーってどこやろ?

レインギアの選定はブルベ民の永遠の課題.
ちなみにKazchariは自転車業界のユニクロこと,dhb製を愛用.

dhb – Aeron Storm FLT 防水ジャケット

悪くはないが,長時間雨にさらされると,さすがに雨の染み込みと汗のムレがひどくなる.
お金があったら(&セールにのっかったら)これが欲しい.

Gore Wear – C7 Windstopper Pro ジャケット

16000諭吉越えなので関税かかるやん.
これまた高いが安い!

ブルベ界隈ではこのmontbel製が“雨天時の制服”として認識されている.

モンベル サイクルレインジャケット

こいつも高いが安い!
今年はブルベがなかったので雨天走行をほとんどしなかった.
来シーズンはレインウェアにお世話になる機会も増えるだろう.いや,増えてほしい.

実況の木下さん,時折ヲタクっぽいネタを土井ちゃんに降るが,結構スルーされている.めげないで続けて下さい.

『Giro d’Italia 2020 Stage11』の感想

2020/10/15 Thu

NIKENってこけるんや.

『Giro d’Italia 2020 Stage11』は町から町への海岸沿い移動ステージ182km.

平坦=難易度カテゴリー1に毎回騙されるジロだが,逃げと集団がずっと同じタイム差で進行し,残り10km付近で捕まえ,各チームのスプリンターガチンコ勝負という,今大会にしては珍しい“普通の”ステージ.

優勝はまたしてもデマール
4勝目である.
ゴール直前,デマールを追うサガンは前の選手を避けるために一瞬でコース変更.
その動きにほれぼれするが,もしその時,後方から誰かが来てたら,また斜行失格になったかもしれんかったなぁ.

それにしてもデマール強い.強すぎる.
FDJのトレインも完璧.
クイックステップのそれを彷彿とさせるが,Sベネとやりあってもデマールが勝ちそうな気がする.ユアンですら負けそう.
絶好調時のキッテルグライペルカベンディッシュと戦わせたいものだ.
近い将来,過去の選手のデータを入力してヴァーチャルで勝負させることが可能に...って『パワプロ』か!(売れなさそう)

平坦よりの丘陵ステージでサガンがポイント稼ぐ⇒ド平坦でデマール勝って取り戻すの繰り返しになる?
ド平坦の方が獲得ポイントが大きいので,やはりデマール有利か.

このStage,個人的に最大の注目点はズバリYAMAHAのNIKEN!
なんと,コフィディスのビビアーニがロータリーのコーナーで,大会モーターサイクル,NIKENに後方からぶつけられて転倒してしまう.

今大会,スプリンターとして全く精彩を欠くビビアーニ.まさかモーターバイク事故にまで遭うとは...
カメラが映した事故直後の現場では,NIKENまで横倒しになっていた.

NIKENは3輪.
コーナーの安定性抜群.
キャッチコピーに「雨でも膝スリできる」とある.
ちなみにNIKEN=二剣が由来らしい.

去年のジロから見かけるようになった.
プロサイクリストであっても山岳では時速20km/h以下に落ちることもある.
曲がりくねった急坂を,低速でモーターサイクルを操るのはなかなか難しい.
NIKENはこういった場面で重宝されているようだ.

サイドカーと異なり,通常の2輪同様にリーンして曲がる仕組みなのだが,一見,絶対にこけなさそうに見える.
しかし,あらためて実車を見てみると,きっちりサイドスタンドも装着されている.

そうか,自立しないんやこいつ.

試乗経験者からは「足つき性が悪い(身長180cmでつま先立ちとか)ので立ちごけしそう」という声もある.

つまりこけなさそうに見えるけど,実はこけるのがNIKEN.

国際放送で転倒場面を世界中に発信されてしまったYAMAHAさん,Kazchariのように勝手に誤解していた一般人に「こけないとは言ってない」とか言ってそう.

このStage11はイタリアの超級クライマー,マルコ・パンターニの実家と終焉の地を通る.
パンターニについてコメントを求められた別府さん,あまり詳しくないといいつつ,失格処分となってしまったドーピング疑惑(ヘマトクリット値異常)について言及していた.
毎回そうなのだが,レース実況で過去のドーピング問題が話題になると,解説者がお茶を濁すのがお約束.

ドーピングと言えば,幻のツール7連勝,ランス・アームストロング.
一時代を築いた彼の姿を見て,ロードレースファンになった,競技を始めた,TREKを買った人が何万人もいたと推測する.
ランスの話題になった時も,たいていうやむやのまま終わる.
誰もがロードレースの黒歴史についてあまり語りたがらない.
「ドーピングはしていたと思ってたけど,その走りに感動した俺たちの気持ちに嘘はない」という心理状態なのだろうなと思う.

Kazchariは2013年からツール他を観ているので,特別な感慨はない.
チャリ素人ながらランスの名前は知っていたし,著書『ただマイヨジョーヌのためでなく』も読んだ.
告白後も書籍『偽りのサイクル』『シークレット・レース』を読み,映画『疑惑のチャンピオン』も観た.

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫)

偽りのサイクル 堕ちた英雄ランス・アームストロング (日本語) 単行本

シークレット・レース (小学館文庫) (日本語) 文庫

2009年の復帰さえなければ,そのまま伝説の名選手で今も堂々と話題にされていたのだろうか.
最近,この映画がAmazon Prime Videoにアップされていた.

ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実

トップライダーと呼ばれていた選手はほぼ全員が有罪.
そしてUCIもグル.

そして,ランスが嘘を告白してからまだ10年も経っていない.

『Giro d’Italia 2020 Stage10』の感想

2020/10/14 Wed

これぞスーパースター.

『Giro d’Italia 2020 Stage10』は今大会で一番面白かった.

なんとなく重苦しい雰囲気のまま経過してしまった第一週.
優勝候補であるの早々のリタイアが,総合勢の動きを保守的にしてしまった.
「TTで逆転されることがないなら,第三週の山まで勝負は待てばよい」的な思考がプロトンを支配してるような,してないような...

一方,“走りながらの休息日”になることが多い平坦ステージが超高速になるなど,予想外の展開も見られたりした.

そんな休息日明けのStage10では,出走前にとんでもないニュースが伝えられた.
総合優勝候補のクライスヴァイク,もう一人の“登れるスプリンター”ことマイケル・マシューズがともに新コロ感染でDNS
さらにはスタッフに感染者が出たチームもあり,結局,ユンボミッチェルトンがチームごとレースを去ることになった.

ある選手がSNSで曝露していたように,ツールに比べてジロの感染予防対策は不十分で,同じホテルに複数チームが泊まり,さらには朝食のビュッフェも一般客と同席など,感染しない方が不思議な状況らしい.
この適当さかげんが,イタリアらしいと言えばらしいのだが...

それでも,約140名がStage10をスタートした.
見るからに選手が減ったプロトン.
逃げの打ち合いがしばらく続くが,様相が変わったのは,超強力なガンナサガンが抜け出してからである.
数名が二人を追いかけて6人ほどの逃げメンバーが構成された.

徐々にタイム差が広がり,あわてる集団.
中でもポイント賞争いがかかるFDJのデマールはサガンを行かせたくない.
今日のステージでの逆転はないものの,優勝されてしまうと差が一気に縮まってしまう.
ゆえにデマール本人も先頭に立ち,FDJ総出で集団を引きまくる.
休日明けで休みたい総合勢チームの恨みの声が聞こえてきそう.
「これも全てサガンってヤツのせいなんだ...」

逃げ集団もローテーションが上手く回り,集団との差が縮まらない.
やはりサガンへのリスペクトがあるためだろうか?
中間スプリントポイントも誰にも邪魔されず,サガンがなんなくGet.

猛追していたFDJ,追走を諦める.
ほっとする集団.
補給やトイレタイムなど,ほんわかした雰囲気が流れる.
この後,逃げグループとは4分以上のタイム差が生まれる.

レースは後半のギザギザ部分に突入.
後半には20%近い激坂区間があるが,日本にあるような住宅街にポンと現れるタイプ.
そこをサガンが遅れることなくこなしていく.
”登れるスプリンター”の面目躍如である.
このあたり,クラシックレースの走りの様.

「サガンはもうダメだのなんだの」と,ツール以降,このブログでも悲観的な見方をしていたが…すいません反省します.
スターとは何かを忘れていました.
トレインを活用した集団スプリントではなく,個人戦で勝つのが実にサガンらしい.
YouTubeでの歴代レース紹介サイトで,一時期なんでもかんでも“サガン向けコース”と表示するネタが流行ったが,今日は正に大当たり.

やはりアマデウス=「神に愛される人間」はいるのだと思わざるをえない.
アルカンシェルジャージ(エリと袖口だけやけど)を着た男がゴールに近づくと,雨が一時的に止み,空に虹がかかる.
陽の光に照らされながら,ゆっくり落ち着いて両手を広げる.

もうこれ以上のカッコよさはない.

『Giro d’Italia 2020 Stage9』の感想

2020/10/12 Mon

週末は盛り上がると思いきや...

『Giro d’Italia 2020 Stage9』で第一週終了.
休息日前は総合がシャッフルされるハードなコースが用意されることが多い.
今回は<strongほぼ階段状に登りまくるステージである.
前日の選手インタビューからも口々に「明日は大変だ」との声あり.

当然,一視聴者であるKazchariも「今日は総合動くでぇ.最後の登りフィニッシュで大混戦や.その中からとんでもないスピードで駆け上がるスーパーシーンが見られるでぇ」と思っていた時期がありました.

しかし...
何やろ?
今年のジロはどうなってる?
新コロのせいでレーススケジュールが詰まる,もしくはかぶり,エースライダーがあちこちに分散.
ジロでもダブルツール選手が少なめ.
22,3歳の若手ライダーが活躍していると言われればそうなのだが,レースの動きが全体的に保守的
そう,天候に恵まれていないこともあるが,”地味”なのだ.
「おっ!」とか「来た!来たぁ!」と思わず叫んでしまう場面がほとんどない.
Gイエーツが残っていたら,今日のステージも盛り上がってたかもなぁ...

さてStage9,出発時は雨.
途中で晴れ間も見えたが,最後の山頂では余裕で10℃以下(一節には2℃まで下がった).
数人の逃げが決まり,最後のそのままEFのゲネーロが,イネオスのカストロビエホをゴール前スプリントでちぎって優勝.

このゲネーロについては,逃げメンバで一緒だったAG2Rの選手から「あいつ全然引かんと足休めてたわ.クソや」みたいなコメントがあり,後味も悪い.

総合勢も極端な順位の変動もなく,クイックステップのアルメイダマリア・ローザのまま.

あまりの寒さの雨レース
あまりの動きのなさに観ている方は...

とは言え,レースは残りまだ2週間ある.
最高潮に面白かった2018年の呪縛から逃れられるか.

【その他のネタ】

今日の放送はMCのぞみ(?)さんの実況と別府始さんが解説.
やはりDAZNから流れてきたか.
天候のせいか電波が悪くライブ映像も音声も途切れがち.

知らなかったのだが,Stgae8で優勝したドーセット,なんと血友病患者らしい.
なぜか放送中,誰も言及しない.

EFの例のジャージ.
ネット販売で瞬殺だったようだ.
早速,ネットオークションに多数出品.
高値で取引されている.
日本もそうやけど転売ヤー,働くなぁ.
Kazchari的にあのデザインは...だが.

では,どこが好みか?
NTTはキレイやな.今年限りで見納めやろうけど.

『Giro d’Italia 2020 Stage8』の感想

2020/10/11 Sun

最後まで走れるのだろうか?

『Giro d’Italia 2020 Stage8』も連日の”一応”スプリンターStgae.
ただし大混乱のStage7と違っていたって平和.
翌日のStage9がエグい山岳なので「走りながらの休息日」といった様子.

早々に決まった6人の逃げ.
200km走っての優勝者はイスラエルスタートアップネーションのドーセット
すいません,全くKazchariの記憶にない名前でした.

経歴はなかなかの苦労人.
スカイでキャリアスタートでモビスタカチューシャ,そしてイスラエル
で,現在来年の契約は白紙.
こういう人には勝ってほしいね.
見た目けっこう人の好いおじさん...いやいぶし銀系
判官びいきと言うヤツか.

一方で,逃げメンバーに入ったプッチョ
こちらはこちらでイネオスのアシストゆえ,テレビ露出時間はやたらに長いプッチョだが,なんとプロでは勝ったことがない.
正にプロ・アシスト.
こういう人にも勝ってほしいね.

それでもロードレースの走者は一名.
残り18kmから独走態勢に入ったTTスペシャリストのドーセットが,追走の3人を振り切った.
契約もらえるだろうか?

それにしても,イスラエルバーレーンUAEのチームが同時に走っているのも興味深い.
最近のアラブ問題の雪解けを表しているよう.
まぁ,湾岸諸国も一枚岩ではないけど.
高給取りのフルームの話はなぜかでなかった.

12分遅れののんびりメイン集団.
デマールサガンの争いはなし.
一週目お疲れ様でした.明日のタイムアウトに気をつけて.

さて,レースそのものより衝撃的だったのがサイモン・イエーツ新コロ陽性
調子が悪そうだったのはバッドデイとかではなく症状のせいか.
ツールではなかった選手の感染.
ロードレースと言えば,集団という屋外ではあるもののマスクなしの超過密状態に4,5時間置かれる競技.
現在,他に陽性者はいないようだが,そのうち...
これ,マジで大会中止の可能性が出てきた.

近々ローマもロックダウンになるとか.
マドリッドもすでにやばい.
てことはブエルタは?

大会中止になった時点でマリア・ローザを着ているものが優勝者らしいけど,それって誰得?
当人もうれしくないやろな.

『Giro d’Italia 2020 Stage7』の感想

2020/10/10 Sat

トラブルだらけ.

『Giro d’Italia 2020 Stage7』は“イタリア半島ブーツ”のかかと部分を走る,昨日よりさらに平坦なステージ.
しかも143kmとショート.
風が強い地域という前情報はあるものの,ゴール前だけが忙しい“のんびり”ステージになるはずが...なんてこった.

RPGのような断崖絶壁都市を抜けるとアクチュアルスタート.
カメラマンかスイッチャーが空撮に夢中で,肝心のスタート場面が映らないのもご愛敬.

すぐに4人の逃げが決まったかに思えたが,10kmほど進んだオープンエアの直線コースにて,並んでいたクイックステップユンボがお互いをチラ見.
そして...その瞬間,用意ドン!てな感じで加速!
横風分断作戦のスタートである.
ここから今日のステージは超ハイスピードバトルとなった.
最初の2時間でAve.50km/h!
速攻ちぎれる自信がある.

あっと言う間に集団バラバラ.
ただし,前集団にスプリンターや総合有力選手がほぼ含まれてしまい,作戦不発.
いまいち理解できないのだが,今の段階でここまで分断作戦を決行する意味ってあるのだろうか?
Stage1のような暴風でもなかったし.

案の定,しばらくすると後方集団も追いつきレースはリスタート.

一方,街中やなんでもない直線でも転倒相次ぐ.
そのたびにチームカーやらアシスト選手がおおわらわで,全く落ち着かないステージ.

それでも,ゴールに近づくにつれ,やっと平坦ステージらしいシチュエーションへ.

それにしてもいつも期待されるビビアーニマシューズ.
でも勝てない.
そう,あのトリコロールジャージの男が強すぎるのだ.

街中のいくつかの直角カーブをクリアし,やはり圧勝したのはデマール.
7ステージで3勝! どんな勝率!
デマールのすぐ後ろで首を振る,またしても2位のサガン.真っ向勝負でも勝てないのか...

放送中に「パリ・ルーベ中止」の速報!
ヨーロッパでは新コロ感染者大増加中!
このままだとジロもやばいのでは?

新コロに加え北イタリアでは天気も心配.
間違いなく雪降ってそう.
ツールと違って,ジロはルーティングが難しいというか単調になりがち(基本,北上ルート).
今年は季節的に北から南下の逆ルートでも良かったのでは?
変わらんかな?

『Giro d’Italia 2020 Stage6』の感想

2020/10/9 Fri

「ふふ,これなら必ず勝てる!」by おぼっちゃん

『Giro d’Italia 2020 Stage6』は,“イタリア半島ブーツ”の土踏まず部分を走る平坦ステージ.
下り基調と思いきや,後半じわじわ登る
しかも街中グネグネゴール.
そこに至るまでの位置取りが重要.

見どころは残り30kmくらいから(つまりそこまでは...).
逃げの4人が吸収され,キレイに整備された広い高速道路を集団が駆け上がっていく.
BORAのいつもの「ピュアスプリンター追い落とし作戦」が発動するかしないのか,微妙な駆け引きが続く.

向かうはマテーラという洞窟住居が有名な世界遺産の街.
あれ? どこかで見たなと.
これって,『崖の上に街があった』に出てきたとこやん.

『崖の上に街があった』を観た

確かに掛け値なしの絶景
位置取りの緊迫場面にもかかわらず,ヘリの空撮映像もいつもより多め.
「えーい,ガンダムを映せ!ガンダムを」的な.

さて,その位置取り合戦.
「トップガンナ」「深海魚マルティン」の強力な引きから街中に入り混戦状態へ.
いくつかの急なカーブを曲がり,残り750m付近でサガンは3番手という絶好のポジション.
ここで世界的スーパースターに向けるにはいささか不遜だが,「これで勝てねば貴様は無能だ」というセリフが頭に浮かんだ.

実はBORAは中間スプリントでもやらかしている.
逃げ4人通過後のポイント争い.
集団から飛び出したデマールが先頭通過.
本来ならBORAアシストのボドナルは,足を緩めてサガンを先に通過させないといけないのだが,勢いに乗りすぎてデマールの次に通過
結果,デマールとサガンのポイント差が縮まってしまった.
ゲート通過後,二人はしばらく並走して話し込んでいたけど,やはりサガン“激おこ”だったのだろうか?
いわゆるチームワークの乱れがここで感じられた.

さて,ゴール前に話は戻る.
最後のカーブを越えた後,何故かスピードを緩めるサガン.
後方から外のスプリンターがわさわさと上がってくる.
アシストを待っていたのか?

いずれにせよ,その中にデマールがいた.
他チームの選手を利用し自ら発射,そのまま単独ぶっちぎりで優勝.

なんでこうなったぁ~

あくまで印象だが,昨年までのサガンは,アシストを使わず個の力で勝つことが多かった気がする.
もちろん,いいポジションに運んでもらう必要があるので,アシスト不要とは言わないが,ゴール直前では自分が先行し他チームの選手を上手く利用して勝利する,そう正に今回のデマールの様な勝ち方が多かったのではないだろうか?

アシストの力に頼りすぎている?
これってツールでSベネに負け続けたのと同じパターンでは?
中間スプリントでのやらかしでもそうやけど,サガンにチームプレイは合わないのかもしれん.

その他話題.

【マリア・ローザ,ムチウチ?】

無線機の不具合で路肩に停車したクイックステップのアルメイダ
後方からUAEの選手に追突される.
画面でも,交通事故でオカマ掘られた時のような頸部の急な伸展が確認できる.
ムチウチなどは大丈夫だろうか?
現在,謎の頸コリに悩ませ続けられているKazchari,人ごとながら心配.
ムチウチとかになったらチャリなんて乗ってられへんで.

【ヘリの低空飛行事故について】

例のフェンス吹っ飛び事件による落車.
選手やスタッフからかなり抗議が上がっているよう.
ある選手は「テレビ中継の方が命より大事なのか」と発言している.

これまでも中継車両との接触事故はたびたびあったが,主催者は全然調査しないし,したとしてもロクな報告がないらしい.
つまり再発予防のための建設的な対応ができていない.

特に今年はシーズン再開以降,事故が起こりすぎ.
病院から「元気ですよ~」とか「もう自転車乗ってますよ~」みたいな映像・記事が届くが,これは異常事態.
それがあたり前の時点で「これがプロのスポーツなのか?」という疑問が出てくるのは当然.
元々,ほぼ裸同然で未整備の道路を下り100kmで走るありえない娯楽.
300km以上で走るものの,基本クローズドなサーキットで丈夫なヘルメットや脊椎パッドなど,安全面を最重視しているモーターバイクの選手が「(ロードレースなんて)よくこんなクレイジーなことできるな」とあきれていると聞く.

確かに非日常的なスリルは視聴者の興味を引く(=視聴率)には欠かせないものだが,現状,ちょっと来るところまで来てしまっている業界なのかも.

『Giro d’Italia 2020 Stage5』の感想

2020/10/8 Thu

新しいGCライダーの誕生?

シチリア島からイタリア本土に渡った初日.
225kmの長いレース.

いつものGCNレースパス,19:25放送開始...のはずが,しばらく日本語音声が聞こえない.
まさかの日本語無し?
確かに実況・解説の人手不足は否めない.
今日は完全休息日?

と,あきらめてしばらく英語verを聴いていた.
このブログはレース展開を追うよりも,解説陣の話す小ネタを拾うことが多いので,正直,日本語放送がないと困る.
英語でも何か面白いこと言ってないかと集中するが...ヒアリング落ちたなぁ...

20時過ぎ,念のため日本語設定を再確認すると,ちゃんと土井ちゃんとオバタさんの声が聞こえてきた.
ただの音声トラブルだったようだ.ほっ.

さて,レースの方.
いわゆる丘陵ステージ+最後に一級+下りゴールのレイアウト.
逃げ切りが決まるか決まらないか判断が難しい.

視聴開始時は8名の逃げができていた.
なんとイネオスからは2名
プッチョ&ガンナ.何かのコメディ映画のタイトルのよう.
これはあれか,エースを失ったツールのカラパス&カワサキの再現か!

メイン集団4分ほどの時間差でレースは進む.
ようやく最後の一級山岳に向けて動きが出てきた.
集団からデヘント先生が飛び出して逃げ集団にブリッジ.これはステージ狙ってきたか.
逃げ集団も遅れるメンバやローテーションが崩壊.
そして,「トップガンナ」がアタック!
山頂を1位通過,そのままダウンヒルして逃げ切りゴール.
いやすごいわ.
190cmを越える体格で山をガシガシ登っている.

確かに土井ちゃんが言う通り,Stgae1のTTで魅せた美しいフォームやペダリングは乱れていたが,そりゃそうだ.220km以上走れば誰でもそうなるわな.
身長はともかくもう少し減量すれば,デュムラン(大)のようにTTからGCライダーにジョブチェンジ?

ちなみにガンナのホイールは(普通の)デュラ.一緒に逃げていたプッチョは(セレブ御用達の)ライトウエイト
機材業界的にはまずい展開.

機材の話と言えば,CANYONの新型エアロロードが話題に上がっていた.
外見デザインはオーソドックスで新奇さはないが,ステム一体+アームが外れる変則分割型.
輪行しやすいというのがウリだが,そこまで需要あるのだろうか?

そこで,最近流行の一体型ハンドルについて土井ちゃんの意見.
結論としては薦めないそうだ.
理由,剛性が高すぎて疲れるからだそう.
さらにフレームまで高剛性のハイエンドモデルだと,翌日の仕事にまで影響が出るレベル.
むしろワンランク下の中級モデルの方が良いとのこと.

ちなみにこの動画シリーズ,最近お気に入り.
去年の世界チャンピオン,ペデルセンは分割型が好みらしい.

元プロが言うと説得力あるなぁ...
他にも日本において顕著らしいが,「良い機材に乗っている=エライ(速い)」という変なマウント取りがあって,これが転じ「速くなければ良い機材がもったいない,かわいそう」「遅い癖にハイエンドに乗るな」みたいな思考の持ち主が多いみたいな話をしていた.
これ,ちょっと前にYouTubeでも話題になってたなぁ.

Kazchariは金を出す,そのオーナーの自由で良いと思うけどな.
所詮趣味やし.
写真趣味というかカメラ機材趣味も似たような傾向がある.
他人への,および他人からの評価を気にしだすとおかしなことになる.

何を所有しているかより,その道具でどういう体験をし,いかに自己満足できたかが重要.
もちろん「こんな超高性能のハイエンドモデルに乗っているオレ,かっちょいい」という厨中二病思考もありでしょう.

ちなみにKazchariの「TREK DOMANE SLR7」は2016年当時の(ほぼ)ハイエンドモデル.
前後のISO SPEED機構のおかげでロングライドも超快適.

それでも,ハンドル一体,フレーム高剛性のいわゆる”固い”バイクにも乗ってみたいなぁ.
以前,MADONEで500mくらい試乗したことがあるが,それじゃわからんな.

というわけで,次期主力機はたぶんハンドル一体型の高剛性フレーム(+ディスクブレーキ)
そうなるとやっぱりアレかなぁ...
とりあえず株価,崩壊するなよ.